痛すぎて耐えられない~! 乳腺炎や傷など母乳育児のバストトラブルを解消するには?

 専門家監修
公開日:2019/09/27
痛すぎて耐えられない~! 乳腺炎や傷など母乳育児のバストトラブルを解消するには?
監修
米山万里枝先生
東京医療保健大学大学院医療保健学研究科 教授
監修
岡本登美子先生
ウパウパハウス岡本助産院院長

赤ちゃんが飲む量や回数なども気になるところだけど、母乳育児ではママのバストトラブルも大きな問題。そこで、バストケアの仕方や乳腺炎など気になることを、ドクターに教えていただきました。

「乳腺炎」「乳首の傷」の大きな原因は飲ませるタイミングや飲ませ方

母乳育児のバストトラブルの双璧は、乳腺炎と乳首の傷。「産後すぐは分泌量が少なくてミルクを足したら今度はおっぱいが張って乳腺炎に」「乳首が扁平で、飲みにくいようで切れてしまった」などのケースが目立ちます。

母乳は飲ませるほどに作られるので、初めは出が悪くてもあきらめずに吸わせましょう。乳首ののびをよくするマッサージや、授乳時の抱き方、乳首のふくませ方を工夫することでトラブルは回避できます。 

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陥没、扁平、短い……。飲みにくい乳首は「のび」をよくするのがポイント

陥没や扁平、乳首が短い場合は、乳頭保護器を使うと乳首が立ち上がってきてそのうち直接飲めるようになることも。形に問題があっても乳首の「のび」がいいと赤ちゃんは吸いやすくなります。どんな場合も、乳輪までしっかりとふくませることが大切です。

乳首ののびをよくするには……

乳首の「のび」をよくしましょう

親指、人さし指、中指で乳首をつまみ、前後にもみながら乳首の先に向かって指をずらす。1回3分、1日数回が目安。

乳首の「のび」をよくしましょう

親指、人さし指、中指で乳首をつまみ、横方向にもみながら乳首の先に向かって指をずらす。1回3分、1日数回が目安。

◆From mama
母乳育児は無理と言われましたが、乳頭保護器を使い1日20回ほど頻回授乳したら、1週間で直接授乳が可能に。がんばりました!【ベビー5ヶ月】

乳首の傷やすり切れはクリームなどでケアを

初めての育児で乳首が刺激に慣れていないために、切れたり傷になったりするトラブルも。患部の痛みが軽くなる抱き方や乳首をふくませる角度を工夫し、赤ちゃんがなめても安心なクリームなどで乗り切って。

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乳腺炎とは? 予防するポイントは1ヶ所にためないこと

乳腺炎とは、乳房に長く母乳が停滞する、乳首から細菌が入るなど、何らかの理由で乳腺に炎症が起きている状態です。はれ、痛み、発熱などの症状が出ます。母乳がたまって炎症が起きている場合は詰まりをとって母乳を出せばいいのですが、細菌が入っているケースでは抗菌薬を服用してしばらく授乳を中止することもあります。

たまりやすい部分に気をつけて意識的にケアを

おっぱいの"飲み残し"は乳腺炎の原因に。たまりやすいのは乳房のつけ根の基底部と呼ばれる部分。特に下半分にたまりがちなので、意識してケアしましょう。

おっぱいを基底部ごと外側から中央に、息を吐きながらグーッと寄せる動きを繰り返す。

おっぱいを基底部から持ち上げるように上に上げる。このときも、息を吐きながら。

肩甲骨を動かすイメージで、腕をつけ根から回す。逆方向にも回してリンパの流れをよくする。

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左右の大きさが違う、しこりをとるには? おっぱいトラブルのギモンQ&A

おっぱいがたまってできたしこりは、マッサージすればとれますか?

しこりの部分を押しながら飲んでもらうと効果的
マッサージよりも、赤ちゃんに飲んでもらうほうが効果的。しこりの部分に手のひらを当て、基底部から乳首に向かってグッと押しながら授乳するととれやすいですよ。

トラブルのあるおっぱいは、あたためるのがいいの? 冷やすのがいいの?

熱をもっているときは冷やして。市販されている乳房ケア用の保冷パックなどがおすすめ

乳腺炎ぎみなどで熱をもっているなら冷やします。乳首の先だけにおっぱいが詰まっているようなときは、温タオルなどであたためて。

授乳期間中にできたしこりが、悪性のもののケースはありますか?

まれですが、あります。受診は乳腺外科へ

ごくまれに、しこりが乳がんだったというケースがあります。いつまでも同じ部分のしこりがとれない、乳首の位置が左右横一線にならずにずれている、乳房のどこかにくぼみがある、乳首から血やオレンジ色の分泌物が出るなどの場合は、産婦人科ではなく乳腺外科を受診しましょう。

左右の大きさが違います。卒乳してもこのままですか?

卒乳後、大きさはだいたい以前の状態に戻ります
左右でおっぱいの出方が違い、よく出るほうが大きいのは珍しくありません。出の悪いほうから飲ませるなどの工夫はしたほうがいいですが、卒乳後の大きさはほぼ元に戻ります。

ママが病気で一時的に母乳をやめました。もう再開はできませんか?

定期的に搾乳していれば分泌がストップすることはありません
1週間程度、一時的に母乳をやめただけなら再開は可能です。病気の間、定期的に搾乳していれば分泌はストップしません。搾乳は3時間おきが理想ですが、無理なら1日に5~6回を目標に。こうしておくと再開したときに分泌がスムーズです。

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母乳育児がスムーズにいくようになるまでは、ママにとっても大変な時期。飲ませ方やバストケアなど、工夫しながら少しずつママと赤ちゃんにとってのいい方法を見つけてくださいね。

文/佐藤真紀 イラスト/山本ユウカ 

※この記事は『Baby-mo 2012年6月号』より加筆・再編集したものです。

監修
米山万里枝先生
東京医療保健大学大学院医療保健学研究科 教授
助産師として多くの出産に立ち会い、母乳育児の指導を行う。おっぱい・ミルク全般、母体の健康など幅広い知識があり、授乳、卒乳のエキスパートとして研究、講師などを積極的に行っている。
監修
岡本登美子先生
ウパウパハウス岡本助産院院長
離島での産婦人科医院勤務後、愛育病院を経て、ウパウパハウス岡本助産院を開設。助産院には母乳育児の悩み相談やトラブルに対応する「母乳外来」もあり、地域のママたちに人気です。

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