便秘がひどい、生理がこない、セックスはいつから…産後の悩み

コラム 2014/03/08更新

産後の大きなトラブルのひとつが下半身の悩み。赤ちゃんとの新生活のなか、しばらくは会陰切開の傷や便秘、そして生理やセックスの再開時期など気になる人も多いでしょう。ただ、なかなか人に聞きづらいテーマなだけに一人で悩んでいるというママも…。女性ドクターからのアドバイス、ぜひ参考にしてみて。

下半身トラブルにはどう対処する?

出産後に特有の気がかりといえば、おシモのトラブル。誰にも言えず悩んでいるママは、このページでケアや受診の目安をチェック!

対処法を知り、悪化する前にケアを

出産すると、骨盤底のいろいろな部分が損傷を受けるため、下半身トラブルが起こりやすくなります。また、ホルモン分泌の激変により、生理の様子も変わることがあるでしょう。下半身トラブルは、恥ずかしさから人に相談したり受診したりしにくいですし、忙しさにかまけて放っておいて悪化してしまうことが多いのです。
まずは、気がかりの原因と自分でできることを知りましょう。ケアをしても改善しないときは、受診の目安を参考に早めの受診を。トラブルを解消して、元気なママになりましょう!

【お悩みママ 27%】 痔が治らない

なぜなるの?

出産でなりやすいのは、痔核(いぼ痔)。肛門の周囲にある網目状の静脈は、もともとうっ血しやすいうえ、妊娠や分娩時の強い腹圧によるいきみ、便秘などによってうっ血がさらに促進してしまい、こぶ状になっていぼ痔になります。
また、会陰切開の傷が気になったり痛みが残ったりしていると、トイレでうまくいきめず、便秘から切れ痔になる場合もあります。

自分でできること

痔の予防と改善のためには、便秘をしないことが最大のポイントです。そのためには、①便意を我慢せず、規則正しい排便習慣をつける、②できるだけ繊維質の多い食事を規則正しくとる、③適度な運動をする、の3点を心がけましょう。
血行をよくするために、半身浴などで肛門を温めたり、横になる時間を長くしてうっ血をとるようにするのも効果的です。

受診の目安と治療法

便秘に気をつけ、生活習慣を改善してもいぼ痔の腫れや痛みがある場合、便秘が治らず排便の際に痛みや出血がある場合は、産婦人科か肛門科を受診しましょう。
程度にもよりますが、塗り薬や便をやわらかくする薬で治療できるケースが少なくありません。症状が進んでいるものは、手術になることもあるので、恥ずかしがらずに早めに受診しましょう。

【お悩みママ 21%】セックスが痛い・つらい

なぜなるの?

会陰の裂傷がひどく、縫ったあとがかたくなっている、傷にバイ菌が入って炎症が起こっているなどの場合は、会陰の傷が痛んでセックスがつらく感じるでしょう。
また、産後はホルモンの状態など、体が「生殖より育児」向きになっているうえ、会陰部分を縫ったことに対する恐怖感もあり、性欲が減退するケースが多いのも事実。潤いが不十分なために、挿入時に痛みを感じることもあります。

自分でできること

縫合部がかたくなっていたり、血腫ができているようなときは、腰湯につかって温めるとラクになります。産後しばらく、性欲が減退するのは自然なことなので、あまり気に病まないこと。

ただし、出産を契機にセックスレスになるケースもあります。パパにはあなたの状態をきちんと説明して、ときには潤滑ゼリーを使うなど、夫婦間のコミュニケーションをじょうずにとって、気持ちのスレ違いが広がらないようにしたいですね。

受診の目安と治療法

産後1カ月健診はセックス解禁の目安の時期でもあります。この時期を過ぎても痛みが続いている、腫れている、などの状態なら産婦人科へ。それ以前でも、縫合部分の痛みがひどいようなら、炎症を起こしている可能性があるので受診しましょう。
病院では、感染の治療のため、授乳しても問題ない抗菌薬や、症状をやわらげる消炎鎮痛剤が処方されます。

【お悩みママ 16%】膣がゆるくなった

なぜなるの?

腟は自然分娩をすると、赤ちゃんが出てくるときにどうしても広がってしまいます。が、これは一時的なことで、多くは産後しばらくたつとほぼ元に戻ります。ただ、分娩時に腟を支える骨盤底筋が伸びきってしまうと、いつまでもゆるみがちになります。
また、完全に元どおり、ということはないので、セックスの際に以前とは違う感覚を持つこともあるでしょう。

自分でできること

こちらのページを参考に、骨盤底筋を引きしめる体操を続けると、ゆるみが改善されます。
「肛門と腟を軽くしめる」→「肛門と腟をギュッとしめる」→「しめた状態で骨盤底筋群を持ち上げるようにする」という一連の動作を5〜6回。これを1セットとして、1日3〜5セットを目標に。ある程度時間がかかるので、毎日あせらずに続けてみてください。

受診の目安と治療法

卒乳するころになっても腟のゆるみ感が残っていて、出産前ほど性的快感が得られないときは、女性泌尿器科へ。近くに女性泌尿器科がない場合は、美容外科や産婦人科などに問い合わせてみましょう。
治療は、骨盤底筋トレーニングを行い、それでも改善されなければ、高周波(RF)を使用して腟の皮下のコラーゲンを増やす手術を行います。病院によっては、レーザーによる腟引きしめ手術を行うことも。

【お悩みママ 11%】 生理不順・生理が重い

なぜなるの?

生理不順になるのは、妊娠・出産で大きく変わった女性ホルモンの状態が、まだ元に戻っていないため。しばらくの間(産後1年くらいまで)は、不順でも異常ではないので、心配はいりません。
生理が重くなるのも、女性ホルモンのバランスがまだ悪く、排卵がうまくいっていないことや、精神的ストレスによる自律神経失調が考えられます。

自分でできること

生理痛がひどい場合は、早めに市販の鎮痛剤を使ってラクになりましょう。薬を飲むのをためらう人もいますが、育児には元気なエネルギーが必要。ママの体調が悪いと、赤ちゃんにもしわよせがいきます。
授乳中のママは、アセトアミノフェンや芍薬甘草湯(しゃくやくかんそうとう)など、母乳への影響が少ない成分の薬を。心配なら医師や薬剤師に相談しましょう。できるだけ周囲に育児を手伝ってもらい、ストレスをためないようにすることも大切です。

受診の目安と治療法

生理の出血量が産前より明らかに増えていたり血のかたまりが出る場合、卒乳後も生理痛や性交痛、排便痛が悪化している場合は、子宮内膜症の疑いが。早めに産婦人科を受診しましょう。治療法はいくつかあるので、医師とよく相談して決めることが大切です。
検査をしても異常がないのに、生理痛が悪化していくようなら、精神的ストレスが原因かもしれません。心療内科の受診も検討してみてください。

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お話/女性医療クリニック LUNAグループ 理事長 
関口由紀先生 
横浜市立大学大学院医学部泌尿器病態学修了。横浜市立大学病院の女性泌尿器科勤務などを経て、女性医療クリニックLUNA開設。世界標準の女性医療をめざし、さまざまな不調や病気の相談にのってくださいます。
※情報は掲載時のものです


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