帝王切開って保険適用されるの?いくらもらえるの?

コラム
公開日:2020/02/14
更新日:2020/02/21
帝王切開って保険適用されるの?いくらもらえるの?

これからママ、パパになる人たちにとって、赤ちゃんの誕生はとても楽しみなこと。でもその一方、お産に関してはさまざまな不安を感じているかもしれません。分娩時には、赤ちゃんとママの命を守るために「帝王切開」という選択肢が取られることがあります。どのような場合に帝王切開が必要となるのでしょうか。また、保険は適用されるのでしょうか。この記事では、帝王切開に関する保険から、出産・育児にまつわるお金のことまで解説します。

帝王切開とは? 自然分娩との違いって何?

妊娠37週から41週の間は正産期といい、いつ生まれもおかしくない時期です。自然分娩の場合、陣痛と呼ばれる痛みの波が起き始め、痛みと痛みの間隔がどんどん短くなっていきます。それと共に子宮口が拡大していき、赤ちゃんは旋回しながら産道を通り、母体から出てきます。この一連の流れで行われるのが自然分娩です。

一方、帝王切開は何らかの理由で、赤ちゃんやママの体に危険を及ぼす可能性が予想される場合、または危険を及ぼしつつある場合に、それを避けるために選択される出産方法となります。

方法としては、おへその下辺りを縦または横に赤ちゃんの頭よりも少し大き目(12cmほど)に切る開腹手術です。麻酔はしますが、全身麻酔ではなく局所麻酔なので手術中に医師と会話をしながら状況を聞くことも、赤ちゃんの産声を聞くこともできます。ただし、緊急時には全身麻酔となる場合もあるので、意識がはっきりした状態でお産ができるかどうか、絶対的ではありません。

帝王切開をした場合、入院期間は自然分娩と比べて2~3日長くなるケースが多め。出血も多くなりがちで血栓症などを引き起こす可能性もあるので、病院でしっかりと休養してから自宅へ戻ります。

また、子宮が妊娠前の状態に戻る「子宮復古」にも時間がかかります。もし次の妊娠を考えている場合も、帝王切開後は子宮破裂を防止するために1年は間を空けるのが理想的です。

どういう場合に帝王切開になるの?

帝王切開は、妊娠した時点で決まる場合もあれば、分娩中に急遽緊急手術となる場合もあります。それぞれについて、詳しく解説します。

出産日も決められる! 予定帝王切開

子宮筋腫など、子宮の手術をした経験がある女性は、傷跡部分の子宮筋層が弱かったり薄かったりするため、子宮破裂の心配があることから、前もって帝王切開することを決めることがあります。ほかに、前回の出産が帝王切開だった場合や、妊娠時点で筋腫を持っている、多胎妊娠などが該当します。逆子の場合にも自然分娩でうまく出産できない可能性が高いので、予定帝王切開となる場合が多めです。

予定帝王切開は、陣痛が来る前に手術をする必要があるため、赤ちゃんの大きさや母体の健康状態を考慮し、一般的には妊娠38週前後に行われます。

お産中に急遽決定! 緊急帝王切開

自然分娩の場合、最初の陣痛から出産までにかかる時間は、初産婦で約12~15時間、経産婦で5~8時間ほど。しかし、お産がなかなか進まないと、赤ちゃんが酸欠になるなどのリスクが発生する場合があるため、お産中でも帝王切開が選択されることがあります。

分娩中は、赤ちゃんの心拍をモニターし続けていますが、その心拍数に異常が生じた場合などにも帝王切開へと踏み切ることがあります。ですから、ママの体に予定帝王切開に当てはまる条件がないとしても、最後まで帝王切開による出産となる可能性は否定しきれないのです。

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帝王切開で受けられる保険の内容ってどんなもの?

帝王切開は開腹手術で、術後には血栓症などの病気を引き起こす可能性もあります。自然分娩の際には健康保険や民間の保険は適用されませんが、帝王切開の場合は違います。帝王切開で受けられる保険について詳しく見ていきましょう。

入院給付金は受け取れる?

医療保険に加入している場合、病気で入院すると入院給付金が受け取れます。その保険商品によって、何日分の入院費が受け取れるかは変わってきますが、5日分ほど給付されるものが多いでしょう。

通常の妊娠・出産では医療保険が適用されませんが、帝王切開や切迫早産のように治療を必要とする入院の場合には、保険適用となるので入院給付金が受け取れます。ただし、保険に加入して、保障が開始するよりも前に妊娠が成立した場合には、その妊娠・出産に対して保険が適用されないことがあるので、注意が必要です。

手術給付金は受け取れる?

帝王切開をした場合は、手術給付金も受給可能です。ちなみに、保険業界において考えられている手術という言葉の定義は、「病気やケガの治療を目的として生体に切断や摘除などの操作を加えること」となります。

なお、給付金の額については1回の手術について一時金として20万円などと定額が設定されている場合もあれば、入院給付金日額の〇〇倍などという定め方もあり、その掛け率は手術の内容によって異なります。

加入している保険商品で帝王切開が何倍にあたる手術なのかを確認すれば、給付額を割り出せるという仕組みです。詳細は、保険商品によって異なりますので、あらかじめ確認してください。

女性疾病特約って何? 加入しておくと得なの?

医療保険に加入する際、オプションとして選択肢に入っているのが女性疾病特約です。これはプラスの保険料金を支払って、子宮筋腫や乳がんといった女性ならではの病気の際に手厚く保障をしてもらうための契約で、帝王切開もカバーしている商品が多くあります。

ちなみに女性疾病の例として、各保険商品によっても異なりますが、以下のようなものが含まれています。

●悪性新生物(がん):乳癌・子宮癌 など
●子宮や乳房に関連する病気:子宮筋腫・乳腺炎 など
●妊娠に関連する病気:妊娠中毒症・帝王切開・流産 など

もし、基本の保障内容として入院給付金が1日5,000円だった場合、女性疾病特約の保障でも1日5,000円の入院給付金を受け取れるならば、合計で1日につき1万円を受け取れる仕組みです。手術給付金についても同じく、基本の保障分プラス女性疾病特約分を合わせて受け取れます。

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妊娠・出産時に受け取れるお金にはどんなものがあるの?

妊娠・出産時には民間の医療保険だけではなく、住んでいる地域の自治体や国、勤めている会社などからも受け取れるお金があります。自然分娩か帝王切開かに関わらず受給可能なものもいろいろとありますので、続いて紹介していきましょう。

自然分娩でももらえる! 出産育児一時金とは?

妊娠4カ月(85日)以上の妊婦が出産した場合、一児につき42万円の出産育児一時金を受給できます。これは、自然分娩であっても帝王切開でも受給できる給付金です。

直接支払制度によって、被保険者(妊婦)と契約を交わした医療機関が協会けんぽに直接、出産育児一時金の申請を行います。そして、医療機関が直接協会けんぽから給付金を受け取る仕組みになっているのです。

もし、仮に病院に支払うべき出産費用がトータルで60万円となる場合、病院側には直接支払制度によって42万円が支払われるので、実際に妊婦側で負担する金額は60万円-42万円=18万円ということになります。

もしも、出産費用が出産育児一時金の額を下回る場合には、差額が被保険者側に支給されますが、別途申請が必要です。なお、産科医療補償制度の対象外となる出産の場合には、一時金の額が減額されるので、確認しておきましょう。

帝王切開なら受給可能! 高額療養費制度とは?

これは1ヶ月のうちに医療機関へ支払った金額の総額が、その世帯ごとに決められた自己負担限度額を超えた場合に、オーバーした分を払い戻してもらえる制度です。ただし、健保の制度なので対象となるのは保険適用となる医療費についてとなります。

帝王切開による出産は前述の通り医療保険の対象です。しかし、入院と手術でかかる費用には、保険適用可能な費用とそうでない費用があります。この場合、保険適用範囲について窓口で支払った費用が自己負担限度額を超えていれば、後から払い戻しが受けられます。

手続きは、退院時の支払いが済むとレセプト(領収書)が渡されるので、申請書を書いて市区町村の役所や協会けんぽなどに提出する流れです。実際に払戻金が振り込まれるまでには3ヶ月ほど要します。

もしも、事前に医療費が高額になることがわかっている場合には「限度額適用認定証」を申請・取得しておくのが得策です。入院時に認定証を提出しておくと、会計の際にあらかじめ決められた限度額の範囲内で請求されます。

働いている人ならば出産手当金がもらえる!

産前6週、産後8週のいわゆる産休といわれる期間、働いている女性にとっては仕事を休むことにより給与を受けられないのは悩ましい点ですよね。その不安を解消してくれるのが、出産手当金です。

出産手当金は、勤務先の健康保険に加入している人なら、正規雇用社員に限らず派遣やパートであっても受け取れます。支給される金額は、まず産休前直近1年間の標準報酬月額の平均を30で割り、さらに3分の2を掛けることで手当金の日額を算出。そして、そこに支給日数を掛けて出た数字が支給額です。おおむね平常時の3分の2程度の金額を受給できます。

なお、支給日数については産前42日分と産後56日分を足した合計98日に、予定日より遅れて出産した場合にはその日数分が加えられます。

育児休業給付金

「出産手当金」の給付は、子どもが生後2ヶ月になるまでのぶん。ただ、すぐに保育園が見つかればいいけれど、なかなかそうはいかないのが今の保育園事情です。しかも、産後2ヶ月ではママの体力が戻っていない可能性もあるうえ、小さな赤ちゃんと離れて働きに出るのはためらわれる、というお母さんもたくさんいます。

もし、勤務先で雇用保険に加入していたのなら、「育児休業給付金」を受け取れる可能性があります。いくつか条件があり、その勤務先に1年以上継続して勤めていることや、子どもが1歳6カ月となったときに契約満了となることが決まっていないことなどを満たしていれば、育休給付金の申請は可能です。

なお、給付金は休業を開始した時点での賃金日額を計算し、そこに支給日数を掛け、さらに67%を掛けた金額となります。育児休業の開始から6ヶ月が経過すると、掛け率は67%から50%へと減少しますが、最長で子どもが満2歳になるまで受給可能です。また育児休業給付金には上限があります。平成30年8月1日現在で、賃金月額が44万9,700円を超えていると、上限額までしか支給されません。

雇用保険は遡って支払うことも可能なので、条件にあてはまらないと思っても諦めずに雇用者などに相談してみましょう。また、育児休業給付金はハローワークの管轄となるので、不明点があればハローワークに問い合わせると詳しく知ることができます。

妊娠してからでも入れる? 帝王切開保険のベストな加入タイミングは?

妊娠が判明してからでも、医療保険に加入することは可能です。ただし、その場合には子宮部位に関わる疾病や、出産に関わる疾病については保障適用外とされてしまう場合が多く、帝王切開をしても給付金が下りない可能性は高めです。

これから妊娠を望む女性の場合は、妊娠するよりも前に保険に加入しておくのがおすすめです。とはいえ、妊娠のタイミングを計るのは難しいもの。数ある保険の中には、妊娠している状況からでも加入できるものもあるので、一度調べてみましょう。

帝王切開を保障してくれる保険への加入は、妊娠を考え始めたころに行うのがベスト。一般的な医療保険で帝王切開がカバーできるものに加入したり、女性疾病特約を付けたり、女性専用の保険に入ったりするなど、方法はいろいろ。自分の体やライフスタイルに合わせて、ベストな保険を探してみてください。

関連リンク⇒⇒⇒出産育児一時金とは? 申請書類や方法、直接支払制度についてのまとめ

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今や帝王切開による出産は、全体の2割を超えているとされ、他人事ではないのが現状です。もしものときのためにも、お産や保険については、事前に調べておくのが安心ですね。

文/Spica

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