子育て給付金とは?廃止後に利用できる子育て支援制度について解説

コラム
公開日:2020/02/06
更新日:2020/02/21
子育て給付金とは?廃止後に利用できる子育て支援制度について解説

食費や衣類、保育料・学費、塾・習い事の月謝など、子育てには何かとお金がかかりますよね。そうした子育て世帯の負担を少しでも軽くするために、国や自治体ではさまざまな支援を行っています。そのうちのひとつが「子育て給付金」です。子育て給付金はすでに廃止されてしまいましたが、そのほかにもさまざまな支援制度が利用できることをご存じでしょうか。本記事では子育て給付金について説明するとともに、子育て給付金以外の支援制度を紹介します。

なぜ廃止されたの? 子育て給付金とは?

子育て給付金は、正式には「子育て世帯臨時特例給付金」と呼ばれる制度です。2014年4月に消費税が5%から8%に増税されたことをうけて、子育て世帯の負担を軽減するために開始された臨時的な制度でした。

当初は「給付金の支給は1回限り」とされていましたが、2015年度にも支給され、2016年度に廃止となりました。支給対象はその年の6月に「児童手当の給付対象となる子ども」で、0歳から中学修了時までの子に対してひとり1万円の給付金が支給されました。ちなみに、2015年度の給付額はひとり3,000円でした。

子育て給付金の代わりはないの?

子育て給付金はあくまで臨時的な制度です。そのため、廃止されたからといって代わりの制度が導入されたわけではありません。ただ「児童手当」という制度は継続中です。そこで、児童手当について詳しく説明していきます。

児童手当とはどのような制度?

ここからは児童手当と子育て給付金の違い、支給される金額や必要な手続きなど、児童手当についての基本情報を説明します。

児童手当制度のはじまり

児童手当は、子育て世帯の負担を軽減すると同時に「家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資すること」を目的に、1972年に創設された制度です。

導入当初の支給対象は第3子以降とされ、支給額は月額3,000円でした。そのため、支給対象となる家庭はごく限られていました。

その後は段階的に支給対象が拡大し、1975年10月以降は義務教育終了前の第3子以降に月額5,000円が支給されるようになります。社会情勢などによって支給対象の年齢や金額は改定されつつも、児童手当そのものは廃止されていません。2019年時点の制度は、2016年に制定されたものです。

児童手当と子育て給付金の違い

児童手当と子育て給付金は、いずれも子育て世帯の負担軽減を目的としていますが、まったく別物です。子育て給付金は臨時的な措置ですが、児童手当は1972年から50年近く続いている制度です。

支給される金額も、子育て給付金は子どもひとりにつき1万円(次の年には3,000円)だったのに対し、児童手当は月額で5,000~1万5,000円が支給されます。

児童手当の支給対象

児童手当の支給対象となるのは、日本国内に住む0歳から中学校卒業までの子どもを養育している保護者です。両親ではなく祖父母が育てている場合には、祖父母が受給資格者となります。施設や里親のもとで生活している場合には、原則として施設長や里親に支給されます。

ちなみに、子どもが海外で生活している場合には児童手当は支給されません。ただし、留学などの理由があり、一定の要件を満たす場合には支給の対象となります。

児童手当の支給額

児童手当は、子どもの年齢に応じて以下のとおり支給されます。

◆3歳未満:一律1万5,000円/月
◆3歳以上小学校修了まで:1万円/月(第3子以降は1万5,000円/月)
◆中学生:一律1万円/月

ここでいう「第3子」とは、高校卒業まで(18歳以下)の養育をしている子どものうち、3人目の子を指しています。例えば、高校生・中学生・小学生の3人の子どもを育てている場合の支給額は、中学生1万円、小学生1万5,000円の合計2万5,000円です。

ただし、児童手当には所得制限があることに注意を。例えば、夫あるいは妻と子ども2人を扶養している場合(扶養親族3人)の所得制限限度額は736万円となっています(2019年度)。

ちなみに、所得額の基準は世帯所得ではありません。共働きの場合には、夫あるいは妻の所得の高いほうで判断します。限度額を超えた場合でも、特例給付として一律5,000円/月が支給されるといううれしい制度です。

所得制限限度額は、内閣府のホームページで確認できますので、一度チェックしてみてください。

児童手当の支給時期

児童手当の支給は年3回、毎年6月・10月・2月に行われます。6月に2~5月分、10月に6~9月分、2月に10~1月分がまとめて支給されます。

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児童手当を利用する場合の注意点

児童手当を利用するうえでまず注意したいのが、「申請しないかぎり支給されない」という点です。支給が開始されるのは、申請が受理された翌月分からになります。早めに申請を行いましょう。

また、一度申請すれば、その後は子どもが中学校を卒業するまで自動的に振り込まれるというものでもありません。毎年6月に「現況届」を提出し、児童手当の受給要件を満たしていることを報告する義務があります。現況届を出さないと支給が停止されてしまうため、忘れずに提出するようにしましょう。

【ケース別】児童手当の申請方法

児童手当の申請方法や提出書類などは、事前に確認しておくことが大切。ここでは、引越し、単身赴任など、ケースごとの注意点などについても説明していきます。

申請に必要な持ち物とは

児童手当の申請は、申請者が居住している市区町村役場で行います。窓口で「認定請求書」をもらい、必要事項を記入して提出します。手続きには次のような持ち物が必要になるため、あらかじめ準備しておきましょう。

◆申請者本人の健康保険被保険者証(コピー)
◆申請者および配偶者の個人番号(マイナンバー)確認書類
◆印鑑(認印)
◆申請者本人名義の普通預金通帳(児童手当の振込先として)

自治体によっては必要な持ち物が異なることもありますので、事前に市区町村のホームページなどで確認しておくと安心です。

子どもが生まれたとき

出生日の翌日から15日以内に手続きを行い、認定されると申請日の翌月から児童手当が支給されます。ただし、出生日が月末近くで申請が翌月になっても15日以内であれば、申請月分から支給が開始されます。里帰り出産で県外などにいる場合にも、住民票がある市区町村での申請が必要です。

引越しをするとき

転入先の市区町村に申請します。転入日(転出予定日)の翌日から15日以内の申請が必要なので、転入届と同時に手続きを行うといいでしょう。なお、前住所で児童手当を受給していた場合は、前住所地での児童手当用所得証明書が必要です。なくさないよう、大切に保管しておきましょう。

保護者と子どもが別居するとき

何らかの事情で、保護者と子どもが別々に生活する場合には、ケースに応じて手続きが異なります。

1. 親が単身赴任などで子どもと離れて生活する場合
申請者である親が子どもと離れて暮らす場合には、親が生活する市区町村への届出が必要になります。方法は「引越しをするとき」と同様です。

2. 両親が離婚などを前提に別居する場合
生活費が別々になる場合には、子どもと同居し養育する親に支給されます。手続きについては、市区町村のひとり親家庭相談窓口で確認しましょう。

3. 祖父母や親戚が養育する場合
まず子どもの生計を維持している親が、子どもと同居する人を「父母指定者」として申請する必要があります。父母指定者が認定されたのち、指定された人が子どもの住所地の市区町村で児童手当の手続きを行います。手続きの方法は、対象となる市区町村役場で確認しましょう。

申請者が公務員の場合

申請者が公務員の場合には、市区町村ではなく勤務先から児童手当が支給されます。そのため、手続きも勤務先で行えますが、里親として預かっている子どもの分については、市区町村役場での手続きが必要です。

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児童手当以外の子育てに関する給付金や助成制度とは?

紹介した児童手当以外にも、状況に応じてさまざまな給付金や助成制度を利用できます。2019年現在では次のような制度がありますので、チェックしてみてはいかがでしょうか。

●児童扶養手当

主に離婚や死別によるひとり親家庭に対する助成制度です。支給対象は、高校卒業前(18歳の誕生日を過ぎた最初の3月31日)の子どもを養育する親。

給付を受けるには所得制限があり、所得に応じて支給される金額が異なります。所得制限限度額に満たない場合には「全部支給」の扱いになり、支給額は月額4万2,290円となります(2019年現在)。さらに第2子・第3子がいる場合は、所得に応じて加算された金額が支給されます。また、これまでは年3回4ケ月分ずつが支給されていましたが、2019年11月分からは年6回、奇数月に2ヶ月分ずつ支給されることになりました。

児童扶養手当を継続して受給するには、毎年8月に「現況届」を提出し、生活状況について報告する義務があります。所得には給与などのほかに養育費も含まれます。養育費を受け取っているのに申告しなかった場合は不正受給となり、すでに支給された手当の返還を求められますので、正直に申告しましょう。

●特別児童扶養手当

精神や身体に障がいがある20歳未満の子どもを養育する親に支給される手当です。1級障がいの場合には月額5万2,200円が、2級障がいの場合には月額3万4,770円が支給されます(2019年度)。支給は年3回、4月・8月・12月に4ヶ月分ずつを受け取れます。

ただし、制度を利用するには所得制限があることに注意しましょう。相談や申請手続きは住所地の市区町村役場で行います。

●高等学校等就学支援金

公立私立に関わらず、高校の授業料を国が負担する制度です。2010年度に始まった制度で、当時は公立高校の授業料が無償、私立高校の生徒には「就学支援金」が支給されていました。2014年度には「高等学校等就学支援金制度」という名称に変わり、所得制限が設けられています。

教育費負担の差を少なくすることが目的とされ、所得制限を超える場合には、公立高校であっても授業料を支払う必要がありました。2020年度からは所得制限の上限額が引き上げられることになっています。

高等学校等就学支援金は、子どもたちが家庭の経済的な事情を心配することなく、自由に進路を選ぶための制度です。さらに独自の支援制度を設けている自治体もありますので、お住まいの県や市のホームページや広報などをチェックしてみてはいかがでしょう。

●幼児教育無償化

2019年10月に始まった新しい制度で、幼稚園や保育園などの利用料が無償となるものです。対象は3~5歳児(小学校入学前まで)で、0~2歳児は対象外です(住民税非課税世帯を除く)。

また、食事やおやつ、園行事にかかる費用、送迎費などは対象となりません。ただし、保護者の年収によっては減免されるケースがあります。無償の対象となるのは、幼稚園・保育園・認定こども園とされていますが、そのほかの施設でも一部補助がありますので、市区町村に確認してみましょう。

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出産してすぐのころは、提出する書類や手続きが増えるもの。育児でバタバタしている間に、申請を忘れていた! ということがないよう、必要書類などはあらかじめチェックをしておきましょう。

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