妊婦は花粉症の薬を飲める?対策や乗り切る方法は?【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2020/01/27
更新日:2020/02/21
妊婦は花粉症の薬を飲める?対策や乗り切る方法は?【産婦人科医監修】
監修
粒来拓(つぶらいたく)先生
よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長

体が変化していく妊娠中に、花粉症の症状が重なるとつらいですね。そこで今回は、妊娠中の花粉症は症状が強くなるのか、薬は服用できるのか、花粉症をどう乗り切るかなどを紹介します。先輩ママの体験談も紹介しますので参考にして!

花粉症が起こる原因

花粉症とは?

人の体には、病原体などの異物から体を守るための「抗原抗体反応」という仕組みが備わっています。

体内に異物が入ると、体はそれに立ち向かうために「抗体」をつくります。そして、二度目に同じ異物が侵入すると、前に抗体をつくったことを覚えていて、その異物を撃退しようとします。これが「抗原抗体反応」です。

この仕組みは、本来体を守るために働くものですが、特定の異物に対して過剰に反応し、さまざまな症状を引き起こすのがアレルギーです。

花粉症は、体内に侵入した花粉に抗体が過剰に反応することによって起こるアレルギー性の病気の総称で、主にアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎があります。

主な症状は?

花粉が鼻に入ると、直後にくしゃみ、鼻水が出て、少し遅れてから鼻詰まりになります。

目に花粉が入ると、目がかゆくなり、涙が流れ、目が充血してきます。

症状が強いときは、のどのかゆみや咳、鼻詰まりによる頭痛、鼻やのどの炎症反応による微熱、だるさなども現れます。

花粉症の原因となる花粉とは?

花粉症の約70%はスギ花粉症と推察されています。日本の国土はスギ林の面積が大きく、国土の約12%を占めているためです。北海道ではスギ花粉が飛散することは少ないですが、関東・東海ではスギ花粉が多く飛散します。

また、関西ではスギとヒノキ科の植林面積がほぼ等しいため、スギの花粉が多く飛散しますが、ヒノキが多く飛ぶ年もあるといわれています。

スギ花粉は10月ごろから少しずつ飛び始め、年を超して暖かくなってくるといっせいに飛散します。世界的な温暖化の影響で、スギ花粉の飛散数も増加していくことが予想されています。

スギ、ヒノキ以外にも花粉症を引き起こす樹木には、シラカンバ、コナラ、クリ、ハンノキなどがあります。

また、オオアワガエリ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギなどの草木の花粉も花粉症を引き起こし、これらは夏から秋にかけてよく飛散します。

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妊婦は花粉症が悪化しやすい?

妊娠中に花粉症が悪化する妊婦さんもいれば、症状が改善される妊婦さんもいます。妊婦だから、必ずしも悪化しやすいということはありません。

妊娠と花粉症は、因果関係がないと考えてよいでしょう。

妊婦の花粉症は胎児に影響する?

妊婦さんが花粉症になったからといって、胎児に影響を及ぼすことはありません。

また、くしゃみをすると腹圧がかかり心配される妊婦さんもいらっしゃいますが、それが流産や早産の直接の原因になったりすることは考えにくいでしょう。

ただし、くしゃみを頻発している場合は、花粉症ではなく、かぜが原因の場合もあります。症状がひどいときは、受診して診断を受けましょう。

妊婦は花粉症の薬を使用できる?

花粉症の薬には、妊婦さんが服用しても問題のないものがあります。

例えば、抗アレルギー剤の「ジルテック」「ザジテン」「クラリチン」などは、どれも胎児への安全性が高い薬です。

妊婦さんが使用できる点鼻薬や点眼薬もあるので、つらいときは産婦人科医に相談してみましょう。

そのままにしておくと慢性副鼻腔炎になり、頭痛がしたり、においがわからなくなったりして、日常生活に支障が出る恐れもあります。

つらいときは我慢せず、早めに受診することが大切です。

妊婦の花粉症の予防法はある?

飛散している花粉を完全に避けることや、完全に花粉を除去することは不可能ですが、少しでも鼻や目に入らないように工夫すると、症状の悪化を防ぐことができます。

予防法として、次のような項目があげられます。

掃除や帰宅後の洗顔、うがいなどは、花粉が飛散する時期よりも少し前から予防的に行うとよいでしょう。

・花粉の飛散の多い日は外出を控える

・花粉の飛散が多いときは、窓を閉めておく

・しっかり掃除をする

・洗濯物は部屋干しにする

・帰宅時は、ブラシなどで上着や髪についた花粉をよくはらってから入室する。洗顔、うがいをして鼻をかむ

・花粉の飛散が多い日は外出時にマスク、めがねを使う

・表面がけばけばした毛織物などのコートの使用は避ける

・花粉情報に注意する

妊婦が花粉症を乗り切る方法は?

なるべく花粉を避ける生活を心がけましょう。

外出時はマスクやめがねを使用し、花粉が目や鼻に入らないようにします。

また、羊毛類の衣類は花粉がつきやすいので、ツルツルした素材の服を選ぶのがおすすめです。

つらいときは、早めに産婦人科医に相談して薬を処方してもらいましょう。

規則正しい生活と、栄養バランスのよい食事をとるよう、心がけてください。

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妊婦の花粉症体験談

先輩ママに妊娠中の花粉症対策について聞きました。

市販の点鼻薬で救われました
「妊娠前より症状がひどくなり、とてもつらかったです。いちばんひどかったのは鼻詰まりで、呼吸ができないほどでした。市販の点鼻薬の説明書に「妊娠中は控えてください」と書いてありましたが、産婦人科の先生に相談したらOKだったので、常に持ち歩いていました。点鼻薬のおかげでかなりラクになりました。」(M・Mさん)

マスクは常に着用
「もともと花粉症で、妊娠中も目のかゆみ、くしゃみ、鼻水が続きました。毎年、市販薬を飲んでいましたが、妊娠中は服用せず、外出したときは必ずマスクをつけ、帰宅したらすぐおふろで花粉を落とすようにし、空気清浄機も使いました。」(にいままさん)

洗濯物は部屋干し
「妊娠前も花粉症の症状がひどかったのですが、妊娠中も変わらず、苦しい日々でした。常にマスクをつけて外出し、洗濯物もすべて部屋干しにしました。」(C・Hさん)

漢方薬を飲みました
「くしゃみ、鼻水がよく出たので、婦人科で漢方薬を処方してもらい、家からなるべく出ないようにしました。外出時はマスクを二重につけ、帰宅したときは服をよくはたいてから入りました。」(M・Nさん)

内服薬とサプリメント
「産婦人科の先生に内服薬を処方してもらったほか、花粉症に効果があるといわれている「じゃばら」(柑橘類の一種)のサプリメントも飲みました。内服薬を飲み忘れると、すぐに症状が出るくらい、ひどかったです。外出時のマスクも欠かせませんでした。」(みくるんさん)

鼻水、くしゃみ、せき、頭痛も
「鼻水、くしゃみ、せきなどの症状に加えて、頭痛もありました。我慢できないほどひどかったので、産婦人科の先生に相談して漢方薬と鎮痛剤を処方してもらい、市販の点眼薬も購入。花粉専用のマスクも使いました。」(Y・Oさん)

いつもより軽かったけど……
「例年、花粉症の症状がひどく出るのですが、妊娠中は、いつもより軽かったです。それでも、漢方薬と点鼻薬を処方してもらい、目のかゆみ対策として、伊達メガネをかけました。」(R・Yさん)

妊娠中は花粉症がなかった!
「毎年、花粉症の治療薬を飲んでいましたが、妊娠中は症状が出ませんでした! 残念ながら出産後、花粉症が再開しました。」(コギさん)

マスクいらずでした!
「毎年、花粉症に悩まされていたのに、妊娠中は症状がなかったのでマスクをつけることもありませんでした。産後は、また花粉症にもどりましたが……。」(COさん)

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取材・文/小沢明子

監修
粒来拓(つぶらいたく)先生
よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長
2007年浜松医科大学医学部卒業。横浜市大産婦人科勤務後、2018年より現職。横浜市大センター病院女性ヘルスケア外来担当医兼任。妊娠中から産後まで、妊婦さんのさまざまな悩みに応えてくれるドクターです。

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