切迫流産の入院費用や期間・準備は?先輩ママの体験談も【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2020/02/01
更新日:2020/02/21
切迫流産の入院費用や期間・準備は?先輩ママの体験談も【産婦人科医監修】
監修
粒来拓(つぶらいたく)先生
よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長

切迫流産と診断されると、症状によっては入院の指示を受けることがあります。入院となると、治療法や入院期間はもちろん、費用や医療保険についても気になりますね。保険や医療制度については、得をすることも多いので、ぜひ知っておきましょう。

切迫流産による入院とは

切迫流産とは

赤ちゃんが早くに生まれてしまっても、ママのおなかの外の世界で生存できる可能性のある妊娠22週から36週までを「早産」といいます。

それに対し、妊娠21週以前に、妊娠が終わってしまうことを「流産」といいます。

医学的に「切迫」とは「~しかかっている状態」を指しますので、「切迫流産」は、流産のリスクのある状態を意味します。

診断を告げられると不安も大きいと思いますが、その多くは妊娠を継続することが可能です。

切迫流産の自覚症状は、少量の性器出血があることで、下腹部痛を伴うこともあります。

切迫流産の治療法

切迫流産は、妊娠週数によって治療法が異なります。

有効性の高い薬があればよいのですが、とくに妊娠12週未満の場合、流産予防に有効な薬があるとはいえません。残念ながら多くの場合は経過を見守ることしかできません。

ただし、「絨毛膜(じゅうもうまく)下血腫」といって、子宮の中に血のかたまりがある場合は、安静にするよう医師から指示を出されることがあります。

一方、妊娠12週以降では、治療は安静が第一です。安静とは、それまでの日常生活よりも動きを制限すること。安静によって症状が治まり、流産を予防する目的があります。

安静の度合いは症状によって異なり、「入院安静」もしくは「自宅安静」を指示されます。出血量が多くなったり、おなかの張り(子宮の収縮)が頻繁に起こったりして、医師が入院してしっかりと安静を保つ必要があると判断した場合は、入院安静になります。

入院中の安静の度合いは、症状や病院の方針によって異なり、歩行は病室内だけならOK、フロア内までならOKなど、過ごし方の指示が出ます。

また、「絨毛膜下血種」がある場合には止血剤の内服、子宮の収縮がある場合は、子宮収縮を抑える薬の内服や点滴が行われたり、細菌感染が疑われる場合は、抗生剤の内服や点滴、膣内投与などが行われたりすることがあります。

「子宮頸管無力症(子宮を支える子宮頸管の組織が弱くなって子宮口が開いてしまう状態)」の場合は、子宮頸管を特殊なテープでしばる手術が行われることもあります。

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切迫流産の入院期間はどのくらい?

切迫流産で入院した場合の入院期間は、病状に個人差があるため、数日程度の場合もあれば、数週間になる場合もあります。

なかには切迫流産の症状が改善されないまま妊娠22週に入り、切迫早産と診断されて入院が長引くケースもあります。

切迫流産の入院費用はどのくらい?

入院すると治療費や食費のほか、1人部屋を利用した場合は「差額ベッド代」などが必要になるのが一般的です。 

金額については、症状や治療法、病院の方針などによって異なるため、一概にはいえません。

妊娠・出産は病気ではないので、基本的には医療保険は使えず自己負担になりますが、切迫流産で入院した場合は健康保険が適用されます。

入院費用が心配なときは、病院の会計課などに確認しておくとよいでしょう。

切迫流産で入院したら民間の医療保険は適用される?

個人で加入する民間の医療保険では、「疾病入院特約」をつけられます。これに加入していると、治療のために入院したとき、入院日数分の給付金が受け取れます。

切迫流産による入院でも保険の適応対象になる場合があるので、保険証券などで契約している商品を確認し、受取事由や給付内容を調べてみましょう。

わからないときは、保険会社に問い合わせてみてください。

切迫流産で入院したら高額療養費制度は利用できる?

高額療養費制度とは

切迫流産で入院期間が長くなった場合、高額療養費制度が利用できる可能性があります。

高額療養費制度とは、ひと月(月の初めから終わりまで)の医療費が決められた限度額を超えた場合、その分の医療費が払い戻されるという公的医療保険(健康保険組合、協会けんぽの都道府県支部、市町村国保、共済組合など)の制度です。

高額療養費制度の医療費の上限額は、年齢や所得によって異なります。

また、同じ世帯で複数の人が同じ月に病気やけがをして医療費がかかった場合は、それぞれ支払った医療費を合算することができ、その合算した額が自己負担限度額を超えた場合は、超えた額が払い戻されます。

高額療養費制度は、医療費が月をまたいだ分は合算されません。また、入院中の食費や差額ベッド代は、支払った医療費としてカウントされないので、その点は注意しましょう。詳しいことは、加入している公的医療保険の相談窓口に問い合わせてください。

入院費が高額になることが事前にわかっている人は、あらかじめ「限度額適用認定証」(加入している公的医療保険に申請)の交付を受けておくといいでしょう。この認定証を窓口で提示すれば、支払う金額は自己負担限度額までですみます。

切迫流産による入院で準備するものは?

入院の指示が出た場合は、入院中に必要なものを病院に確認して準備をします。

一般的に入院で必要になるのは、パジャマ、下着、スリッパ、洗面道具、ガウン(またはカーディガンなどの羽織るもの)などです。

症状によっては、病院の売店までへの歩行が許可されない場合もあるので、必要なものが出てきた場合は、その都度家族や頼める人に持って来てもらいましょう。

切迫流産と診断されて入院する場合、赤ちゃんの心配はもちろん、その後どのように経過していくか、また、どれだけ入院が長引くのかなど、先が読めないことでの不安が大きいでしょう。その上、入院中は行動が制限されるので、様々な要因で精神的な負担がかかります。

安静を保つことは想像以上にたいへんなことです。ご自宅や家族のことが気になってしまうと思いますが、赤ちゃんのためだと割り切って一日一日ゆったりと過ごしてください。

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切迫流産で入院した先輩ママの体験談

自由に動けないのがつらかった

「妊娠16週の途中から、切迫流産のため18日間入院しました。原因ははっきりとわかりませんが、妊娠してからもレストラン勤務を続け、毎日重いものを運んだり、接客で動き回っていたりしていたので、体に負担がかかったのかもしれないと、先生から言われました。入院中は横になって過ごし、入院4日目までは、病室内のトイレ以外の歩行は禁止。5日目からは、シャワー室まで歩いて行くことはOKになりましたが、それ以外の歩行は病室内のみでした。また、入院8日目までは、感染を防ぐ薬と鉄剤の点滴を受けました。入院14日目になり、ようやくフロア内の歩行も許可が出ました。入院中は、パパや両親がほぼ毎日交代で面会に来てくれましたが、動けない生活がつらくて、『早く帰りたい』と泣きついたこともありました。」(S・Iさん)

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取材・文/小沢明子

監修
粒来拓(つぶらいたく)先生
よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長
2007年浜松医科大学医学部卒業。横浜市大産婦人科勤務後、2018年より現職。横浜市大センター病院女性ヘルスケア外来担当医兼任。妊娠中から産後まで、妊婦さんのさまざまな悩みに応えてくれるドクターです。

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