溶連菌感染症とは?症状、発疹、うつる?などの疑問全解決【医師監修】

 専門家監修
公開日:2020/01/15
更新日:2020/01/24
溶連菌感染症とは?症状、発疹、うつる?などの疑問全解決【医師監修】
監修
片岡 正先生
かたおか小児科クリニック院長

溶連菌感染症という言葉は聞いたことがあっても、どんな病気かよくわからないママもいるでしょう。そこで主な症状、発疹の有無、かかった時の注意点など、溶連菌感染症についての基礎知識を小児科医に聞いてみました。

溶連菌感染症になる原因は?

溶連菌感染症は、たくさんある溶連菌の中でもA群β型溶血性連鎖球菌という細菌が、のどに感染することで引き起こされる病気です。

ちなみに溶連菌はのど以外にも感染することがあります。

皮膚に感染するととびひ(伝染性膿痂疹)や、その部分が赤くなり痛みと発熱をともなう丹毒などを引き起こします。

溶連菌感染症の初期症状は?

主に38度以上の発熱とのどの痛みがあらわれます。

ただし年齢などによって初期症状は異なり、発熱も微熱程度の場合もあります。

溶連菌感染症の症状とは?

発熱とのどの痛みがあらわれた後、どのような症状が見られるのでしょうか。また、年齢による症状の違いや、大人にもうつるのかについても聞いてみました。

どんな症状が出るのか?

◆赤い発疹

発熱やのどの痛みとほぼ同時期、もしくは1~2日後ぐらいにサンドペーパー状の赤い発疹が全身にみられます。発疹はかゆみを伴うことがあります。

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◆いちご舌

舌の白い苔が取れていちごのようなブツブツができ、赤く腫れあがります。

◆嚥下痛

のどの痛みがひどい場合は、食べ物や飲み物を飲み込むたびに痛みを生じるので、食欲が落ちる、食事のたびに不機嫌になることが増えます。

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◆リンパの腫れや手足の指の皮がむけるなど

首のリンパが腫れたり、中耳炎などをともなう場合も。また、発症から数日後に手や足の指の皮がむけてくることがあります。

◆すべての症状が現れるわけではなく、無症状の保菌者の人も

溶連菌に感染すると、これらの症状がすべて出る人もいれば、1~2つぐらいの症状しかみられないケースもあります。

また、溶連菌がのどの粘膜にいるもののなんの症状も出ない「健康保菌者」と呼ばれる人たちもいます。

年齢による症状の違いは?

溶連菌感染症は3~15歳前後に多くみられます。ただ年齢によって症状の出方に特徴があります。

《乳児》

乳児の場合、発熱はしますが、溶連菌感染症の典型的な症状といわれるいちご舌や、全身の発疹などはあまりみられません。

《年長以降》

年長以降になると、症状が出なくても溶連菌にくり返し感染している場合があるので、乳児と同じように溶連菌感染症の典型的な症状はあまり見られず、発熱しても高熱にならない、のどの痛みもさほどひどくならないことが多いです。

風邪との違いは?

発熱や喉の痛みがあっても、溶連菌感染症では咳や鼻水を伴わないのが普通です。さらに、のどの赤みが独特で、物を飲み込んだときに痛そうにするかどうかも見分けるのに役立ちます。

いつもは発熱しても比較的元気で食欲が落ちないのに、食事をあまり食べたがらない、唾を飲み込む時も痛そうな表情をする、不機嫌になるなどの様子が見られる場合は、溶連菌感染症の可能性があります。

ただ、ママが勝手に判断するのはNGです。「いつもと様子が違う」「ひょっとして溶連菌かも」と思ったら、小児科を受診してください。

大人もかかる?かかった時の症状は?

大人も溶連菌感染症にかかりますが、それまでに何度か繰り返しかかっていることが多いので、子どもがかかった時のような典型的な症状はあまりみられません。

熱も微熱程度のことが多く、のどの痛みもひどくないようです。

溶連菌感染症の潜伏期間は?

感染してからおおよそ2~5日の潜伏期間があり、発症します。

溶連菌感染症の流行期間は?

1年中かかる病気ですが、特に冬にかかる人が多い傾向にあります。

溶連菌感染症の検査方法は?

溶連菌感染症かどうかは、病院でキットを使って検査することでわかります。

検査の結果が出るまでおおよそ5~10分程度です。

《検査方法》

① 綿棒でのどの粘膜をこすり取ります

② こすり取った粘膜を試薬に入れます

③ 2を検査キット(写真左下の丸窓部分)に垂らします

④ 右上の大きい方の楕円窓に結果が表示されます。「+」なら溶連菌陽性、「-」なら溶連菌陰性

溶連菌感染症と診断された後の注意点

溶連菌感染症にかかっていることがわかったら、どのようなケアをしたらいいかについて解説します。

薬を飲みきる

溶連菌感染症と診断された場合、抗生物質が処方されます。

抗生物質を服用して24時間経過すると溶連菌自体の感染力はほとんど無くなります。

ただ、溶連菌感染症はさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。

それらを予防するために処方された抗生物質は指示通り飲みきることがとても大切。ペニシリン系の抗生物質であれば10日~2週間、セフェム系であれば1週間の服用が必要になりますが、処方された分はきちんと飲みましょう。

「熱が下がったから」「のどの痛みがなくなってきたから」と、途中で服用をやめるのはNGです。

こまめな水分補給を心がける

発熱している時はこまめな水分補給を心がけるようにしましょう。

特に溶連菌感染症の場合は、物を飲み込むと痛みを感じる子も多いので、母乳やミルク、常温の麦茶や湯冷まし、果汁などを1回あたりは少量でかまわないので、頻繁に飲ませてあげてください。

飲み込みやすいのどごしのよいメニューを

ゴクンとする際に痛みを感じるため、食欲が落ちる子も多くみられます。汁気の多いものやゼリーなどのどごしのいい食事メニューを心がけましょう。

無理にたくさん食べさせる必要はなく、子どもが食べられる物を少しずつでOKです。

溶連菌感染症の合併症は?

溶連菌感染症がやっかいなのは、合併症を引き起こす可能性があるためです。どんな合併症がおこりやすいのかをお伝えします。

ちなみに大人が溶連菌感染症にかかっても合併症を引き起こす心配はありません

リウマチ熱

関節痛や発熱が見られ、手足や顔、舌などが不規則に動き、踊っているようにみえる小舞踏病や、心臓の弁にトラブルが起こる心臓弁膜症などを引き起こす病気。

溶連菌感染症が治って2~3週間後から症状があらわれはじめます。

溶連菌感染症と診断された後、きちんと抗生物質を服用することで予防できます。

急性糸球体腎炎

溶連菌感染症を発症して2週間後に腎炎の糸球体という部分に炎症が起こるトラブルです。発症するとむくみや血尿、たんぱく尿の症状があらわれます。

抗生物質をきちんと飲み切ってもかかる可能性があるので、上記のような症状が見られたらすみやかに小児科を受診してください。

また、病院によってはきちんと抗生物質を飲み切ったか、むくみは出ていないかの確認を兼ねて溶連菌感染症が治って2週間後ぐらいに尿検査を行うところもあります。

溶連菌感染症はうつる?予防方法は?

溶連菌感染症の感染経路は、くしゃみやせきによる飛沫感染や、感染者に直接ふれることで起こる接触感染です。

また、風疹のように一度かかると抗体ができるわけではないので、何度もかかる人もいます。

予防するには手洗いとうがいが重要です。

ただ、上記でも解説したように溶連菌に感染しているのに無症状の「健康保菌者」もいるため、完全に感染を防ぐのは難しいところです。

溶連菌感染症はいつから登園・登校できる?

溶連菌感染症は、学校保健安全法で出席停止扱いとなる病気の中では「その他」に分類されて、規則として「〇日間休まないといけない」とは決められていません。

ただ、学校長や幼稚園や保育園の園長の判断により出席停止となる場合があります。

出席停止扱いになるか、なった場合何日間休む必要があるのかは、その都度、学校や医療機関に確認しましょう。

抗生物質を服用して24時間以上経過していれば他の人への感染リスクは無くなるので、目安としては、初診日とその翌日が出席停止になる可能性があります。ただ、全身の状態や経過によっては、それ以上になることもあると考えてください。

ちなみに川崎市の場合は、

・抗生物質を服用して24時間経過している

・全身状態が良好

・医師の許可書がある

この3つの条件が揃えば登園、登校できるルールになっています。

このように溶連菌感染症にかかった後の登園、登校の基準やルールは、自治体や学校、幼稚園や保育園によって異なるので、診断されたら事前に確認しておきましょう。

溶連菌感染症の治療後、再受診が必要なときは?

抗生物質を服用して1日以上経っても熱が下がらない時は、再受診を。

溶連菌に感染していたとしても同時期に別のウイルスにも感染していて、それが原因で発熱している可能性もあります。

また、おしっこが赤みを帯びている、おしっこの量が少ない、顔や手足がむくんでいる場合は、急性腎炎の可能性があるので、すぐに受診をしてください。

溶連菌感染症の体験談

なかなか熱が下がらず、3日後に溶連菌感染症と判明

3歳の春に溶連菌感染症になりました。

発熱したので、かかりつけ医を受診したところ「のどが赤いので恐らくウイルス性の風邪ですね」と言われ、のどの炎症を抑える薬、鼻水を抑える薬をもらって様子を見ていましたが、3日間解熱せず……。のどの痛みからか食欲があまりなく、いつも機嫌が悪くてかわいそうでした。

「大きな病気だったらどうしよう」と心配になり、再度受診して検査をしたところ、溶連菌感染症と判明!

抗生物質を飲んだらすぐに熱が下がり、ホッとしたのと同時に「もっと早くにわかっていたらよかったのに……」と思いました。(みんみんママ・健飛くん3歳)

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取材・文/高橋知寿

監修
片岡 正先生
かたおか小児科クリニック院長
日本小児科学会専門医。東京大学医学部非常勤講師。信州大学医学部卒業。東京大学医学部小児科助手、日本赤十字社医療センター小児科医院などを経て、1996年「かたおか小児科クリニック」開業。
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