『食物アレルギーの湿疹』が出る場所は?いつ消える?写真や体験談も【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2020/02/04
更新日:2020/02/21
『食物アレルギーの湿疹』が出る場所は?いつ消える?写真や体験談も【小児科医監修】
監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長

この記事は、食物アレルギーの発疹についてまとめたものです。
離乳食を食べた後、発疹が出ると「アレルギーでは?」と不安になりますね。食物アレルギーの発疹はどのようなものか、ケアや受診の目安などについて、小児科医にお話を伺いました。

食物アレルギーの発疹(湿疹)とは

症状の出方はさまざま

人には「体に害を及ぼす異物を排除する」働きが備わっています。

たとえば、病気のウイルスが侵入してくると、白血球がこれをやっつけようと働きます。この働きが「免疫」と言われるもの。でも、この免疫の働きは、誤作動を起こすことがあります。

本来、体に害のないものを「敵だ!」と勘違いして攻撃し、体の外に追い出そうとするのです。特定の食べ物を「敵だ!」と勘違いして起きる反応が、食物アレルギーです。

食物アレルギーでは、下痢や嘔吐、声がかすれる、息苦しい、くしゃみ、鼻水、目の充血など、いろいろな症状が出ます。

皮膚症状もそのひとつ。でも、「これが食物アレルギーの発疹だ」という典型的なものはありません。写真の症例はすべて、「卵アレルギー」と診断されたもの。

様子も出る部位も、みんな違っていることがわかります。

自己判断は禁物です

たとえば卵を食べてブツブツが出ると、「アレルギーなのでは?」と不安になりますね。

でも、その皮膚症状がアレルギーによるものなのかどうか、家庭で判断することはできません。医師でも、きちんと検査をして慎重に見極めるものなのです。

アレルギーだ! 食べさせるのをやめよう!と自己判断するのは禁物。栄養の偏りや、場合によっては発育の遅れにつながることもあります。

「おかしいな」と思ったら、必ず受診しましょう。

関連リンク⇒⇒⇒卵、小麦、牛乳…赤ちゃんの食物アレルギーで知っておきたい4つのこと

食物アレルギーの発疹が出る場所は?いつ消える?

比較的よく見られる、口の周りや体幹部

まず知っておいてほしいのは、アレルギーについてはよくわかっていないこと・断定できないことが多いという事実です。

また、同じ原因でも症状が出るタイミングや現れ方には個人差があります。診断がなかなか確定しないこともあります。

食物アレルギーについても「出る部位はココとココ。○時間たつと消える」というように断言することはできません。

発疹が比較的よく見られるのは

・口の周り:特定のものを食べてすぐにパッと口の周りに赤みやブツブツが出る

・体幹部:いわゆる「胴体」部分。範囲が広く、見つけやすい部位でもある

です。

もちろん、これ以外のところに出ることもあります。体のどの部位に出ても不思議はないのです。

卵足卵アレルギー。足の裏に出た発疹

卵腿卵アレルギー。太ももに出た発疹

24時間以内に消えるのが一般的

食物アレルギーによる発疹が消えるのは、24時間以内とされています。

ただ、時間を変えて別の場所に出ることもあるので、ある食べ物が原因で出た発疹が必ず24時間以内に消えるとは言い切れません。

2~3日にわたって、出たり引っ込んだりを繰り返すこともあります。

同じ場所に症状が変わらずに(あるいは悪化して)何日も残っているような場合は、アレルギーではなく別の皮膚トラブルの可能性が高いですね。

時間がたってから症状が出ることもある

食物アレルギーは食べて2時間以内に症状が出てくる「即時型」と呼ばれるタイプが多いのですが、実は時間がたってから現れてくるタイプもあります。

原因食物が体内に入ってから6時間、長い場合は48時間後に出ることも。何が原因か、わかりにくいケースです。

あるいは、それまでは何でもなかったのに、食後に運動をしたらアレルギー症状が出た! ということもあります。

「食後じゃないからアレルギーではない」とは言い切れないことも、覚えておくといいですね。

関連リンク⇒⇒⇒【医師監修】食物アレルギーはスキンケアで予防できる?卵を与える時期を遅らせるのは逆効果?

食物アレルギーの発疹のケアはどうするの?

食物アレルギーの発疹には、抗炎症剤などの塗り薬は効果がありません。

症状が消える目安は24時間以内なので、軽いものならその間、特になにもする必要はありません。

かゆみがある場合、かきこわすとそこから細菌が入って炎症が広がることもあるので、できるだけかかない、さわらないようにしたいもの。患部を冷やすとかゆみが軽くなることが多いようです。

受診すると、かゆみを押さえる抗ヒスタミンの内服薬が処方されることもあります。

油や植物のエキスなどを、自己判断で塗るのはやめましょう。かえって症状を悪化させる可能性があります。

食物アレルギーの発疹で病院に行く目安

発疹が食物アレルギーによるものなのかどうか、家庭で判断することはまずできません。

発疹の程度がさほどでもなく、赤ちゃんの機嫌も悪くないようなら様子を見ていてもいいのですが、何かを食べて発疹が出たら一度は受診したほうがいいですね。

積極的な治療はしないことが多い

食物アレルギーは、免疫機能が整ってくるに従い減っていきます。

特に卵、牛乳、小麦、大豆のアレルギーは治りやすいと言われており、卵や牛乳は3歳で50%、6歳で80%の子が食べられるようになってきます。

ですから積極的な治療をせず、原因食物を除去しながら体の機能が発達するのを待つことも多いのです。

ただし、「念のためにあれもこれも除去」をしていては、かえって治りにくくなるとも言われています。正しく診断を受け、必要最小限の除去をするのが克服への近道。

自己判断で食べられるものまで除去したり、「これぐらいなら」と試しに食べさせてみたりといったことをせず、医師の指導を受けましょう。

ちなみに、食物アレルギーがあっても離乳食のスタートを遅らせる必要はありません。

大至急病院へ! アナフィラキシーショック

食物アレルギーでは、大至急病院へ行かなくてはならない場合もあります。

全身のじんましんや赤みといった皮膚症状のほか、声がれ・ゼーゼーする・呼吸が苦しそう・ひっきりなしに嘔吐するなど、いくつかの重い症状が現れる状態を「アナフィラキシーショック」と言い、これは急速に進行して命にかかわることもあります。

何かを食べて次のような様子が見られたら、救急車で病院へ急ぎましょう。

・ぐったりする、意識がもうろうとする

・声がかすれる

・息がしにくい、ゼーゼーする

・強く咳き込む、おかしな音の咳をする

・唇や爪が青白い

・嘔吐を繰り返す

・全身に発疹が出る、広い範囲に赤みが出る

・顔や体がむくむ

・非常にかゆがる

・非常に機嫌が悪い

食物アレルギーの発疹 ママたちの体験談

卵をさわった手でふれたら顔に発疹が

5ヶ月のとき、私が生卵をさわった手をタオルでふき、そのあと娘の口をふいたら顔に発疹が出ました。ある朝、私が生卵を食べた後に授乳したら、また湿疹が。ほっぺと、眉間~額にかけて、細かく赤いブツブツが広がりました。病院で血液検査をしたところ、卵アレルギーが判明。卵だけは除去しましたが、離乳食は具だくさんのおかゆを中心にして栄養が偏らないように心がけました。1歳6ヶ月の今、元気に成長しています。

関連リンク⇒⇒⇒卵を食べるとアレルギーになりやすいってホント?

豆腐を食べると口の周りが赤くなる

おかゆから始まった離乳食。そろそろタンパク質をと思い、やわらかくて調理しやすい豆腐を食べさせたのが6ヶ月の時でした。パクパクよく食べる子だったのですが、その時はあまり食べず、食後に口の周りが赤くなりました。気にしていなかったのですが、数日後に豆腐を出したらまた同じ症状が。かかりつけ医には、「しばらく大豆製品は控えて様子を見て」と言われました。軽い食物アレルギーではないかとのことでしたが特に検査はせず、薬も使っていません。そろそろ1歳になりますが、先日「醤油をごく少量使ってみましょうか」と言われて、味つけに数滴を使用。本人は特に不機嫌にならず、症状も出ませんでした。

関連リンク⇒⇒⇒カンタン♪小麦アレルギーでもOKの米粉パンのつくりかた

少量のイクラでみるみる顔が赤く腫れ上がった

1歳半のとき、ちらし寿司に乗っていたイクラを3粒ほど、口に入れてやりました。すると、みるみる顔がむくんで赤く腫れ上がり、ゼーゼーという苦しそうな呼吸に! 見るからに「おかしい!」という様子だったので救急車で病院に行きました。診断は、魚卵によるアナフィラキシーショック。それまで特にアレルギーを心配したことはなかったのでびっくりしました。離乳食の時期は「初めてのものを食べさせる時は、よく加熱して」と注意していましたが、もう離乳食は卒業したからと思っていた自分を反省。医師には「3歳までは生ものを与えないように」と釘を刺されました。

文/中根佳律子
症例写真出典/『はじめてママ&パパの 0~6才病気とホームケア』(弊社刊)

出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長
島根大学医学部卒業。島根県や千葉県の小児科に勤務後、2010年に夫とともにとりうみこどもクリニックをオープンさせる。カラフルな診療着とおおらかでやさしい人柄が、患者さん親子に人気のママドクター。
とりうみこどもクリニック

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