幼稚園と保育園の違いは?費用は私立と公立で違う?幼児教育の無償化も解説

コラム
公開日:2020/01/30
更新日:2020/02/07
幼稚園と保育園の違いは?費用は私立と公立で違う?幼児教育の無償化も解説

2019年10月より幼児教育・保育の無償化がスタート。ママやパパの仕事や家庭環境などで、幼稚園と保育園のどちらに預けようか迷っている人もいると思いますが、いずれにしても子どもを長い時間預ける場所なので、安心できるところを探したいもの。そもそも、この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。ここでは、幼稚園と保育園、私立と公立の違いをはじめ、保育料以外でかかる費用や、保育料の無償化についても詳しく紹介します。

預けるなら幼稚園? それとも保育園? 違いは?

就学前の子どもが初めての集団生活の場として通うのが、幼稚園や保育園です。どちらも子どもを預ける施設だということに変わりありませんが、この2つはどこが違うのでしょうか。

幼稚園の管轄は文部科学省、教育を受けさせることを目的とした施設

幼稚園と保育園の大きな違いに、管轄省庁が異なる点があります。幼稚園を管轄するのは文部科学省。未就学児に教育を受けさせることを目的とし、区分は教育施設です。幼稚園の先生には幼稚園教諭の資格が必要です。

学校教育基本法で、幼稚園に入園できるのは満3歳からの子どもと定められています。満3歳であれば、親の就労の有無に関係なく、どの子どもも幼稚園に入園が可能です。

入園時期を4月に設けている幼稚園も多くみられますが、満3歳の誕生日を迎えた時点で入園できる幼稚園もあります。人気の高い私立の園では面接や適性テストを実施するケースもあり、入園自体が難しい園もなかには存在します。

また、幼稚園は保育時間が園によってバラつきがあるのが特徴です。幼稚園の保育時間は標準で4時間以上、教育週数は39週を下回らないと定められていて、それぞれの幼稚園で保育時間を決めています。夏休みなどの長期休暇を設けている園も多く、休みの日数も園によって異なります。

公立と私立の幼稚園はどう違う?

幼稚園は大きく分類すると公立と私立の2つに分けられます。公立幼稚園とは、市区町村などの自治体が運営している園で、先生は公務員です。文部科学省による指導要領にのっとった教育を行っていることから、園による教育方針の差は少ないといえるでしょう。

公立幼稚園の保育時間は一般的に午前中が多く、長くても午後2時~2時30分ごろには終了します。公立幼稚園の場合、地域によっては2年保育しか実施していないところもあります。

私立の幼稚園は、社会福祉法人や学校法人によって運営されているケースも少なくありません。なかにはキリスト教会や仏教寺院などが運営していることもあり、園の方針にのっとったカリキュラムが用意されています。お祈りがある園、英語教育やスポーツに力を入れている園などさまざまです。

また私立の幼稚園では、預かり保育が充実していて、保育時間を長く設定しているところもあります。なかには保育園のように午後7時ごろまで預かってくれるケースも。送迎バスが用意されているところや、体操教室や英語教室などの習い事が課外教室として選べる園もありますが、そのぶんだけ費用がかかるのがほとんどです。

保育園は厚生労働省が管轄した児童福祉施設

保育園を管轄するのは厚生労働省です。保育園は児童福祉法によって規定され、保育の不足を補うことを目的に設置された児童福祉施設と位置づけられています。言い換えると、病気や仕事といった親の事情により、十分な保育ができない子どもを家庭に代わって預かるのが保育園です。保育園には保育士資格をもった保育士が必要で、幼稚園教諭の資格では保育士として働くことができません。

保育園は保育時間が長く、原則8時間と定められているのもポイントです。保育日数の基準はありませんが、日曜日や祝日は休園が多めです。また、保育園に入園できる年齢は0歳からです。

保育園に入園するには、両親の仕事や病気、介護といった理由が必要で、家庭で保育ができない状態であることを自治体に認めてもらわなければいけません。保育料も課税状況によりランクが決められ、年収が多ければ多いほど保育料は高くなりますが、2人以上子どもを預けている場合、2人目は半額などの優遇が受けられることもあります。

保育園の種類は?

保育園は大きく認可保育園(保育所)、無認可保育園(認可外保育園)の2つに分けられます。

認可保育園というのは、国が定めた基準を満たし、各都道府県知事に認可されたもの。国の基準というのは、施設の広さや職員数、給食設備や防災管理のことで、0歳児・1歳児ひとりあたりの保育室面積が3.3平方メートルを確保している必要があります。また、認可保育園の保育料は安いところが多いため、入園待ちの待機児童が多くみられます。

認可保育園にもいくつかの種類があり、公立保育園と私立保育園、公設民営保育園に分けられます。各市区町村が運営していて、先生も公務員なのが公立保育園です。いっぽう、民間が運営していて、先生も民間人なのが私立保育園。公設民営保育園の場合、施設自体は自治体のものですが、働いている人は公務員ではなく民間人になります。

無認可保育園は、国の基準を満たしていない保育園です。満たしていないというと、よくないイメージを持つ人もいるかもしれませんが、企業内保育所や院内保育所なども無認可保育園に含まれます。ベビーホテルも無認可保育園のひとつで、預ける理由を必要とせず、夜間や休日でも子どもを預かってもらえる場所となります。

また、認証保育園も無認可保育園に含まれます。認証保育園は地方自治体によって独自に認証された施設です。人口が多く、土地面積の少ない東京都などは、認可保育園の基準をクリアする保育園の設置が難しいことが問題視されてきました。そこで、誕生したのが認証保育園です。

認証保育園には多くの企業が参入し、22 時まで預かってくれるなど働く人の保育のニーズに応えてくれる施設もたくさんあります。保育料は高めに設定されていますが、自治体からの保育料補助が出ているところも多く、ワーママの強い味方です。

心配なのはやっぱり費用! 幼稚園にかかる費用はどのくらい?

子どもが幼稚園に入園できる年齢に近づくと、幼稚園の情報集めなども入念になります。教育方針やカリキュラム、通いやすさなども気になりますが、やはりいちばんは、費用がどれくらいかかるのか。私立と公立ではかかる費用に違いがあるのでしょうか。

私立と公立では大きく異なる! 入園料と保育料はそれぞれどのくらい必要?

幼稚園に入園する際には入園料がかかります。ただし、入園料は園によって異なり、私立幼稚園の入園料は5~10万円からというのが相場です。なかには30万円以上かかるケースも。

公立幼稚園の相場は1万円前後です。自治体が負担してくれるケースもあり、入園料が無料という園も少なくありません。保育料園によって異なりますが、文部科学省の報告によると、平成28年度の1年間でかかった公立幼稚園の保育料は62,049円。一方、私立幼稚園の場合には215,933円であり、公立の3倍以上の保育料が必要です。

入園料や保育料以外にも費用がかかるってホント? 私立と公立の費用を比較

幼稚園では、入園料や保育料以外にもさまざまな費用がかかり、これらの金額も、園の設備や教育方針によって異なります。

入園料や保育料以外にかかる費用として、通学関係費があります。これは、幼稚園に通学するための交通費や制服などにかかる費用です。制服がある園や、送迎バスを持つ園は通学関係費が高くなる傾向にあり、公立では1年間で2万円程度、私立では3万円程度がかかります。

また、幼稚園にはPTAが設けられているところもあり、PTA会費が必要なケースも。父母の活動が活発な私立の幼稚園の場合には、たくさんのPTA会費を納めることも考えられます。そのほか、給食がある幼稚園では給食代なども必要です。

少しでも得したい! 幼稚園の入園時に使える補助金や減免制度はある?

私立幼稚園に入園すると、国の幼稚園就園奨励費補助金と自治体からの私立幼稚園等保護者負担軽減補助金という2つの補助金があります。しかし、この補助金や減免制度は、2019年10月の幼児教育・保育の無償化により、廃止されました。ちなみに、どんな制度であったか説明します。

幼稚園就園奨励費補助金

幼稚園就園奨励費補助金とは、国から支給される補助金です。誰でも受け取れる制度ではなく、所得制限が設けられています。また、給付額は所得やきょうだい構成によって変化するのも特徴で、各家庭状況に応じた給付額が支給されるものです。

私立幼稚園等保護者負担軽減補助金

私立幼稚園等保護者負担軽減補助金とは、各都道府県から支払われる補助金です。受給には所得制限が設けられていないのが一般的で、私立幼稚園に子どもを通わせるのであれば誰でも受けられます。ただし、支給額は一律ではなく、都道府県により異なります。

これらの2つの制度は、2019年10月スタートした幼児教育の無償化によって、2019年9月で廃止している自治体がほとんど。ただし、自治体の独自の取り組みとして、補助金を無償化分に上乗せしているケースもあります。住んでいる地域の自治体にそういった制度があるか、一度確認してみましょう。

都道府県によって費用は異なる? 幼稚園の費用が高い・安い都道府県ランキング

公立の幼稚園の保育料は全国的にほとんど同じで、都道府県による差はそれほどみられません。ただし、私立の幼稚園は都道府県ごとに費用が異なるのが特徴。自分の住んでいる都道府県の幼稚園費用は、いったいどのくらいなのか気になるところ。そこで、幼稚園の費用が高い・安い都道府県をそれぞれランキング形式で調べてみました。

幼稚園の費用が高い都道府県ランキング(平成28年度)

1位:東京都 507,699円

2位:神奈川県 464,884円

3位:徳島県 417,918円

(いずれも園児ひとりあたりの納付金年額)

全国私立幼稚園幼児教育研究機構の発表によると、平成28年度の園児1人当たりの納付金は、全国平均で年額368,210円でした。これは都道府県によって大きな差があり、最も高いのが東京都の507,699円です。

2番目に高いのは神奈川県で464,884円となりました。3番目に納付金が高いのは徳島県の、417,918円です。徳島県の場合、保育料は自体は高くないのですが、教材費や経常的費用で割高な傾向があり、3位にランクインしました。

幼稚園の費用が安い都道府県ランキング(平成28年度)

1位:愛媛県 262,746円

2位:宮崎県 285,627円

3位:福井県 286,456円

(いずれも園児ひとりあたりの納付金年額)

同じように全国私立幼稚園幼児教育研究機構の発表では、私立の幼稚園の費用が安い都道府県もわかります。地方に行くほど幼稚園の費用は抑えられる傾向がみられ、最も安いのは愛媛県でした。年額で262,746円なので、最も高額な東京都のおよそ半額程度。

2番目に安いのは宮崎県の285,627円です。3番目にランクインしたのは福井県で、年額で286,456円となりました。3番目に安い福井県でも30万円を切る価格です。

幼児教育・保育の無償化がスタート! どんな制度なの?

少子化問題が深刻化していることを受け、政府は消費税で増える財源の活用方法として、幼稚園や保育園の利用料の無償化を決定。幼児教育・保育の無償化が、2019年10月からスタートしました。

子育て世帯の幼稚園や保育園にかかる費用を軽減することを目的に始められた制度で、幼稚園と保育園の無償化には、消費税から7,764億円が使われる予定です。ではこの制度、何歳の子どもが対象で、いくらまで無償化になるのでしょうか。

詳しく知っておきたい! 幼稚園の無償化はこんな制度

幼児教育・保育の無償化は幼稚園だけでなく、保育所や認定こども園などを利用する子どもたちにかかる利用料も無料になる制度です。国は、これまでもひとり親家庭や子どもが多い世帯、年収の少ない世帯の保育料を半額や無償にする措置を段階的に行ってきました。しかし、新しい制度では無償化の対象となる子どもの範囲が広められたのです。

無償化の対象となるのは3~5歳までの子どもで、私立や公立に関係なく利用できます。無償化といっても完全に無料になるわけではなく、幼稚園の場合には月額25,700円という上限が設けられています。

たとえば、月保育料が32,500円の幼稚園の場合、

32,500円-25,700円=6,800円

となり、6,800円は自己負担となります。

これは幼稚園の預かり保育も対象となり、月額11,300円まで無償で利用が可能です。この場合も「園に支払った預かり保育の利用料月額」と「月内預かり保育利用日数×日額単価450円」の少ない額の方が、上限の範囲で無償化されます。

たとえば、預かり保育日数が20日で保育の利用料月額13,000円を支払った場合、

20日×450円=9,000円

となり、9,000円の方が安いため、9,000円が無償化の対象になります。差額の4,000円は自己負担になります。

通園送迎費や給食費、遠足などの行事費、暖房費などはこれまで通り保護者の負担です。
ちなみに、各種学校にあたるインターナショナルスクールの幼稚部などの施設は、無償化の対象外とされています。

認可保育園の無償化は? 認可外の場合は?

保育園の保育料は、3~5歳を対象に全額無償化となります。延長保育料や行事費、制服・体操着等の費用などは含まれませんので、気を付けましょう。

また認可外の保育施設の場合、3~5歳を対象に月額37,000円までが無償化されます。

幼稚園の無償化はいつからスタートする?

幼稚園の無償化は2019年10月より導入されました。満3歳から対象となり4月1日の小学校入学前までの3年間利用できる制度です。

幼稚園では満3歳になり、入園できる時期に合わせて無償化となると定められています。すでに幼稚園の満3歳児クラスに入園している場合、3歳になった日から最初の3月31日までも無償化の対象になります。

保育園の場合には、満3歳になった次の4月1日からが無償化の対象です。幼稚園の満3歳児クラスの方が、少し早めに無償化が受けられます。

0~2歳の子どもは、住民税非課税の世帯であれば対象に

住民税非課税の世帯であれば0~2歳の子どもも無償化の対象です。住民税非課税世帯の場合には、認可保育園での保育料は無料となり、認可外保育園では42,000円が上限となります。

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共働き世帯が増え、保育ニーズは年々高まる傾向に。とくに保育園では、待機児童問題がまだまだ深刻です。今回、保育料が無償化されたことで、保育園への入園を希望する家庭が増えることも予想されます。保育士の不足など、解決しなければいけない問題は、たくさん残っています。

文/れさ

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