赤ちゃんの抜け毛が心配。先輩ママの体験談【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2020/05/06
赤ちゃんの抜け毛が心配。先輩ママの体験談【小児科医監修】
監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長

この記事は、赤ちゃんの抜け毛についてまとめたものです。赤ちゃんによっては、びっくりするほど毛が抜けることがあります。「ハゲになっちゃうの?」「女の子なのに……」と気にする人もいるのではないでしょうか。抜け毛の体験談とともに、その原因や対策について小児科の先生にお話を伺いました。

赤ちゃんの抜け毛の原因は?いつごろ起こる?

ペットを飼っている人なら、犬や猫の毛がある時期、大量に抜けることを経験しているのではないでしょうか。これは換毛期とか毛変わりなどと呼ばれるもので、家の中に散らばる毛の処理は大変ですね。

人間に換毛期はありませんが、赤ちゃん時代にたくさんの毛が抜けることがあります。それが新生児生理的脱毛と言われる現象です。

生後6ヶ月までに胎毛が抜ける

「生後1ヶ月になるころ、特に前頭部の髪がどんどん抜けていきました。なぜか背中の毛も抜けるようで、寝かせていたベッドのシーツには細かい毛がたくさん。全身ツルツルになっちゃうのかしらと心配しましたが、1歳になる今では何も問題なく、髪もきれいに生えそろっています」(Aさん)

人間の髪の寿命は3~4年といわれています。寿命が尽きた髪は新しい毛に生え替わりますが、その数は1日に50~100本。髪の毛は全体で10万本ぐらいあるので、100本程度の髪が抜けても見た目には何の変化もありません。

ところが、赤ちゃんはある時期急に髪が減ったように見えることがあります。

生まれた時の髪の毛は胎毛と言われるもので、やわらかくてふわふわしています。これは、大人が一般的に考える「髪の毛」とは少し違い、いわば「産毛」のようなもの。胎毛は頭だけではなく、背中にも生えています。

胎毛は、ホルモンの働きで生後6ヶ月ぐらいまでに抜けていきます。大人の髪の寿命が3~4年なのにくらべると、かなり短いですね。

抜けたあとにはしっかりとした髪の毛が生えてきますが、この時期、新しい髪が生えるのが追いつかないと、「ハゲた?」と不安になってしまうわけです。

生理的脱毛が多いのは生後2ヶ月~3ヶ月

新生児生理的脱毛は生後6ヶ月ごろまでに終わりますが、生後2ヶ月~3ヶ月ごろに目立つことが多いようです。

抜け方にも特徴があり、前頭部から頭のてっぺんにかけての生え替わりが遅く、しばらく脱毛した状態になっていることがよくあります。正面から見たときに前の部分だけが薄くなっているので不安になりますが、心配ありません。

時期がくればきちんと生えてくるので、普段通りに過ごしましょう。

赤ちゃんの部分的な抜け毛は大丈夫?

新生児生理的脱毛とは別に、部分的に髪が薄くなることがあります。

枕にこすれる部分の髪が抜け毛

「5ヶ月のころ、頭の後ろの部分の髪が薄くなり、まあるくハゲたようになっていました。仰向けに寝ているからだと思うのですが、この部分だけ成長しても薄いままなのかなと、しばらく心配していました」(Bさん)

頭の後ろの部分だけが薄くなっている赤ちゃんは珍しくありません。実はこれにも名前がついていて、乳児期後頭部脱毛といいます。

仰向けに寝ていて、枕とこすれる部分が薄くなってしまうもの。赤ちゃんが動くことで、髪がこすり取られてしまうのです。首がすわり、頭をよく動かすようになる3ヶ月ごろから見られます。

胎毛が生え替わり、しっかりした髪が生えてくるころには目立たなくなってきます。

皮膚トラブルで抜け毛が起きるケースも

新生児生理的脱毛や、乳児期後頭部脱毛にくらべると数は少ないのですが、脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)によって髪が抜けることもあります。

「生後1ヶ月のころ、額から頭頂部にかけて黄色いかさぶたのようなものができて、この部分の髪がなくなってしまいました。できるだけきれいにして病院でもらった薬を塗っていたら、半月ほどでかさぶたがなくなり、髪もまた生えてきました」(Cさん)

脂漏性湿疹は生後3ヶ月ごろまでの赤ちゃんに多い皮膚トラブルです。

生後まもない赤ちゃんは皮脂の分泌がとても盛んです。そのため、頭皮、ひたい、鼻回りなどの皮脂腺の多い部分に湿疹が出たり、黄色いかさぶたのようなものができたりします。トラブルがある部分の毛が抜けることもあります。

清潔にして保湿するのがケアの基本ですが、かさぶたを無理にはがしてはいけません。石けんで洗っても取れにくいときは受診しましょう。

生後3ヶ月を過ぎると、皮脂の分泌量は減ってくるので脂漏性湿疹もおさまってきます。抜けた部分にも、やがて髪が生えてきます。

赤ちゃんの抜け毛対策

胎毛が生え替わる生理的な抜け毛、物理的にこすれることによる脱毛は、いずれも特に対策をする必要はありません。時期がくればしっかりとした髪が生え、抜けた部分も目立たなくなってきます。

肌トラブルに伴う脱毛には、抜け毛対策ではなくスキンケアが必要です。

赤ちゃんのスキンケアは

・清潔を保つ
・保湿をする
・できるだけ刺激を与えない

が基本です。

入浴の際には泡立てた石けんで洗い、石けん成分が肌への刺激とならないようしっかりとすすぎます。タオルでごしごしこするのは、赤ちゃんの柔らかい肌にはよくない刺激なので避けましょう。

ベビーローションやクリームなどでこまめに保湿し、お風呂上がりは特に丁寧に塗ります。

病院で処方された薬は自己判断でやめたりしないこと。医師は赤ちゃんの様子を見ながら薬を出しているので、勝手にやめるとかえってトラブルが長引くこともあります。

塗る量ややめるタイミングは、必ず医師や薬剤師に確認しましょう。

髪の毛の量や質は成長に伴って変化する

赤ちゃん時代の脱毛は心配する必要のないものがほとんどです。髪が全く生えないなど様子が気になるときには医師に相談してください。

どんどん大きくなり、いろいろなことができるようになってくる赤ちゃん。体の中でもさまざまな変化が起きています。髪の毛の量や髪質も、その成長に伴って変化します。

赤ちゃん時代に髪が少なかったからといって、大人になっても少ないままとは限りません。小さい時にはサラサラだった髪が成長につれてくせ毛になったり、細くてやわらかい髪がコシの強い太い髪になったりすることもあります。

髪の生え方は脱毛も含めて赤ちゃんの個性と考え、成長を見守ってあげてください。

文/中根佳律子

監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長
島根大学医学部卒業。島根県や千葉県の小児科に勤務後、2010年に夫とともにとりうみこどもクリニックをオープンさせる。カラフルな診療着とおおらかでやさしい人柄が、患者さん親子に人気のママドクター。
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