【FP監修】学資保険、17歳満期と18歳満期の違いは?早生まれは?

 専門家監修
公開日:2020/01/29
更新日:2020/02/07
【FP監修】学資保険、17歳満期と18歳満期の違いは?早生まれは?
監修
山田静江先生

「学資保険に加入したいけれど、満期をいつにすればいいかわからない」「17歳満期と18歳満期、どっちがいいの?」など学資保険の満期保険金を受け取る時期=満期時期について悩む人も少なくないうです。早生まれや推薦入試に備えるなら、17歳満期がいいという声も聞きますが…。
ホントのところを、ファイナンシャル・プランナーの山田静江先生に聞いてみました。

学資保険ってどんなもの?

そもそも学資保険とは、子どもを被保険者、親を契約者とし、親の万一に備えながら、子どもにかかる教育費を準備する貯蓄型の保険。

被保険者である子どもが満期時に生存していれば満期保険金、それ以前に死亡したときには払込保険料相当額の死亡給付金が支払われます。契約者である親が保険期間中に亡くなったら、それ以降の保険料は免除されますが、契約はそのまま契約し、満期時には満期保険金が支払われます。

「学資保険とは商品名で、こども保険と言われることもあります。保険商品によっては、商品名に学資保険ともこども保険とも入っておらず、それが学資保険かどうかもわからない場合もあります。その場合は、保険会社のホームページなどで商品の詳細を見ると“5年ごと利差配当付きこども保険”など、正式な商品名の記載がありますので、そこで確認するといいですね」(山田先生)

最近は「支払った保険料より受け取るお金が少ない元本割れの商品もある」と敬遠され気味ですが、学資保険ならではのメリットはある、と山田先生は話します。

学資保険のメリットは?

【1】「学費を貯める」という目的がはっきりしている

子どもに最もお金のかかる大学進学時に、満期保険金を確実に受け取れるのは大きなメリット。18歳満期で一括で受け取れるもの、22歳満期で在学中に分割で受け取れるもの、小学校、中学校、高校の入学時にお祝い金が出るタイプもあります。

【2】途中解約は損するので、使ってしまう危険がない

途中で解約すると“解約返戻金”が戻ってきますが、これまで支払った保険料の全額が戻ってくるわけではないので、多くは元本割れしてしまいます。これは反対に言うと、途中で解約しにくいということ。簡単に解約して使う危険性がないのはメリットと言えるでしょう。

◆解約返戻金とは◆

解約返戻金とは保険契約が解約されたときに、契約者に払い戻されるお金のこと。契約者が支払った保険料の一部は、保険会社が将来支払うために積み立てたするだけでなく、契約を維持する費用にあてたりするため、解約返戻金の金額は、払い込んだ保険料よりも少なくなることがあります。金額は保険期間、契約年齢、加入年数などで異なります。

【3】契約者が亡くなっても、満期保険金が受け取れる

たいていの学資保険は契約者である親が保険期間中に死亡したら、それ以降の保険料の払い込みは免除され、満期時には満期保険金が支払われます。ただい、免除されないタイプもあるので、加入するときによく確認しておきましょう。満期金の他に、親の死亡時から満期時まで年金が受け取れる“育英年金(養育年金)”タイプの学資保険もあります。ただし保障を厚くすると、戻るお金が少なくなる可能性があります。

【4】支払った保険料より、受け取る金額が多い場合がある

支払った保険料に対して受け取れる金額の割合をあらわしたものが“返戻率”。受取総額÷保険料払込総額×100で算出され、100%を切ると元本割れということ。かつては返戻金120%以上という商品もあったようですが、最近はどんなに高くても110%以下、商品によっては100%以下のものも少なくありません。とはいえ、100%を超えるものもあります。保険料の支払い方や払込期間、受取時期によっても変わるので、より返戻率を上げる工夫も必要です。

返戻率を上げる工夫って?

学資保険をさらにオトクに利用するなら、この返戻率を少しでもアップさせる工夫をしましょう。次の3つの方法で上げることができます。

①保険料の支払いを早く終わらせる

保険料の支払いをいつ終わらせるかで返戻率は変わります。早く終えれば、返戻率は高くなり、遅ければ低くなります。児童手当を支払いに回し、18歳満期の保険を15歳で支払いを終了させるのもおすすめ。

②満期保険金を遅く受け取る

満期保険金を受け取る時期によっても、返戻率は変わります。早く受け取れば低くなり、遅く受け取れば高くなるため、18歳満期よりも22歳満期のほうが高くなります。お祝い金を受け取るタイプは低くなります。

➂保障を減らす

保障がたくさんついていると、その分利回りが悪くなり、返戻率は下がるので、保障を見直して減らすのも手。ただし返戻率が低くても、必要な保障が付帯されていることもあるので、じっくりと吟味して。

「返戻率を高くするには、上記3つの要件をクリアすればOKですが、くれぐれも返戻率のためだけに無理をしないように。早く払い終えるためには、資金に余裕がないと無理ですし、受け取りを遅くすると、必要な時期にお金がもらえないかもしれません。また保障もメリットのひとつです。返戻率の高さだけにフォーカスしすぎず、トータルで見て、自分に合うものを選ぶことが大切なのではないでしょうか」(山田先生)

【5】節税効果がある

学資保険は生命保険の一種なので、生命保険料控除の対象になります。生命保険料控除とは、支払った保険料に応じて所得金額から差し引かれる所得控除のこと。所得控除が多いほど、課税対象となる所得の金額が減少し、所得税と住民税が軽減されます。つまり学資保険に加入していれば、税金が少し安くなるということ。学資保険は“一般生命保険料控除”の枠で最大4万円まで控除が受けられます。会社員は年末調整、自営業は確定申告で手続きすればOKです。“保険料控除証明書”を添えて申告しましょう。

「会社員でも年末調整で書類を出すのを忘れたら、住んでいる地域の税務署で確定申告すれば問題ありません。なお学資保険の加入時期が年末に近いと、保険料控除証明書が年末調整に間に合わず、翌年、自分で確定申告をしなければいけない場合もあります。また契約者は妻だけど、実質的に支払っているのは夫という場合は、夫の所得控除になります」(山田先生)

学資保険のデメリットは?

【1】途中で解約すると損をする

学資保険は途中解約すると、解約返戻金が戻ってきます。しかしメリット【2】で触れたように、支払った保険料から経費やそれまでの保障部分を差し引いて戻されるため、大きく損をする可能性があります。これが、いちばんのデメリットです。特に加入してからの時期が短いと、解約返戻金がかなり少なくなるので、よく考えてから加入しましょう

【2】受け取ったお金に税金がかかることがある

学資保険の満期保険金には税金がかかる可能性があることもデメリットにあげられるでしょう。まず確認しておきたいのは「誰が保険料を払っているか」「誰が満期保険金を受け取るのか」。払う人と受け取る人が同じなら“所得税”、違うなら“贈与税”がかかります。また所得税のなかでも「どうやって受け取るか」でも変わり、一括で受け取るなら“一時所得”、年金で受け取ると“雑所得”になります。

【3】インフレリスクがある

インフレになると物価が上がり、相対的にお金の価値は下がります。物価が2%上がると、100円で買えたものが、102円になるということ。つまり100円の価値が下がっているのです。学資保険の場合、契約時に利回りが確定するため、加入後にインフレが進行すれば、実質的な資産価値は下がってしまいます。また契約時の学費より満期の学費のほうが高くなっている可能性があり、想定していた学資金では足りなくなる恐れもあります。

学資保険の満期とは?

学資保険に加入する際は、15歳、18歳、20歳、22歳など満期保険金を受け取る時期である満期を設定します。この満期は商品ごとに違います。いつ受け取るようにするのがベストなのでしょうか。

「学資保険は、多額になりがちな大学の学費を準備するものなので、満期は大学入学のタイミングに合わせるとよいでしょう」と、山田先生は話します。

満期のタイミングを大きく分けると以下の2つ。

①18歳満期……大学入学時に一括で受け取るタイプ
➁22歳満期……大学入学時と在学中に分割して受け取るタイプ

「最近多いのが、22歳を満期に大学入学時に受け取り、その後、在学中に4回に分けて、トータル5回受け取るタイプ。18歳満期か22歳満期か、どちらがよいとは言えず、好みの問題です。18歳満期にして一括で受け取ると、使ってしまいそうな人は22歳満期にしておくとよいでしょう。お祝い金が出るタイプは、大学進学前に使ってしまい、あとで困る可能性があるので、あまりおすすめできません」(山田先生)

ただし、返戻率の高さでいうと、22歳満期のほうが有利。保険金を預ける期間が長いほど、運用できる期間が長いからです。

注意点は小学校、中学校、高校入学時などにお祝い金が出るタイプ。

「大学進学にはかなりお金がかかるのに、それまでに受け取ってしまい、使ってしまうあとで困ります。ですので、お祝い金のないタイプのほうがおすすめ。もしお祝い金があるなら、据え置いて18歳満期にスライドできるものがよいでしょう」(山田先生)

学資保険の満期設定時の注意点は?

学資保険の満期を設定する際に気をつけたいことがあります。それは満期金が実際に受け取れるのはいつか、ということ。満期保険金を受け取る時期は、一般的に満期になる年の誕生日を過ぎた契約応答月。入学金など大きなお金がかかるのは、子どもが高3年生(18歳)の1~3月が多いことを考えると、子どもが早生まれの場合は、間に合わない可能性もあります。

そこで考えたいのが、17歳満期という選択。17歳満期であれば、高校3年生の支払時期に確実に間に合うからです。

17歳満期と18歳満期の違いは?

17歳満期になると、18歳満期よりも1年早く受け取るわけですから、同じ受取金額でも保険料は高く、返戻率は低くなる可能性があります。保険料負担を減らすためにも、赤ちゃんが生まれたらすぐに早く加入し、払込期間を短くするなどして返戻率を上げる工夫が必要になってくるでしょう。

ただし17歳満期にしたくても、できる保険商品は限られています。2019年11月現在で、17歳満期に設定できる人気の学資保険は、ソニー生命保険「学資保険」や日本生命の「ニッセイ学資保険」など。詳細は各保険会社に問い合わせてみましょう。

ソニー生命保険「学資保険」

満期時期は17歳、18歳、20歳、22歳の4パターン。受け取り方は、中学、高校、大学の入学時にお祝い金がもらえる「Ⅰ型」、大学進学時に一括でもらえる「Ⅱ型」、大学進学時から毎年分割してトータル5回もらえる「Ⅲ型」の3種類。

日本生命「ニッセイ学資保険」

18歳、19歳、20歳、21歳、22歳の5回の学資年金を受け取れる「こども祝金なし型」と、このプランに小学校、中学校、高校入学時のお祝い金がついた「こども祝金あり型」。学資年金開始年齢は、契約時に17歳か18歳から選べます。

※掲載の内容は2019年現在のものです。
文/池田純子

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監修
山田静江先生
「損得だけではない、豊かな暮らしを送るためのマネープラン」をモットーに、講演や執筆など幅広く活躍中。

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