配偶者特別控除とは?税制改正で変わった内容や申請書について解説!

コラム
公開日:2019/12/27
更新日:2020/01/10
配偶者特別控除とは?税制改正で変わった内容や申請書について解説!

配偶者控除と配偶者特別控除の違いがわからない!という人は意外と多いのではないでしょうか。「パートで働くならなんとなく100万円くらいがボーダーライン」という知識はあっても、「〇〇の壁」がいくつもあって、ひとつひとつは覚えていられませんよね。
この記事では、配偶者特別控除について、配偶者控除との違いを絡めながら紹介していきます。わかりにくい「〇〇の壁」についてもできるだけシンプルに解説。所得税の控除について一緒に学んでいきましょう!

配偶者とは?

配偶者とは、婚姻関係にある相手のことを指します。夫から見れば妻、妻から見れば夫のことです。ポイントは、婚姻届書を提出した法律上の婚姻関係にあること。内縁関係では配偶者とは認められないので注意しましょう。

配偶者控除とは?

配偶者控除とは、年間所得が38万円以下の配偶者をもつ納税者(世帯主)に対し、所得税の控除が行われる制度です。年間所得が38万円というのは、給与収入でいうと(給与所得控除額の65万円を足した)103万円のこと。

よく「103万の壁」といいますが、これは配偶者控除が受けられるかどうかのボーダーラインということです。この103万円を超えてしまうと配偶者控除の対象から外れることに加え、配偶者自身も所得税を払う義務が生じます

配偶者特別控除とは?

配偶者の年間所得が38万円を超えた場合、配偶者控除の対象からは外れます。しかしこのままだと、ボーダーラインを超えたとたんに税金の負担がいっきに増えることになってしまいます。これを避けるための緩和措置として設けられているのが、配偶者特別控除です。

配偶者特別控除を受けるための条件は?

配偶者特別控除を受けるための条件には以下のようなものがあります。

・納税者本人の年間所得が1,000万円以下であること
・法律上で認められた配偶者であること(内縁は認められない)
・納税者と生計を一にしていること(同居していなくても可)
・青色申告の事業専従者として、給与の支払いを受けていないこと。もしくは白色申告者の事業専従者でないこと
・年間の所得金額が38〜123万円であること
・配偶者が、配偶者特別控除を使用していないこと

特筆すべきは、「配偶者の年間所得金額が123万円まで」という点です。配偶者特別控除においては123万円までであれば、段階的に金額は減っていくものの、控除を受けることが可能となっています。

2018年の税制改正で何が変わった?

これまでは配偶者の年間所得が38万円を超えると、すぐに段階的に控除額が下がっていくシステムでした。しかし2018年の改正でこの部分が大幅に変更され、配偶者の年間所得が40万円未満から85万円以下(年収141万円未満から年収150万円以下)までは、配偶者控除と同じく38万円の控除が受けられるようになっています。

また、従来は配偶者特別控除の対象になる配偶者の年間所得の上限が76万円でした。これに対し、改正後は上限が123万円まで引き上がっています。配偶者の年間所得が123万円までは、段階的に控除を受けることができ、減税効果が期待できるのです(令和2年分以降は133万円以下)。

もうひとつ大きな変更点があります。それは、納税者本人の所得も控除額に影響するようになったこと。これまでは納税者自身の所得は関係ありませんでした。しかし改正後は、年間所得が900万円からは控除額が徐々に少なくなり、1,000万円を超えると配偶者特別控除を受けられなくなることになっています。ただ、こちらは大きな変更点のひとつであるとはいえ、年収900万円を超えない世帯であれば特に気にしなくてもいい変更点といえるでしょう。

141万から201万の壁に

配偶者特別控除を受けるためのラインとして、今まで認知されていたのが「141万の壁」。これは、配偶者の年間所得の上限である76万円に、給与所得控除額の65万円を足した金額のことです。2018年の税制改正によって年間所得の上限が123万円となったことで、この「141万の壁」は、123万円に給与所得控除額の78万円を足した「201万の壁」となっています(所得が多くなると給与所得控除額も増えます)。

また、税制改正のときに耳にした人も多いであろう「150万の壁」。これは、控除額の上限である38万円を控除するための壁となります。配偶者の年間所得が85万円までは38万円の控除が受けられるため、85万円に給与所得控除額の65万円を足して「150万円」ということですね。

配偶者特別控除の具体的な節税額を公開!

配偶者特別控除では段階的に控除額が減っていきます。では、具体的にはどのくらいの金額になるのでしょうか。以下に、納税者の年間所得金額が900万円以下の場合の節税額をまとめました。

配偶者の合計所得金額:配偶者特別控除の控除額(平成30年分・令和元年分)

配偶者の合計所得金額=控除額

38万円超/85万円以下=38万円
85万円超/90万円以下=36万円
90万円超/95万円以下=31万円
95万円超/100万円以下=26万円
100万円超/105万円以下=21万円
105万円超/110万円以下=16万円
110万円超/115万円以下=11万円
115万円超/120万円以下=6万円
120万円超/123万円以下=3万円

※引用:国税庁  No.1195 配偶者特別控除

配偶者特別控除は、このように段階的に控除額が減っていきます。123万円までは控除の対象になるとはいえ、最後のほうは控除額が一桁にまで下がっているのがわかりますよね。上記を参考に、どこをボーダーラインにするかよく考えたうえで、収入額を調整するとよいでしょう。

配偶者特別控除には申請書が必要?どんなものを使うの?

配偶者特別控除は、配偶者控除と同様に申請書への記入が必要です。用紙は「給与所得者の配偶者控除等申告書」というもの。こちらに記入した本年中の所得の見積金額によって、配偶者控除か配偶者特別控除なのかが判定されます。

申請用紙はパートの場合、勤め先から配られることがほとんどですが、個人事業主などの場合でも国税庁の公式HPから様式をダウンロードできます。Excel版であれば、記入した年収を元に配偶者控除なのか配偶者特別控除なのかを判定してくれたり、控除額を自動で計算してくれたりするので便利ですよ。

所得税だけじゃない!社会保険上の「◯◯の壁」も覚えておこう

2018年の税制改正で新たに生まれた「150万の壁」や「201万の壁」。これらは所得税を軽減するために知っていると役に立つものです。

ただ、この所得税の壁のほかに、社会保険の壁を忘れてはいけません。パートでの働き方を考えるとき、よく耳にするのが「130万の壁」ではないでしょうか。この「130万の壁」はいわゆる「扶養」に入れるか入れないかのボーダーライン。このラインを超えてしまうと健康保険や年金も自分で払わなければならないため、たくさん働いても結果的に手取り金額が減ってしまう要因になります。働き損にならないためにも、この「130万の壁」もよく検討しておきましょう。

社会保険の壁にはこれ以外にも、勤務先によって保険加入の義務が発生する「106万の壁」があります。そのため、扶養内で働きたい場合は106万円以上の給与を受け取らないほうがいいことも。社会保険の加入義務については事前に勤め先に確認しておくといいでしょう。

※記載の内容は2019年現在のものです。
文/森とりこ

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女手ひとつで子供を育てるシングルマザー。思い切って離婚したのはいいけれど、「将来が不安で仕方がない」というシンママも多いことでしょう。何を隠そう私もその1人。母子家庭に悩みはつきものですよね(涙)。というわけで今回は、知らないと損をするシンママへの助成や節税効果の大きい「寡婦控除」について、体験談を交えてご紹介。これからシングルマザーになろうと考えている人も、1度冷静になって子供との未来を想像してみてくださいね。※本文中のデータは、2019年2月現在のものです。
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