出産育児一時金とは? 申請書類や方法、直接支払制度についてのまとめ

コラム
公開日:2020/01/16
更新日:2020/01/24
出産育児一時金とは? 申請書類や方法、直接支払制度についてのまとめ

妊婦・出産は人生のなかでも、とても喜ばしいイベント。でも、妊娠中や出産時に多くの出費がかかるのでは……と心配している人も多いはずです。そこで活用したいのが「出産育児一時金」。この記事では、出産育児一時金の申請方法や直接支払制度について紹介します。

出産育児一時金とはどんな制度? 受取制度についても知りたい!

帝王切開など、医療行為が必要な分娩で出産した場合には、健康保険が適用され自己負担が3割になりますが、通常の妊娠や出産は健康保険の対象には入りません。なぜなら、妊娠や出産などは一般的な病気ではないためです。

そのため入院費を含め、出産時の費用は高額になる傾向があります。そこで、出産時の経済的な救済措置として、一律42万円の出産育児一時金が支給されるようになりました。

女性が出産する際に、費用の負担を抑え前向きに出産できるよう考えられた制度ともいえます。出産育児一時金は健康保険に加入しているなどの条件をクリアすれば、誰でも受け取れます。きちんと手続きさえ行えば、審査などは必要としません。

直接支払制度とは? 特徴や仕組みは?

直接支払制度とは、加入している健保組合が直接、出産した産院に対して出産育児一時金を支払う制度のことです。直接支払制度を利用することで、多額の出産費用を用意する必要がなくなります。

一般的には直接支払制度を利用する人が多く、まず産院で代理契約合意文書を交わして申請を行います。この際、健保組合への申請は必要ありません。その後、産院が健保組合へ費用を請求し、産院へ費用が支払われる仕組みです。

出産費用が42万円以下だった場合は、被保険者にその差額分が支払われるため、健保組合に請求します。ほとんどの分娩機関がこの制度を利用していますが、産院によっては利用できないケースもあるため、早めに確認をしておきましょう。
出産したあと、産院から支給決定通知書を受け取るので、なくさないよう注意を。

受取代理制度とは? 特徴や流れは?

受取代理制度とは、本人が健保組合に出産育児一時金を申請することで、本人に代わり医療機関が受け取ってくれる制度です。直接支払制度を導入していない産院でも、受取代理制度を導入しているケースがあります。

受取代理制度は認可された病院(小規模届出医療機関等)に限られるため、小さな産院の場合は、受取代理制度が導入されているかを確認するようにしましょう。受取代理制度を申請する際には、健保組合で手続きをする必要があります。出産育児一時金等支給申請書(受取代理用)に必要事項を記入し、健保組合へ提出することで手続きは完了です。

産院で、代理契約合意文書を交わすだけで手続きが完了する直接支払制度に対し、受取代理制度は自身で書類を記入し完成させる必要があります。書類の記入方法などがわからない場合には、出産時期が近づく前に問い合わせるようにしましょう。出産予定日の2カ月以内になったら、早めに申請しておくことが大切です。

産院が直接支払制度や受取代理制度を導入していない際には、医療機関に出産にかかった費用を全額支払う必要があります。そのような場合には、産後申請方式を利用しましょう。産後申請方式は、入院するときに申請書の記入をしておく必要があります。手続きを済ませておくことで、出産してから2週間から2カ月ほど後に出産育児一時金を受け取れます。

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出産育児一時金の金額はどれくらいなの? 多胎の場合は?

出産育児一時金は、妊娠4ヶ月(85日)以後に出産した際に、42万円が受け取れます。流産や死産などの場合も、同様に42万円が支給されます。費用が42万円以上かかった場合には、超えた分だけを支払います。その後、健保組合に申請することで、付加給付の3万円が追加で支給されます。

妊娠週数が22週未満だったとき、また産科医療補償制度の対象とならない産院の場合、支給額は40万4000円です。また、出産する赤ちゃんが双子などの多胎の場合には、赤ちゃんの人数分の出産育児一時金が受け取れます。あらかじめ多胎出産であることを手続き時に記入することで、2人分の84万円が支給されます。

出産育児一時金の申請方法は? 時効はある?

出産育児一時金は、妊娠4ヶ月が過ぎたら申請できます。国民健康保険の場合には市区町村へ、社会保険の場合には健康保険組合や勤務先へ申請します。出産した翌日から2年経過すると、出産育児一時金は時効となるため注意が必要です。なるべく出産する前に申請するようにしましょう。申請する際には、本人確認書類や健康保険証、直接支払制度の合意文書や領収書、明細書などを持参する必要があります。

出産育児一時金の申請条件は?

出産育児一時金は、「自分が健康保険に加入している」もしくは「夫の健康保険の扶養に入っている」ことが条件として支払われます。また、妊娠4ヶ月以上であることが必須条件のため、妊娠4ヶ月未満の場合は申請が行えません。妊娠4ヶ月以上とは、妊娠してから85日以上経過していることを意味します。

85日以上が経過していれば早産や中期中絶、死産などの場合でも申請できます。やむを得ない理由で中期に中絶を行う場合、薬剤で陣痛を誘発して分娩という形を取るため、早期の中絶よりも費用が高くなります。そういったケースでも出産育児一時金が受け取れます。

出産育児一時金に関する注意点は? 海外で出産した場合などのポイントは?

海外で赤ちゃんを出産した場合も、出産育児一時金を申請できます。その際は「産後申請方式」の利用になるため、注意しましょう。

出生した赤ちゃんが被保険者の被扶養者に認定されている場合には、申請書所定欄に医師・助産師の証明か、市区町村の証明が必要になります。医師の証明や市区町村の証明が受けられない際には、戸籍謄(抄)本や戸籍記載事項証明書などを準備するようにします。

里帰り出産をした場合でも、出産育児一時金を受け取れます。赤ちゃんを出産する産院で出産育児申請金の申請をするようにしましょう。

また、日本国内の健康保険に加入していれば、外国人でも出産育児一時金を申請できます。外国人留学生でも条件を満たすことで、出産育児一時金の受給は可能です。

公務員や会社員として働いていて、退職した後に出産育児一時金を受け取るためには、健康保険の資格を喪失(退職日の翌日)してから半年以内に出産していることが条件になります。ちなみに、退職後夫の扶養に入り、夫の加入している健康保険組合の健康保険の被扶養者になった場合は、重複して受給できないため、どちらに申請するかを選びます。

不妊治療費や出産後の赤ちゃんの入院費などがかかった場合、出産育児一時金を受け取ったとしても、確定申告をすることが大切です。確定申告を行うことで、医療費控除を受けられます。

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妊娠4ヶ月が経過したら、早めに申請書を受け取り、必要事項を記入し提出するよう心がけることが大切です。出産育児一時金を受け取れば、経済的負担は大幅に軽減できます。正しい知識を得て、忘れずに申請しましょう。

文/小春

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