出産手当金とは?誰でももらえるの?気になる金額はいくら?

コラム
公開日:2020/01/16
更新日:2020/01/24
出産手当金とは?誰でももらえるの?気になる金額はいくら?

初めての出産は、何かとわからないことが多いもの。とくにお金など各種手当に関しては、詳しく知らない人も多いのではないでしょうか? 働く女性が出産に関して受け取れる手当はいくつか種類がありますが、この記事では「出産手当金」について詳しく解説します。受給の条件や給付期間、給付額などについて具体的にチェックしてみましょう。

出産手当金とは誰が受け取れる手当なの? 出産育児一時金との違いは?

出産手当金とは、自らが働いている会社で加入する健康保険から支給される妊娠・出産にまつわる手当金です。

目的は、産休中の女性の生活や出産を支えることにあります。よく「出産育児一時金」と混同されがちですが、全く別の制度です。出産育児一時金は、出産に直接要する費用等の負担軽減が目的で、出産時に一括で支給されます。女性は出産にともない、どうしても働けない期間ができてしまいます。出産手当金は、産休によって収入が激減しまう女性に対する休業補償で、生活支援を目的としています。

出産手当金は、出産する本人の勤務先の健康保険組合、協会けんぽ、共済組合等などから支給されます。そのため「出産する本人自身」が「勤務先の健康保険に被保険者として加入していること」が手当を支給されるための必須条件です。

支給額は、給与額をもとに算出されるため一律ではありません。受給対象期間は、給与がもらえない時期の休業補償として、出産前後の原則98日間が対象となります。

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出産手当金を利用するメリットは?

出産手当金の利用は、どんなメリットがあるのでしょうか? 手当というと受け取る側だけにメリットがありそうですが、実は会社にとってもメリットがあるのです。

●受け取る側のメリット
育児休暇中は、当然働いていないため、給与を受け取れません。育児休暇は生まれた子どもと過ごす時間を確保するためにも、とても大切な時間です。しかし、もし収入が途絶えるとなると、やむを得えず職場復帰をせざるを得ない人もいるでしょう。

出産手当金があれば、経済的な面でも安心して育児休暇が取れます。しかも、出産手当金が支給されている期間は、健康保険料・年金保険料・雇用保険料なども免除。免除期間中にも保障はそのまま受けられるだけでなく加入実績も継続されるので、免除されていた期間が将来に影響することはありません。

●会社側のメリット
出産手当金は会社が支払うわけではなく、全国健康保険協会、協会けんぽの管轄です。そのため、会社側に負担はなく、必要な業務は社員の出産手当の申請がスムーズにいくよう、協力することです。

さらに出産手当金を受給している期間は、育児休業中となるため健康保険などの支払いも免除されます。ということは同時に、会社側が負担している健康保険料や年金保険料も発生せず、会社の負担が軽減されることにもつながります。

出産手当金は、社員の休職中の休業補償だけではありません。妊娠・出産を機に社員が退職せずに安心して出産や育児ができるうえ、出産・育児から職場復帰も考えやすくなるため、受給する本人と会社側どちらにとってもメリットがあるのです。

出産手当金はどうやったら受け取れるの? 対象条件は?

出産手当金の対象となるためには、3つの要件を満たす必要があります。

その1
会社の健康保険に本人が被保険者として加入していること。健康保険に加入していれば、正社員である必要はありません。契約社員やアルバイト・パートでも支給対象となる可能性があります。

その2
妊娠4ヵ月(85日)以降の出産であること。妊娠4ヵ月を過ぎていれば、早産・死産・流産・人工中絶となった場合も対象となります。

その3
出産のため会社を休んでいて給与をもらっていない、または、もらっていたとしても出産手当金より少ない場合。もし手当金よりも少ないなら、その差額が支払われます。その1の健康保険加入と、その2の妊娠期間の要件を満たしていたとしても、休業しなければ支給対象にはなりません。

出産手当金は退職しても受け取れるの? 有給休暇の場合は? 

出産にあたり退職したり、有給休暇を消化する場合は、出産手当金の支給対象になるのでしょうか? 出産を機に退職する場合、当然会社の健康保険からも抜けます。したがって、先ほどの要件で考えると給付の対象者から外れます。ただし退職した場合でも、以下の3つの条件をすべて満たしていれば受給できます。

その1
退職日からさかのぼり継続して1年以上、会社の健康保険に加入していた場合。ただし、退職の前日までに1日でも空白の期間があれば、対象外になってしまうので注意が必要です。

その2
退職日が出産手当金の支給期間に入っている場合。出産手当金の支給期間に関しては、のちほど説明します。

その3
退職日に勤務していないこと。退職日に産休中となっており収入がないことが支給条件になります。そのため、退職日を調整する必要があります。

有給休暇の場合は給料が支払われているため、原則的には支給対象外ですが、給与が出産手当金を下回る場合には、その差額が受け取れます。

有給休暇以外にも、会社によっては産休中に一部の給与が支払われることがあります。支払われている給与が出産手当金の額よりも少ない場合は、差額を受け取れます。

出産手当金は出産前に受け取っていた給料のおよそ3分の2になります。有給休暇を消化して働いていた時と同じ金額を受け取れるのであれば、出産手当金は受け取れません。

産休中に有給休暇の消化を推奨する会社もあるようですが、子どもを育てながら職場復帰をすれば、何かと休む必要が出てくるかもしれません。産休中の有給休暇消化に関しては、そのことも加味しながら検討しましょう。

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出産手当金はいつからいつまでもらえるの? 受け取れる期間は?

出産手当金は受け取れる期間が決まっています。出産手当金が適用される期間は、原則的に出産予定日の42日前から出産後56日までの98日間です。

もし出産日が出産予定日から遅れた場合には、その日数分もプラスされて支払われます。多胎妊娠の場合は、産前が98日前からと前倒しで対象期間になります。

では、会社の健康保険に加入して12ヶ月に満たないときはどうなるのでしょうか? この場合、「1年以上加入」という前述の要件を満たしていないことになりますが、出産手当金の一部を受け取れるケースもあります。

具体的には「支給開始日以前の各月の標準報酬月額の平均額」「30万円(任意継続被保険者の標準報酬月額を平均した金額)」を比較し、少ないほうの額が適用されます。

ただし、働き始めて12ヶ月に満たないときの条件に関しては、場合によっては異なることもあるので、事前に会社に確認をしておきましょう。

出産手当金の支給金額は? どうやって計算するの? 

では実際に、出産手当金はいくら支給されるのでしょうか? ここでは計算方法と計算例を紹介します。

出産手当金の1日あたりの支給額は、以下の計算式で算出できます。

●1日あたりの支給額=支給開始日(※)以前12ヶ月間の各月標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3
(※)支給開始日とは、一番初めに出産手当金が支給された日のことを指します

出産が予定日通りだった場合、「1日あたりの支給額×98日」が出産手当金の支給総額です。出産が予定日より遅れた場合は、その日数分が加算され、出産が予定日より早まった場合は、その日数分が差し引かれます。

出産手当金の計算例を紹介! 手元に給与明細を準備して考えてみよう

次に、出産手当金の具体的な計算例を紹介します。標準報酬月額を平均した額が30万円だった場合、30万円を30日間で割ると、日額の平均は1万円です。小数点が出てきた場合は、10円未満は四捨五入します。

出産手当金は日額の3分の2となるため、1万円×3分の2=6666.666円、1円未満は四捨五入するため、6667円です。予定日通りに出産をした場合、6667円×98日で支給総額は65万3366円となります。

出産が予定日より遅れた場合は、その日数分が加算されます。5日遅れたら、98日+5日で103日が支給対象期間になります。逆に出産予定日よりも早まった場合は、その分がマイナスされます。5日早まったなら、98日-5日で93日間が支給対象期間になります。

ちなみに、出産日は産前期間に入ります。早まった場合は、産前42日からその分がマイナスされます。産後の56日間は出産日に関わらず変動しないため、産前分、産後分と複数回に分けて申請するときは気をつけましょう。

出産手当金をもらうための手続きは? 申請忘れに注意しよう

出産手当金は、自分で手続きをする必要があります。出産手当金は自動的にもらえるのではなく、申請をしなければ受け取れません。妊娠・出産を機に、産休に入るのか、有休休暇を消化するのか、退職するのかなど、どのような対応をするかによって支給される金額が変わってきますし、場合によっては受給資格が得られなくなってしまう可能性もあるため、制度の内容をよく理解したうえで適切な準備をしておくことが大切です。

出産手当金の申請には何が必要? 必要書類を見てみよう

まずは、健康保険の加入期間や産休取得予定などを踏まえて、出産手当金の受給資格に該当するか事前に確認しましょう。特に、妊娠・出産にあたり有給休暇の消化や退職をした場合には、必要要件を満たしているかしっかりチェックを。

出産手当金の受給資格が確認できれば、健康保険出産手当金支給申請書を準備します。多くの場合は会社の総務部などの担当部署で準備してあるはずです。もし会社で準備されていない場合には、全国健康保険協会のホームページからダウンロードできます。

また、申請書には本人情報を記入するだけでなく、医師または助産師の記入欄や事業主の証明といった添付書類が必要です。申請期限ぎりぎりではなく早めに準備をするようにしましょう。

出産手当金はいつからいつまでに提出すればいい? 提出期間を知っておこう

出産手当金の申請期限は、産休開始の翌日から2年以内となっています。出産して1年後に産休・育休を終え職場復帰するのであれば、職場に復帰してからの申請でも間に合います。

子どもの預け先が確保できず、2年を超えても職場復帰できない場合や、会社の福利厚生で長期間の育休が取れる場合は、職場復帰の前に申請をしましょう。

申請書は会社の担当部署に提出するケースが主ですが、自分で提出する必要がある場合は、健康保険組合、協会けんぽにて申請しましょう。

出産手当金は、申請してから1~2ヶ月程度で指定した口座に一括で振り込まれます。

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お産でもらえるお金は、出産前後のあわただしい時期に手続きをするものが多め。もらい損ねることがないよう、申請手順やもらえるお金の種類などは、あらかじめしっかり確認をしておきましょう。

文/オレンジピール

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