【FP監修】学資保険は何歳まで加入可能?どれだけ払うとどれだけ貰える?

 専門家監修
公開日:2019/12/20
更新日:2020/03/02
【FP監修】学資保険は何歳まで加入可能?どれだけ払うとどれだけ貰える?
監修
山田静江先生

子どもの教育資金を貯める方法のひとつに学資保険があります。昔に比べると戻ってくるお金が少なくなったものの、「学費目的として確実に貯められる」「一度預けたら引き出せない」「契約者が亡くなったら保険料を払わなくてもいい」などメリットも大きいため、その人気は、まだまだ根強いもの。でも、いざ入ろうとしたときに入れない!ということも。学資保険には、子ども、親ともに加入年齢に制限があるからです。

そもそも学資保険ってどんなもの?

学資保険とは、子どもを被保険者、親を契約者とし、親の万一に備えながら、子どもにかかる教育費を準備する貯蓄型の保険。

被保険者である子どもが満期時に生存していれば満期保険金、それ以前に死亡したときにはそれまでに払った保険料相当額の死亡給付金が支払われます。また、契約者である親が保険期間中に亡くなったら、それ以降の保険料は免除されま、満期時には満期保険金が支払われます。

「学資保険とは商品名なので、こども保険と言われることもあります。保険商品によっては、商品名に学資保険ともこども保険とも入っておらず、それが学資保険かどうかもわからない場合もあります。その場合は、保険会社のホームページなどで商品の詳細を見ると“5年ごと利差配当付きこども保険”など、正式な商品名の記載がありますので、そこで確認するといいですね」(山田先生)

最近は「支払った保険料より受け取るお金が少ない元本割れの商品もある」と敬遠され気味ですが、学資保険ならではのメリットはある、と山田先生は話します。

学資保険のメリットは?

【1】「学費を貯める」という目的がはっきりしている

子どもに最もお金のかかる大学進学時に、満期保険金を確実に受け取れるのは大きなメリット。18歳満期で一括で受け取れるもの、22歳満期で分割で受け取れるもの、小学校、中学校、高校の入学時にお祝い金が出るタイプもあります。

【2】途中解約はソンをするので、使ってしまう危険がない

途中で解約すると“解約返戻金”が戻ってきますが、これまで支払った保険料の全額が戻ってくるわけではないので、元本割れしてしまいます。これは反対に言うと、途中で解約しにくいということ。簡単に解約して使う危険性がないのはメリットと言えるでしょう。また途中で解約せずにすむように、家計に負担なく払い続けられる保険料を設定しておくことも大切。

■解約返戻金とは■

解約返戻金とは保険契約が解約されたときに、契約者に払い戻されるお金のこと。契約者が支払った保険料の一部は、保険会社が将来支払うために積み立てたりするだけでなく、契約を維持する費用にあてたりするため、解約返戻金の金額は、払い込んだ保険料よりも少なくなることがあります。金額は保険期間、契約年齢、加入年数などで異なります。

【3】契約者が亡くなっても、満期保険金が受け取れる

たいていの学資保険は契約者である親が保険期間中に死亡したら、それ以降の保険料の払い込みは免除され、満期時には満期保険金が支払われます。まれに免除されないタイプもあるので、加入するときによく確認しておきましょう。満期金の他に、親の死亡時から満期時まで年金が受け取れる“育英年金(養育年金)”タイプの学資保険もあります。ただし保障を厚くすると、戻るお金が少なくなる可能性があります。

【4】支払った保険料より、受け取る金額が多い場合がある

支払った保険料に対して受け取れる金額の割合をあらわしたものが“返戻率”。受取総額÷保険料払込総額×100%で算出され、100%を切ると元本割れということ。かつては返戻金120%以上という商品もあったようですが、最近はどんなに高くても110%以下、商品によっては100%以下のものも少なくありません。とはいえ、100%を超えるものもあります。保険料の支払い方や払込期間、受取時期によっても変わるので、より返戻率を上げる工夫も必要です。

【5】節税効果がある

学資保険は生命保険の一種なので、生命保険料控除の対象になります。生命保険料控除とは、支払った保険料に応じて所得金額から差し引かれる所得控除のこと。所得控除が多いほど、課税対象となる所得の金額が減少し、所得税と住民税が軽減されます。つまり学資保険に加入していれば、税金が少し安くなるということ。学資保険は“一般生命保険料控除”の枠で最大4万円まで控除が受けられます。会社員は年末調整、自営業は確定申告で手続きすればOKです。“保険料控除証明書”を添えて申告しましょう。

「会社員でも年末調整で書類を出すのを忘れたら、住んでいる地域の税務署で確定申告すれば問題ありません。なお学資保険の加入時期が年末に近いと、保険料控除証明書が年末調整に間に合わず、翌年、自分で確定申告をしなければいけない場合もあります。また契約者は妻だけど、実質的に支払っているのは夫という場合は、夫の所得控除になります」(山田先生)

■生命保険料控除の注意点は?■

生命保険料控除には、以下のような“一般生命保険料控除”“介護医療保険料控除”“個人年金保険料控除”の三区分があります。

このうち学資保険は“一般生命保険料控除”の枠に入りますが、控除額には年間払込保険料の上限額があるため、死亡保険などに加入して限度額を超えていると、控除が受けられないので注意。所得税の場合、それぞれにつき4万円、合計12万円。住民税の場合、それぞれにつき2万8,000円、合計7万円が上限となります。

学資保険のデメリットは?

途中で解約するとソンをする

学資保険は途中解約すると、解約返戻金が戻ってきます。しかしメリット【2】で触れたように、支払った保険料から経費やそれまでの保障部分を差し引いて戻されるため、大きく損をする可能性があります。これが、いちばんのデメリットです。特に加入してからの時期が短いと、解約返戻金がかなり少なくなるので、よく考えてから加入しましょう

途中で解約してお金を使ってしまう危険がないという意味ではメリットですが、長期間にわたってお金を自由に引き出せないと、何かの事情でまとまったお金が必要になったときに困るかもしれません。そういう意味ではデメリットですね」(山田先生)

■途中解約で多いパターンは?■

途中解約の理由に多いのは「家計が厳しくて保険料を支払えなくなった」「あとから契約内容がわが家に合わないことに気づいた」など。

学資保険は10年以上の長期間にわたり、続けていくものですので、加入前に以下の項目はしっかりとチェックしておきましょう。

・契約者は誰か
・子どもが何歳まで支払うのか
・月々の保険料はいくらか
・合計でいくら支払うのか
・満期保険金はいくらなのか
・受取時期はいつか(一括か分割か)
・保障内容はどんなものか

いちばん大切なのは、最後まで支払い続けられること。無理な金額設定で途中解約してしまうことほど、もったいないことはありません。保険料支払いを、月々1万円ベースで考えてほしいのはこのためです。児童手当はそのまま貯めれば200万円になりますので、児童手当を保険料にあてるのもよいでしょう。その場合、18歳満期の学資保険を15歳までなど短期で払い終えれば、返戻率を少しアップさせることもできます」(山田先生)

受け取ったお金に税金がかかることがある

学資保険の満期保険金には税金がかかる可能性があることもデメリットにあげられるでしょう。まず確認しておきたいのは「誰が保険料を払っているか」「誰が満期保険金を受け取るのか」。払う人と受け取る人が同じなら“所得税”、違うなら“贈与税”がかかります。また所得税のなかでも「どうやって受け取るか」でも変わり、一括で受け取るなら“一時所得”、年金で受け取ると“雑所得”になります。

インフレリスクがある

インフレになると物価が上がり、相対的にお金の価値は下がります。物価が2%上がると、100円で買えたものが、102円になるということ。つまり100円の価値が下がっているのです。学資保険の場合、契約時に利回りが確定するため、加入後にインフレが進行すれば、実質的な資産価値は下がってしまいます。また契約時の学費より満期の学費のほうが高くなっている可能性があり、想定していた学資金では足りなくなる恐れもあります。

「インフレリスクに備えるなら、インフレに強い株式投資と組み合わせて積み立てていくのも手。たとえば月2万円貯めるなら、1万円は学資保険、もう1万円はつみたてNISAなどで運用することで、確実に貯めながらリスク分散にもなります」(山田先生)

学資保険は何歳まで加入できるの?

加入できる年齢は、子どもも親も制限がありますが、その範囲は各保険会社で異なります。

「子どもの年齢制限は、小学生入学までが多く、長くても10歳ぐらいまで。保険料の支払期間が短くなると、その分保険会社の運用利回りが悪くなるためです。妊娠中から入れる商品も多くあります。

一方、契約者である親の年齢制限は、45~75歳と幅広く、親の性別や子どもの契約年齢、保険料の払込期間などによって決められています。親の年齢制限があるのは、通常は亡くなったら保険料の支払いが免除となる“保険料払込免除特則”がセットされているから。また親が亡くなったときから満期金を受け取るまでに育英年金が給付されるタイプもあり、こうした保障が親の年齢制限に関係しているのです」(山田先生)

親の年齢が高いと、学資保険の最大のメリットである“保険料払込免除特則”が付加できない場合もあります。加入する際には、しっかりと確認しておきましょう。

契約者は夫婦どっちがいい?

契約者は夫と妻、どちらにすべきでしょうか。

亡くなったら困る人=稼ぎ手が入るのが基本です。共働きなら、夫婦ともに入っておくとよいでしょう」(山田先生)

なぜ夫婦ともに入ったほうがよいのでしょうか。メリット【5】で説明した節税効果が関係してきます。

「生命保険料控除が使えるのは、学資保険のメリットのひとつ。ただし控除額には上限があるので、死亡保険などで上限がいっぱいになっているケースもあります。その場合は、夫婦どちらか控除枠が残っているほうが学資保険に契約すると控除を受けられるでしょう。学資保険は死亡保障もついていますから、この機会に死亡保障を見直しましょう。夫婦が加入している保険を整理するよいチャンスですよ」(山田先生)

学資保険は何歳までに加入すればいい?

では、いつ加入するのがベストなのでしょうか。山田先生は「なるべく早め」をすすめます。

「早めに入っておけば、まず年齢制限に引っかかる心配がありません。また契約時には契約者の健康状態の告知が必要になりますので、契約者が大病を患うなどしたら、何年も加入できなくなってしまいます。契約者の健康状態がよい若いうちに加入したほうがよいでしょうね。妊娠中から入れる保険も多くありますが、そこまで急がなくても、生まれてから赤ちゃんの顔を見て入る、というのでOKです。とはいえ、0歳のうちに加入するのがよいでしょうね」(山田先生)

早めに加入して返戻率アップ!

学資保険に早めに加入して保険料を早く支払い終えれば、返戻率をアップさせることもできます。

返戻率とは、払い込んだ保険料総額と受取総額を計算して戻ってくる割合をあらわしたもの。受取総額÷保険料払込総額×100%で算出できます。

たとえば100万円支払い、110万円受け取れるとすると、返戻率は110%ということ。返戻率が100%を超えると、支払った以上の金額が戻るということですが、100%を下回ると支払った金額よりも少ない金額しか受け取れない=元本割れということ。ですから、そもそも学資保険を選ぶときは返戻率が100%を超えるものを選ぶのが基本です。

返戻率をアップさせる方法を次におさらいしましょう。

返戻率を上げる方法はコレ!

①保険料の支払いを早く終わらせる

保険料の支払いをいつ終わらせるかで返戻率は変わります。早く終えれば返戻率は高くなり、遅ければ低くなります。児童手当を支払いに回し、18歳満期の保険を15歳など短期で支払いを終了させるのもおすすめ

②満期保険金を遅く受け取る

満期保険金を受け取る時期によっても、返戻率は変わります。早く受け取れば低くなり、遅く受け取れば高くなるため、18歳満期よりも22歳満期のほうが高くなります。お祝い金がついているものは低くなります。

③保障を減らす

保障がたくさんついていると、その分利回りが悪くなり、返戻率は下がるので、保障を見直して減らすのも手。ただし返戻率が低くても、必要な保障が付帯されていることもあるので、じっくりと吟味して。

「返戻率を高くするには、上記3つの要件をクリアすればOKですが、くれぐれも返戻率のためだけに無理をしないように。早く払い終えるためには、資金に余裕がないと無理ですし、受け取りを遅くするには、必要な時期にお金がもらえないかもしれません。また保障もメリットのひとつです。返戻率の高さだけにフォーカスしすぎず、トータルで見て、自分に合うものを選ぶことが大切ではないでしょうか」(山田先生)

学資保険は何歳までもらえるの?

学資保険のお祝い金や満期保険金を受け取るタイミングは、大きくは3パターンあります。

①小学校、中学校、高校入学時にお祝い金として受け取るもの
②18歳満期時に一括で受け取るもの
③22歳満期で、入学時と大学在学中の4年間に分割して受け取るもの

「主流は②と③。特に最近は、大学入学時に必要なお金を受け取り、その後、4年間に分けて受け取る③が多いですね。このタイプは受け取る時期が遅くなる分、返戻率が高くなるのもメリットです。いずれも、いちばんお金がかかるのは大学進学時ですから、受け取る時期は、大学入学のタイミングに合わせるのがよいでしょうね。お祝い金のあるタイプは、本格的にかかる前にもらってしまい、使ってしまう恐れもあります。お祝い金ありのタイプは返戻率が低いという点からも、あまりおすすめできません。もしお祝い金ありのタイプなら据え置きして18歳満期までスライドさせるとよいでしょう」(山田先生)

学資保険は何歳までに受け取るといいの?

「18歳で一括で受け取るか、22歳までに分割でもらうか、どちらがいいかは好みの問題。一括で受け取ると、使ってしまいそうな人は22歳満期にしておいたほうがよいでしょうね」(山田先生)

ちなみに満期保険金を受け取る時期は、一般的に満期になる年の誕生日を過ぎた契約応答月。入学金など大きなお金がかかるのは、子どもが18歳になる年の3月が多いことを考えると、早生まれの場合は間に合わない可能性があります。特に3月生まれの場合は、17歳満期にしておいたほうがよいかもしれません

学資保険は何歳まで支払うの?

保険料を支払う時期は、10歳まで、15歳まで、満期時の18歳まで、と保険商品によって異なりますが、支払時期が短いほど、返戻率がアップするのは先にご説明したとおり。

満期時まで支払う場合は、誕生日を過ぎた契約応当日の前月までが一般的です。

「返戻率をアップさせるために早く払い終えようと、支払う保険料を増やすと家計が苦しくなってしまうので要注意。いちばん大切なのは、最後まで支払い続けられること。無理な金額設定で途中解約しないように気をつけましょう」(山田先生)

※掲載の内容は2019年現在のものです。
文/池田純子

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山田静江先生
「損得だけではない、豊かな暮らしを送るためのマネープラン」をモットーに、講演や執筆など幅広く活躍中。

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