『イヤイヤ期』いつから始まり、いつまで続く? 年齢別の対処法も【専門家監修】

 専門家監修
公開日:2019/11/28
『イヤイヤ期』いつから始まり、いつまで続く? 年齢別の対処法も【専門家監修】
監修
塩崎尚美先生
日本女子大学人間社会学部心理学科教授

この記事は『イヤイヤ期』がいつから始まり、いつごろまで続くのかについてまとめたものです。
ママの言うことに、なんでも「イヤ!」「イヤ!」と返し、ママがヘトヘトになってしまう、いわゆる「イヤイヤ期」。
いつからいつまで続くのか、そして年齢ごとに対処法は違うのか。
臨床心理学の専門家、塩崎尚美先生に聞きました。

『イヤイヤ期』って何?

『イヤイヤ期』は、赤ちゃんが子供へと成長する過程で起こる反抗期のことで、何に対しても「イヤ!」「イヤ!」と繰り返すことから、『イヤイヤ期』といわれています。

毎日赤ちゃんの「イヤ!」「イヤ!」につきあわなければならないママは大変ですが、『イヤイヤ期』が到来したということは、実はいいことです。

子供が自分でできることが増え、「自分でやりたい!」あるいは「やりたくない!」という欲求や意思が芽生え、自己主張できるようになった、ということだからです。

『イヤイヤ期』は、泣いて、おっぱいやミルクを飲んで、眠っていただけの低月齢のころと比べて、人間として大きく成長してきた証です。

『イヤイヤ期』はいつ始まり、いつまで続く?

『イヤイヤ期』は1歳半ごろから3歳ごろまで続きますが、いちばん大変なのは「魔の2歳児」と呼ばれる2歳ごろと言われています。

ちなみに『イヤイヤ期』の程度には個人差もあり、おだやかであまり自己主張が強くない子もいれば、四六時中かんしゃくを起こしている子もいます。

『イヤイヤ期』の基本的な対処法は?

1歳半~3歳ごろにやってくる『イヤイヤ期』ですが、どの年代でも心得ておきたいのが、本当に危険なことだけは、どんなに「イヤ!」といわれても「ダメ」を貫くこと。

それ以外のことは、この時期にはまだ目をつぶったり、受け入れたりしていいことも多々ありますが、「どうしてもダメ」なことだけは、親として一貫して「ダメ」と伝え続けましょう。

今はまだ理解できなくても、言い続けることが後の理解へとつながります。

1歳ごろの『イヤイヤ期』どう対処する?

1歳ごろは『イヤイヤ期』未満の『イヤ期』ぐらい。気分で言っていることが多い

いちばん最初の「イヤ」があらわれる時期で、まだ「イヤイヤ期」までは行かず、「イヤ期」ぐらいでしょうか。

口に入れた離乳食をベーッと出してみたり、少し言葉が出始めたときに「ヤ!」と言いやすいから言うなどの行動が多く、まだしっかりとした自己主張ではありません。

「面白いからしてみる」「そのときの気分で言っているだけ」ということがほとんどでしょう。

気を反らせやすく、ママもあまり苦労せず対処できる時期

強い意思があって主張している「イヤ」ではないので、ほかに興味があることが見つかれば、すぐに忘れてしまいます。

ほかのことで気を反らせたり、一度違うことをさせたりすると、すぐにおさまることが多いでしょう。

「あ!あれ、なんだろうね!」と興味をひきそうなものを見せるなど、ちょっとしたことで「ごまかし」がきく時期です。

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2歳ごろの『イヤイヤ期』どう対処する?

上から目線なのに途中で混乱。もっとも「やっかいな」時期

2歳になると、いよいよ本格的な「イヤイヤ期」に突入です。子供もかなり明確な意思が芽生え、主張をしてきます。ただ、まだ3歳児ほどは明確ではないところが、かえってやっかいです。

2歳児は、歩いたり、話したりと、人としてできることが増えます。しっかり立つこともでき、姿勢も安定してくるので目線が高くなり、視野も広がって世界の見え方が大きく変わる時期です。

そのため「自分ってスゴイぞ」と、ある意味「上から目線」になります。「やりたい!」という意思や、「自分はできる!」という自信も出てきます。

その一方、まだまだできないことも多いため、思うようにできないことにイラだったり、「ああしなさい」「これしちゃダメ」と強制や禁止されることが不快だったりして、かんしゃくを起こします。

さらに精神的にも未熟なので、感情的になって怒ったり泣いたりしているうちに、自分が何をイヤだと思っているのか、何に対して怒っているのかわからなくなってしまうのです。

自分でもどうしていいかわからなくなり、自分をもて余しながらも怒りはおさまらずにひたすら泣く、ということもあるでしょう。

このようなアンバランスさやジレンマが、激しい「イヤイヤ」になってあらわれると考えられます。

少し距離を置いて、落ち着くまで見守るのも手

この時期の「イヤイヤ」は、誰がかかわっても大変で手がつけられないもの。あきらめて、おさまるまで放っておくのもひとつの手です。

かんしゃくを起こしているときに周りの大人がいろいろ言ったり、手助けしようとしたりすると、ますますイヤになって騒ぎが大きくなってしまうこともあるので、少し距離を置いて気持ちが静まるまで見守っていてもいいでしょう。

よく「まず気持ちを受け止めてあげて」と言いますが、「ギャーッ!」となっているときにはママも受け止められないでしょうし、受け止めても子どももすぐには治まらないでしょう。

しばらくそっとしておき、少し落ち着いてから、「くやしかったね」「○○したかったんだよね」「残念だけど、じゃあこうしようか」など、共感したり、交渉したりすると、うまくいくでしょう。

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3歳ごろの『イヤイヤ期』どう対処する?

イヤというより自己主張に。だいぶ自分が見えてくる時期

3歳児になると、上から目線だった2歳児より少し冷静になり、自分ができること、できないことがある程度理解できるようになります。

等身大に近い自分が見えてくるようになり、好きなこと、きらいなこともはっきりしてきます。

この時期は、ただ「イヤ」というより、かなり明確な意図や意思を持った自己主張になってきて、「こうしたい」「これはイヤ」と言葉で伝えられるようにもなってきます。

その分、ごまかしがきかず、がんこにもなってくるので、大人のほうは忍耐強くつきあうことが求められるようになります。

感情に言葉が追いつかないときは、スキンシップしつつ言語化を手伝ってあげて

一方で、親の言うことも理解できるようになってくるので、まずは「それはイヤなんだね」と気持ちを受け入れ、「でもね、あなたの気持ちがこうなのはわかるけど、ママはこうしてほしいな。こうじゃないと困るんだ」と、親の言い分も伝えて、お互いの着地点を探り合う「交渉」ができるようになってきます。

まだ、大人同士のように理路整然と話し合いをすることは無理ですが、お互いの意見を交換し合うことは、少しずつできるようになってくるでしょう。

おしゃべりが上手で、自分の思っていることをよく話せる子がいる一方、まだ感情に言葉が追いつかないことや、自分の思うことを上手に話せないことも多いでしょう。

そういう場合は、子供のよく様子をうかがって気持ちを受け止め、「こんなふうに思っていたんだね」と言葉にするのを手伝ってあげられるといいですね。

言葉による表現があまり得意でない子には、ギューッと抱きしめたり、手をつないでブンブンしたりと、スキンシップや体を使った遊びなどで、気持ちをほぐしてあげてもいいでしょう。

4~5歳になると相手の気持ちや社会のルールが少しずつわかるように

そのときの気分による1歳、自分のことも見えない2歳、自分のことは見えるようになる3歳を過ぎ、4~5歳になってくると、相手の気持ちや事情を理解する力が少しずつついてきます。

同時に、社会のルールや守るべきことがあることも理解できるようになり、「イヤだけど、ガマンしなくちゃいけないんだな」ということもわかってきます。さらに、自分の感情をコントロールする力も、少しずつですが備わってきます。

あくまで個人差はありますし、すぐにすべてがスムーズになるわけではありませんが、そのころには「イヤイヤ期」も卒業です。

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今、お子さんが『イヤイヤ期』真っ只中というママは、毎日「イヤイヤさん」とおつきあいしなければならず大変だと思います。

しかしこの『イヤイヤ期』も、一生続くわけではありません。やがては通りすぎ、何年かすれば「あのときは大変だったね」と笑って話せるときが必ず来ます。

子どもが思う存分「イヤ!」と言えるということは、その子にとって、ママや家庭が、心から安心できる場所であることの証でもあります。

大切なわが子の「成長の過程のひとつ」と思って、なんとか乗り切っていきましょう。

文/出村真理子

監修
塩崎尚美先生
日本女子大学人間社会学部心理学科教授
専門は臨床心理学。あと追いや人見知りにもかかわりが深い、母子の分離不安が研究テーマ。1男1女の母。著書に『乳幼児・児童の臨床心理学』(放送大学出版社)など。

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