3歳の反抗期「ママを無視」「ママ嫌い!」これらの意味とは【専門家監修】

 専門家監修
公開日:2020/01/03
更新日:2020/01/24
3歳の反抗期「ママを無視」「ママ嫌い!」これらの意味とは【専門家監修】
監修
塩崎尚美先生
日本女子大学人間社会学部心理学科教授

2歳の「イヤイヤ期」に続く、3歳の反抗期。ますます手強く、ママも頭を悩ませることが増えるかもしれませんね。
3歳とは子どもの成長においてどういう時期なのか、その時期の反抗期にはどんな特徴があるのか、どう対処すればいいのかなどについて、臨床心理学の専門家 塩崎尚美先生にお聞きしました。

3歳の反抗期とは?その原因は?

3歳は「自分」が見えるようになる時期

3歳児の反抗期について理解していただくために、まずは2歳児の特徴からお伝えします。

2歳児は、歩いたり、話したりと、人としてできることが増えて、世界の見え方が大きく変わる時期です。そのため、「自分ってスゴイぞ」と、ある意味「上から目線」になる年齢といえます。

それが、3歳児になると、自分のことを過大評価していた2歳児より少し冷静になり、等身大に近い自分が見えてくるようになります。

同時に、自分ができること、できないこともある程度理解できるようになり、好きなこと、きらいなこともはっきりしてきます。

その分、明確な意思や意図が生まれ、それを言葉で伝える力も育ってくるため、自己主張も強くなります。

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やりたいことを止められたり、したくないことをさせらるのがイヤ

自分のことがわかり始め、したいこと、したくないことがはっきりしてくる3歳児は、自分がやりたいと思うことを止められたり、したくないことを「しなさい」と強要されたりすることに対して、強い不快感を持つようになります。

ちょうどこの時期は、ママたちがわが子への「赤ちゃん扱い」を卒業し、「子ども」として扱うようになる時期。

そして、幼稚園などへの入園を前に、「こういうことをできるようにしたい」「こういう態度やふるまいはやめさせたい」など、しつけを強く意識するようになる時期でもあります。

そのような気持ちから、親が「こうしなさい」ということが、子どもの意に反していると、いわれたことに対して、「なんでこんなことをしなくちゃいけないんだ。したくないのに」「こうしたいのに、なんでダメなんだ」と思うようになるのです。

親の「こうさせたい」「こうさせたくない」という思いや、そうさせようとする子どもへの関わり方と、子どもの「こうしたい」「これはしたくない」という思いや態度が異なることで、「3歳の反抗期」が生まれると考えられます。

3歳の反抗期、その特徴は?

とにかく「イヤなものはイヤ」

自分でやりたいと思ったことを、思うようにできるようになる3歳児だからこそ、思い通りにできないことや、強引にやらされることがいやでたまりません。

例えば、「朝は急がないと仕事に遅刻しちゃうから、早く保育園に行かなくちゃ」→「急いでごはんを食べなさい。服を着替えなさい」などという大人の都合は、まだこの時期の子どもは理解できません。

ですから、「早くしなさい」と言われても、「今はやりたくない」と思えば「イヤ!」となります。

やりたくないことに特別な理由はなく、「ただ今はやりたくない気分なだけ」ということがほとんどですが、「やりたくないことはやらない」「イヤなものはイヤ」と主張し、だいぶ頑固なこともあります。

反抗のしかたに男女差はあまりなく、どちらかというと持って生まれた、その子の「気質」が影響すると考えられます。

気難し屋さんのタイプや、こだわりが強いタイプの子は、より「イヤ!」が強くなるかもしれません。

相手の気持ちは無視、その結果の「ママきらい!」

3歳児は、自分のことは見える、つまり自分の感情はわかりますが、相手のことまでは見えません。「こういうことを言ったら相手が悲しむ、傷つく」ということまでは、まだわからないのです。

ですから、「~~しちゃダメ」「~~しなさい」と言われたことに対して、ものすごく不快な気持ちになったら、その感情のまま「イヤ」「キライ」「バカ」などと、思ったことをそのまま口に出してしまうことがあります。そう言ったら相手が傷つく、ということは考えていません。

「バカ」という言葉を使ったとしても、意味はわかっていないはず。まわりの大人などが言っているのを聞いたり、「バカ」と言ってみたらまわりの大人が慌てたのでその反応が面白かったり、という理由で口にしているのでしょう。

同じように「キライ」も本心ではなく、イライラや不快な気持ちをぶつけているだけと考えられます。

3歳の反抗期、接し方は?

ただ「ダメ」ではなく、言葉にしてルールや気持ちを伝える

3歳ぐらいになると、わかりやすい言葉できちんと伝えれば理解できるようになります。

子どもの気持ちが少し落ち着いてから、「そんなことを言われたら、相手はとてもいやな気持ちになるよ。あなたにそんなことを言われたら、ママはとても悲しいよ」と、ママの気持ちをちゃんと伝えましょう。

そして、「あなたの気持ちはわかるけど、朝は時間通りにごはんを食べて、準備をして保育園に行かないと、お仕事に遅刻してしまうんだ。そうすると、ママも会社の人もすごく困るの」と、子どもの気持ちを受け入れつつも、「これは困る」と、親として引かない姿勢を見せることや、ルールを教えることも必要です。

ただ「ダメ」ではなく、その理由を伝えることで、「一人前に扱われている」と感じることは、子どもにとっても嬉しいことです。

この時期に、何度も繰り返し言葉で伝え続けていくことで、その後、「こういうことを言ったら相手はいやな思いをするんだな」という相手の気持ちや、社会のルールなどを理解することにつながっていきます。

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「今はそういう時期」と割り切って、ママ自身のリフレッシュも大切に

ママが言ったことに対して、なんでも「イヤ!」と言ったり、ダメと言うことをしたり、ということが続くと、ママもイライラしてしまうこともあるでしょう。そんなときはまず、「今はそういう時期」と割り切ることも必要かもしれません。

何もわからなかった赤ちゃんが、自分のことを理解し、「こうしたい」「これはしたくない」と自分の意思を持ち、反抗するなんて、すごい成長です。

そして、この反抗期は成長のひとつの過程で、やがては通りすぎるもの。「今だけ、今だけ!」と心の中で念じて、できるだけイライラせずに過ごせるといいですね。

そうは言っても、育児に家事にと忙しい毎日。反抗期さんに振り回されてヘトヘト……、なんてこともあるでしょう。たまにはママ友と美味しいランチをしたり、ひとりでゆっくりお茶したりと、ママ自身が気分転換できる時間も必要です。

少しだけ子どもと離れてリフレッシュすることで、また、おおらかな気持ちで子どもと向き合えるようになるかもしれませんね。

3歳の反抗期、いつまで続く?

4~5歳になると落ち着いてきます

3歳のころは、自分のことはわかっても、相手の気持ちや事情を理解することまではできません。

それが、4、5歳になると、自分が言ったり、したりしたことによる相手への影響や、相手の気持ちというものを、だんだんと理解できるようになってきます。

また、社会のルールなど、守るべきことがあることも理解できるようになり、さらに、自分の感情をコントロールする力も、少しずつですが備わってきます。

そのため、「こういうことを言ったら相手がいやな思いをするんだろうな」「今はこうしなきゃいけないんだな」「いやだけど、ガマンしなくちゃ」などということを、少しずつ、理解したり、できたりするようになってきます。

もちろん、すぐに全てがうまくいくようになるわけではありませんが、3歳の反抗期も、4、5歳になれば、少しずつ落ち着いてくるでしょう。

文/出村真理子

監修
塩崎尚美先生
日本女子大学人間社会学部心理学科教授
専門は臨床心理学。あと追いや人見知りにもかかわりが深い、母子の分離不安が研究テーマ。1男1女の母。著書に『乳幼児・児童の臨床心理学』(放送大学出版社)など。

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