【赤ちゃんの言葉の発達】初めての言葉はいつから出るの?【専門家監修】

 専門家監修
公開日:2019/12/23
更新日:2020/01/10
【赤ちゃんの言葉の発達】初めての言葉はいつから出るの?【専門家監修】
監修
小林哲生
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員

この記事は『赤ちゃんの言葉の発達』についてまとめたものです。
かわいいお口から「ママ」なんて言葉が出るのはいつごろかしら?ほかの子と比べて言葉が遅いようだけど大丈夫?赤ちゃんの言葉の発達は、楽しみでもあり気がかりでもありますね。赤ちゃんの言葉はどんな風に発達するのか、専門家にお話を伺いました。

赤ちゃんの言葉はどう発達する?

ママのおなかの中にいるころから、赤ちゃんには外の音が聞こえています。ママやパパがやさしく話しかける言葉も心地よく聞いていたかもしれません。

ですから、言葉の「芽」のようなものは生まれたときから赤ちゃんの中にあるのでしょうが、言葉をコミュニケーションの道具として使えるようになるには時間がかかります。

言葉の発達は個人差がとても大きいのですが、大まかな目安は次のようなものです。

0~1ヶ月

生まれたばかりはまだ言葉っぽい音は出せず、泣きやげっぷ、くしゃみなどに伴う音を反射的に発するだけです。

2~3ヶ月

話しかけられたとき、ご機嫌なときなどに、「あ~」「く~」のように聞こえる、やわらかな声を出すようになります。これを「クーイング」といいます。

口をしっかり開けてはっきり「あー」と発音するのとは違う、やさしい発声です。

4~6ヶ月

機嫌のいいときに、意味を持たない音をいろいろ発するようになります。クーイングよりはもう少し複雑で、複数の音が組み合わさったりもします。

6ヶ月ごろになると「まんまんまん」「ななな」などの「喃語(なんご)」を繰り返して発することもあります。

7~11ヶ月

この時期になると、「ばまー」「ががめー」のように、複数の音をつなげて発するようになります。

人の注意を引くために「あーあー」と声を出す、「あ!」と言って興味のあるものを指さすなど、意図的に声を出すようになってきます。

お誕生日前後になると、意味のある言葉を発する子も出てきます。

関連リンク⇒⇒⇒赤ちゃんの言葉、どう発達する? 0カ月~2才までの言葉のステップ

赤ちゃんの言葉が出始めるのはいつ?

「10ヶ月ごろから」と言われることもありますが、統計を取ると10ヶ月で意味のある単語を発するのは20%ほど。

ほとんどの子には、まだ初語(初めてしゃべる、意味を伴う語)が見られません。平均的には1歳前後でしょう。

もちろんこれもあくまでも平均で、1歳半、あるいは2歳近くになって「意味のある単語を口にした!」と周囲がわかることもあります。

関連リンク⇒⇒⇒言葉の発達の遅れはママの「◯◯」が足りないから?

言葉が出てくる前兆はある?

「ななな」「ばばば」のように音を繰り返す喃語が、「ななばー」「ばばま」のように複数の音を組み合わせた喃語に変わり、そこにお話ししているかのような強弱がついてくると、音のコントロールが上手になってきた証拠です。

こうした様子が見られ、理解できる単語が増えてくると、そろそろ初語が出てくる時期だと考えられます。

1歳~1歳6ヶ月

1歳~1歳6ヶ月になると、多くの子が少しずつ意味のある単語を口にするようになってきます。

まだ初語が見られない子も言葉の意味は理解し始めていることが多いので、「りんごは?」と聞くとりんごを指さすことなどができるようになってきます。

1歳7ヶ月~2歳

1歳7ヶ月~2歳になると、言える単語が急に増えてきます。これを「語彙爆発(ごいばくはつ)」といいます。

ある程度の数の単語が言えるようになると、「ワンワン、きた」「パパ、かいしゃ」など、2つの単語をつなげて話すようになります。

2歳代前半

大人の言うことをまねしたり、歌を歌ったり、知っている言葉を羅列したりするようになります。

「きれい」「おいしい」といった感情を表現するなど言葉のバリエーションが増え、名詞だけではなく動詞や形容詞を口にするようになってきます。

50%の子は、2歳前後で自分の名前が言えるようになります。

2歳代後半~3歳

口にする単語の数がますます増え、ある程度文章を構成した話ができるようになってきます。

「バス来た」などと単語と単語をつなげるようにもなりますが、「車が見た」(正しくは「車を見た」)のように、かわいらしく間違えることも多い時期です。

赤ちゃんが初めてしゃべる言葉とは

「ママ」と「パパ」、どっちを先に言うのかな? うちの子は食いしん坊だから「まんま」が最初かな?など、赤ちゃんが初めておしゃべりする言葉は何なのか、気になりますね。

2016年にNTTコミュニケーション科学基礎研究所が行った調査では、赤ちゃんが早く言えるようになる言葉のトップ10は以下でした。

赤ちゃんが早く言えるようになる言葉トップ10

1.(いないいない)ばぁ~

2.まんま

3.ママ

4.わんわん

5.はい

6.パパ

7.あっ!

8.バイバイ

9 あーあ

10.アンパンマン

パパはママに完敗。アンパンマンの人気のすごさは、この調査からもわかります。

また、同研究所が2008年に行った調査では、初めてしゃべった言葉やしゃべる時期は赤ちゃんによって本当にさまざまなことがわかります。

初めてしゃべった言葉とその時期

Aちゃん 「まんま」(11ヶ月)

Bちゃん 「どうぞ」(1歳)

Cちゃん 「ママ」(1歳)

Dちゃん 「ちょうだい」(1歳)

Eちゃん 「ばいきんまん」(1歳)

Fちゃん 「あーちゃん」(1歳1ヶ月)

Gちゃん 「あーあ」(1歳1ヶ月)

Hちゃん 「あーあ」(1歳2ヶ月)

Iちゃん 「いや!」(1歳2ヶ月)

Jちゃん 「ぶーぶー」(1歳5ヶ月)

言葉の発達は個人差が大きいと言われますが、こうした調査を見るとそれがよくわかりますね。

赤ちゃんの言葉の発達が遅い理由

言葉の発達が遅いかどうか、はっきりと時期を特定するのはなかなか難しいもの。

一般的には1歳半健診のときに、初語が出ているかどうかをチェックすることが多いです。

2歳~2歳半になっても初語が出ていない場合は、言葉の発達がゆっくりめだと言えるかもしれません。

言葉の発達の遅れには、いろいろな原因があります。たとえば――

耳の聞こえが悪い

言葉が発達するためには、耳が聞こえていなければなりません。

重度の難聴は「声をかけてもふり向かない」といった様子から気づかれることが多く、早い時期から補聴器を使用するなどの対策がとれます。

むしろ軽度の難聴が見過ごされることがあり、それが言葉の遅れにつながることも。

対人関係が苦手

社会的な手がかりや感情を読み取るのが不得手、人への関心が薄いなど、発達障害(自閉症スペクトラム)の傾向が強いと言葉の発達が遅れぎみになります。

周囲の環境

ママもパパもあまりおしゃべりをしない、外に出て人と接する機会が少ないなど、物理的に言葉に触れる機会が少ない子は、にぎやかな環境で育つ子よりも言葉の発達が遅くなる可能性があります。

関連リンク⇒⇒⇒子どもの成長を妨げるこんな言葉言ってない? 「いい子だから」「お願いだから」「痛かったわね」

赤ちゃんの言葉の発達を早める方法はある?

発達には個人差がありますから、やたらと早めようとするのはよくありません。単語を口にしないだけで、言葉は静かに確実に発達している子もいます。溜め込んで溜め込んで、あるときを境に急におしゃべりを始めたりするケースです。

その子の発達のペースを乱してまで早めることはありませんが、いくつか心がけているとよいことはあります。

アイコンタクトを大切に

どの月齢にも言えることですが、赤ちゃんをあやしたり話しかけたりするときには、しっかり目と目を合わせましょう。

にっこり笑ったら「うれしいねぇ」、キョロキョロしているようなら「これが欲しいのかな?」などと、反応を見ながら言葉を返します。

ゆっくり話す

英語を習い始めのときにペラペラッと早口でまくし立てられても、何を言っているのかわかりませんね。

言葉の意味を推し量ったり、文章の構造を理解したりするためには、ゆっくり話してもらうことが大切です。

絵本の読み聞かせ

シカゴ大学の研究では、1~2歳のころに親から絵本を読んでもらった頻度が、小学校3~4年生時の読解力や読書への意欲に影響すると報告されています。

赤ちゃんの様子を見てアイコンタクトをとりながら、反応に応じて読み進めるといいですね。

関連リンク⇒⇒⇒0才ベビーの言葉の発達は、こんな語りかけがコツ!

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1歳になったから、2歳になったからと時期だけにこだわるのではなく、普段の生活の中で気になる点がある場合は、可能なら言語聴覚士さんのいる医療機関に相談してみましょう。言葉の発達を促すいろいろなやり方を教えてくれますよ。

文/中根佳律子

監修
小林哲生
NTTコミュニケーション科学基礎研究所 上席特別研究員
専門は乳幼児心理学。乳幼児の言葉の発達について膨大なデータを元に解析するなど、科学的なアプローチで研究を重ねている。データに裏打ちされた理論を基にNHK教育テレビ『いないいないばぁっ!』にかかわるなど、アドバイスは具体的・実践的。著書に『0~3さい はじめての「ことば」』(小学館)、監修に『頭のいい子を育てるプチ あかちゃんごおしゃべりえほん』(主婦の友社)など。

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