【専門家監修】幼児の英語教材のおすすめは?いつから始める?効果は?

 専門家監修
公開日:2019/10/23
更新日:2019/11/07
【専門家監修】幼児の英語教材のおすすめは?いつから始める?効果は?
監修
田浦秀幸先生

2020年度から英語教育の学習指導要領が大きく見直され、よりコミュニケーションとしての英語が必要とされる方向になっていきます。「なるべく早く英語を習わせたい」「いつから習わせたらいいの?」など、わが子の英語教育にあれこれ頭を悩ませているママたちも多いはず。立命館大学の田浦秀幸先生に、実際に早く習わせる効果と習わせるのに適切な時期について伺いました。

幼児のうちから英語を習わせると“発音”がよくなる

子どもになるべく早く英語を習わせたいという親御さんは多いですが、早く習わせるいちばんの利点は“発音”です。発話に関する脳の回路は、5歳ぐらいまでにできあがるため、それまでに大量に英語に接していると、ネイティブスピーカー並みに英語を喋ることができるようになると言われています。

3歳まで英語漬けになればペラペラになる

10年ほど前に私たちは、日本語と英語をネイティブレベルで話す子どもたちを対象に、バイリンガルの脳研究を行いました。結果は、3歳までに英語環境で育った子は、ほとんど右脳を動かさずに日本語も英語もしゃべっています。一方、3~6歳のときに英語に始めて接した子は、発音はネイティブレベルだけれども、右脳はちょっと苦労しています。どの子どもも言語にかかわらず左脳は使っていますが、3歳以下に英語に接すると省エネで右脳を殆ど使わなくて済んでいました。3歳以降に英語に接触を開始をしていてもネイティブレベルの英語には到達できていた点が大事な部分で、脳の苦労は本人達には全く感じられるものではありません。

相互のやりとりがあって初めて話せるように

よく「うちの子は英語のDVDが大好きで、同じものを何回も観ています」という話を聞きますが、実はDVDを観ただけでは英語を話せるようにはなりません。もしかするとリスニングが少しはできるようになるかもしれませんが、そもそも言語習得には相互のやりとりが必要。一方通行的なDVDではコミュニケーションが成立しないので、しゃべれるようにはならないのです。母親が日本人、父親がアメリカ人といった子がバイリンガルになるのは、生まれたときから英語と日本語の両方でやりとりしているからなのです。

いまは発音を重視しない時代

ただし、これは発音だけの話です。現在ではシンガポールやフィリピンなど「その土地ごとの英語が存在しているので、それを尊重する」のが主流で、コミュニケーションが取れるレベルの発音を有していれば米国人や英国人の発音でなくとも全く許容される時代です。そう考えると、ネイティブレベルの発音を身に着けることは重要ではないでしょうね。

発音以外に早期教育の利点はほとんどありませんが、あえて挙げるとすると、頭の中で言語処理を自動化する回路ができる速さです。これは身体的な柔軟性が関わるので、若いほうが有利なのです。しかし、あくまでも速さの問題。年を重ねてからも自動化する回路自体はできますので、必ずしも幼少期から英語を学ぶ理由にはなりません。

子どもが興味を持ったときに勉強スタート

では、日本で生まれ育った子どもたちが使える英語を身に着けるためには、いつごろからどんな勉強を始めるといいのでしょうか。正解は何歳だろうが、子どもが英語に興味を持ったときです。

日本人にとって英語は第二言語を習得するということですから、スイミングや習字といった習い事と同じようにとらえて、子どもが興味をもったときが、いちばんスタートにふさわしい時期です。

子どものモチベーションが高い時に勉強を始めることは、早期教育よりはるかに効果的でしょう。逆に言うと、子どもに興味がないのに無理をして習わせるのは全く意味がありません。むしろ子どもが英語を嫌いになる可能性が高くなります。

英語教室は先生選びが重要

英語教室に通うなら、いろいろ見学して、子どもが面白いと思えるところを選びましょう。特に幼児期は先生の影響が大きいので、よい先生のいる教室を見極めることが大切です。

よい先生とは、次の3つの要素を満たしている人です。

・ネイティブスピーカーであること
・英語教授法を習得した先生であること
・できたら褒めてくれる人

まず幼児が対象の場合、英語の発音が上手でなければ絶対にダメです。ですからネイティブスピーカーであることは必須条件です。とはいえ、ネイティブスピーカーであればいいというものではありません。“TESOL”など英語教授法の資格を持っている、教えるプロがベスト。理論と実践を兼ね備えたうえで、いつもニコニコと一緒に遊んでくれる人がいいでしょうね。どうしてこの活動をしているのか尋ねたときに、きちんと理論的背景を説明してくれる先生なら問題ありません。子どもがうまくできたら褒めてくれる人であることも重要です。大人でもそうですが、子どもは褒めてもらうとうれしいので、どんどんやる気になります。とにかく厳しいのはダメですね。

小学校低学年で長期の留学は危ない!?

英語力をもっとつけさせたいと、小学校の低学年の時期に、子どもだけで半年間や1年間など長期間にわたってホームステイに行かせるプログラムがありますが、これは要注意。

なぜかというと、やはりその時期は親のそばで愛情を感じさせることが大切なのはもちろん、理解や判断などの知的機能である認知能力を育てる時期だからです。

たとえば4歳の子と10歳の子が海外に行った場合、4歳の子のほうが流暢に話せるようになりますが、10歳の子は4歳の子より理解が早いことがあります。これは「こういう場面では英語ではこういうんだ」と認知能力がついているからです。

小学校低学年は、この認知能力の基礎をつくる時期。英語はしゃべれるようになりますが、日本語はあっという間に忘れるため、認知能力も育たないのです。ですから日本に戻ってテストを受けると、なかなか点数がとれない。時として帰国生の親御さんが頭を抱えるのは、子どもに年齢相応の認知能力が育っていないことが原因の可能性があるのです。

幼児期に海外でホームステイをさせたいなら短期にとどめるか、長期で行きたいなら親御さんもいっしょに行くとよいでしょう。いま親子留学が流行っていますが、これはとてもよいと思います。そこで友だちになった子どもと、帰国してからスカイプなどオンラインで交流を続けると、子どもはますます英語を話すことが面白くなるでしょうね。

幼児の英語教材はインタラクティブなものを選ぼう

英語教室ではなく、家庭でできる英語教材を選ぶなら、一方通行ではなく双方向でやりとりできるものがよいでしょう。こちらが何かアクションを起こすと、反応してくれるといったものです。先にお伝えしたように、アメリカやイギリス、フィリピンのお子さんとオンラインで実際に話すのもおすすめです。

耳で聞く→読み書きの順番で習わせる

子どもが英語を始めたいといったら、最初はとにかく体を動かして、英語で楽しい活動をいっしょにするのがよいでしょう。たとえば“Stand up”といったら立って、“Sit down”といったら座るなど。まずは英語を耳から聞いて理解できて、自分からもコミュニケーションできるということです。“読む”“書く”は、うんと遅らせてもいいでしょう。最初から読み書きを教えると子どもは嫌がります。

ただし、ネイティブの先生が絵本を読んでくれて面白いなと思ったらしめたもの。そこでフォニックス(発音と文字の規則性)を教えてあげると、子どもは習っているという気分でなく、自分から興味を持って、絵本を読むようになります。自分で読めるようになったら、お母さんは褒めて、褒めて、褒めまくりましょう!そうしたら子どもは、ますます英語が好きになります。何歳のときにこの絵本、というのはありません。とにかく強制は絶対にNGです。

子育てと言語習得というのは、ほんとうに難しいものです。英語がペラペラになるのは簡単かもしれませんが、あまりそればかりにとらわれると、人間としていちばん大切な認知力を養えなくなる可能性があります。

繰り返しになりますが、幼児期は子どもの興味に沿って環境をととのえること。小学校卒業するまでは英語が楽しいなと思えることがいちばんでしょうね。

取材・文/池田純子

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監修
田浦秀幸先生
シドニー・マッコリ―大学で博士号(言語学)取得。大阪府立高校及び千里国際学園で英語教諭を務めた後、福井医科大学や大阪府立大学を経て現職。伝統的な手法に脳イメージング手法を併用し、バイリンガルや日本人英語学習者を対象にした言語習得・喪失に関する基礎研究に従事。著書に『科学的トレーニングで英語力は伸ばせる!』(マイナビ)がある。

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