【皮膚科医監修】赤ちゃんの「よだれかぶれ」いつまで続く?治し方は?

 専門家監修
公開日:2019/08/28
【皮膚科医監修】赤ちゃんの「よだれかぶれ」いつまで続く?治し方は?
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

赤ちゃんの口の回りが赤くなったり、ブツブツしたりしていませんか? それは「よだれかぶれ」かもしれません。放っておくと悪化してしまうため、早めに治してあげましょう。よだれかぶれの原因や対処法、受診の目安などについて、ドクターに聞きました。

よだれかぶれとは? 

よだれが皮膚について起きる炎症のこと

「かぶれ」は、正式には「接触皮膚炎」といい、刺激物やアレルゲンが皮膚に触れることでできる湿疹などのこと。つまり、「よだれかぶれ」とは、口から流れ出た唾液=よだれが皮膚に触れて炎症を起こしたものです。

赤くなったり、ブツブツができたりし、ひどくなると水ぶくれなどができて皮がむけ、ジュクジュクするようになります。

かぶれは、湿布薬や塗り薬などで起こることもあります。この写真は、湿布薬を貼った部分がかぶれ、赤く腫れた状態。

よだれかぶれの原因は?

唾液の中の消化酵素が刺激に

人間の皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層になっていますが、赤ちゃんの表皮は大人の半分ほどの厚さしかありません。表皮は体の中の水分が外に出るのを防ぐと同時に、外からの刺激を防ぐ働きもしているため、赤ちゃんの皮膚は肌を守る「バリア機能」も大人に比べて低く、その分刺激に弱いという特徴があります。

角層と表皮細胞を合わせた層が「表皮」。赤ちゃんはこの部分が大人の半分ほどしかありません。

口の回りやあご、首などによだれがつくと、湿って皮膚がふやけた状態になり、より刺激に弱い状態になります。また、唾液には殺菌・抗菌作用があるほか、糖を分解したり、脂質を分解したりする、いくつかの消化酵素も含まれています。それが刺激となって、皮膚が炎症を起こしてしまうのです。

よだれかぶれはいつまで続く?

飲み込むことが上手になる1才ごろまで

一般的に、よだれは、新生児のころにはあまり出ることはありません。増え始めるのは、離乳食が始まる少し前の生後4ヶ月以降から。まだ唾液をうまく飲み込むことができないため、ダラダラと外に流れ出て、よだれになってしまいます。

赤ちゃんによって、よだれの量が多い・少ないには差があります。離乳食が進んで、上手に「ゴックン」と飲み込むことができるようになってくると、よだれも減っていきます。それにともなって、よだれかぶれも少なくなっていくので、きちんとケアをしていれば、1才ごろには治まるでしょう。

手づかみで食べたり、スプーンを持ったりするようになる1才ごろには、食べ物を飲み込むことも上手になり、よだれが減ってきます。

よだれかぶれの治し方

ホームケアのポイントは「清潔」「保湿」「低刺激」

よだれかぶれになった場合のホームケアのポイントは、次の3つです。

1. 皮膚を清潔にする

赤ちゃんの体や顔は、入浴して1日1回は石けんできれいに洗うのが基本ですが、よだれは、多いときには1日中出ていることもあります。口回りやあご、首などによだれがついたままだと、皮膚に刺激を与え続けることに。

よだれが出やすい授乳や離乳食のあとはもちろん、お昼寝や朝起きたときなどに、こまめにふいてあげましょう。首はしわを広げて、中に入り込んだよだれをきれいにふきとって。

授乳や離乳食後には、口の周りやあご、首をきれいにふいてあげましょう。

2. 保湿する

入浴して石けんで洗ったり、よだれをふきとったりすると清潔になりますが、皮膚を保護する皮脂も同時に洗い流してしまいます。

皮脂は皮膚の内側の水分が蒸発するのを防ぐ役割をしているので、そのままにしておくと乾燥しやすく、外からの刺激にも弱い状態になります。清潔にしたあとは、必ず保湿を忘れないようにしましょう。

保湿剤は、ベビー用のローションやクリームなどを使います。入浴後やよだれをふいたあと、5~10分以内を目安に塗ってください。

体や顔を清潔にしたあとは、必ず保湿しましょう。

3. 刺激を与えない

赤ちゃんの皮膚は大人に比べてバリア機能が弱く、刺激に弱いのが特徴。よだれかぶれのような肌トラブルが起きていると、より刺激に敏感になるため、できるだけ刺激を与えないことが大切です。

入浴時には、石けんやボディシャンプーをよく泡立てて、指の腹を使ってやさしく洗います。決して爪を立てて洗わないように気をつけて。

ベビー用品のリストによく挙げられているガーゼは、実は織が粗く、皮膚に刺激を与えてしまうため、よだれをふきとる時には、やわらかいぬれタオルがおすすめです。綿100%の素材を選び、ゴシゴシふかずにそっと押すようにしてふき取りましょう。

石けんはよく泡立て、指の腹を使って洗ってあげて。

よだれかぶれで病院に行くべき?薬は何がいい?

ホームケアを続けても治らないときは皮膚科を受診

ホームケアを1~2週間続けても治らなかったり、どんどん赤くなる、皮膚がむけてジュクジュクしてくるなど悪化した場合は、皮膚科を受診しましょう。皮膚の状態に合った薬を使わないと、かえってひどくなることもあるので、市販薬を使うことは避けてください。

皮膚科を受診すると、「ロコイド」や「キンダベート」などの弱めのステロイド薬と、「アズノール軟膏」などの非ステロイド系消炎塗り薬や油分で皮膚にふたをして水分が逃げないようにする「ワセリン」が処方されます。

皮膚科を受診すると、弱めのステロイド薬が処方されます。

一般的には、ステロイド薬は夜入浴したあとと朝起きたときの2回、非ステロイド薬は授乳や離乳食、お昼寝のあとなどに口回りやあご、首をふいたときに塗りますが、医師の指示に従って使いましょう。

ステロイド剤は勝手にやめないで

ステロイド剤というと、副作用がある怖い薬と思っている人が少なくありません。そのため、症状が治まってくると塗るのをやめてしまうことがありますが、正しく使えば副作用が出ることはないのです。医師の指示どおりに使わないと、かえって症状が長引くこともあるので、必ず指示された量や期間を守りましょう。

もしどうしても使うことに不安がある場合は、医師に疑問点を確認してください。きちんと説明を受けることで、きっと不安も解消するはずです。

キンダベートも弱めのステロイド薬。不安がある場合は、使い方などについて医師に相談しましょう。

よだれかぶれの予防法は?

ホームケアを続けることが基本

よだれかぶれを予防するには、ホームケアを続けることが基本です。「清潔」「保湿」「低刺激」を心がけ、よだれが皮膚についたままにならないようにしましょう。

食べる前やお昼寝前にワセリンを塗ると効果的

さらに、授乳や離乳食、お昼寝のあとだけでなく、あらかじめその前に保湿剤を塗っておくと、よだれが直接皮膚につくことを防げて効果的です。

保湿剤は、ローションやクリーム、オイルよりも保湿効果が高く、皮膚をガードする力の高いワセリンがおすすめ。傷があるところにも塗ることができ、よだれかぶれだけでなく、他の肌トラブル予防やホームケアにも使えます。薬局で手軽に買えるので、購入しておくと便利です。

ワセリンは、ドラックストアなどで手軽に購入できます。

写真出典/はじめてママ&パパの病気とホームケア

取材・文/荒木晶子 イラスト/福井典子

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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