【小児科医監修】赤ちゃんのうつぶせ寝、いつから大丈夫?うつぶせ寝が好きだと危険なの?

 専門家監修
公開日:2019/08/06
更新日:2019/08/29
【小児科医監修】赤ちゃんのうつぶせ寝、いつから大丈夫?うつぶせ寝が好きだと危険なの?
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長

この記事は、赤ちゃんのうつぶせ寝についてまとめたものです。赤ちゃんのうつぶせ寝には、メリットもある反面、乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まるという報告もあり、生後6ヶ月までは避けたほうが安心です。「うつぶせ寝が好きな場合はどうすればいいの?」「いつからならしていい?」というママたちのために、うつぶせ寝のリスクとメリット、注意点などを小児科の先生に聞きました。

赤ちゃんのうつぶせ寝には危険があるの? いつからなら、させていい?

乳幼児突然死症候群(SIDS)になりやすいという報告があります

ふわふわのやわらかいふとんでうつぶせ寝をした場合、口や鼻がふさがれて呼吸ができなくなってしまう危険があります。

また、あおむけ寝よりうつぶせ寝の赤ちゃんのほうが、乳幼児突然死症候群(SIDS)が起こりやすいという報告があります。
SIDSとは、元気だった赤ちゃんが、睡眠中に突然亡くなってしまう病気です。日本では、赤ちゃんの6000~7000人に一人に起こると推定され、生後2~6ヶ月の時期にとくに多いとされています。

SIDSのはっきりとした原因はわかっていませんが、
①うつぶせ寝を避けること
②できるだけ母乳で育てること
③赤ちゃんの周囲では禁煙すること
④寝室は赤ちゃんとママを同室にすること
などによって、リスクを減らせる可能性があるといわれています。

「いつからならOK」とはいえません

SIDSが最も起こりやすいとされる生後6ヶ月ぐらいまでは、うつぶせ寝は避けたほうが安心です。

生後5~6ヶ月ぐらいになると、首もしっかりすわり、万が一うつぶせの状態になっても、苦しければ自分で頭を持ち上げられるようになります。ただ、窒息とSIDSは別のものです。SIDSはうつぶせによって窒息して起こるわけではなく、深く眠る中でそのまま呼吸が止まってしまって起こります。

生後6ヶ月をすぎても、1歳ぐらいまでは起こる可能性があるため、「生後6ヶ月をすぎたらうつぶせ寝をさせても大丈夫」とはいえません。

赤ちゃんがうつぶせ寝が好きな場合、どうすればいい?

気づいたときにうつぶせになっていたら、あおむけに戻してあげて

うつぶせ寝をすると落ち着く、安心するなどの理由から、うつぶせ寝が好きな赤ちゃんもいるようです。ただ、うつぶせ寝が好きな赤ちゃんでも、生後6ヶ月ぐらいまではうつぶせ寝はさせないほうが安心です。

あおむけに寝かせると泣いてしまう場合は、うつぶせで寝つくまでママがそばで見ながらトントンするなどして、眠ったらあおむけに戻してからその場を離れるようにしてもいいでしょう。
また、ママがソファなどに座り、上体を倒した状態で赤ちゃんを抱っこして、ママの胸の上に乗せるような形で寝かしつけ、寝たらそっとあおむにしてベッドやふとんに寝かせてもいいでしょう。

5~6ヶ月ごろ、寝返りができるようになると、赤ちゃんが寝ている間に自分でうつぶせの状態になってしまうこともあります。その場合は、ママが気づいたときに、あおむけに戻してあげましょう。

自然にうつぶせになったときに口や鼻がふさがれないように、ふわふわしたやわらかいふとんは避け、適度に硬さのあるふとんに寝かせると安心です。

赤ちゃんのうつぶせ寝にメリットはあるの?

呼吸が安定し消化の働きを助ける利点も

うつぶせ寝には、メリットもたくさんあります。哺乳動物の多くは本来、四足で行動し、寝るときにはうつぶせでいることが多いもの。人間も哺乳動物なので、赤ちゃんだけでなく大人でも、うつぶせで寝ると安心し、落ち着くという人も多いようです。

うつぶせに寝ると、手足などがビクッとするモロー反射なども起こりにくく、呼吸も安定するため、赤ちゃんは落ち着いてよく眠れます。おっぱいを吐きにくく、消化の働きをうながすメリットもあります。そのため、低出生体重などで生まれた赤ちゃんが入院する新生児集中治療室(NICU)などでは全員うつぶせ寝にしています。

また、胃の軸捻転などの病気で吐きやすいときには、治療の一環としてうつぶせ寝にすることもあります。ただし、これらは病院内で24時間医療スタッフが見守る中、モニターをつけてリアルタイムで心拍や呼吸を管理しているからこそできること。

いちばん大切なのは、赤ちゃんの生命を守ることです。いくらメリットがあるとはいえ、SIDSのリスクがあるとわかっている以上、家庭では、うつぶせ寝は避けたほうが安心です。

赤ちゃんのうつぶせ寝は防止すべき?注意点は?

 SIDSは1歳ぐらいまで起こる可能性があります

前に述べた通り、SIDSが最も起こりやすいのは生後2~6ヶ月ごろですが、1歳ぐらいまでは起こる可能性があります。予防するために、少なくとも生後6ヶ月ぐらいまではうつぶせ寝は避け、赤ちゃんが自分で寝返りをしてうつぶせになってしまうようになったら、1歳ぐらいまでは、気づいたときにあおむけに戻してあげましょう。
念のため、ふわふわのやわらかい敷きふとんは避け、適度に硬い敷きふとんに寝かせると安心です。

SIDSを疑わせるような無呼吸がみられた場合は

最近では、産院で赤ちゃんのベットに20秒以上呼吸をしないとアラームが鳴るようになっている「無呼吸モニター」を装備しているところが増えてきています。生後1週間以内でもSIDSが起こり得るからです。
産院に入院中に無呼吸を知らせるアラームが鳴った場合は、退院後にも同じことが起こる可能性があるので、自宅のベットでも「無呼吸モニター」を、リースなどで使うことが勧められます。

文/出村真理子
※ 写真はイメージで本記事の内容とは無関係です。

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長
札幌医科大学医学部卒業後、国立小児病院新生児科(NICU)や東京都立墨東病院周産期センター新生児科部長、同病院副院長をへて2014年より現職に。多くの乳幼児をみてきた渡辺先生ならではの、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。

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