【小児科医監修】生後1ヶ月の赤ちゃんが寝ないのはなぜ?対策が知りたい!

 専門家監修
公開日:2019/08/06
更新日:2019/08/29
【小児科医監修】生後1ヶ月の赤ちゃんが寝ないのはなぜ?対策が知りたい!
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院 院長

この記事は、生後1ヶ月の赤ちゃんが寝ないときの原因や対策についてまとめたものです。生まれたばかりのころは、昼夜問わずに寝たり起きたりを繰り返す赤ちゃん。ママは寝不足になったり、家事がなかなかできなかったりして、「どうして寝てくれないの?」「いつになったら夜まとめて寝るようになるの?」などと思ってしまうこともありますね。そこで、生後1ヶ月ごろの睡眠の特徴と、寝ない原因や対策について、小児科の先生に聞きました。

生後1ヶ月の赤ちゃんの睡眠ってどんな感じ?

少しずつ長く眠るようになりますが、目覚めている時間も長くなり、昼夜の区別はまだつきません

同じ月齢の赤ちゃんでも、よく寝てくれる子、ちょっと寝てはすぐ起きてしまう子など、睡眠の状態には個人差が大きいものです。

一般的には、生後1ヶ月ごろになると、少しずつ長い時間まとめて眠るようになってきますが、まだ小間切れ睡眠の赤ちゃんもいますし、昼夜の区別がつくのはもう少し先です。昼と夜が逆転し、「昼間はわりと寝てくれるけど、夜は寝てくれない」ということもあります。

この時期の赤ちゃんは、平均して1日合計で15時間ぐらい眠るのが一般的です。ただ、睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、生まれたばかりの赤ちゃんは、大人と比べてレム睡眠の割合が多いとされています。

浅い「レム睡眠」と深い「ノンレム睡眠」を繰り返します

レム睡眠とは浅い眠りのことで、大人ではレム睡眠のときに夢を見ます。眠っているものの、脳は働いているため、赤ちゃんは眠りながら、呼吸が乱れたり、まぶたや体がピクピク動いたりすることもあります。このレム睡眠のときは、ちょっとしたことで泣いて目を覚ましやすくなります。

一方、ノンレム睡眠とは深い眠りのことで、身動きもせず、思わず「息をしていないのでは?」と心配になって赤ちゃんの呼吸を確かめてしまうほど、ぐっすり眠ります。ノンレム睡眠のときは、多少のことでは目を覚ましません。

生後1ヶ月の赤ちゃんが寝ないとき、原因は?

まだ昼と夜の区別がしっかりついていない

生後1ヶ月の赤ちゃんは、まだ昼と夜の区別がついていない状態です。1日平均15時間の睡眠のなかで、深い眠りであるノンレム睡眠が4~5時間、浅い眠りであるレム睡眠が4~5時間あり、それ以外の時間は、その中間の眠りといわれています。そして、この時期は、深い眠りであるノンレム睡眠が夜中にくるとは限りません。

まだ今は、人間としての生活や睡眠のリズムに赤ちゃんの体が慣れていく途中の段階なので、昼間に深く眠り、夜中にいちばん眠りの浅い時間帯があたってしまうこともあります。そうすると、「昼間はよく寝るのに、夜中は寝ない」ということが起こりますが、こればかりは大人がコントロールできることではなく、24時間のなかで、赤ちゃんの昼と夜がこの世界での昼と夜に合致するのを待つしかありません。

だいたい生後2~3ヵ月ごろになると、昼夜の区別がつくようになってくるでしょう。

原始反射のせいで泣いてしまうことも

生後1ヶ月ごろはまだ、赤ちゃんは自分の意思で体を動かすことよりも、反射による体の動きのほうが多い時期。原始反射も残っており、眠っているときに音や自分の体の動きなどに反応して「ビクッ」と両手を広げる「モロー反射」が起こると、驚いて泣いてしまいます。

そして、反射でビックリして目覚めたときに、自分自身を落ち着かせる能力も備わっていないため、溺れているような状態で手足をバタバタ動かして、大泣きしてしまうことも。

生後3ヶ月ぐらいになれば、少しずつ、自分の意思で自分の体をコントロールすることができるようになります。おなかが空いたら自分の意思でおっぱいを飲みたいと要求するようになったり、目が覚めているときには自分の手をみたり、手を口に持って行ったりということもできるようになり、反射のせいで驚いて泣くことも減ってくるでしょう。

ほかにも、こんな原因で寝ないことも……

赤ちゃんが寝ない原因として、ほかにも以下に挙げるようなことが考えられます。

・部屋が暑い、もしくは寒い

・おむつが汚れていて気持ち悪い

・うるさい

・おなかが空いている

・体調が悪い(熱がある、おなかが痛いなど)

・うんちが出なくて苦しい(便秘)

・衣類がチクチクするなど、なんだか気持ち悪い(不快)

「暑い」「寒い」「生理的に不快」などの環境については、すごく敏感な子もいれば、おっとりしていてあまり気にしない子もいます。赤ちゃんの個性によっても異なりますが、環境を整えることで眠りやすくなることもあるかもしれません。

「泣いて起きる」=「おなかが空いた」とは限りません

生後1ヶ月ごろは、おなかがいっぱいでも、おっぱいをあげると反射的に飲んでしまいます。泣いて起きたときに「おっぱいをあげれば飲む」ため、おなかが空いているのだと思ってしまうママもいるようですが、泣いて起きた場合、必ずしもおっぱいが飲みたくて起きたとは限りません。

ミルクをしっかり飲んだ後、あまり時間をおかずに泣いて起きた場合などは、母乳やミルクをあげるのではなく、抱っこをしたり、体をやさしくトントンしたりして寝かしつけてみましょう。

生後1ヶ月の赤ちゃんが寝ないとき、対策は?

赤ちゃんの手を口のそばにそっとつけてあげて

人間の知覚でもっとも早く発達するのは、「口のまわり」と「指先」といわれます。そのため、赤ちゃんは指しゃぶりをすると安心するのだと考えられます。この時期はまだ、自分の意思で、思うように手足を動かすことが上手にはできないため、ママが赤ちゃんの両手を口のそばにそっとあててあげると安心します。

例えば、モロー反射などでびっくりして泣いたときなどに、抱き上げなくても、ママの手やふとんなどでそっと包み込むように軽くおさえてあげると、落ち着いて眠ることもあります。

体調や環境を整えてあげましょう

赤ちゃんが寝ないとき、まずは、暑い、寒い、おむつが汚れているなど、「寝ない原因」があるかどうか、見直してみましょう。思い当たることがある場合は、以下に挙げるように、身の回りを清潔にする、体調を確認する、室内の環境を整えるなど、赤ちゃんが気持ちよく眠れるように配慮してあげましょう。

・暑い、もしくは寒いときは、室温や衣類を調節する

・おむつが汚れていたら替える

・授乳時間を確認し、前回の授乳から2~3時間以上たっていたら授乳する

・抱っこしたり、やさしくトントンしたりする

・熱がないか、ずっとグズグズ泣いているなど体調が悪そうな様子がないか確認する

・便秘(何日もうんちが出ておらず、苦しそうな様子)がないか確認する

いろいろ試してみても寝ない場合は、それが今の、その赤ちゃんの睡眠のペースなのだと考えましょう。

夜、あまり寝ないと「寝不足になるのでは?」と心配するママもいますが、夜あまり寝ていないということは、昼に深く寝ている時間があるはず。赤ちゃんの時期に「眠いのに眠れない」ということはありません。あまり寝ていないように見えても、体にとって必要な睡眠はちゃんととれているので心配しないで。
次第に昼夜の区別がつくようになり、睡眠のリズムも整っていくので、もうしばらく様子をみましょう。

先輩ママが振り返る…生後1ヶ月ごろの「寝ない!」体験談

●とにかく一日中寝ませんでした

とにかく一日中泣いていた記憶があります。おっぱいを飲んでも、おむつを替えても、部屋の温度を調節しても……。おっぱいが出ていないのかと不安になり、母乳外来を受診したら、おっぱいはよく出ているものの飲み方が下手だったようで、上手な飲ませ方を教わって、飲みやすくなるようにおっぱいをマッサージしてもらいました。それでもすぐには変わりませんでしたが、2~3ヶ月したら少しずつ寝るようになってホッとしました。(男の子・9ヶ月)

●寝てもすぐに目を覚ましてしまい……

抱っこしていれば寝るのに、ふとんに置くと目を覚まして大泣き。授乳も頻繁で、なかなかまとめて寝てくれませんでした。ふとんに置いたことがわからないように、しばらくトントンし続けたり、添い乳をしたり、あとは、寝てから置くと泣いてしまったので、眠りそうになったらおもちゃで気をそらせながらそっとふとんに置き、手をにぎってトントンして寝かせたりしていました。でも3ヶ月ごろにはすんなりと寝てくれるようになり、夜も5~7時間まとめて寝るようになりました。(女の子・6ヶ月)

●お気に入りの音楽をかけると寝てくれるように

夕方から夜になると、泣いて寝てくれませんでした。おなかが張って苦しかったのか、綿棒浣腸をしてうんちを出してあげると眠りやすかったようです。あとは、息子が気に入った音楽をかけると泣き止むことが多く(なぜか福山雅治の曲)、そのままかけ続けると寝てくれるようになったので、産後は福山雅治ばかりかけていました。2ヶ月ごろからは、朝までぐっすり寝てくれるようになりましたが、6ヶ月過ぎから夜泣きが始まりました(涙)。(男の子・9ヶ月)

●添い乳作戦で乗り切りました

夜になって部屋の電気を消すと、その瞬間に大泣き! しばらく抱っこして、寝たかと思ってベッドに置くと、また大泣き! 昼より夜のほうが寝ませんでした。添い乳して寝かしつけ、手がグーの状態から少しずつパーの状態に開いてきたら熟睡の合図なので、そーっと口から乳首を離すように……。おっぱいをくわえていると安心できるみたいでした。3ヶ月ぐらいになると、「夜=寝る」という習慣がついたのか、夜泣きはあったものの、ある程度まとめて寝てくれるようになりましたよ。(女の子・8ヶ月)

文/出村真理子 イラスト/sayasans
※ 写真はイメージです。本記事の月齢とは異なるものも含まれます。

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院 院長
札幌医科大学医学部卒業。都立築地産院新生児科部長、都立墨東病院新生児科部長、同病院副院長をへて、2014年に医療法人社団わたなべ医院に赴任。2016年よりわたなべ医院本院院長。日本麻酔科学会専門医、日本周産期新生児学会功労会員、日本新生児生育医学会功労会員、日本周産期新生児医学会周産期新生児専門医元指導医。多くの乳幼児をみてきた経験による、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。


医療法人社団わたなべ医院

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