「ねんねトレーニング」をしなくても、赤ちゃんの「夜泣き」「寝ぐずり」は直る?

 専門家監修
公開日:2019/07/25
「ねんねトレーニング」をしなくても、赤ちゃんの「夜泣き」「寝ぐずり」は直る?
監修
愛波 文さん
子どもの睡眠コンサルタント

~赤ちゃんの寝ない泣き止まないを解決!~【連載第24回 子どもの睡眠コンサルタント愛波文】

科学的根拠に基づいた睡眠のためのメソッドは、今まで困っていた睡眠問題がすっきり改善するとママたちに評判。今回は「セルフねんね」をはじめとした「ねんねトレーニング」の効果と、トレーニングをしなくてもいくつかのことに注意するだけで改善する「夜泣き」「寝ぐずり」について科学的に説明していただきました。

「ねんねトレーニング」の一種、「セルフねんね」って?

「ねんねトレーニング」と聞くと、子どもを一人にして寝るまで泣かせる…というネガティブなイメージをもっている方が多いと思います。本来の「ねんねトレーニング」とは自力で子どもが落ち着き、一人で寝てくれるように導くことをいいます。その過程を踏んでいくうえで、「ねんねトレーニング」にも様々な種類のメソッドがあります。

ママ・パパ(保育者)の存在を次第にうすめていき「セルフねんね」を促すやり方、時間を決めてあやすタイムメソッドという方法、泣きっぱなしにするやり方もあります。(著書『ママと赤ちゃんにぐっすり本』には日本人にあったねんねトレーニングの方法を2つご紹介しています)

何種類もある「ねんねトレーニング」のなかでも、「セルフねんね」ができるようになると寝かしつけはぐんと楽になるはずです。なぜなら、子どもが「セルフねんね」をマスターし、親や保育者が「大好きだよ、おやすみ」と言って子どもを寝床につかせたら、その後は大人の助けなしに一人で寝てくれるようになるからです。
では、「セルフねんね」は必ず教えないといけないことなのでしょうか?

ママ・パパがつらく感じていないならトレーニングは不要!

そうではありません。添い寝・添い乳・抱っこ・トントンで寝かしたいと思う場合、してもらって全然OKです! ママ・パパ(保育者)がそれでハッピーなら何も問題はありません。育児では子どものお世話をする大人たちがハッピーであることがとても大切だからです。寝かしつけや自身の睡眠不足をつらいと思っていない場合は、子どもに「セルフねんねする方法を必ず教えなくては!」と思わなくて大丈夫です。ただ、以下のことが当てはまるママ・パパ(保育者)は、「ねんねトレーニング」で睡眠改善をすることをおすすめします。

【セルフねんねトレーニングが必要な例】
・添い寝・添い乳・抱っこ・トントンの寝かしつけがしんどい
・寝かしつけるのにイライラしてしまう
・自分自身が十分な睡眠がとれていなかい
・日中子どもがずっと眠そうで機嫌が悪い場合

「セルフねんね」のありがちな誤解

「セルフねんね」とは、ママ・パパ(保育者)の存在が子どものそばにないまま、目があいていて意識がある状態から15~30分ぐらいかけて、子どもが「一人(セルフ)」で落ち着き「ねんね」していくことです。

相談者の方のなかには「うちの子は私が隣にいればセルフねんねできます!」とおっしゃるママもたくさんいます。けれど、ママ・パパ(保育者)が隣にいないと眠れない場合は「セルフねんね」にはなりません。「抱っこして、寝そうなときに置いたらセルフねんねします」というのは「セルフねんね」ではないのです。

子どもが自力で入眠できるようになると得られる効果

では、「セルフねんね」トレーニングを行った場合、どのような効果があるのでしょうか?
様々な研究から、
①寝かしつけの困難を減少させる
②夜中起きる回数が減る
③親子ともが長時間の睡眠を確保できる
④ママの精神状態を良好に保つ
⑤赤ちゃんの機嫌がよくなる

という効果があることが明らかになっています。

私自身、長男の夜泣きと3時間の寝かしつけに悩み、睡眠の土台を整えてから生後10ヶ月で息子に「セルフねんね」トレーニングを行ったところ、たった4日で「セルフねんね」をマスターし、夜通し寝てくれるようになりました。感動でした。それまで寝かしつけの時間が怖くて子育てがしんどかったのが、息子が自力で入眠できるようになってから子育ての仕方が180度かわり、息子が心からかわいいと思えるようになりました。寝かしつけの時間も幸せいっぱいの時間にかわり、ものすごく子育てが楽しくなったんです!

夜泣き・寝ぐずりはトレーニングなしで直る?

ただ、どんな睡眠トラブルのケースもすぐに「ねんねトレーニング」を行えばよいというわけではありません。子どもに何か睡眠にまつわるトラブルが起きたとき、「では今日から始めてみよう」といきなりトレーニングを行うのはNG。そもそも、その子にはトレーニングは必要でないことも大いにあります。例えば、夜泣き。ほとんどのケースが「ねんねトレーニング」なしで改善していきます。
ただし、トレーニングなしでも夜泣きを改善させるために欠かせないのは、睡眠の土台の確立です。

「睡眠の土台」について詳しくはこちら

「睡眠の土台」を整えると、夜泣き&寝ぐずりする赤ちゃんが変わる!【連載第6回子どもの睡眠コンサルタント愛波文】
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アメリカのIMPI公認、日本人初の子どもの睡眠コンサルタントとして活動する愛波 文さんの連載の第6回め。科学的根拠に基づいた睡眠のためのメソッドは、赤ちゃんの睡眠まわりの悩みをもつママが実行すると、今まで困っていた問題がすっきり改善すると評判です。今回は過去の連載でもふれてきた「睡眠の土台」について、より詳しくまとめて解説。
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赤ちゃんはそもそも「寝る力」があります。なぜなら、お腹の中にいたとき、何も助けなしで寝ていたからです。生まれてきた後も、私たちママ・パパ(保育者)がその「寝る力」をうまく引き出し、サポートしてあげることが大事。赤ちゃんが自然と一人で寝つけるようになるためには、お腹の中と同様に赤ちゃんが安心できる睡眠環境を作ること、眠くなるタイミングを知ってそれに合わせた生活リズムをつくることが欠かせないのです。

ただ私たち大人は、なぜか抱っこをしないと寝ない、添い寝しないと寝ない、トントンしないと寝ない…と思いこんでしまっているふしがあります。そして、その大人が思い込んで行ってしまった方法が赤ちゃんにとって新たな習慣になってくるため、その習慣なしでは赤ちゃんが眠れなくなってしまうのです。ですから、それを改善していくためには基本に戻り、睡眠の土台を一つずつ調整していくことが大切です。

例えば、

◆室温の調整だけで夜泣きがなくなった。

活動時間を目安に寝かしつけをしてみたら寝ぐずりや夜泣きが改善された

◆昼寝を真っ暗にしたら寝ぐずりせず1時間~2時間寝てくれた

など、ねんねトラブルが改善されるケースがいっぱいあります。ですから、いきなり「ねんねトレーニング」をするのではなく、まずは睡眠の土台を見直してみてください。

「活動時間」について詳しくはこちら

赤ちゃんが起きていられる時間はママが思うより短い!?~赤ちゃんの寝ない泣き止まないを解決!~【連載第8回子どもの睡眠コンサルタント愛波文】
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愛波 文先生は、アメリカのIMPI公認、日本人初の子どもの睡眠コンサルタントとして活動中。科学的根拠に基づいた睡眠のためのメソッドは、赤ちゃんの睡眠まわりの悩みをもつママが実行すると、今まで困っていた問題がすっきり改善すると評判です。赤ちゃんが起きていられる「活動時間」は、月齢ごとに異なり、それに合わせて睡眠をはじめとした生活リズムを整えると、寝ぐずり・夜泣きなどのトラブルを軽減することができるそうです。具体的にどれくらい起こしていてよいのか、月齢ごとの「活動時間」をみていきましょう。
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もちろん、今ママ・パパ(保育者)が赤ちゃんの睡眠に対してハッピーなら何もしなくてOK! ただ、私みたいに悩んでいたらまず睡眠の土台から少しずつ整え、睡眠改善を行ってみてください。その中で助けが必要でしたらいつでもご連絡くださいね。

参考文献:
(1)J.Martin et al, "adverse Association of Infant and Child Sleep Problems and Parent Health: An Aystralian Popuplation Study "Pediatrics 119(2007)
(2) Hiscock at el, "improving Infant Sleep"
(3)Jodi, A Mindell: Mindell et al "Behavioral Treatment of Bedtime Problems"
(4) TheScience of Mom Alice Callahan, PhD

写真:愛波 文先生と息子さんたち

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監修
愛波 文さん
子どもの睡眠コンサルタント
「ママと赤ちゃんのぐっすり本」(講談社)著者。 子どもの睡眠コンサルタント。APSCアジア/インド代表。IPHI日本代表。Sleeping Smart®代表。一般社団法人日本妊婦と乳幼児睡眠コンサルタント協会代表理事。慶應義塾大学卒業。2012年に長男出産。夜泣きや子育てに悩んだことから乳幼児の睡眠科学の勉強をはじめ、米国IPHI公認資格(国際認定資格)を日本人で初めて取得。2015年に次男を出産。現在、2人の男の子の子育てをしながら、子どもの睡眠に悩む保育者のコンサルティングや個別相談を行い、日本人向けに睡眠を専門とするSleeping Smart®子育てサロンを運営。IPHIと提携し、オンラインで妊婦と乳幼児の睡眠コンサルタント資格取得講座の講師も務めている。
 

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