産後のごはん作り、どうしてる? ヒントは“ドゥーラごはん”にアリ【産後ドゥーラ小松紀子の“子育てのヒント”Vol.7】

コラム
公開日:2019/07/19
産後のごはん作り、どうしてる? ヒントは“ドゥーラごはん”にアリ【産後ドゥーラ小松紀子の“子育てのヒント”Vol.7】

里帰り出産をしないママにとって、退院後にいちばん心配なのが料理。体がつらい状態で、頻回授乳で睡眠不足な中、自分や旦那さんのごはんはもちろん、上のお子さんのごはんやお弁当もあったり、母乳にもいい栄養バランスを考えたり……と1人ではとても大変です。そんなときは産後ドゥーラに任せてみるのもひとつの方法。お買い物から調理まで、母乳にいい料理、家族の作り置きごはん作りなど、赤ちゃんのお世話もお手伝いしながら、家のことを丸ごとお手伝いします。今回は産後ママの体や心にやさしい“ドゥーラごはん”についてお届けします。

産後1ヶ月、昔は授乳だけに専念

念願の赤ちゃんに会えてうれしい出産後ですが、病院から家に帰ってくると赤ちゃんのお世話で手いっぱい。体が相当なダメージを受け、ホルモンバランスも大きく変わっていて、かなりしんどい状態です。

床上げ3週間ともいわれるように、本来は1ヶ月横になっていることが必要な時期なのです。

昔は親戚が近くに多くいたり、実家のお母さんがずっと付き添って家事をやってくれていたので、ママは授乳だけに専念できる環境がありました。

しかし、現代では里帰り出産が減り、実家のお母さんも働いていたり高齢であったりして来ることが難しい人も増えました。育休を取るパパも少しずつ増えてはいますが、昼間も夜中も、心も体もたいへんな中、ママだけで孤独に頑張っている人が多いのが現状です。

産前から早めにサポートを探そう!

通常ならできることも、この時期は疲れやすく、ホルモンのせいでイライラも募り、思うようにいかなくて余計に落ち込んだりすることも。赤ちゃんを迎えて楽しいはずなのに……と涙もろくなるママも大勢います。そんな状態でキッチンに立つのは、かなりの負担になるはず。食事や母乳関連の心配も大きくなる時期だけに、1人で抱え込むことは赤ちゃんのためにもよくないので、まずは今の気持ちをパパに相談してみてください。

本来なら周りの人に家事を任せることが当たり前のこの時期、実家のお母さんのヘルプが無理そうとわかった時点で、早めにSOSを。

できれば、産前から自治体のホームぺージで産前産後ケアやファミリーサポートについてリサーチを。次に民間のベビーシッター、家事サポート、キッズライン、産後ドゥーラなどの手を早めに借りて準備をし、その不安な時期を乗り切って、心のゆとりを持って子育てが楽しめるように切り替えましょう。

自分の体や心のためにも、赤ちゃんのためにも、ギリギリまでママ1人で頑張る必要はないのです。限界まで1人で頑張りすぎたママは、産後クライシスや産後うつに陥る場合も出てきます。早い段階で近くの産後ドゥーラを調べていただけたらありがたいです。

“ドゥーラごはん”ってどんな料理?

1ヶ月検診まではほぼ外に出ないインドアな状況の中、買い物は?家族のごはんは?母乳をあげるのに栄養バランスは?と、ママ1人では手が足りない心細い環境で毎日のごはんを考えなければなりません。

産後ドゥーラは、そんなママの希望や家族構成や状況に合わせた料理のサポートをします。産後ママの体や母乳にもやさしい、助産院で出るような手作りの味、出汁ベースで薄味の和食メインの料理が“ドゥーラごはん”です。

母乳ママにもやさしい出汁のきいた料理

ドゥーラごはんでは、調理のはじめにかつお節と昆布でだしをとることからスタートすることが多いです。

普段はそこまでちゃんと出汁をとらないものの、「ドゥーラに作ってもらえるならこの機会に試したい!」という人も多くいらっしゃいます(なければもちろん手軽なだしパックや顆粒だしでも大丈夫です)。

風味豊かで野菜多め、ほっとするような体にやさしい料理でリラックスしてもらい、ドゥーラが料理を作る間はできるだけママに横になってもらっています。

とった出汁は、煮物や焼き物、炒め物、和え物などに水の代わりに少しずつ使い、和食ベースで野菜中心のやさしい味付けにしています。出汁のうまみがプラスされる分、塩分や糖分や油分が控えられて、シンプルで低カロリーな味付けに。脂っこい濃いめの料理よりも、産後すぐのママの体にとっては安心な料理となっています。

家族のごはんもおまかせ

また、ママ向けだけでなく、家族全員のごはん=薄味の和食だけでは少し物足りないという方には、上のお子さんやだんなさん向けの料理もリクエストに合わせて作ります。お肉料理や、お弁当のおかず、2~3日分の作り置きなど、ママのご希望に合わせて、その場にある食材で調理しますので、食材を無駄なく使いきれます。

上のお子さんにはやわらかく細かく切って味付けを薄くしたり、パパのお肉料理は少ししっかり味でボリューム感を出したり。そのときでも出汁は幅広く活躍してくれます。

食材は何を準備したらいいの?

お家でよく買っているふだんどおりの材料で大丈夫です。生協やoisixなどの宅配を週ごとに利用してもいいですし、事前に買い物リストをもらってドゥーラがお伺い前に近くのスーパーでお買い物するパターンも多数。ドゥーラによっては食材リストを事前にお渡ししてママに準備してもらうこともあり、ママがやりやすいさまざまな方法でご相談を受けています。

特に買い物なしでも、基本的には冷蔵庫にある材料でその場で献立を組み立てていくので、その日ある材料でOK。冷蔵庫や冷凍庫にある身近な材料を使いこなして料理するトレーニングをドゥーラは受けていますのでご安心ください。私の場合は、毎回お伺いする前にLINEで必要なものや食べたいものをお聞きして、お買い物のご希望があれば最寄りのスーパーに立ち寄るというようにしています(もちろん食材以外のお買い物もあれば一緒に)。

ドゥーラを頼むときにあるといい材料は?

前述の、かつお節や昆布などのだし素材、葉物や根菜などの野菜全般、肉や魚や卵や豆腐などの食材のやほかに基本的な調味料があればうれしいです。豆や切り干し大根や高野豆腐やごまなどの乾物類、保存系ではトマト缶やツナ缶や練りゴマなどがあると、料理の幅が広がります。

産後ママたちからよく聞く料理の悩みは、赤ちゃんのお世話で調理作業が小間切れになってしまい、根菜類などの下ごしらえが手間がかかるので和食を作りにくいこと。大根1本やセロリなど大物が余ってしまって調理しきれない。抱っこで手首も痛いので、さつまいもやかぼちゃなど硬いものが切りにくいなどなど。野菜を摂りたいけれど下ごしらえが面倒という方が多数。

簡単な煮物や豚汁を食べたくても、まとまって作る時間がない……。そんな声にお応えして、なるべくメニューの中に煮物と汁物を入れるようにしています。じゃがいも、人参、ごぼう、大根、蓮根などがあれば、だしと少しの調味料でコトコト煮たり、豚汁にしたり、ポトフやミネストローネなどの具だくさんスープにしたりと、旬の食材でお腹にあたたかなメニューを考えます。

野菜は料理ごとに切り方を変えて時短

だしを作っている間は、一気に野菜を切る作業。例えば人参なら煮物、豚汁、キャロットラぺ、ポテトサラダ用など献立を考えながら、同時に形を変えて切り分けて時短になるようにしています。大根の葉や皮は漬物やみそ汁に入れたり、野菜の皮もだしパックに入れて煮込み料理やスープに入れたり、昆布の出汁がらも細かく切って煮物やサラダにしたりなど、なるべく食材を無駄なく使いきり、多く栄養をとれるよう心がけています。

何品くらい作ってもらえるの?

人によってサポート内容が違いますので、ドゥーラのホームページや産前プランニングで相談してみてください。

例えば私の場合は、料理だけの場合1時間で4~5品、2時間で7~8品、3時間で11~12品くらいが平均的です。料理中キッチン越しにママから育児相談を受けながらだったり、ママが休んでいる間に寝ているお子さんの呼吸チェックを5分ごとに行いながらの調理だったり(赤ちゃんが寝ている間は調理はしますが、基本的に調理とシッティングは安全性のため同時にはできません)、上のお子さんと一緒に料理をする場合などは、もう少し品数が減ります。

料理のほかにも、ママがその後数日間アレンジしやすいように野菜のカッティングや下味付け、肉みそやミートーソース作りなどの保存食作り、フリージングまでのものもあったり、離乳食の冷凍ストックをたくさん作ることも多いです。家族の食べる量や味の好み、料理を盛りつけるのは保存容器かお皿か、だしはは何を使うか、調味料は油やみりんや砂糖はゼロor控えめがいいかなどを事前に相談します。

料理とほかのサポートも組み合わせられる?

赤ちゃんの月齢によってサポート内容も多様に変わってきます。0~1ヶ月は週2~3回サポートに入ることも多く、例えば3時間のうち、2時間はママ&赤ちゃんが休む間に料理7~8品、30分ママのハンドケアや背中や骨盤周りのタッチケアをしながら育児相談、30分は赤ちゃんの沐浴やベビーマッサージ、お風呂掃除などの場合が多数。

1ヶ月検診を終えて、ママが少し元気になってくると、お散歩や予防接種や検診に同行したり、美容院にいく間に赤ちゃんとお留守番をしたりなどサポートの幅も広がります。母乳やミルクの相談をしたい方には近くの母乳外来でアドバイスやマッサージを受けることをおすすめしています。

ドゥーラごはんもだしベースは変わりませんが、和食メインから少しずつ洋食や中華やアジア料理などのアレンジの効いた料理のご依頼もふえてくる時期です。

2~4ヶ月なると赤ちゃんの睡眠や生活リズムの相談+遊び方や絵本の読み聞かせ+料理のご依頼が多くなります。その後5ヶ月以降は離乳食のご相談と調理、また保育園に入った場合は送り迎え+離乳食をあげるなどのご依頼もあります。

ドゥーラのサポートの中でいつもご依頼ナンバーワンの料理。ご家族の成長や変化に合わせて、そのときのママの体調や好み、家族に寄り添ったものを作らせていただいています。ママが少しずつ元気で笑顔になって、赤ちゃんがすくすく大きく育っていくのをそばで一緒に喜べることが、この仕事をしていく中でいちばんうれしいことです。

Profile
小松紀子
産後ドゥーラ
一般社団法人ドゥーラ協会認定産後ドゥーラ、松が丘助産院登録ドゥーラ。現在、東京都中野区、杉並区、港区、品川区、世田谷区の登録ドゥーラ。ベビーシッターや家庭教師、塾の講師を経験し、18年の出版社勤務を経て、ドイツに5年半駐在し、帰国。一児の母。体に優しい料理、整理収納、ハンドケア、傾聴が得意。英語、ドイツ語(少し)可。趣味は旅行、ベリーダンス、美術館巡り。

一般社団法人ドゥーラ協会 小松紀子一般社団法人ドゥーラ協会 公式サイト

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