【歯科医監修】赤ちゃんの歯はいつ生える?生える時期や注意点が知りたい!


倉治ななえ先生
テクノポートデンタルクリニック院長
この記事は、赤ちゃんの歯についてまとめたものです。赤ちゃんの歯がなかなか生えてこないと、心配になってしまうママもいるかもしれませんね。赤ちゃんの歯の「生える時期」や「生え方」、「乳歯ならではの注意」などについて、歯科の先生に教えてもらいました。
赤ちゃんの歯が生える時期、生える順番は?
生後6ヶ月ごろから生え始め、個人差も大きいもの
赤ちゃんの歯が生え始める時期は、一般的には生後6ヶ月ごろからとされています。
生える時期には個人差が大きいので、月齢は目安程度と考えておきましょう。
*6~7ヶ月ごろ……下の真ん中の前歯が2本
*10ヶ月ごろ……上の真ん中の前歯が生えて4本に
*1歳ごろ……上下で8本
*1歳半ごろ……第一臼歯が生えて12本に
*2歳ごろ……犬歯が生えてきて18本
*2歳半ごろ……上下で20本の乳歯列が完成!
乳歯が生え揃ったところ。最後に生える第ニ臼歯は、小学校卒業くらいまで使います。
ただし、上記はあくまでも「目安」です。歯の生え始めの時期には個人差が大きく、「プラスマイナス6ヶ月はふつう」とされています。つまり、1歳になってようやく最初の1本が生えてくる赤ちゃんもいるのです。
1歳すぎても生えないときは、念のため歯科へ
赤ちゃんの歯がいつ生えてくるか、「早い」「遅い」にはとくに原因はなく、赤ちゃんの個性のひとつ。「早いからいい、遅いから問題がある」ということはなく、もちろん、その逆も同じです。
1歳半健診では歯科健診もありますが、1歳をすぎても1本も生えていない場合には、念のため、歯科でX線撮影をしてもらうといいでしょう。まれにですが、「先天性欠如歯」といって、生まれつき歯胚(歯の芽)がない病気の可能性が考えられるためです。
X線検査で、歯ぐきの中に歯の芽が待機しているのが見えれば、いつか必ず生えてくるので、心配せずに待ちましょう。
先輩ママたちに聞きました!「うちの子はこうでした」
「歯の生え方にも個性がある? しばらくしたら生えてきた!」
最初に下の歯が生え始めたのは5ヶ月のときなので、早めだと思います。でも、その後、上の歯は1本だけ出てきて、下の歯みたいに2本一緒に生えてこなかったので不安に……。「健診のときに聞いてみよう」と思っていたら、その前に、もう1本も生えてきたので安心しました。
(女の子/1歳)
「きょうだいでも生える時期は違うと実感! 1歳すぎたら相談するつもり」
下の娘は今、9ヶ月ですが、まだ生えてきていません。上の子は3ヶ月で生え始めたので、きょうだいでも違うんですね。「そのうち生えてくるだろう」と、あまり心配はしていませんが、1歳をすぎても生えてこなかったら相談してみるつもりです。
(女の子/9ヶ月)
「ママやきょうだいに似ることもあるのかも? のんびり待ちます」
うちも、9ヶ月ですがまだ1本も生えていません。上の子は1歳1ヶ月で生え始めました。私の母に聞いたところ、私も1歳すぎてから生えてきたそうなので、遺伝なのかな? ゆっくり待っていようと思います。
(男の子/9ヶ月)
赤ちゃんの歯にはどんな役割がある?
将来の顔立ちや健康につながる大事なもの
乳歯は、数年後には抜けて永久歯に生え変わるものです。でも、短い間しか使わない歯だからといって「虫歯になってもいい」というわけではありません。
乳歯と永久歯、どちらの歯にも、以下に示すようなさまざまな役割があります。
・ものをかむ
・飲み込む
・呼吸をする
・話す
・表情を作る
これらに加えて、乳歯には乳歯ならではの大事な役割があります。それは、将来に向けた、次のような準備です。
・あごの骨を発育させる
・かみ合わせを作る
その乳歯が虫歯になり、痛いからと片方でばかりかんでいたら、あごの骨の発育に左右差が出たり、歯並びやかみ合わせにも影響が出たりすることにつながります。
乳歯は永久歯より虫歯になりやすいもの
赤ちゃんの歯は、大人の歯と比べて虫歯になりやすく、虫歯になると進行しやすいという特徴があります。それは、歯の表面を覆うエナメル質がとても薄いため。
乳歯は永久歯より小さく、エナメル質も薄いですが、歯の中にある歯髄(神経)の大きさは、乳歯も永久歯もあまり変わりません。そのため、乳歯は虫歯になると、すぐに歯髄まで届き、神経が侵されやすいのです。
乳歯が虫歯になると、口の中に虫歯菌が増え、のちのち永久歯も虫歯になりやすくなってしまいます。
また、虫歯になって早めに乳歯が抜けてしまうと、正しい位置に永久歯が生えないなど、将来の歯並びにも影響が出ます。さらに、歯並びが悪いと歯をきちんとみがくことが難しくなり、さらに虫歯が増えるという悪循環に陥ってしまいます。
そのため、乳歯こそ大切に、歯が生え始めたころからしっかり虫歯予防をすることが大切なのです。
赤ちゃんの歯のケア、注意すべきことは?
虫歯予防に「早すぎる」はないと考えて
乳歯が1~2本のうちは、「ガーゼでふくだけでもOK」と言われることもありますが、歯ブラシをいやがらないようにするためにも、最初の1本から、仕上げ用の歯ブラシを使って歯みがきをスタートさせることをおすすめします。
ちょうど生後5~6ヶ月の時期は、なんでも口に入れたがる時期であり、離乳食が始まる時期でもあります。この時期に歯ブラシに慣れておけば、この先の歯みがきも抵抗なく受け入れられ、「毎日の習慣」にしていくことができるはず。
1日2回(朝と晩)、赤ちゃんの機嫌のよいときに、ササッとみがきましょう。
食事や姿勢などの「生活習慣」も大切
あごの骨の正常な発育や、きれいな歯並びのためには、虫歯予防だけでなく、食事の仕方や姿勢などにも注意が必要です。
正しいかみ合わせときれいな歯並びのためには、あごの骨の正しい発育が必要ですが、そのためには「よくかむこと」が大事です。そして、かむ力をつけるためには、食事をするときの姿勢が重要なのです。
一見、関係があるように思えないかもしれませんが、食事をするときに正しい姿勢でいること、足を床にしっかりつけていることは、かむ力と大きな関係があります。
食べるときに足をブラブラさせていると、かむ力が十分に育ちません。また、歯は重力の方向と一致するように「出よう」「伸びよう」とするため、いい姿勢でいれば歯も正しい方向に出てきますが、食事中に寝転がったり、フラフラ歩き回ったりしていると、歯が生える方向が定まらず、歯並びが悪くなることにつながります。
姿勢と歯並びやかみ合わせの関係は、小学校を卒業するころまでは気をつけたいものです。
離乳食の時期から、食べるときはイスに座り、足を床につけること、食事中に寝転がったり、フラフラ歩き回ったりせず、正しい姿勢で食べることを習慣づけられるといいですね。
「先天性歯」「上皮真珠」とは
生まれたときから歯が生えていたり、歯だと思っていたものが消えてしまったりしたら、ママは驚いてしまうでしょう。正しい対応を知っておきましょう。
・先天性歯
生まれつき生えている歯のこと。授乳のときに、ママの乳首をかんで傷つけてしまうような場合は、歯科医と相談し、歯を削って丸くするなどの治療をすることもあります。
そのようなことがなければ、抜歯などをする必要はなく、そのまま観察ということが多いです。
・上皮真珠
本来は、ママのおなかの中にいる間に消えるべきだった歯堤の上皮細胞が消えずに残ったもの。歯ぐきにてんてんと白く小さな半円形の真珠が生えているように見えることから、こう呼ばれます。
病気などではなく、数週間から数ヶ月で自然に吸収されて消えていくため、心配はいりません。
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文/出村真理子
校正/主婦の友社校正室

倉治ななえ先生
テクノポートデンタルクリニック院長
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