【小児科医監修】後追いとは? いつからするの? しない理由は?

 専門家監修
公開日:2019/06/28
更新日:2019/07/03
【小児科医監修】後追いとは? いつからするの? しない理由は?
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長

この記事は、赤ちゃんの後追いについてまとめたものです。後追いをする、しない、後追いが激しいなどは、赤ちゃんの性格も大きく影響します。赤ちゃんが後追いをする理由、後追いをするときに注意すべきことなどを知っておきましょう。

後追いとは、何?

「ママと自分は一緒にいるのが当たり前!」

後追いとは、その言葉の通り、赤ちゃんが誰かの後を追いかけること。その「誰か」は多くの場合、いつも赤ちゃんのお世話をしているママです。「まるで、ストーカーみたい!」と思うほど、赤ちゃんは熱心に真剣にママの後ばかりを追いかけます。

いったいなぜでしょう?

生後まもなくから授乳やおむつがえ、抱っこや寝かしつけなど、お世話をメインにしてくれるママは、赤ちゃんにとって特別な存在です。

自分とママとがくっついている、一緒にいることが赤ちゃんにとっては一つの完成した姿なのでしょう。

 そんな大切なママが自分から離れると、赤ちゃんはまるで自分の体の一部がなくなったように感じられ、不安になります。それで、ママが少しでも離れると必死に後追いをするのです。

養育のメインがママの場合が多いので、後追いに悩む多くはママです。でもパパやおばあちゃんなど別の人がお世話のメインなら、パパやおばあちゃんを後追いすることもあります。

後追いはいつから始まる?

生後8~9ヶ月、はいはいができる頃が多い

おすわりやあんよなど、他の発達と同じく後追いをする時期は赤ちゃんによって個人差があります。おおよその目安は生後8~9ヶ月ぐらい。

ちょうど自我が芽生え始める時期で、赤ちゃんは自分の思ったことを行動に移そうとします。

はいはいができる子なら、ママが自分から離れようとすると、はいはいでママに近づこうとします。

まだはいはいができない子は、ママのほうを見て泣く、という行動が後追いになります。「後追い」は、必ずしも物理的に後を追って移動することとは限らないのです。

 

赤ちゃんが後追いをする理由

大好きなママと離れるのがこわい!

後追いをするのは、赤ちゃんの心が発達している証拠です。

低月齢のころの赤ちゃんは、誰に抱っこされても平気でニコニコとしています。

生後5~6ヶ月ごろになると、ママやパパなどいつも一緒にいる家族と、それ以外の人の顔の区別ができています。

生後6~7ヶ月ごろになると、ママが自分にとって特別な存在だとわかってきます。よその人に抱っこされていても、ママが両手を差し出すと喜んで抱っこされようとするなど、ママには特別な反応を見せたりします。

そして生後8~9ヶ月ごろになって、より心が発達すると人見知りや後追いがスタートするのです。人見知りや後追いは、ママなどの養育者と赤ちゃんとの絆がしっかりと作られている証拠です。

赤ちゃんが後追いをして泣くのは、「ママと離れるのがこわいよ!」というサインなのです。

赤ちゃんが後追いをしたときの対処法

「後追いがひどくて、トイレにも行けない」「お風呂に入れない」というママの声をよく耳にします。でも、後追いは人見知りと同じく、発達の大切なステップです。

ママは「後追いばかりされて、何もできない!」と思うかもしれませんが、赤ちゃんにとって大好きなママの姿が見えないというだけで恐怖。赤ちゃんを突き放して、余計な不安を抱かせないように注意してください。

赤ちゃんの不安な気持ちを軽くするためには、いろいろな方法があります。たとえば――

●赤ちゃんから姿が見える状態で家事をする

「赤ちゃんが遊びに夢中になっている間に、こっそりと洗濯物を干しに行く」などは、NG。ママがいないことに気づくと、赤ちゃんは余計に不安になり、その後の後追いがひどくなる心配があります。

炊事、洗濯、掃除などの家事は赤ちゃんからママの姿が見える状態で。そして「ママは今、ここでお皿洗ってるの。終わったら、そっちに行くからね」など、必ず声をかけて安心させてあげましょう。

●おんぶで家事をする

時間がなくて、後追いをする赤ちゃんの相手をできない時はおんぶがおすすめ。

おんぶなら両手が空くので、後追いを気にせずに家事が片づけられます。

●少しずつ、離れる距離を広げていく

後追いや人見知りが激しいかどうかは、赤ちゃんの性格、それまでの赤ちゃん&ママの生活、ママの性格などによって違ってきます。

常に大好きなママの様子をチェックしていないと不安になる子もいれば、おもちゃに夢中になると何も気にならなくなる子もいます。

もし「ママにべったりとくっついていないとダメ」な赤ちゃんで、ママが少しでも後追いを軽くしてみたい場合は、こんなやり方を試してみてください。

①半径50㎝ぐらい赤ちゃんとママが離れたところで、一緒に遊ぶ。

②クリアできたら、半径1mぐらいのところで一人で遊ばせる。

③ママの姿が赤ちゃんから見えるところで、一人で遊ばせる

④ママの姿は時々見えなくなるけれど、声は聞こえる状態で一人で遊ばせる

ただしこれは後追い対策の一例で、決定版ではありません。このやり方で、うまくいく子もいれば、うまくいかない子もいます。

たとえうまくいかなくても、がっかりしないで! 後追いの時期は、そんなに長くは続きません。子どもはいずれ親から離れていくもの。「こんなに子どもに必要とされるのは、今だけ」と考えて、できるだけ赤ちゃんに付き合ってあげられるといいですね。

後追いはいつまで続くの?

赤ちゃんの性格によって、差があります

後追いは発達の一過程なので、いずれしなくなる日がやってきます。特に「トイレにも行けない」ような激しい後追いは、いっときのこと。

赤ちゃんの成長とともに、「ママは自分の目の前にはいないけれど、キッチンにいて、お皿を洗っている」などという状況が理解できるようになり、後追いはおさまってきます。

ただし後追いの程度や、いつまで続くのかは、その子の性格によります。大人でも社交的な人と人見知りの人がいるのと同じですね。

また「家の中での後追いはおさまったけれど、公園など外に行くと、ママから離れられない」という子もいるでしょう。そんなとき、「みんなと遊んできなさい」と言うか、「まだママにべったりでも仕方ないか」と思うかは、各家庭の価値観によります。

ただいずれにしても、子どもは徐々に自立させなければいけないので、少しずついろいろな環境や人に慣れさせていくことは大事でしょう。

後追いをしない原因は?

「後追い」の表現が控えめなだけ

たとえば人見知りの場合。知らない人に抱っこされると、ギャン泣きする子もいれば、その人の顔をじーっと見つめるだけの子もいます。

後追いも一緒で、ママが自分のそばから離れた途端、泣きながらはいはいで追いかけてくる子もいれば、不安そうな目つきで追いかけるだけの子もいます。

自分の好きな遊びに夢中になっていると、ママが離れても大丈夫な子もいます。

赤ちゃんは多かれ少なかれ、後追いをするもの。ただ、はっきりと「後追いをしている」と気づかない程度のこともあるのです。

急に後追いがひどくなったら

「それまで目で姿を追うだけだった子が急に後を追って移動するようになった」「おさまったと思っていた後追いが復活して、さらに激しくなった」などという時は、何か理由がありそうです。

たとえば今日、親戚のおばさんが来たので赤ちゃんを抱っこしてもらったとしましょう。そのときのママと赤ちゃんの気持ちの一例を説明すると、こんな感じです。

ママの気持ち

人見知りも後追いもしない子だから平気平気。自慢のわが子をおばさんに抱っこしてもらったよ。ちょっと不安そうな顔をしていたけれど、泣かなかったし、おばさんも喜んでいたし、抱っこしてもらってよかった!

赤ちゃんの気持ち

大好きなママに抱っこされてまったりしていたら、いきなり知らない人に抱っこされてた! この人いったい誰なの!?  もう、大大大大ショック!

こんな風に、ママと赤ちゃんの気持ちがかみ合っていないことがあります。

あるいは、病気をした後に後追いが激しくなる、ということもあります。

つまり、強い不安を感じると、赤ちゃんの後追いはひどくなることがあるのです。

後追いが急にひどくなったと感じたら、少し赤ちゃんとの生活を振り返ってみてください。ひどい後追いはいっときのことですが、不安な気持ちをおさめるのに少し時間が必要な子もいます。「いつまでも後追いしていてはダメでしょ!」などと突き放さず、赤ちゃんの不安を大きくさせないような対処を心がけてくださいね。

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長
札幌医科大学医学部卒業後、国立小児病院新生児科(NICU)や東京都立墨東病院周産期センター新生児科部長、同病院副院長をへて2014年より現職に。多くの乳幼児をみてきた渡辺先生ならではの、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。

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