【皮膚科医監修】アタマジラミの症状や原因は?登校はいつからOK?

 専門家監修
公開日:2019/06/26
更新日:2019/06/27
【皮膚科医監修】アタマジラミの症状や原因は?登校はいつからOK?
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

この記事は子供や赤ちゃんの頭に寄生する「アタマジラミ」についてまとめたものです。「アタマジラミ」はヒトに寄生して血を吸う害虫の一種。多くは保育園や幼稚園、小学校を中心に発生しますが、大人にも感染します。アタマジラミに感染したときの症状や見分け方、対処法や予防法について、ドクターに伺いました。

アタマジラミとは?

ヒトの髪の毛に寄生し、2週間で成虫に

アタマジラミが寄生するのは、ヒトの髪の毛です。卵は側頭部や後頭部、耳の後ろあたりの髪の毛に産み付けられることが多く、灰白色の楕円形をしています。7日ほどで孵化すると、サナギにはならずに2週間ほどで成虫になります。幼虫と成虫は、オス、メスともに寄生したヒトから吸血します。

成虫の大きさは2~4mm程度で、寿命はおよそ1ケ月。その間に100~200個の卵を産むといわれるほど繁殖力が強い虫です。ただし、ヒトの頭から離れると吸血できず、1~2日で死んでしまいます。

赤ちゃんより子供に多い。大人にもうつります

アタマジラミはヒトを介して感染します。保育園や幼稚園などで集団生活をしている子供、小学校低学年などに多く見られますが、ねんねが中心で、まだほかの子と遊ぶことがない赤ちゃんにはあまりうつることはありません。

また、子供や小学生中心といっても、大人に感染しないわけではありません。アタマジラミに感染した子供からうつることもあるので、注意が必要です。

アタマジラミは、集団生活をする保育園や幼稚園、小学校低学年で発生しやすい。

アタマジラミの症状

耳の後ろや後頭部がかゆくなり、湿疹が出ることも

アタマジラミは、幼虫や成虫になると、寄生したヒトの頭皮から血を吸います。すると、その部分にかゆみが生じます。蚊に刺されるとかゆくなりますが、それと同じです。ただし、かゆみの感じ方は人それぞれなので、激しいかゆみを感じる人もいれば、それほど感じない人も。かゆみが強いと、かいているうちに湿疹のようになることもあります。

子供や赤ちゃんが、ふだんに比べて耳の後ろや後頭部をかいていることが多いと感じたら、アタマジラミかもしれません。

アタマジラミの症状が出る原因

髪の毛と髪の毛が接触してうつる

不潔だからうつるわけではありません

アタマジラミがいるというと、「不潔にしていたからなのでは?」と考える人もいるでしょう。でも、不潔にしていたためにアタマジラミが寄ってくるわけではありません。

原因は、髪の毛と髪の毛が接触することです。保育園や幼稚園、小学校低学年の子供に多く発生するのは、頭と頭をくっつけるようにして遊んだり、お昼寝をしたりするためです。アタマジラミに寄生された子供や赤ちゃんと添い寝をする大人も、感染する可能性があります。

子供同士は頭と頭をくっつけるようにして遊ぶため、アタマジラミがいるとうつってしまいます。

プールそのものではうつらない

アタマジラミは髪の毛にしっかりと固着していますし、成虫は頭皮に頭を突っ込んで血を吸います。プールでうつると言う人もいるようですが、水を介してアタマジラミがうつることはほとんどないと考えていいでしょう。

プールでうつるといわれるのは、水遊びをしている間に接触が多くなることや、着替えなどで共用のロッカーを利用することが原因だと考えられます。

保育園や幼稚園、小学校でプールが始まる時期に増えるといわれることがありますが、実際はアタマジラミの流行に季節は関係ありません。

アタマジラミの症状の見分け方

つまんでもすぐに取れないのは卵の可能性が

子供が頭をかいているからといって、すべてがアタマジラミというわけではなく、フケでかゆみが出ていることもあります。成虫になると動いているため、見つけることがむずかしいのですが、卵の場合は髪の毛をかき分けて注意深く見ればわかります。

アタマジラミの卵は髪の毛の根元にくっついています。フケであれば指でつまめば取れますが、アタマジラミの卵はしっかり固着しているため、つまんでもなかなか取れません。つまんですぐにとれるかどうかが、見分け方のポイントです。

保育園や幼稚園、学校にはいつから行ける?

登園・登校は控えなくて大丈夫

学校保健法の施行規則が1999年に改正され、それに伴って当時の文部省が作成した資料で、アタマジラミは「通常出席停止の必要がないと考えられる伝染病」として例示されています。ですから、保育園や幼稚園、学校を休む必要はありません。

ただし、アタマジラミは髪が接触することによって感染するので、そのままにして登園・登校していると、周りの子供にうつしてしまいます。アタマジラミがいることがわかったら、すぐに治療を始めましょう。

登園や登校はできますが、ほかの子供にうつさないよう、治療はしっかりと。

アタマジラミの症状が出たときの対処法

自己判断せずに皮膚科を受診する

子供がアタマジラミに感染していることがわかったり、保育園や幼稚園、小学校などで流行していて感染の可能性が高いと考えられる場合は、すぐに皮膚科を受診しましょう。受診すると顕微鏡で検査をしてもらえるので、感染しているかどうかが確実にわかります。

専用の駆除薬剤を使う

駆除剤は薬局で購入できる

アタマジラミを駆除するには、「スミスリン」という専用の駆除薬剤が有効です。シャンプータイプとパウダータイプがあります。

スミスリンは医師の処方箋がなくても薬局で購入できますが、まずは一度診断を受けてからの購入をお勧めします。

駆除剤は幼虫や成虫に使う

シャンプータイプは3日に1度、5回ほど使用します。

薬剤は幼虫や成虫には効果がありますが、卵には効果がないため。一度薬剤を使ったときに卵だったアタマジラミが孵化したところを狙うために、日にちを空けて何回か使用するのです。シャンプーのあとに付属の専用すき櫛を使うと、髪の毛に着いたアタマジラミの卵もとり除きやすくなります。

パウダータイプは髪の毛にふりかけて使います。そのまま1時間ほど待ってから、いつも使っているシャンプーで洗い流します。頻度はシャンプータイプと同じく、3日に1度、5回程度です。

ただし、最近は薬剤に耐性のあるアタマジラミもいるため、完璧に駆除できたかどうかはわからないので、薬剤を使ったあとには、再度受診して確認してもらうと安心です。

髪の毛を短く切ると対処がラク

アタマジラミがいる場合は、髪の毛を短くカットしたほうが洗いやすくなり、髪の毛をかき分けて卵が見つけやすくなります。男の子の場合は、髪の毛を剃るのも1つの方法です。ただし、子供が嫌がるなら、無理に短くする必要はありません。

髪の毛が短いほうが親は対処しやすいですが、子供本人が嫌がるなら無理じいはしないで。

タオルやシーツなどを共用しない

子供がアタマジラミに感染していたら、タオルやブラシ、櫛などを共用するのはやめましょう。シーツや枕カバーも取り替えて、洗濯します。

シラミは熱に弱いため、洗濯前に60度以上のお湯に5分以上つけてから洗濯するのがおすすめです。衣類乾燥機やスチームアイロンを使うのも効果的。

アタマジラミが発生したら、枕カバーやシーツ、タオル、櫛などは共有しないようにしましょう。

こまめに掃除をする

ヒトの髪の毛から離れたシラミは1~2日で死にますが、子供が寝転がったカーペットや床など、アタマシラミが落ちた可能性がある箇所は、念入りに掃除をしましょう。アタマジラミの卵は7日ほどで孵化して幼虫になるため、こまめに掃除することも大切です。

できるだけ隔離する

きょうだいがいる場合は、一緒の布団で寝させない、できるだけ一緒に遊ばせないようにするなどして、うつらないように気をつけます。大人が子供と添い寝をしていた場合も、駆除が完了するまでは添い寝をやめましょう。

きょうだいが仲が良いのはよいことですが、アタマジラミがいることがわかったら、できるだけ隔離を。

アタマジラミの症状を予防するには?

髪の毛を毎日しっかり洗う

髪の毛を洗ってさえいれば感染しないわけではありませんが、きちんと洗っていないことがアタマジラミを寄生させることにつながります。自分で何でもやりたがる年齢の幼児が一人で髪の毛を洗っている場合は、しっかり洗えていないこともあるので、注意が必要です。

特に、保育園や幼稚園、小学校などで流行している場合は、パパやママが髪の毛を洗ってあげたほうがいいでしょう。指の腹で地肌をしっかり洗い、すすぎのときに目の細かい櫛ですいてから、洗い流してあげてください。

日ごろから子供の髪の毛をチェックする

「タオルなどを共用しないように」と子供に伝えることはできますが、保育園や幼稚園、小学校などで子供同士が触れ合うのをやめさせることはできません。ですから、どんなに気をつけていたとしても、アタマジラミに感染する可能性はあります。

 アタマジラミは「早く見つけて早く治す」ことが大切です。パパやママは、日ごろから子供の髪の毛をチェックする習慣をつけましょう。

髪の毛をとかすときや、遊んでいるときなどに髪の毛をチェックしてみましょう。

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馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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