【小児科医監修】赤ちゃんが泣き止まないときの対策は?体験談もご紹介

 専門家監修
公開日:2019/06/23
更新日:2019/07/01
【小児科医監修】赤ちゃんが泣き止まないときの対策は?体験談もご紹介
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長

この記事は、赤ちゃんの泣きやませ対策についてまとめたものです。「自分のお世話の仕方が間違っているの?」「それとも体や心に問題があるのかしら?」など、赤ちゃんが泣き止まないとママは不安になってしまいますよね。月齢・発達別に赤ちゃんがなかなか泣き止まない主な理由とその対策について、わかりやすく説明します。

赤ちゃんが泣く理由とは?

生きていくための大切な能力

人間の赤ちゃんには生まれつき、おっぱいを飲む力が備わっているように、泣く力も備わっています。言葉で自分の意思を伝えられない赤ちゃんは、「不快な状態」を泣くことで周囲の大人に伝えてくれているのです。

 たとえばこんなとき、赤ちゃんは泣いて訴えます。

「おなかがすいた!」

「おむつがぬれていて気持ち悪い!」

「痛い!」

「苦しい!」

「かゆい!」

「暑い!」

「寒い!」

「これイヤ!」

「怖い!」

「居心地が悪い!」

つまり「泣く」というのは、おっぱいを飲むことと同様に、赤ちゃんが生存していくために必要な能力なのです。

月齢別・赤ちゃんが泣きやまない理由と対策

赤ちゃんが泣く理由はさまざまですが、月齢や発達によって、泣く理由は少しずつ違います。ここでは月齢や発達別に、赤ちゃんが泣く代表的な理由と泣き止まないときの対策について説明します。

<生後1ヶ月ぐらいまで>

泣きやまない理由

●不快な状態に置かれているから

生後1ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんが泣く理由は、先に説明したように「おなかがすいた」「おむつがぬれて気持ちが悪い」「居心地が悪い」など、自分が不快だという状態を訴えている場合がほとんどです。

●泣くことでいっそう不快感が増幅されるから

生後間もない赤ちゃんは、1日のうちのほとんどを眠って過ごしています。おっぱいを飲んでおなかが満たされるとウトウト、おしっこやうんちをして汚れたおむつを取り換えてもらってはウトウト。まだ昼夜の区別もつかないような生活です。

そんな至福の時間にちょっとした物音や光が刺激として伝わると、ビクッとして目が覚めて泣き出すこともあります。

この時期の赤ちゃんは自分の手足ですら自分の意志でコントロールできない状態。そのため一旦泣き始めると手足はますますバラバラになったような感覚になって不快感が増し、赤ちゃんはなかなか泣き止まないのです。

泣きやまない対策

●不快をチェック

おなかがすいていないか、おむつはぬれていないか、室温は適当か、着せすぎていないかなど、赤ちゃんが不快な状態になっていないか、一つ一つ確認しましょう。

●げっぷをさせる

おっぱいを飲ませたあとに泣くのは、おっぱいといっしょに空気を吸っておなかが張っているからかもしれません。授乳後はきちんとげっぷをさせましょう。

●体をくるむ

広い布団やベッドの上で不安を感じる赤ちゃんもいます。バスタオルやおくるみなどで、体をしっかり包んであげるのもよいでしょう。

●スキンシップで安心させる

とりたてて赤ちゃんが泣く理由が見つからない場合は、何かの原因で不安を感じているのかもしれません。しばらく抱っこしたり、抱っこでやさしくゆらゆらしたりしてあげましょう。この時期は、家事よりも赤ちゃんとのスキンシップを優先してください。

何かの刺激で目が覚めて泣き始めた場合は、寝かせたままでもよいので、大人の両手で赤ちゃんを抱きしめてあげましょう。赤ちゃんの指先が口の近くに触れるようにして腕もしっかり身体に触れるように抱きしめます。子宮の中で抱かれていたようなイメージで、赤ちゃんは安心します。

先輩ママの体験談

ベビーカーで大泣き!抱っこしたら泣き止んだ

1ヶ月健診に連れていこうと、ベビーカーに乗せて歩いていたら途中で大泣き! 歩いているうちに気分もまぎれるかなと思ったのですが、泣き止む気配はありません。仕方なく抱っこしたら、ピタリと泣き止みました。首もすわっていないので、赤ちゃんを両手で抱っこして、ベビーカーはおなかと腕で押して病院まで行きました。(生後1ヶ月の女の子のママ)

<生後2~3ヶ月>

泣きやまない理由

●不快な状態に置かれているから

新生児の頃よりも目覚めている時間が長くなるので、「前よりも泣くようになった」と感じるかもしれません。この時期の赤ちゃんが泣いたときも、まずはおなかがすいていないか、おむつがぬれていないかなど、赤ちゃんにとって不快な状態がないかどうかを確認しましょう。

●原始反射に驚くから

赤ちゃんには生まれつき、外からの刺激に反応する原始反射があり、それが減っていくのが生後3~4ヶ月の頃です(個人差があります)。こうした原始反射がきっかけで、泣き出すことがあります。

たとえばウトウトと眠っているときにバタンとドアを閉める大きな音がすると、モロー反射(=大きな音や振動を感じると体をビクッとさせて、両手を広げるような動作をする)が起こります。すると、赤ちゃん自身もワケのわからないまま泣き出し、その状態をうまく収拾できなくて泣き止まない…などということがあります。

●眠りが浅いから

2ヶ月、3ヶ月と月齢が進み、少しずつ授乳や睡眠のリズムが整ってくると、夜まとめて寝るようになってきます。大人と同様、赤ちゃんは浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)を繰り返して眠ります。赤ちゃんの睡眠時間は平均すると14~15時間ぐらいですが、この半分以上は浅くてまどろんでいるようなレム睡眠。そのため、ちょっとしたことで目が覚めて泣き出します。

●疲れているから

大人もそうですが、朝から一日活動していると、夜を迎えるころには心も体も疲れてきます。「夕方は何となくグズグズして機嫌が悪い」「夕方になると、ちょっとしたことで泣く」という、いわゆる夕暮れ泣き、たそがれ泣きはこの時期が多いもの。

夕暮れ泣きは日中の活動のまま脳が興奮した状態が続く、神経が疲れている、高ぶっているために起こるものと考えられています。

泣き止まない対策

●不快をチェック

おなかがすいていないか、おむつはぬれていないか、室温は適当か、着せすぎていないかなど、赤ちゃんが不快な状態になっていないか、一つ一つ確認しましょう。

●スキンシップで安心させる

赤ちゃんが不快になる理由がとりたてて見つからない場合は、しばらく抱っこしたり、抱っこでやさしくゆらしたりしましょう。

夜中に目を覚まして泣きだしたときは、添い寝や抱っこなどで、ママやパパの体のぬくもりを感じさせ、気持ちを落ち着かせます。

夕暮れ泣きにも、スキンシップは有効です。ただし夕方はママにとっては忙しい時間帯。手が離せないときは、少し放っておいてもやむをえません。でも、気持ちは常に赤ちゃんに向けていてください。「ごめんね。これを終えたら抱っこするから待っててね」「もうちょっとだからね」など、すぐにスキンシップできないときは少し離れたところからでも、赤ちゃんに声をかけてあげてください。

●おしゃぶりを使う

泣き方の激しい子はおしゃぶりを使うのもおすすめ。「おしゃぶりは悪いもの」と思っているママ&パパもいますが、一日中くわえさせているなどの極端な使い方をしなければ問題はありません。NICU(新生児集中治療室)などの医療現場でも、赤ちゃんの気持ちを落ち着かせるためにおしゃぶりを使うことがあります。

●オルゴールメリーなどをつるす

赤ちゃんのできることは日々増えてきます。生後2~3ヶ月月になると、自分の手を口に持ってくることができるようになり、自分で指をしゃぶって泣き止むことができるようになる子もいます。視力も発達してくるので、オルゴールメリーやきれいな音が出るおもちゃなどを鳴らしてあげると、じっと見て泣き止んだりします。

先輩ママの体験談

歌いながら、体をゆらゆら~で笑顔に

いったん泣き出すと、いくらおもちゃであやしても、「どうしたの~」などと声をかけても、なかなか泣き止みません。でもある日、「ぞうさんの歌」を歌いながら抱っこでゆらゆらしてあげたら、泣き顔がニコニコ顔に。スキンシップ&ママの歌声が効いたみたい。(2ヶ月の男の子のママ)

<生後4~11ヶ月>

泣きやまない理由

個人差はあるものの、4~5ヶ月になると赤ちゃんの生活のリズムが整い、ママも赤ちゃんとの生活に慣れてきます。ですから赤ちゃんが泣いているときに、「ああ、おなかがすいているんだ」「おむつかな?」など、泣いている理由がある程度予測できるようになってくるでしょう。

●人見知りが始まったから

赤ちゃんが泣く理由として、この時期に新たに加わるのが「人見知り」です。それまではよその人に抱っこされても平気だったのに、脳や心が発達してきて、「大好きなママ」とそれ以外の人との区別がつくようになってくるのです。ママじゃない人に抱っこされるのが不安で泣いてしまいます。

●怖い思いをしたから

発達には個人差がありますが、5ヶ月ぐらいになるとゴロンと寝返りをする子が出始め、やがておすわり、はいはい、つかまり立ち…と行動範囲が広がっていきます。それに伴い、転んだり何かにぶつかったりと、痛い思い、怖い思いをして泣くシーンが増えてきます。

●自分の欲求が満たされないから

「欲しいおもちゃに手が届かない」など、自分の情緒的な欲求が満たされないことでイライラして泣くようになるのがこのころ。心が発達している証拠です。

●夜泣き

夜中に泣き出す「夜泣き」が始まるのがこの時期です。夜泣きの原因ははっきりとはわかっていませんが、体内時計と1日24時間の周期がずれるから、昼の記憶や興奮が夜まで残ってしまうから、などの説があります。

泣き止まない対策

●安心できる人がスキンシップ

人見知りで泣いているようなら、ママやパパなど赤ちゃんが安心できる人が抱きしめてあげましょう。「誰に抱っこされても泣かない子にしなくちゃ」などと、泣く赤ちゃんを無理やり他の人に抱っこさせるのは無意味ですし、赤ちゃんが安心できずかえってよくありません。人見知りは、赤ちゃんがママやパパを特別な人と認識した証拠。心が順調に発達している証です。時期がくれば、自然におさまってきます。

久しぶりに会うおじいちゃんやおばあちゃんが抱っこしたがる場合も、人見知りは一時的なことなので少しだけ我慢してもらいましょう。その場に赤ちゃんが慣れてきたら、少し離れてあやしたりしているうちに泣かなくなることもあります。

●安全対策をしっかりと

寝返りなどで赤ちゃんが自力で動くようになってきたら、危なくないように室内を片づけるなど、安全対策に心を配ります。キッチンなど赤ちゃんが入ってほしくない場所には柵をつける、おすわりやつかまち立ちをしたときに手の届く場所にものを置かない、テーブルクロスは片付ける。赤ちゃんの目線になって、危険なところやものがないか、一度部屋をチェックしておきましょう。

●欲求を満たす・気持ちをそらす

たとえばおすわりはできるけれど、はいはいができない赤ちゃんの場合。持っていたおもちゃが何かのはずみで落ちて転がり、手が届かなくてイライラして泣くことがあります。こんなときは、おもちゃを取って手渡し、赤ちゃんの欲求を満たしてあげましょう。

リモコンやスマホなど、赤ちゃんに触らせたくないものを欲しがって泣くときは、触ってもいいおもちゃを手渡すなどして、気持ちをそらします。見るもの触るもの、赤ちゃんにとってはなんでも「初めて」のことが多いので、気持ちをそらすことは意外と簡単です。触ってほしくないものは、目の届かないところに片づけて。

●生活リズムを整える

夜泣きをする場合は、生活リズムを見直しましょう。起床、授乳、食事、外遊び、おふろ、就寝など、毎日できるだけ決まったリズムで過ごします。体内時計は毎日、太陽の光を浴びることで調節されます。「早寝早起き」と言いますが、実際には「早起き早寝」。生活リズムを整えるには、まず朝きちんと起こすことから始めてください。

●激しい夜泣きはいったん起こしても

夜泣きをしたときは、添い寝やおっぱいをあげるなどを試してみます。泣き方が激しくなってくるようなら、部屋の明かりをつけていったん起こす、抱っこして外に出るなど、赤ちゃんを気分転換させて落ち着かせるのもいいでしょう。

●過度な刺激や興奮を避ける

昼間にたくさんの人に囲まれてとても楽しく過ごした日は、疲れてぐっすり寝るよりも夜中に急に激しく泣き出すことの方が多いかもしれません。もちろん、楽しい体験はさせてあげたいですが、刺激が強すぎるのはよくありません。ほどほどにして興奮させすぎないように注意しましょう。

先輩ママの体験談

人見知りが始まり大好きだったジイジで大泣き

ママやパパが声をかけてあげると手足をバタバタ動かして大喜びするのに、ちょっとでも姿が見えないと大泣き。前は大好きだったジイジに抱っこされても、最近は大泣きしていつまでも泣き止みません。だから私が抱っこした状態でジイジと遊ばせるようにしています。(6ヶ月の男の子のママ)

気に入らないと大泣きして、泣き止みません

食事の時間なので、遊んでいるおもちゃを取り上げたら大泣き!「おいしい、おいしいだよ~」と言葉で誘ってもダメで、泣き止んでくれません。仕方なく、大好きなフルーツで誘って食卓につかせました。(11ヶ月の女の子のママ)

<1歳過ぎ>

●泣きやまない理由はより複雑に

1歳を過ぎると、「自分でやりたい」という自我が生まれてきます。でも「やりたい」気持ちはあっても、大人と比べると未熟でいろいろなことが上手にできません。

言葉を例にとってみましょう。簡単な単語は言えて、単語の意味はわかっていても、自分を取り巻く状況や感情を言語で理解したり表現したりする力は、まだまだ十分ではありません。そのためかんしゃくを起こして、泣いたり怒ったりすることがあります。

いくつか言葉を口にし、一人で歩けるようになってくると、ママ&パパは「もう赤ちゃんじゃないのね」と思いがちですが、1~2歳代はまだまだ未熟。おなかがすいたなどの生理的な不快、痛みなどの物理的な不快に、さらに精神的な不快が加わり、泣き止まない理由はより複雑になってきます。

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長
札幌医科大学医学部卒業後、国立小児病院新生児科(NICU)や東京都立墨東病院周産期センター新生児科部長、同病院副院長をへて2014年より現職に。多くの乳幼児をみてきた渡辺先生ならではの、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。

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