新生児の頭囲、平均はどのぐらい?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/06/21
更新日:2019/06/25
新生児の頭囲、平均はどのぐらい?【小児科医監修】
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長

この記事は、新生児期の頭囲についてまとめたものです。赤ちゃんの頭の大きさを気にするママは多いですね。「うちの子の頭は大きい?」「小さい?」と心配になることがあるかもしれません。月齢による頭囲の平均や、頭囲と病気の関係について、小児科の先生に聞きました。

新生児の頭囲、平均は?

母子手帳の発育曲線が参考に

頭囲とは、赤ちゃんの頭の大きさのこと。新生児の頭囲の平均は32~33cmですが、30cmの子もいれば、36cmの子もいて、それぞれの体格によって個人差が大きいものです。

また、赤ちゃんの時期は、体はあまり大きくなくても頭は大きめなこともあれば、その反対のこともあり、一概にはいえません。骨格が似ることで、「パパやママが小さいときもそうだった」ということもあるようです。

赤ちゃんは生まれてくるとき、狭い産道を通るために頭の骨を重ね合わせるようにして出てくるため、生後すぐの時期は頭が小さめで、そのあと元の状態に戻ります。そのため、産院によっては出生時と退院時の2回、頭囲を測るところもあります。

生後1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月の男児・女児の頭囲平均

一般的には、骨格は女の子より男の子のほうが平均して大きく、頭囲も同じことがいえます。母子手帳には体重、身長だけでなく、頭囲の発育曲線が載っているので、それを参考にするといいでしょう。

母子手帳の発育曲線によると、頭囲の平均値は次のようになっています。

●生後1ヶ月

男児/34~39cm

女児/33~38cm

●生後3ヶ月

男児/38~43cm

女児/37~42cm

●生後6ヶ月

男児/40.5~45.7cm

女児/39.6~44.5cm

男児の頭囲発育曲線

女児の頭囲発育曲線

新生児の頭囲と病気の関係

病気がある場合は出生時や健診時にわかる

赤ちゃんの頭が大きい、あるいは小さい場合、その原因としてもっとも多いのは、「パパやママが小さいときもそうだった」という、遺伝によるもの。

「うちの子は頭が大きいなぁ」「頭が小さい気がするけど、大丈夫かしら」などと思ったら、まずは、パパやママが赤ちゃんのときの頭の大きさを、母子手帳などで確認できるといいですね。

頭囲が極端に大きい、あるいは小さい場合、また、発育曲線を大きく外れて急激に大きくなっている場合や、反対に全く大きくなっていない場合などは、病気の可能性を考えることもあります。
ただ、体重や身長のように、ママが自宅で赤ちゃんの頭囲を測ることまでする必要はありません。乳児健診をきちんと受けていれば、必ず頭囲も測定するため、病気が疑われるようなことがあれば、検査をすすめられたり、注意深く経過観察したりと、必要な対応がとられるはずです。

また、現在では超音波検査など、画像検査の方法が進歩しているため、胎児の病気が見過ごされることはまずありません。あまり心配しないようにしましょう。

新生児のとき頭囲が小さくて心配される病気

頭囲が極端に小さい場合、「小頭症」の可能性があります。小頭症とは、脳や頭蓋骨の発育が不十分なために頭囲が小さい状態をいい、発達の遅れや聴力・視力障害、知的障害、痙攣などの症状がみられることがあります。小頭症の原因としては、以下のような病気や障害が考えられます。

染色体異常

染色体の数や構造に異常が起こり、そのためにさまざまな病気や症状がみられます。どのような病気や症状が起こるかは、どの染色体にどのような異常が起こっているかによって異なります。

胎内感染

赤ちゃんがママのおなかにいるときに、ママが風疹やサイトメガロウイルス、ヘルペスウイルス、トキソプラズマなどによる感染症にかかることで、赤ちゃんが小頭症になることがあります。診断方法や治療法は、感染症によって異なります。

中枢神経感染症

髄膜炎や脳炎など、中枢神経(脳と脊髄)に起こる感染症でも、後遺症として小頭症になる可能性があります。

周産期障害

妊娠中や出産時のトラブルにより、赤ちゃんが重症な仮死状態で生まれてきた場合や、頭蓋内出血などがみられた場合に、それが原因で小頭症になることも。

新生児のとき頭囲が大きくて心配される病気

頭囲が極端に大きい場合、「水頭症」という病気の可能性が考えられます。ほかにも、以下に挙げる病気の可能性が考えられます。

水頭症

頭の中に脳脊髄液が過剰にたまってしまう病気で、頭囲が発育曲線を大きく外れて増えたり、大泉門がふくらんだりすることがあります。黒目が下向きになる、不機嫌でグズグズと泣いてばかりいる、よく吐く、周囲の刺激に対して敏感になる、うつらうつらと眠ってばかりいる、ぐったりしている、などの症状がみられることも。超音波検査やCT、MRIなどの画像検査で診断できます。

脳腫瘍

脳にできる悪性腫瘍。腫瘍が大きくなって頭蓋内の圧が高まることで、頭囲が増大することがあります。また、脳腫瘍によって水頭症が起こることもあります。

ソトス症候群

遺伝子の異常によって起こる病気。生まれたときから頭(頭囲)や体(身長)が大きく、発達の遅れなどがみられます。心臓、腎臓、耳や目、歯などにさまざまな合併症が起こることがあります。病気そのものへの根治的な治療法はなく、合併症への対応や発達支援などをおこないます。

硬膜下血腫・硬膜下水腫

脳を覆っている硬膜の内側に、血液や髄液などがたまってしまう病気。転んで頭をぶつけるなど、ケガによるもののほか、硬膜下水腫は、髄膜炎などの病気が原因で起こることもあります。頭囲が大きくなることのほか、機嫌が悪くグズグズする、嘔吐、けいれんなどの症状がみられることも。CTやMRIなどの画像検査で診断します。

くも膜のう胞

脳の表面を覆う「くも膜」に髄液がたまり、袋状に腫れて脳を圧迫する病気。超音波検査やCT、MRIなどの画像検査で診断します。嘔吐、頭痛、けいれんなどの症状がみられることがあり、この病気により水頭症を起こすこともあります。

文/出村真理子

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長
札幌医科大学医学部卒業後、国立小児病院新生児科(NICU)や東京都立墨東病院周産期センター新生児科部長、同病院副院長をへて2014年より現職に。多くの乳幼児をみてきた渡辺先生ならではの、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。

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