【産婦人科医監修】妊婦のりんご病に対する検査や予防法は?

 専門家監修
公開日:2019/07/15
【産婦人科医監修】妊婦のりんご病に対する検査や予防法は?
監修
粒来拓(つぶらいたく)先生
よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長

りんご病は子どもに多い病気ですが、大人もりんご病にかかることがあります。とくに妊娠中にりんご病に感染すると、おなかの赤ちゃんにも影響を及ぼします。上の子がいる場合は家庭内で感染しないように注意しましょう。りんご病の症状や、かかったときの対処法、赤ちゃんへの影響などについて解説します。

りんご病とは

りんご病の正しい名称は「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」といい、ヒトパルボウイルスB19というウイルスに感染することで発症します。5~10才の子どもがかかりやすく、一度感染すれば終生免疫(生涯その感染症にかからないこと)がつきます。りんご病は春から夏にかけて流行する傾向があり、4~5年周期で流行がみられます。

症状

感染すると微熱や頭痛、だるさといった風邪のような症状が現れますが、最も特徴的なのは発疹です。チョウが羽を広げたような形の赤い発疹が頬に出て、まるでりんごのように見えます。頬が赤くなったあと、少し遅れて腕や太ももなどにレース状の紅斑が出ます。2日ほどすると、レース状の紅斑の色が不規則に薄くなり、まだら模様に変化していきます。発疹が出たころには、人にうつすおそれはなく、通常は1週間程度で治ります。

感染経路

感染した人のせきやくしゃみで飛び散った唾液や鼻水の細かい水滴を、吸い込んでしまうことによってウイルスが体内へ入ります(飛沫感染)。また、感染した人がせきを手で押さえたり鼻水が手についたりしたあと、ドアノブやスイッチなどに触れ、同じ場所を別の人が触り、その手で口や鼻に触れると、粘膜などを通じてウイルスが体内に入ります(接触感染)。乳幼児では、幼稚園や保育園で使うおもちゃなどから感染してしまうケースもあります。

潜伏期間

潜伏期間は10~20日。この時期が最も感染力が強く、本人も感染していることに気づかないまま人にうつしてしまい、感染が広まるケースが少なくありません。

りんご病は大人も発症する?

りんご病は、免疫がなければ大人でもかかります。子どもの場合は特徴的な紅斑や風邪のような症状が出ますが、比較的軽くすみます。一方、大人の場合は風邪のような症状が出ますが、りんご病の典型的な症状は出ないことが多く、かかっても気づきにくいです。大人の感染者の約20%は無症状という報告もあります。

りんご病の妊婦への影響

妊婦さんがりんご病に感染すると、おなかの赤ちゃんに影響を及ぼすことがあります。ヒトパルボウイルスB19は、赤ちゃんの赤血球をつくる細胞に感染します。その結果、造血障害が起こり、赤ちゃんが貧血(胎児貧血)になることがあります。さらに重症化すると赤ちゃんの体内に水がたまり、「胎児水腫」といって、全身にむくみがみられるようになります。胎児水腫は軽症なら自然に治りますが、たまった水が肺や心臓を圧迫して、流産や死産を引き起こすおそれがあります。

妊婦のりんご病が赤ちゃんに感染する確率

日本人の妊婦さんがりんご病の抗体を保有している確率は、20~50%といわれています。妊婦さんが感染した場合、約2割でウイルスが胎盤を通過して胎児に感染し、そのうちの約4%に胎児貧血や胎児水腫が起こるといわれています。また、妊娠32週未満の妊婦さんは、妊娠32週以降の妊婦さんに比べて胎児水腫の発症率が高いという報告があります。

監修
粒来拓(つぶらいたく)先生
よしかた産婦人科分院 綱島女性クリニック院長
2007年浜松医科大学医学部卒業。横浜市大産婦人科勤務後、2018年より現職。横浜市大センター病院女性ヘルスケア外来担当医兼任。妊娠中から産後まで、妊婦さんのさまざまな悩みに応えてくれるドクターです。

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