新生児の体重や身長、平均はどのぐらい?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/06/22
更新日:2019/07/01
新生児の体重や身長、平均はどのぐらい?【小児科医監修】
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長

この記事は、新生児の体重についてまとめたものです。新生児期の発育のスピードは、赤ちゃんによってさまざまです。あまり心配せずに、その子なりのペースで育っていくのを見守ってあげられるといいですね。一般的な目安として、新生児期の体重の増えかたや、注意が必要なポイントなどを小児科の先生に聞きました。

新生児の体重・身長の平均は? 体重はどう増えていく?

体重は1日30~40g増えることが多い

生まれたときの体重・身長には個人差がありますが、平均的な目安として、体重はおよそ3kg、身長は50cmほど。その後1ヶ月の間は1日30~40g、生後1ヶ月までに500g~1kg増えるのが適量です。
ただし、赤ちゃんの体重については、とても個人差が大きいものです。生まれたときに、2500gの赤ちゃんもいれば、4000gの赤ちゃんもいて、その後の発育のスピードも赤ちゃんそれぞれによって違います。

赤ちゃんの体重・身長の目安は、母子手帳の「発育曲線」を参考にするといいでしょう。発育曲線の色のついた帯は、その範囲に94%の赤ちゃんがおさまることを意味しています。

男児・1歳までの発育曲線

男児・1~6歳の発育曲線

女児・1歳までの発育曲線

女児・1~6歳の発育曲線

ふえ方は1週間ぐらいのスパンで確認を

生まれてから1カ月間までの新生児期、体重の増え方が気になるママも多いでしょう。でも、ゆっくりでも、その子なりのペースで増えているようなら心配することはありません。1日単位で体重が「増えた」「増えない」と一喜一憂せず、1週間ぐらいのスパンで増え方を確認するといいでしょう。

「あまり体重が増えない」と心配になることもあるかもしれませんが、実は、おばあちゃんに聞いてみたらパパやママも「小さいときに発育がゆっくりだった」ということもあります。可能なら、パパやママの母子手帳を取り寄せて、生まれたころの発育の様子を確認してみるといいかもしれませんね。

新生児の体重が増えない原因は?

生後3~4日間で一時的に体重が減る「生理的体重減少」

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだおっぱいを上手に飲むことができません。一方で、おしっこやうんち(胎便)、汗など、体から出ていく水分は多く、飲む量より出ていく量のほうが多くなりがちなため、一時的に体重が減ります。これを「生理的体重減少」といい、生後3~4日の間にみられますが、その後は生まれたときの体重に戻り、少しずつ増えていきます。

生理的体重減少は、生後間もない赤ちゃんなら誰にでも起こることなので、心配ありません。

母乳・ミルクの量が不足している

赤ちゃんの体重が増えない場合、母乳やミルクの量が足りていないことも考えられます。近年では、産後、退院までの日数が短くなっている傾向があり、まだママも赤ちゃんも十分に授乳に慣れていない時期に退院となることがあります。そのため、自宅に戻ってから思うように飲ませることができなかったり、飲んでいると思っていても足りていなかったりすることがあるようです。

とくに、母乳だけの場合は飲んでいる量がはっきりとわからず、足りているかどうか不安になるママもいるでしょう。でも、授乳のたびに体重を測るなど、あまり神経質になることはありません。母乳の出方も1日のうちで、よく出るときと、あまり出ないときがありますし、赤ちゃんも毎回同じ量を飲むとは限らないからです。おしっこの回数やうんちの量が減っている場合は母乳不足が疑われます。

退院が早まっている分、1ヶ月健診の前に、2週間健診を実施している産院も増えています。健診では、必ず赤ちゃんの体重の増え方をチェックし、足りていない場合は医師・助産師などから授乳について、何らかのアドバイスがあるはずです。
また、保健師による家庭訪問をおこなっている地域や、母乳相談を受けている産院などもあるため、心配な場合は利用するといいでしょう。

病気が原因のことも

体重が全く増えない、体重が減る、頻繁に吐くときなどは、病気が隠れている可能性もあります。ただし、赤ちゃんの「吐く」には、2種類あります。

病気の心配がない「吐く」

ひとつは、母乳やミルクの飲み過ぎなどによる「溢乳(いつにゅう)」です。

飲んだ後に「ケポッ」あるいは「ダラッ」とあふれるように吐きます。赤ちゃんは、胃の入り口のしまりがゆるく、ちょっとしたことで吐きやすいのです。

胃赤ちゃんの胃は大人に比べてくびれがゆるく、飲んだものを吐きやすい形になっています。

新生児期の赤ちゃんが吐く場合、ほとんどは溢乳で、これは心配することはありません。溢乳の量が多い場合は、飲む量が多すぎるのかもしれません。

病気が心配な「吐く」

授乳のたびに吐く

吐き方がだんだん激しくなる

勢いよく噴水状に吐く

という場合は、胃の出口(幽門)の筋肉が厚くなり、十二指腸への通り道が狭くなる病気、肥厚性幽門狭窄症(ひこうせいゆうもんきょうさくしょう)の可能性があり、早急な治療が必要です。この病気は、生後1~2週間ではみられませんが、生後1ヶ月ぐらいで急に起こり、吐き続けます。

そのほか、新生児期の赤ちゃんが吐く病気では、胃の軸捻転という一過性の病気や、ミルクアレルギーなどが考えられます。

体重が増えず、頻繁に激しく吐く場合には、健診を待たずに小児科を受診しましょう。

新生児のときは、こうでした! ママたちの体験談

2週間あまり体重が増えなかったり、せっかく増えたと思ったら減ったりして、とても心配しました。健診で相談したら「赤ちゃんは、授乳の前後やおしっこ、うんちが出た後など、測る時間によって体重が変わることもあるから、成長曲線に近いところにいれば大丈夫。成長の仕方は個人で違うし、ちゃんとひとりひとり成長する力を持っているから、心配しなくていいよ」とアドバイスをいただき、ホッとしました。
(男の子・6ヶ月)

生まれたときに小さめだったせいか、新生児のころは哺乳力が弱く、おっぱいをほとんど飲めていないようでした。小児科の先生に「体重が増えないと哺乳力も強くならないから、最初はミルクを足して、まずは体重を増やすことを優先して」と言われました。体重が5kgぐらいになればかなり吸えるようになると言われ、実際に5.5kgになった今では、ほとんど母乳だけになっています。
(男の子・4ヶ月)

新生児のときは、体重の増えがあまりよくないと思い、ナーバスになっていました。生後1ヶ月過ぎに市区町村の無料栄養相談で助産師さんに相談したら、「成長曲線の範囲内で、元気に手足を動かしているし、発達の遅れも感じない。このままの増加ペースで大丈夫! 今まで通りの授乳で大丈夫!」と言われ、その言葉で自信がつきました。
(女の子・7ヶ月)

新生児の体重・多すぎ、少なすぎの目安

母子手帳の「発育曲線」を参考にしよう

赤ちゃんはみなひとりひとり個性豊かで、体重やその増え方にも個人差があります。その個人差がとても大きいことは、母子健康手帳に記載されている「発育曲線」を見るとよくわかります。

色帯内におさまっていればまず問題はなく、色帯のカーブと同じようなカーブを描いて増えていれば、増え方にも問題はありません。
ちなみに、男児1ヶ月の体重を見ると、下は3㎏ギリギリ、上は5㎏を超えており、2倍近くの開きがあります。生後1ヶ月で3㎏の男の子は「体重が少なめ」、5㎏を超える男の子は「体重が多め」とは言えますが、決して「少なすぎる」「多すぎる」わけではありません。

乳児健診で体重と身長を計測したときには、母子健康手帳のグラフに赤ちゃんの数値を記入していきましょう。その子の体重・身長の数値(点)を線でつないだグラフが、色のついている帯の範囲内で、ゆるやかに右肩上がりのカーブを描いていれば、心配ありません。
また、一時的に多少帯からはずれることも珍しくはありません。

ただし、帯から大きく外れている場合と、横ばいが続くなど発育曲線に沿ってカーブが描かれない場合は注意が必要です。乳児健診を毎回受けていれば、必ず体重と身長の計測をおこなうため、心配な状態が見過ごされることはないでしょう。

新生児の体重の測り方

自宅で測るなら3日~1週間に一度程度でOK

「体重がちゃんと増えているか」を心配することは、ごく自然な気持ちですし、「母乳やミルクが足りているかどうかは体重の増え方で判断する」と言われたら、毎日体重を測りたくなりますね。ただ、あまり体重にこだわりすぎて、心配しすぎないようにはしたいもの。自宅で測るなら、3日~1週間ぐらいに一度で十分と考えましょう。

できるだけ同じ時間帯に測る

体重は、赤ちゃんを裸にして、紙おむつだけをつけた状態で測ります。正確な体重を知りたい場合は、後で紙おむつの分(約20g)を差し引きましょう。

赤ちゃんの体重は、授乳の前後、うんちやおしっこが出た後など、一日の中で変動します。測るときは、なるべく同じ時間帯に測るようにしましょう。

産院では、沐浴の前に測ることが多いようです。どうせ服を脱がせるので、裸にして全身の様子を観察し、体重を測ってから沐浴させるといいでしょう。

ベビースケールなら寝かせて測れる

赤ちゃんの体重を測る時、ベビースケールがあるなら利用するとよいでしょう。ベビースケールは、赤ちゃんを寝かせた状態で体重を測ることができ、最小表示単位が1~50gと細かいのが特徴です。

暴れるときは抱っこで自宅の体重計を使う

ベビースケールに寝かせると暴れて危ない場合などは、ママが赤ちゃんを抱っこして自宅の体重計に乗りましょう。その後、ママだけがもういちど測ってその分を引けば赤ちゃんの体重がわかります。最近のデジタル体重計は精度が高く、10g単位で測定できるものもありますよ。

新生児におすすめベビースケール10選を紹介!測り方や選び方も解説

文/出村真理子

イラスト/福井典子

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院院長
札幌医科大学医学部卒業後、国立小児病院新生児科(NICU)や東京都立墨東病院周産期センター新生児科部長、同病院副院長をへて2014年より現職に。多くの乳幼児をみてきた渡辺先生ならではの、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。

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