4ヶ月ごろから改善? 赤ちゃんの頭皮のうろこはワセリンで保湿を【医師監修】

 専門家監修
公開日:2019/06/05
更新日:2019/08/05
4ヶ月ごろから改善? 赤ちゃんの頭皮のうろこはワセリンで保湿を【医師監修】
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

この記事は、赤ちゃんの頭にできる「うろこ」についてまとめたものです。かわいい赤ちゃんの頭にうろこのようなものがついていた、という経験をしたことはないでしょうか? なかなか取れにくいため、あせったママも多いかもしれません。これは「乳児脂漏性湿疹」という、低月齢の赤ちゃん特有の肌のトラブル。正しいケアを続けることと、月齢が上がっていくことで次第に改善していきます。

赤ちゃんの頭皮のうろことは?

乳児脂漏性湿疹が頭皮にできたもの

赤ちゃんの頭皮にできるうろこは、赤ちゃんによくできる「乳児湿疹」のひとつ・乳児脂漏性湿疹によるものです。

乳児脂漏性湿疹は、頭皮やひたい、耳の周辺、髪の生えぎわ、まゆ毛から鼻の回りなどの顔回りに多く見られますが、わきの下やおなか、背中など体にもできることがあります。

頭皮やまゆ毛など毛が生えているところには、「乳痂」という黄色くベタベタした脂やフケのようなものがついたり、かさぶたのようになったりし、うろこのように見えることがあります。

ひたいなどの毛が生えていないところでは赤い湿疹ができ、炎症がひどいと湿疹同士がくっつき合って、広い範囲が真っ赤になってしまうことも。

おでこを中心にして、大きなかさぶた状の湿疹がまゆ毛や鼻、口の回りにもできています。

赤ちゃんの頭皮にうろこができる原因は?

ママからのホルモンの影響で皮脂の分泌が多いこと

生後2~3ヶ月ごろまでの赤ちゃんには、おなかの中にいるときにママからもらったホルモンの影響が残っています。そのため、皮脂の分泌がとても盛ん。赤ちゃんの頭皮がうろこのように見えるのは、たくさん分泌した皮脂が固まったものです。

皮脂は皮膚の表面をおおっていて、アレルゲンや菌などの有害物質が体内に侵入するのを防いだり、皮膚が持っている水分が蒸発しないように働いています。

皮脂は毛穴の入口近くにある「皮脂腺」から分泌されるため、皮脂の分泌が活発だと毛穴がつまりやすくなります。過剰に分泌された皮脂が毛穴周辺で固まってしまうと、うろこのように見えることがあるのです。

まゆ毛のあたりにできた脂漏性湿疹。毛の生えているところには、こうした黄色っぽい脂がついて、かさぶた状やうろこ状に。

赤ちゃんの頭皮のうろこはいつからできる?

生後すぐにでき、生後4ヶ月ごろから改善し始める

 赤ちゃんの頭皮にうろこ状のものができるのは、胎児のときにママからもらったホルモンが残っていることが原因なので、生後すぐからできる可能性があります。

 ただ、ママからのホルモンの影響は生後2~3ヶ月を過ぎたころからなくなっていき、それに伴って皮脂の分泌量は急激に減っていきます。そのため、正しいケアを続けていれば、生後4ヶ月ごろから次第に改善し始め、遅くとも生後6ヶ月ごろまでには治まっていきます。

赤ちゃんの頭皮にうろこができたときの対処法

お風呂できれいに洗うのが基本

入浴前にベビーオイルでふやかす

赤ちゃんの頭皮にできたうろこは、入浴の30分ぐらい前にベビーオイルをつけてふやかします。うろこが浮き上がってくるまで、入浴しないで待ちましょう。

ふやかさずにいきなりお風呂で洗いながら取るのは、頭皮を傷つけて悪化させかねません。面倒でも、前もって準備をしておくことが、早く良くなることにつながります。

お風呂では石けんで洗う

「肌トラブルなら、石けんで洗うと刺激になるのでは」と、不安に思うママやパパは多いでしょう。でも、うろこは皮脂が固まったもの。食べこぼした油ジミがお湯だけでは取れにくいのと同じで、皮脂もお湯だけではなかなか取れません。石けんを手のひらでよく泡立てて、爪を立てずに指の腹でやさしく洗ってあげましょう。

「シャンプーではダメなの?」と疑問に思う人もいそうですね。シャンプーは髪の毛を洗うためのもので、頭皮を洗うために作られているものではありません。赤ちゃんはまだあまり髪の毛が多くないですし、石けんのほうが成分的にも皮膚にやさしいので、石けんで洗うのがおすすめです。

石けんは手のひらでよく泡立ててから使います。

時間をかけて少しずつ取りのぞく

うろこは皮膚にしっかり固着していることが多いので、1回ですべて取りきろうとせず、その日にふやかして浮いた分だけを取りのぞきます。分厚いものを少しずつ削いでいくようなイメージで、1ヶ月ぐらいかけて取りのぞいていくと考えてください。

石けん成分はしっかり流す

石けんの成分は皮脂を取りのぞいてくれますが、残っていると皮膚への刺激になります。お湯をたっぷり含ませたタオルや弱めのシャワーなどで、石けんの泡が出なくなるまでしっかり流しましょう。

洗うときと同じように、頭皮に爪を立てないように気をつけて。ゴシゴシこするようにしてはいけません。

石けん成分が残っていると皮膚への刺激になってしまいます。しっかり流しましょう。

入浴後は保湿がマスト

やわらかいタオルで押しぶきする

入浴後は、タオルで押すようにして水分をふき取りましょう。ついゴシゴシふきたくなってしまうかもしれませんが、赤ちゃんの肌はとてもデリケート。ゴシゴシと強い力でふくと、それだけで傷つき、さらにトラブルが悪化してしまうこともあります。

同じ理由で、洗いざらしのタオルを使うのも避けましょう。皮膚に刺激を与えないよう、できるだけやわらかく、ふわふわのタオルを使って。

入浴後は5~10分以内に保湿する

皮脂の分泌が盛んとはいえ、石けんで洗い流したままにしていてはいけません。皮膚が蓄えている水分はすぐに蒸発し、乾燥が始まってしまいます。

もともと赤ちゃんの皮膚は、一番外側にある「表皮」という部分が大人の半分程度しかありません。そのため、大人に比べて外からの刺激をうけやすい(バリア機能が未熟な)状態です。

乾燥すると皮膚のバリア機能がさらに弱まって傷つきやすくなり、ちょっとした刺激で肌トラブルを起こしやすくなるので、入浴後は5~10分以内を目安に、保湿剤を塗るようにしましょう。

うろこ状のものがついている頭皮以外も、しっかり保湿しましょう。

保湿剤に迷ったらワセリンがおすすめ

保湿剤はベビーローションやベビークリームなど肌に合うものを使えばいいのですが、迷ったときはワセリンがおすすめです。

油分の多い軟膏であるワセリンには、香料や添加物などの余分な成分がまったく入っていませんし、傷があるところにも使えるので、デリケートな赤ちゃんの皮膚にも安心。薬局などで手に入る手軽さもよいところです。

ワセリンワセリンは、薬局やドラッグストアなどで買えます

赤ちゃんの頭皮にうろこができたときの注意点

うろこは自然に取れないので必ずケアを

頭皮についたうろこ状のものは、そのままにしておいて自然に取れることはありません。放っておくと皮脂が次々と分泌されるので、ガチガチに固まってしまい、余計に取れにくくなってしまいます。

赤ちゃんの頭にうろこのようなものがついているのに気づいたら、すぐにケアを始めましょう。

うろこは無理やり取らない

実は、うろこのようなものは、その下にある湿疹が露出するのを防ぐ役割をしています。頭皮にしっかりくっついていることが多いので、無理やり取ろうとすると湿疹の部分に傷がついて悪化し、ジュクジュクしてしまうことがあります。

ですから、ベビーオイルをつけずに取ろうとしたり、ふやけて浮き上がってきたもの以外も取ろうとしたりするのは厳禁。まどろっこしく感じるかもしれませんが、ベビーオイルでふやかして浮いてきた分だけを毎日取りのぞくようにすれば、次第にきれいになっていきます。焦らず気長にケアしましょう。

髪の毛をかき分けて、直接うろこ状のものにベビーオイルを塗ります。

生後4ヶ月以降もケアを続ける

生後4ヶ月以降、赤ちゃんの皮膚は乾燥しやすくなる

うろこの原因となる皮脂の過剰な分泌は、生後4ヶ月ごろからは治まってきますが、その後は皮脂の分泌が急激に少なくなることで、逆に皮膚が乾燥しやすくなります。

乾燥してカサカサした皮膚は、肌トラブルを起こしやすいため、引き続きスキンケアを欠かさないようにすることがたいせつです。

清潔+保湿+低刺激で赤ちゃんの肌トラブルを予防

入浴時に石けんでよく洗い、その成分を残さないように流し、やさしく水分を吸い取って、しっかり保湿をする。そして、バリア機能が未熟な赤ちゃんの肌に刺激を与えない。

このような「清潔にして保湿し、低刺激を心がける」ことは、さまざまな肌トラブルから赤ちゃんの肌を守るための基本となるスキンケアです。

ケアを続けることでトラブルを予防でき、万一トラブルが起こっても早めに改善することができます。

保湿1円玉ぐらいの大きさに出した保湿剤を、大人の手のひら2枚分程度の範囲に塗り広げます。

症例写真出典/はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア

出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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