この子を産みたい! 30歳の私は、そのとき“未婚の母”になることを選んだ【シングルマザーという選択】

コラム
公開日:2019/06/13
この子を産みたい! 30歳の私は、そのとき“未婚の母”になることを選んだ【シングルマザーという選択】

シングルマザーの中には結婚をせずに子供を産む、未婚のシングルマザーも多くいます。今回インタビューしたのは、予期せぬ妊娠に悩んだ末、未婚の母になることを選択した長野玲香さん。パートナーに頼ることなく1人で子供を産み、育てていく覚悟を決めた背景にはどんな思いがあったのか、当時の心境や現在の思いを語ってくれました。

~シングルマザーDATA~

◆年齢:31歳
◆子ども:生後6ヶ月の女の子1人
◆仕事:フリーランス(PR)
◆シングルマザー歴:半年

妊娠が分かった時はパニックになった

相手は中学時代の元彼でした。長いつきあいで幼馴染みのようにずっと仲良くしてたんですけど、特に付き合ってたわけではないんです。彼氏というより親友みたいな感じで、彼の性格はすごく好きなんだけど結婚相手としては考えられないな、と思っていました。突然何も言わずにどこかに消えてしまいそうな危なっかしい部分があったし、定職にもついていなかったので。

だから妊娠が判明したときは、どうしよう……って思いました。彼は結婚する気はないだろうし、そもそも私も彼と結婚するなんて今まで考えたこともなかった。頭の中がパニックになる中、とりあえずまずは妊娠した事実を彼に伝えなきゃと思って、LINEで「今日何してるの?」って連絡してみたんです。そしたら「どうした?」ってすぐに電話がかかってきて。そんなに頻繁に会う間柄でもなかったし、今までそんなことなかったのでちょっと驚きました。でもやっぱり電話では伝えられなくて。結局その日の夕方に会うことになったんです。

4Dエコーの画像を見て産むことを決意

最初は市販の検査薬を使ったんですが、これだけじゃはっきりしたことは言えないなって思って、彼に会う前に産院に行きました。そこで先生が「妊娠していますよ」って4Dエコーの超音波画像を見せてくれたんです。これがすごくリアルで、見た瞬間にびっくりしちゃって……。だって、まだ数週間しか経ってないのに、ちゃんと人間の形をしているんです。検査薬の時点ではパニックしかなかったけど、この画像を見て”産む”以外の選択肢はなくなりました。「私の中に1つの命が宿ったんだ」と胸がいっぱいになり、命の尊さを感じた瞬間でした。

ちょうど30歳になり「今産まなかったら、いつ子供ができなくなるか分からない」という思いもありました。体力的にもちょっと限界だな、と思って。今かな。今しかない。そう感じました。

彼からは意外な反応が返ってきた

彼と駅で待ち合わせをし、2人であてもなく歩き始めました。どう伝えようか?と私が考えていると、彼が突然「そういうことでしょ?」っていったんです。持ち前の野生の勘が働いたのか、なにかを察したみたいなんですよね。彼自身過去に何度かそういう経験があったようで、離婚した元奥さんとの間にも子供がいたし、なにか感じるものがあったのかもしれません。それからはどこへ行くわけでもなく2人で駅の周りを延々とうろうろ……。「まじか~そうか~」「そうなんだよね……」といいながら、同じ道を4往復くらいしたような気がします。

そのあとようやく喫茶店に入って、4Dエコーの画像を彼に見せました。もしかしたら冷たい反応が返ってくるかもしれない……という怖さもあったんですが、彼はまず「体は大丈夫なの?」と心配してくれました。それから真剣に悩んで「この写真を持ち帰って考える」といったので少しホッとしました。「”ほんとに俺の子?”とか思わないの?」って聞いたら、「そんなわけないじゃん!」ってまっすぐな目でいわれて。それで、彼の子供なら産んでもいいかな、と思いました。

1人で出産することに不思議と不安はなかった

最終的に彼の答えは「お前が産みたいなら産んでいい。でも俺、今はパパになれない」というものでした。彼はちょうどその時仕事を全部やめてしまったタイミングだったので、収入がなかったんです。でも元々私の方も彼と結婚したいと思っていなかったし、なんとなく予想していた答えだったので、特にもめたりはしませんでした。1人で産んで1人で育てていくことをにそこまで抵抗はなかったですね。まぁ大丈夫かな~って。

認知も正直してもらわなくていい、と思っていたくらいです。もし先々別の人と結婚したときに、戸籍に彼の名前が残るのが嫌だなというのが理由です。でも彼は認知したかったみたいなので、認知してもらうことになったんですが。

でも、実は当時、大きな買い物をしたばかりで貯金がなかったんです。しかも仕事はフリーランスなので固定収入もない。実家に頼る気もないし、彼からの養育費も期待できない。さて、どうする!? よし、婚活をしよう!! ってそんな感じで1人色々考えてたような気がします(笑)。それでも1人で育てていけるかな……と深く落ち込むようなことはありませんでした。

3日間陣痛が続き、ようやく出産。彼も産院に駆けつけた

妊娠中はかなりアクティブだったと思います。妊娠を周りに隠していたのもあるけど、これまでの人生で一番働きましたね。子供が生まれてくる前に稼がなきゃっていう気持ちもありました。

出産はなかなか大変でした。私の場合は陣痛が3日間も続いて、これが本当にしんどかったです。でも個室で苦しんでいたところに、突然彼がやってきたんです。産院の名前まで伝えてなかったんですけど、野生の勘で探し当てたみたいで……(笑)。残念ながら生まれる瞬間は仕事で立ち会えなかったんですが、仕事が終わってから赤ちゃんの顔を見るために再び戻ってきました。彼なりに心配してくれていたようです。

産後は里帰りしない方がラクだった!

産院で嫌だったのは、書類に父親の名前や住所を書かなければいけなかったこと。未婚の出産でも書かなきゃいけないそうで、本当にイヤだな~と思いました。

産後は里帰りするつもりはなかったんですが、助産師さんたちに「シングルマザーだったら誰かのところに行かなきゃダメよ」って散々いわれたんです。「1人じゃ大変だから」「体を休ませなきゃ」って。でも実家には同じくシングルマザーの姉の親子がいるし、私まで世話になりたくなかったんですよね。だから頑なに拒んだんです。

そしたら婦長さんが「あなたみたいな人は1人の方がいいわ! 多分身内だと頼っていることに神経使いすぎちゃって逆に疲れちゃうから、役所のサポートやベビーシッターさんを頼む方がいい」って言ってくれたんです。それにはすごく勇気づけられました。

でもなんだかんだ結局、出産直後に少しだけ実家に行ったんです。ただ姉が仕事でちょうど家を空けている時期だったので、家にいたのは母と5歳の姉の子供だけ。そうなると5歳児の相手はもちろん私がすることになるんですよね。出産したばかりで体はボロボロだし、赤ちゃんの母乳やおむつ替えもあるし、なんだかかえって疲れちゃって。それですぐに1人暮らしの家に戻ってきちゃいました。この時は1人って本当ラクだな~って思いましたね(笑)

経済的に安定していれば、シンママでもなにも心配いらない

子供は現在、生後6ヶ月になりました。手のかからない子で、夜もよく寝てくれるので本当に助かってます。子供が生まれてからも、仕事はちょくちょくやっています。保育園に預けることも考えましたが、朝方や夕方以降に仕事が入ることも多いので、今の時点ではあまりメリットがなくて。基本的にはベビーカーで仕事の現場に一緒に連れて行って、どうしても難しいときだけ実家に預かってもらってます。

子供を出産してからもとくに大きな悩みはないですが、唯一不安なことといえば経済的な部分ですね。収入が不安定なので、金銭面では常に不安がつきまといます。ひとり親の助成も利用していて助かってますが、それでもやっぱり……。シングルマザーって金銭面さえ不安がなければ、何も心配いらないと思うんです。私なんかはかえって1人の方がいいくらい。産後の大変な生活の中に旦那がいたら、逆にストレスを感じるかもしれない。でも自分が動けなくなったら、この子との生活はどうなってしまうんだろうって考えるとちょっと怖いですけどね。

同じシンママでも未婚と離婚の差別に愕然

母子家庭でも未婚のシングルマザーと離婚経験のあるシングルマザーとで、受けられる支援が違うと知った時は驚きました。未婚シングルだと、寡婦控除が受けられないんです。とくに私はフリーランスなので、寡婦控除が適用されないのは税金の面などで辛いですね。これについては色々問題提起はされているものの、まだ法改正はされてないみたいで。自治体によっては「みなし適用」もあるみたいなので、どこかのタイミングで引っ越そうかなとも考えています。離婚も未婚も同じシングルマザーとして平等に扱ってもらえたらうれしいですね。

この先いい相手がいたら結婚したい

彼とは今でもたまに会ってます。子供のことがかわいいみたいで、会うとよく遊んでくれます。子供の成長が気になるようで、私のSNSも頻繁にチェックしてるみたいで(笑)。いいパパになりそうなんですけど、でもやっぱり結婚して一緒に子供を育てたいとは思えないんですよね。ピーターパン症候群みたいな感じの人なので、多分生涯安定した職業にはつかないだろうなって思いますし。

私自身シングルマザーに向いてるなって思うけど、いつかごくごく普通の幸せな家族というカタチになれたらいいな、という夢はあります。子供のためにもパパという存在が近くにいてほしいし、本当は物心がつく前から当たり前のようにパパがいた方が子供にとってはいいんじゃないかなって。

でも子連れで結婚となると、相手を探すのも大変そうですよね。まだ私の中でパパがいるイメージが湧かないっていうのもあります。私が男みたいな性格なので、お嫁さんがほしいかも(笑)。すてきな”嫁”を見つけるまでは婚活、頑張ろうと思います!

取材・文/齋藤久美子
※メイン画像はイメージカットです。

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