離乳食で発疹(湿疹)が出たらアレルギー?病院へ行くべき症状は?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/06/02
更新日:2019/06/03
離乳食で発疹(湿疹)が出たらアレルギー?病院へ行くべき症状は?【小児科医監修】
監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長

離乳食が始まると、食物アレルギーを気にするママがたくさんいます。とくにママがアレルギー体質だと、「赤ちゃんもアレルギーになるのでは?」と心配になりがち。離乳食でアレルギー症状が出たときの病院へ行く目安や、食物アレルギーを防ぐ方法を医師に聞きました。

離乳食で発疹(湿疹)が出る原因は?

食後2時間以内なら食物アレルギーが疑われる

赤ちゃんに発疹(湿疹)ができる原因はいろいろありますが、離乳食を食べたあと2時間以内に症状が出る場合は、「食物アレルギー」の可能性があります。食物アレルギーは、特定の食べ物が体内に入ることによって、皮膚に発疹(じんましん・皮膚が赤くなる)やかゆみ、下痢や吐き気、呼吸の異常など、さまざまな症状が出る病気です。

ただし、赤ちゃんの肌はデリケートで、よだれや食べ物がついただけで赤くなることもあります。「離乳食を食べたら皮膚が赤くなった」からといって、ママやパパが食物アレルギーと決めつけず、きちんと医師の診断を受けることが大切です。

食物アレルギーが起こる仕組み

なぜ、食物アレルギーが起こるのでしょうか。

人には有害なものから体を守るシステムが備わっていいます。そのひとつが「免疫」。たとえば、あるウイルスに感染して病気になると、免疫細胞がそのウイルスをやっつける「抗体」をつくります。その後、同じウイルスに再び感染すると、免疫細胞がこれに気づき、ウイルスを撃退して病気を防ぐのです。ところが、この免疫システムは、無害なものに過剰に反応してしまうことがあります。食物アレルギーは、体に無害な食べ物を有害と判断し、過敏に反応する状態をいいます。

赤ちゃんはまだ、消化酵素の分泌が不十分で、小腸の消化・吸収能力も未熟です。そのため、体に入った食物がうまく消化されずに有害なものと見なされ、抗体ができてしまうことがあるのです。

アレルゲンは皮膚からも侵入する

また、食ベ物が体に入るのは食事からとは限りません。アレルギーの原因となりやすい卵、牛乳、小麦など(アレルゲン)は、たいていどこの家庭にもあるものですが、これらの食品の成分が空中に浮遊して、それを吸い込んだり、荒れた肌から体内に入ったりすると、いつのまにか抗体ができていることがあります。健康な皮膚は異物の侵入を防ぐバリア機能があるので、食べ物の成分を吸収することはありません。

ところが、荒れていたり発疹(湿疹)が出ていたりすると、バリア機能が働かず、食物成分が吸収されて抗体ができやすくなります。そうなると次に体に入ったときに、アレルギー症状が出てしまうのです。

つまり、アレルゲンが体に入るルートは食べるだけでなく、吸い込んだり、皮膚から吸収されたりする場合もあるということです。

離乳食で発疹(湿疹)が出たときの対処法

発疹(湿疹)が出て、強くかゆがっているときは、冷たくしぼったタオルを当ててあげるとかゆみが緩和されます。また、汗や汚れを取り、皮膚を清潔に保つことも大切です。おふろはぬるめに設定するか、シャワーにし、泡立てた石けんで、やさしく洗ってあげましょう。

離乳食で発疹(湿疹)が出たときの受診の目安

食物アレルギーでは、食後2時間以内に症状が出てくる「即時型」というタイプが一般的です。はじめて食べさせてみて、食後2時間症状が出なければ、まず問題ないでしょう。

離乳食を食べたあと、2時間以内に症状が出たときには、軽症なのか重症なのかを見きわめる必要があります。急激に悪化する症状は、アナフィキラシーショックといって、命にかかわることがあります。次のような症状が見られたときはすぐに受診しましょう。

・発疹(かゆみ・赤み)が全身に広がり、赤ちゃんの機嫌が悪くなった

・顔色が悪くぐったりしている

・声がかすれるような激しいせき込み

・呼吸が速く、息が苦しそう

・繰り返し吐き続ける、激しくおなかを痛がる

「おかしい」と思ったらすぐ対応できるよう、はじめての食品を食べさせるのは病院に駆け込める日中の時間帯にするといいですね。

一方、部分的な皮膚症状だけで、数時間で治まった場合はすぐに受診しなくてもよいでしょう。ただし、いったん治まったのに再び症状が出たり、症状が出たり治まったりを2~3日繰り返すこともあるので、早めに受診して診断を受けたほうが安心です。

監修
鳥海佳代子先生
とりうみこどもクリニック副院長
島根大学医学部卒業。島根県や千葉県の小児科に勤務後、2010年に夫とともにとりうみこどもクリニックをオープンさせる。カラフルな診療着とおおらかでやさしい人柄が、患者さん親子に人気のママドクター。

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