☆本日も映画日和☆愛があれば大丈夫?結婚にともなう価値観の衝突を描いた映画4選

コラム
公開日:2019/05/09
☆本日も映画日和☆愛があれば大丈夫?結婚にともなう価値観の衝突を描いた映画4選

今回ご紹介する映画のテーマは「結婚にまつわる価値観の違い」。異なる環境に育った2人が家庭を築くとなると、当人同士の恋心ではどうにもならないやっかいな問題が出てくるもの。愛があれば……では済まされない問題、さて登場人物たちはどう乗り越える?

恋心だけじゃどうにもならない問題を、どう乗り越える?

結婚って、別々の環境で育った2人が協力して、1つの家庭を築いていくための契約です。まったく同じ環境で育った2人が結婚する場合もありますが、それは少女漫画の題材になっちゃうくらいレアケース。たいていは違う環境、違う家庭で育った2人がするもの。育った環境が違えば違うほど価値観も変わり、お互いびっくりするようなことも多いんじゃないでしょうか。

恋人同士のうちは、そんな違いも楽しかったり、ケンカしても「やっぱり好き!」と相手への理解が深まったりします。だけど結婚となると、当人同士の恋心だけじゃどうにもならないことが出てきちゃう。お互いの家族もかかわってくるし、価値観だけでなく文化や伝統やしきたりが衝突することもあって、やっかいです。さらに身分や人種、宗教、国籍が違うとなると問題は大きくなるばかり。

今回ご紹介するのは、そんな問題をテーマにした映画です。

『クレイジー・リッチ!』

© 2018 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND SK GLOBAL ENTERTAINMENT

移民の国アメリカでは、文化や人種の違いによる衝突なんて日常茶飯事。もはや映画のネタにすらなりにくくなっています。そんな中、ハリウッド映画ながら主要キャストを全員アジア系で固めてヒットし、話題を呼んだのが『クレイジー・リッチ!』。原題は"Crazy Rich Asians”。同じ中国系だけど、生粋のニューヨーカーで知性派のレイチェルと、シンガポールのセレブ華僑ニックの恋を描いたラブコメです。このニックの家族と親戚や友人のリッチぶりが、とにかくすごい!舞台は主にシンガポールですが、キラッキラなゴージャスライフは観光で見るのとは別世界。「ニックに案内してほしい!」と身もだえちゃうほど。スーパーセレブたちのファッションも見逃せません。
だけどセレブ華僑の世界は、そんなに甘いものじゃない。アメリカでは若くして大学で教え、一目置かれるレイチェルも、ニックの身内に陰で「バナナ」(見た目は黄色いアジア系だけど、中身は白い欧米かぶれのこと!)と呼ばれ、シングルマザーで育ててくれた母親のことまで悪く言われます。ミシェル・ヨー扮するニックの母親がものすごい迫力で、レイチェルじゃなくても怖じ気づきそう。実は母親にもセレブ仲間にも、人に言えない苦労や悩みがあったりして、家庭を築くのは一筋縄じゃいかないとつくづく思います。

『クレイジー・リッチ!』
ブルーレイ&DVDセット 3,990円+税
デジタル配信中
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』

© 2019 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

異文化間の結婚を描いた王道コメディといえば『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』。シカゴのギリシャ系家庭で育てられたトゥーラが、ギリシャ系じゃないアメリカ人と恋に落ちたことから起こるドタバタを描きます。
ギリシャの伝統を重んじる厳格な父親に従ってきたトゥーラですが、30歳にして「このまま人生を終えるのはイヤ」と一念発起。スクールに通ったりオシャレしたり、変わろうと努力するうちに自分に自信が出てきて、恋人までできちゃいます。ところが父親は、娘がギリシャ系以外の男と結婚するのが、とにかくイヤ。親戚一同を巻き込んだ大騒動になってしまうのです。家族って、あれこれうるさくて本当にやっかいだけど、根っこにあるのは子供の幸せを願う親心。このくらいの障害があったほうが、愛も深まるのかもしれません。

© 2019 Warner Bros Entertainment Inc. All Rights Reserved.

『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』
DVD 1,429円 +税
ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

『ラビング 愛という名前のふたり』

© 2016 Big Beach, LLC. All Rights Reserved.

異文化の衝突どころではなく、法律を犯して結婚した2人の実話が『ラビング 愛という名前のふたり』。1950年代のバージニア州では、異人種間の結婚が禁じられていました。そのため、白人のリチャードと黒人のミルドレッドは結婚が許されているワシントンDCで夫婦となり、バージニア州で結婚を隠して暮らします。ところが結婚がバレ
て2人は逮捕され、以降25年間はバージニア州へ2人が同時期に立ち入ることを禁止されます。それでも住み慣れた故郷で暮らしたい2人の行動が、やがて国を巻き込む問題となるのです。
この夫婦、見た目も地味め(失礼!)だし、あまり先のことを考えずに動いてる感じがして「大丈夫なの?」と観ていて不安になりますが、それが後半にじわじわと効いてきます。ただ愛し合って結婚しただけの普通の夫婦なのに、理不尽な法律にほんろうされたことがズシンと伝わってくるのです。

© 2016 Big Beach, LLC. All Rights Reserved.

発売中
『ラビング 愛という名前のふたり』
価格:1,143円(税抜)
発売・販売元:ギャガ

『ゲット・アウト』

© 2018 Universal Studios. All Rights Reserved.

異人種間の結婚……ではなく恋愛が、ホラーになっちゃったのが『ゲット・アウト』。白人の彼女の家に招かれた黒人クリスが体験する恐怖を描きます。ホラーと言っても、監督・脚本を担当したのがコメディアンなので、ちょいちょい笑えて面白い!でも怖い!かなり怖いです!これを観ると、恐怖と笑いって紙一重だと実感しちゃいます。

『ゲット・アウト』
Blu-ray:1,886円+税/DVD:1,429円+税
発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
※2019年5月の情報です。

どんなに境遇が似た2人でも大なり小なりの衝突はあるわけで、振り返った時に笑えるくらいは、ぶつかったほうがいいのかもしれません。

Profile
岩辺いずみ
字幕翻訳家
劇場公開の映画から配信用のドラマまで、幅広い作品を手がける。代表作は映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』『たちあがる女』『オレの獲物はビンラディン』『世界にひとつの金メダル』『サルガド/地球へのラブレター』、ドラマ『POSE』『ビリオンズ』『マスケティアーズ パリの四銃士』『T@gged/タグド』など。息子2人の母。

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