ケニアってどんな国?サクッとスパイシーな“マンダジ”をめぐる旅【旅するパティシエ・世界の子どもおやつ Vo.2】

 専門家監修
公開日:2019/06/12
ケニアってどんな国?サクッとスパイシーな“マンダジ”をめぐる旅【旅するパティシエ・世界の子どもおやつ Vo.2】
監修
鈴木 文
旅するパティシエ

「世界の子どもおやつ」連載第2回めは、東アフリカ全域で愛される“マンダジ”についてのストーリーとレシピをご紹介します。ルワンダやタンザニアなど、いくつもの国々で食されるおやつですが、ケニア育ちのマンダジはとりわけ美味しくて、甘いチャイと相性バツグン! 発酵度合いをさほど気にしなくていいから、家庭でも気軽に作りやすいのです。大人も子どもも病みつきになるサクっとした食感、ぜひ手作りして家族みんなでお試しあれ♡

“マンダジ”のふるさと・ケニアってどんな国?

皆さんと巡るおやつの旅、今回は東アフリカに位置するケニア共和国へご案内!ご紹介するおやつは、現地の人々のソウルフード“マンダジ”です。最後に掲載するレシピは、ケニアのパティスリーで教わったものをベースに、日本人の子どもが美味しく食べられるようアレンジしてみました。ぜひ親子で作ってみてくださいね。
さて、そのケニア共和国とはどんな国なのでしょう。私が旅したときの印象も織り交ぜながら、お話していきたいと思います。

◆国名:ケニア共和国(Republic of Kenya)

◆首都:ナイロビ

◆面積:58.3万平方キロメートル(日本の約1.5倍)

◆人口:4,970万人(2017年:国連)

◆言語:スワヒリ語、英語

◆宗教:伝統宗教、キリスト教、イスラム教

※外務省HP内「キッズ外務省」より

さまざまな文化や宗教、民族が暮らす広大なアフリカ大陸には、なんと54もの国々があります。その東側にある国の1つがケニア共和国。日本からの直行便はないため、ソウルやバンコク、アブダビやドバイなどを経由し、18時間ほどかけて(‼)ようやく辿り着くことができる遠い遠い国です。

ケニアと言えばサファリ!

ケニア国内には、国立公園や保護区が59ヵ所あるそうです(2019年6月現在)。有名なところでは、「マサイマラ国立保護区」や「アンボセリ国立公園」など。それらの国立公園や保護区では、4WDなどでドライブしながら野生動物たちを観察するサファリ(スワヒリ語で旅。別名ゲームドライブ)を楽しむことができます。私が「マサイマラ国立保護区」を訪れたときも、キリンやシマウマなど、たくさんの動物たちと出会うことができました。

ケニアと聞くと、スラリとした体にカラフルな布を身にまとったマサイ族の姿を思い出す人も多いのではないでしょうか?マサイ族はケニア南部~タンザニア北部の先住民族。日本では、視力が抜群によく、縦にぴょんぴょんと高くジャンプする狩猟民族というイメージが強いかもしれませんね。しかし、42もの民族からなるケニア共和国において最も人数が多いのは、実はマサイ族ではなくキクユ族だそうで、全国民の約20%を占めているそうですよ。

貧しさと豊かさが共存

1963年に独立を果たすまで、ケニアではイギリスによる植民地時代が長く続いてきました。近年は経済成長が著しく、首都のナイロビ中心部には近代的なビルが建ち並びます。しかしナイロビには東アフリカ最大のスラム街もあり、貧富の層が隣り合わせで生活しているのです。ひったくりや強盗が多いといった一面もあり、地元の人たちも「ナイロビは危険だから歩いて移動しないほうがいい」と口をそろえます。

一方、キスムなどの田舎町に足を運べば、子どもたちがフレンドリーに話しかけてくれて楽しく町歩きができます。

ナイロビ中心部は、アフリカ=貧しいというイメージとかけ離れた大都会。ヒルトンや、フランス系スーパー“カンフール”など、外資系企業も進出しています。

貧富の差が大きいことは子どもたちの様子からも見てとれます。制服を着て高等教育を受けているらしき子どもたちの集団とすれ違ったかと思えば、廃品回収や農業のお手伝いをして暮らしを助ける、幼い子どもたちの姿を見かけることも。

西洋的な暮らしをしている人々もいれば、ライオンを撃退する武器を持った民族もいて、混沌とした印象のケニア。お金を持っているかどうか、という意味ではたしかに貧富の差が激しいのですが、富裕層ではない人々の明るい笑顔を見かけると、「貧しいからといって果たして不幸なのかな?」「貧しい=かわいそうというイメージを持つこと自体が、間違っているのかもしれないな」と考えさせられました。

甘いチャイが大好き♡紅茶の生産量は世界第2位!

そうそう、イギリスの植民地だったケニアでは、紅茶がよく飲まれています。特産品としてはコーヒーも有名ですが、紅茶の生産量もインドの次に多いのだとか。今回ご紹介する“マンダジ”は、甘みが少ないシンプルなおやつ。たっぷりと砂糖を入れたマサラチャイとともに楽しむ人々の姿が印象的でした。(イギリスのおやつ“イートン・メス”についてはこちら

東アフリカ全域で愛される“マンダジ”とは?

ケニア人が好む定番おやつは、ポテトチップスなどのスナック類。安くて、てっとり早くおなかが膨らむからでしょうか。そして、スナック菓子の横でよく売られているのが、今回ご紹介する“マンダジ”です。
ケニアだけでなく東アフリカ全域でポピュラーな食べもので、ドーナツや揚げパンに似ています。形や食感は地域によって微妙に異なり、使うスパイスの種類もそれぞれ。中でもケニアで食べた“マンダジ”は、絶品!でした。

ケニアの売店で買ったマンダジは、丸くてぷくっと膨らんだ形が特徴的。

丸いものや三角のものなど、さまざまな形のものが売られています。

現地の人に「これって、いつ食べるものなの?」と聞いてみると「エブリタイム!」という答えが返ってきました。朝食の食パンのようでもあり、おやつに食べるお饅頭のようでもあり。小さい子どもからおじいちゃんおばあちゃんにまで愛される、まさにソウルフード的な存在なんですね。

売店では大きなビニール袋にどさっと詰められた状態で売られていることも多く、現地の人たちはここから1個取り出してその場でもぐもぐ食べたり、小さな袋に入れて家に持ち帰ったりしていました。店によって違いはありますが、ふっくら膨らんだ中が空洞になっていることが多くて、それを手のひらでパン!とつぶして食べるのが現地流。つぶしたほうが、早く食べられるからかしら?ケニアの人たちって、意外と合理的なのかもしれません。

モチふわ♡サクッとした“マンダジ”を作ろう!

それでは、家庭で簡単に作れる“マンダジ”のレシピをご紹介します。
時間が経っていてもおいしいのですが、揚げたてがなんといっても最高!ぱくっと口に入れた瞬間はサクっ(と本当に音がします)。続いてココナッツミルクやスパイスの香りがふわ~っと鼻を刺激し、なんとも幸せな気持ちに満たされます。噛むほどに味わい深く、もちもちっとしていて、食べ始めたらいくつだってペロリと平らげてしまう摩訶不思議なおいしさです。

材料(8個分)

※このレシピは、幼児食が進んだ5~6歳以上の子どもを対象にしています。

※固さや味付け、材料の大きさなどを大人がチェックしてから食べさせるようにしましょう。

※事前に材料をチェックし、アレルギーを持つ食材が入っていないか十分気を付けてください。

◆グラニュー糖……50g
◆ドライイースト……5g
◆牛乳……70g
◆強力粉……100g
◆薄力粉……70g
◆ナツメグパウダー……0.5g
◆カルダモンパウダー……0.5g
◆ココナッツミルク……50g
◆バニラエッセンス……少々
◆無塩バター……5g
◆打ち粉(強力粉)……適量
◆サラダ油……適量
◆飾り用の粉糖……適量

下準備

①無塩バターを常温に戻しておきます。
②イースト液を作り予備発酵させておきます(ドライイースト全量と、グラニュー糖ひとつまみを合わせたものに、38~40℃に温めた牛乳を加え、ホイッパーで混ぜ溶かす)。

作り方

①強力粉、薄力粉、グラニュー糖(イースト液に使用した残り全量)、塩、ナツメグパウダー、カルダモンパウダーをボウルに古い入れ、泡立て器で混ぜ合わせます。

②下準備で予備発酵させておいたイースト液と、ココナッツミルク、バニラエッセンスを①に加え、打ち粉をしたマットの上で10分間ほど手でこねます。こねるほど、小麦粉のグルテンに粘りが出てきます。

③グルテンの粘りがしっかり出てきたところで、室温に戻しておいたバターを加え、さらにこねます。

生地をこねるための製菓用マットも市販されていますが、100均で売っているまな板シートなどでも使いやすければ問題なし!シート自体が滑ってしまうようなら、滑り止めシートの上に置くといいですよ

④生地にツヤが出てなめらかになってきたら、ひとまとめにして油脂(分量外)を塗ったボウルなどに入れてラップをします。

⑤1.5倍程度に膨らむまで発酵させます。もし自宅のオーブンに発酵モードがあれば、30℃で約1時間が目安。夏場なら常温で、室温が低い季節なら使用したあとの電子レンジの上に置いたり、こたつの中に入れるという人もいます。

⑥生地に打ち粉をし、麺棒などで5mmほどの厚さに伸ばして空気を抜きます。完成品はふぞろいでもいいので、厚さを厳密に意識しなくても大丈夫!なので、子どもにお手伝いしてもらってもいいですね。表面が乾かないよう、濡れ布巾などをかけて室温で10分ほど休ませます。

⑦包丁などで自由な形に分けます。写真ではスケッパーを使用していますが、包丁やナイフでもOK。かわいいシリコン型などを使って、子どもに型抜きしてもらうのもおすすめです。

⑧サラダ油を170℃以上に熱し、⑦の生地を入れてきつね色に揚げます(小さな子どもが近くにいると危ないので、揚げている間はパパと遊んでいてもらうといいですね!)

⑨きつね色に揚がったら揚げ物シートなどの上に置き、粗熱がとれたら粉糖をまぶして完成!

2つに割って、中にジャムやアイスクリームを入れるなど創作を加えてみたり、ケニアの人になった気分でパン!とつぶしてみたり、親子で楽しく食べてみてくださいね。

次回は、宗教や人種を超えて東はバングラデシュ~西はモロッコまで広い範囲で愛されているハルヴァについてのお話。7月17日(水)配信予定です!

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新連載「世界の子どもおやつ」がスタート!日本に和菓子があるように、世界中にそれぞれの文化や歴史に紐づいた郷土菓子があります。この連載では、各地のお菓子やデザートを紹介しながら、遠く離れた世界中の国々に思いを馳せていきます。案内人は“旅するパティシエ”こと鈴木文さん。旅気分を楽しみつつ、親子でおいしいおやつを召し上がれ♡
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レシピ撮影/佐山裕子(主婦の友社写真室)
現地の写真提供/鈴木英嗣
イラスト/砂糖ゆき
取材・文/雨宮あかり

発売中 :旅するパティシエの世界のおやつ※情報は掲載時のものです

監修
鈴木 文
旅するパティシエ
高校生の頃にお菓子作りをスタート。立教大学卒業後、株式会社バーニーズジャパンを経てパティシエに転身。ペニンシュラホテルのフレンチレストランやパティスリーで修行を積んだ後、会員制レストランでシェフパティシエに就任。退職後、世界各地でお菓子を作る旅に出る。50ヵ国以上を訪れ、500種類以上の郷土菓子と出会った経験をもとに、お菓子ブランド「世界のおやつ」を主宰。2018年に長男を出産。企業や自治体、大使館などの商品開発や店舗プロデュース、観光プロモーションなどにも携わりながら、“旅するパティシエ”として、創作菓子とともに、旅とお菓子のストーリーを届けている。
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