英ウィリアム&ヘンリー王子も大好きな味!? イートン・メス【旅するパティシエ・世界の子どもおやつ Vo.1】

 専門家監修
公開日:2019/05/15
更新日:2019/06/04
英ウィリアム&ヘンリー王子も大好きな味!? イートン・メス【旅するパティシエ・世界の子どもおやつ Vo.1】
監修
鈴木 文
旅するパティシエ

新連載「世界の子どもおやつ」がスタート!日本に和菓子があるように、世界中にそれぞれの文化や歴史に紐づいた郷土菓子があります。この連載では、各地のお菓子やデザートを紹介しながら、遠く離れた世界中の国々に思いを馳せていきます。案内人は“旅するパティシエ”こと鈴木文さん。旅気分を楽しみつつ、親子でおいしいおやつを召し上がれ♡

イギリスの郷土おやつは素朴なホームメイドが主流

イギリスの料理に関して、実はあまり期待をしていなかった私。なぜなら「あまりおいしくない」という声を聞くことが多かったから。お店やさんで食べられるものといえばフィッシュ&チップス。甘いものといえば、アフタヌーンティーなど観光客向けなメニューが目立ちます。

ロンドンのカフェでは、紳士淑女がアフタヌーンティーを楽しんでいました。写真は紅茶とスコーンのセット。酸味のきいたジャムと、たっぷりのクロテッドクリームを塗っていただきます

ロンドンだけでなく、田舎町でも探しまわりましたが、地元に根付いた美味しいおやつがなかなか見つかりません。そうか!きっと、家庭にあるんだ!と、知り合いのつてを頼りに、ロンドン郊外の一般家庭へ。そこで、さまざまなホームメイドおやつを教わることができました。

ロンドンの街中でみられるのは、フランス寄りのケーキ。東京のカフェと似た光景を目にし「イギリス独自の郷土菓子を知るには、家庭に入っていくしかない!」と感じました

やはり予想した通り、イギリスの郷土おやつはホームメイドが基本のよう。私がイートン・メスを教わったのは30歳の男性なのですが、驚くことにお母さんから習ったレシピをさらっと作れるんですよ。“ローリーポーリー”という伝統的なロール蒸しケーキも初体験!彼の家には、なんとおばあさまが使っていたお料理本まで残っていました。そういえばイギリスの家庭ではオーブンがあるのが当たり前だし、オーブン料理が定番。母親と一緒に小さいころからお菓子を焼くのは、わりと自然なことなのかもしれません。

イギリスを代表するお菓子といえば、どっしりとしたプディングやアップルクランブルなどの焼き菓子。日持ちと腹持ちがよく、海軍兵のお腹を満たすのにもぴったりだったことから発展したという背景があり、かつて大英帝国の占領下にあった南アフリカやジャマイカなどを訪れたときも、イギリスのお菓子文化が根付いている様子を目の当たりにしました。

南アフリカ共和国のケープタウンで出会ったアップルクラングル。南アフリカでは、お菓子文化にもイギリス統治時代の影響が色濃く残っています

メレンゲが主役♡“イートン・メス”とは?

今回ご紹介するお菓子は、メレンゲや生クリーム、フルーツなどを盛りつけた“イートン・メス”というデザート。ウィリアム王子やヘンリー王子の母校として知られる名門パブリックスクール「イートン・カレッジ」生まれで、イートン校vsハーロー校のクリケット対抗戦でも昔から振る舞われてきたそうですよ。“メス”は英語のmessで、めちゃめちゃとか混乱という意味。イートン校の生徒たちが、クリケットの試合で出されたこのデザートを、ぐしゃぐしゃっと楽しそうにかき混ぜながら食べている様子が目に浮かぶようですね。

ギルフォードのカフェで出会ったイートン・メス。現地では平皿にラフに盛りつけるのが一般的なスタイル

サクサクのメレンゲ、アイスクリームやホイップクリームの上に季節のベリーをトッピング。これをざくざくっと崩して混ぜながら食べるのがおいしい!

イートン・メスの主役は軽い歯ごたえのメレンゲです。実は私、あまりメレンゲが得意ではなかったのです。よくヨーロッパでは、メレンゲだけが袋に詰めて売られているのですが、甘いだけというイメージを持っていました。

でも、“イートン・メス”を食べてみたら……酸っぱい果物とメレンゲのハーモニーが絶妙!メレンゲって以外とイケる!先入観ってよくないな、と反省したイギリスの旅でした。

発売中 :旅するパティシエの世界のおやつ※情報は掲載時のものです

監修
鈴木 文
旅するパティシエ
高校生の頃にお菓子作りをスタート。立教大学卒業後、株式会社バーニーズジャパンを経てパティシエに転身。ペニンシュラホテルのフレンチレストランやパティスリーで修行を積んだ後、会員制レストランでシェフパティシエに就任。退職後、世界各地でお菓子を作る旅に出る。50ヵ国以上を訪れ、500種類以上の郷土菓子と出会った経験をもとに、お菓子ブランド「世界のおやつ」を主宰。2018年に長男を出産。企業や自治体、大使館などの商品開発や店舗プロデュース、観光プロモーションなどにも携わりながら、“旅するパティシエ”として、創作菓子とともに、旅とお菓子のストーリーを届けている。
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