妊娠すると体温は上がる?下がる?基礎体温のグラフとは【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/06/20
更新日:2019/06/25
妊娠すると体温は上がる?下がる?基礎体温のグラフとは【産婦人科医監修】
監修
木下智恵先生
成城木下病院

妊活中の方は日ごろから基礎体温をつけているかと思います。基礎体温がどのように変化すると妊娠の兆候なのか気になりますよね。基礎体温について、産婦人科の先生に教えてもらいました。

基礎体温 とは? 排卵日はいつ?

基礎体温とは、生命維持に必要最小限のエネルギーしか消費していない、安静状態のときの体温のこと。朝、目覚めてから動く前に測る体温です。

基礎体温を連日測定・記録することで、排卵の有無や妊娠しているかどうかを早期にチェックできます。
基礎体温を連日記録していくと、排卵がある場合は高温が続く「高温期(高温相)」と、低温が続く「低温期(低温相)」の2つ(二相)にわかれています。高温期と低温期の差は0.3~0.5℃の間で推移します。月経周期は25~38日が正常範囲です。
低温期のあとに体温が下がる「体温陥落」日の前後が「排卵期」と推定されますが、排卵日は基礎体温だけでは特定はできません。

基礎体温と体温の違いとは? 体温計は同じでいいの?

体温とは、体内の温度のこと。体温は一定ではありません。朝昼晩の時間や運動、摂食、感情の起伏、気温、基礎代謝などでも変動します。

一方、基礎体温とは、生命維持に必要最小限のエネルギーしか消費していない安静状態のときの体温のこと。

体温と基礎体温との大きな違いは、体温計です。基礎体温は基礎体温計ともいわれる婦人用体温計で測ります。体温を測る普通の体温計は、少数点以下1桁までの測定ですが、婦人用体温計は小数点以下2桁まで測定できるようになっています。

測る時間も異なり、基礎体温は、5時間程度の一定時間寝たあと、目覚めてから安静な状態で、起き上がらずに寝たままの状態で測ります。測る時刻はなるべく一定にしましょう。

また、体温を測る部位も、基礎体温を測る婦人用体温計は脇の下ではなく、より正確に測れる口の中で計測します。

基礎体温を管理できるアプリも多数あります。基礎体温を毎朝メモするのが面倒だという方にはとても便利でおすすめです。産婦人科に行くときは、できるだけ紙に出力しておくとよいでしょう。数ヶ月の基礎体温の変化をひと目でわかるようため、ドクターも把握しやすいです。

妊娠していないときの基礎体温のグラフはどんなもの?

基礎体温を連日記録していくと、排卵がある場合は、高温が続く「高温期」と、低温が続く「低温期」の2つ(二相)にわかれています。月経周期は25~38日が正常範囲です。
基礎体温表は、28日型の月経(生理)周期の場合が多くなっています。

以下、28日周期の場合で説明します。
正常な場合、高温期が10日以上続き、高温期と低温期の差が0.3℃以上あります。高温期に安定していて陥落がなく、低温期から高温期への移行が3日以内になります。
妊娠していなくても、黄体機能不全の場合は高温期が不安定で10日以内だったり、無排卵で高温期がなかったりする場合もあります。

黄体機能不全

黄体

排卵後、卵巣で卵胞(らんぽう)が排卵したあとに形成されるものが黄体です。妊娠成立に欠かせない「エストロゲン」と「プロゲステロン」というホルモンを分泌します。

この黄体からのエストロゲンとプロゲステロンの分泌が不十分なことによって、排卵は起きているが形成された黄体の機能が不完全なものなどを黄体機能不全といいます。

基礎体温 グラフ 表 妊娠 低温期 高温期出典:「はじめてママ&パパの妊娠・出産」

妊娠したときの基礎体温のグラフとは?

低温期と高温期の2相があり、高温期が17日以上続いた場合、妊娠の可能性が高くなります。

妊娠すると、体温を上げる「プロゲステロン」という黄体ホルモンが分泌されます。このプロゲステロンというホルモンは妊娠を維持しやすくする作用があり、プロゲステロンの働きで基礎体温が下がらず、高温期が続きます。高温期が2週間以上続いたら妊娠の可能性は高く、17日以上続いていたら確率はかなり高いでしょう。

低温期とは?

低温期は、その言葉のまま、低温が続く時期のことです。月経(生理)が始まるころから排卵期までは体温は低くなります。これが低温期です。

高温期とは?

排卵後は、体温を上げる「プロゲステロン」という黄体ホルモンによって高温が続きます。これが高温期です。妊娠成立しなければ、プロゲステロンの分泌量は減っていき、基礎体温が下がります。次の月経(生理)が始まると、低温期になります。

基礎体温がどう変化したら、妊娠検査薬を使用すればいい?

妊娠すると、妊娠中の排卵を抑えたり、妊娠を維持するホルモン「プロゲステロン」が分泌されます。ほかにも体温を上げたり、乳腺を発達させたりします。プロゲステロンによって、基礎体温が下がらずに高温期が続きます。高温期が2週間以上続いていたら妊娠の可能性が高く、高温期が17日以上続いていたら妊娠の可能性はかなり高いです。
ですから、普段の基礎体温が低温期と高温期の2相があったうえで、月経(生理)が1週間遅れていて、高温期が2週間以上続く場合に妊娠検査薬を使用するといいでしょう。市販の妊娠検査薬では、「月経(生理)予定日の約1週間後から検査可能」なものがほとんどです。
妊娠成立しなければ、プロゲステロンの分泌量は減っていき、基礎体温が下がります。

妊娠超初期の基礎体温は、流産したらどうなる?

「妊娠超初期」というのは医学用語ではありません。明確にいつからいつまでというものではないので、「妊娠超初期の基礎体温」というのはわかりにくいですね。一般的に妊娠超初期は、妊娠0週から妊娠3週ごろまでを指しているようです。
妊娠0週0日は最後の月経(生理)が始まった日のことです。妊娠3週に着床し、着床が完了するのは次の月経(生理)予定日ごろ・妊娠4週になります。ですから、妊娠0週から妊娠3週ごろまでは“流産”にはなりません。
ちなみに、日本では、妊娠12週未満の流産を早期流産といいます。

【ひと目でわかる妊娠週数】

妊娠初期の妊娠週数

妊娠2ヶ月(妊娠4週~妊娠7週)
妊娠3ヶ月(妊娠8週~妊娠11週)
妊娠4ヶ月(妊娠12週~妊娠15週)

妊娠中期の妊娠週数

妊娠5ヶ月(妊娠16週~妊娠19週)
妊娠6ヶ月(妊娠20週~妊娠23週)
妊娠7ヶ月(妊娠24週~妊娠27週)

妊娠後期の妊娠週数

妊娠8ヶ月(妊娠28週~妊娠31週)
妊娠9ヶ月(妊娠32週~妊娠35週)
妊娠10ヶ月(妊娠36週~妊娠39週)

妊娠超初期は体温が下がる? 黄体機能不全? 無排卵?

先ほどの質問と同じになりますが、「妊娠超初期」というのは医学用語ではありません。妊娠超初期は一般的に、妊娠0週から妊娠3週ごろまでを指しています。

妊娠0週0日は最後の月経(生理)が始まった日のこと、妊娠3週に着床がスタートして着床完了するのが次の月経(生理)予定日ごろで妊娠4週です。着床で妊娠が成立します。つまり、 妊娠0週から妊娠3週ごろは、低温期から高温期にあたるので、体温が下がるだけでなく上がります。

基礎体温が低温期と高温期の2つにわかれていても、高温期が不安定で体温が下がるという場合は、黄体機能不全の可能性が考えられます。また、高温期がなく低温期が続く場合は無排卵の可能性が高いので、どちらの場合でも、病院で一度相談してみてください。

基礎体温が高い? 低い? 病院へ行くのはいつ?

普段の基礎体温が低温期と高温期の2相があったうえで、高温期が17日以上続く場合、つまり基礎体温が高いときに受診してください。

次の月経(生理)予定日ごろが妊娠4週になります。月経(生理)が遅れていて、高温期が続いているなら妊娠の可能性がありますが、病院へ行くのは早くても妊娠5週以降にしましょう。妊娠5週以降に産婦人科で経腟プロープを使った超音波検査・経腟エコー検査をすると「胎嚢(たいのう)」とよばれる赤ちゃんが入っている袋が見えます。ただし、胎嚢が確認できても、早すぎると心拍が確認できない場合があります。心拍が確認できるのは、妊娠6~7週ごろですので、そのころに産婦人科へ行くのがいいでしょう。

また、胎嚢が確認できたら、先生に相談して、基礎体温は測らなくても問題ないでしょう。

構成・文/木村美穂

監修
木下智恵先生
成城木下病院
2001年、横浜市立大学医学部卒業。東京大学医学部産婦人科、順天堂大学医学部産婦人科勤務を経て2005年より現職に。専門は周産期学のほか、婦人科腫瘍、不妊症、月経異常。元気で気さくな1男2女のママドクターです。
成城木下病院

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