【医師監修】とびひってうつるの? 感染対策と注意点【症例写真あり】

 専門家監修
公開日:2019/04/05
【医師監修】とびひってうつるの? 感染対策と注意点【症例写真あり】
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

この記事はとびひの感染対策などをまとめたものです。「とびひ=うつる病気」ということは知っていても、どうしてできるのか、実際にかかったときにどうすればいいのかはよくわからない、というママも多いかもしれません。実は、赤ちゃんや子供のとびひの多くは、あたたかくなると起きやすくなります。とびひの感染対策を知って、トラブルから守ってあげましょう。

とびひになったときの注意点

とびひを広げないホームケア

細菌が繁殖するため、ばんそうこうは使わない

けがをしたときはばんそうこうを貼ることがありますが、とびひの場合は絶対に貼らないようにしてください。かえって細菌が繁殖し、悪化してしまうからです。水ぶくれや膿疱ができたら、ガーゼや包帯などでおおいましょう。

爪は短く切る。赤ちゃんにはミトンも有効

とびひはかゆみが強いため、寝ている間にかきこわしたりすることもあります。爪がのびていると、爪と皮膚の間に細菌が入り込むこともあるので、赤ちゃんや子供の爪は短く切りましょう。お散歩など外出のあとは、しっかり手を洗い、石けんで爪の間もきちんと洗ってあげて。

低月齢の赤ちゃんには、寝ている間にかきこわさないよう、ミトンをするのも効果的。嫌がらないようなら、とびひができている間は使用してみてもいいでしょう。

とびひになったときだけでなく、ふだんから爪は短く切っておくと◯。

鼻水はしっかりふき、なるべく鼻を触らない

とびひの原因となる黄色ブドウ球菌は、鼻の入口にたくさんいます。鼻水が出ていたら、しっかりふいたり、吸い取ったりしてあげましょう。子供の場合は、鼻に指を入れたりすることもあるので、触らないように声かけを。

自分で鼻水をふけない赤ちゃんの場合は、吸い取ってあげましょう。

お風呂に入るときは

湯ぶねに入るよりもシャワーがおすすめ

肌トラブルがあると、入浴してもよいかどうか迷うママも多いと思いますが、とびひの感染の原因となる細菌を少なくするためには、体の清潔を保つ必要があります。1日1回は入浴しましょう。浴槽に入るとかきこわしたところがしみるので、シャワーにしてあげてください。

よく泡立てた石けんでやさしく洗い、その後はシャワーでしっかり流します。肌を傷つけないように、ママの爪も短く切っておいて。

「入浴後は消毒したほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、皮膚が回復するのをかえって妨げるため、消毒はしないようにしましょう。

浴槽に入るとしみて痛がることも。シャワーがおすすめ。

家族間でタオルを共用しない

きょうだいがいる場合は、うつる可能性があります。とびひができている間は、一緒に遊んだり、同じ布団で寝たりしないように、できるだけ気をつけて。洗面所のタオルなどを家族で一緒に使っている場合は、とびひができている子とその他の家族でタオルを分けてください。

タオルフェイスタオルやバスタオルを、とびひのできている子と共有するのは避けましょう。

薬の使い方は?

処方されるのは抗菌薬

とびひは細菌感染のため、受診すると、抗菌薬(抗生物質)の塗り薬が処方されます。水ぶくれが全身に広がっているときには抗菌薬の飲み薬を服用したり、場合によっては最初から塗り薬と飲み薬を併用することもあります。

菌の活動を抑える「抗菌外用薬」のひとつ。ほかに、アクチアム、バラマイシン、アクロマイシンなどの塗り薬があります。

自己判断で以前の薬を使ってはいけません

注意してほしいのは、自宅にある塗り薬を自己判断で使うこと。これは絶対にやってはいけません。

たとえば、湿疹などがあると「かゆみをおさえる薬です」とステロイドの塗り薬が処方されることがあります。とびひがかゆそうだからとステロイド剤を使うと、かえって悪化してしまうことがあります。ステロイドではないほかの薬でも同様です。効果がないだけならまだしも、症状を悪化させたり長引かせたりすることがあるのです。

子供の肌トラブルが何なのか、親が見て正確に判断することはできません。とびひだと思っていたらほかの病気だった、ということもあります。自己判断でケアせず、肌のトラブルがあったら一度は皮膚科や小児科を受診してください。

とびひ予防の対策は? 

バリア機能を保つのがポイント

皮膚には、外からの刺激を防いだり、体の中の水分が外に出ていかないようにする働き=バリア機能があります。あせもや虫さされ、湿疹などができていたり、乾燥肌やアトピー性皮膚炎などのトラブルがあると、肌のバリア機能が低下して、細菌が感染しやすくなります。

赤ちゃんや子供の皮膚は、一番外側にある「表皮」という部分が大人の半分程度の厚さしかないため、外からの刺激を受けやく、大人よりもバリア機能が弱い状態にあります。肌トラブルがあると、さらにバリア機能は低下してしまうので、肌のいい状態を保つようにすることが大切。そのためには「清潔にする」「保湿する」「なるべく刺激を与えない」という、基本のスキンケア心がけるようにしましょう。

基本のスキンケアで赤ちゃんの肌を守る

1.清潔

1日1回は入浴して、体をきれいに洗いましょう。石けんをよく泡立てて、指の腹ややわらかいタオルなどでやさしく洗い、その後は石けん成分が肌に残らないようにしっかり洗い流します。

泡石けんはよく泡立てて使います

2.保湿

肌がたっぷりとうるおっているとバリア機能が高まり、刺激や感染から肌を守ってくれます。入浴後は肌が乾燥しやすいので、5~10分以内に保湿剤を塗りましょう。1円玉ぐらいの量を、大人の手のひら2枚分の範囲に塗り広げるのが量の目安。塗りたい範囲に等間隔にちょんちょんと置いてからのばしていくと、まんべんなく塗ることができます。

写真は生後3カ月の赤ちゃん。大人の手のひら2枚分は、だいたい上半身全体です。

保湿は朝起きたとき、汗をふいたあと、食事で口の周りをふいたあとなど、入浴後だけでなく一日に何度もこまめに行いましょう。

3.低刺激

子供の肌は薄く、少しの刺激でトラブルになります。衣類は綿100%にする、顔や首すじにチクチクした刺激を与えないない、水分をふくときはゴシゴシこすらずにタオルを押し付けるようにするなど、常に低刺激を心がけましょう。

盲点になりやすいのはガーゼ。ガーゼは意外と肌当たりが強く、刺激になることがあります。汗をふいたり口の周りをきれいにしたりするのはガーゼではなく、綿100%のやわらかいタオルがおすすめです。

基本のスキンケアで肌トラブルを予防し、とびひになるのを防いであげたいですね。

写真出典/はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア

出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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