子供が高熱を出す原因は?対処法と病院に行く目安【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/03/26
子供が高熱を出す原因は?対処法と病院に行く目安【小児科医監修】
監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック

子供が高熱を出すと心配で、早く熱が下がってほしいと思いますよね。この記事では、病院へ行くタイミングやホームケアのポイントなど、子供が高熱を出したときに知っておきたい情報をまとめました。

子供が高熱! 熱が高くなる原因は?

ウイルスや細菌などの病原菌が体内に侵入すると、私たちの体の中では、それらを追い出すためのメカニズムが働き出します。

例えば、鼻水やくしゃみが出るのは、鼻の中に入り込んだ病原菌や異物を追い出すため。発熱もそのメカニズムの1つです。

病原菌を攻撃する白血球は、体温が上がると、数が増えます。同時に、体温が高いと、病原菌が増殖する力も弱まります。

つまり、熱は病原菌から体を守るために出ているもの。このとき、病原菌の種類や子供の体調などによって、熱が39~40度くらいに上がることがあります。

しかし、「熱の高さ」と「病気の重さ」は必ずしも一致しません。病気が重いかどうかは、全身の状態をみて判断していかなければなりません。

子供が高熱を出したときに疑われる病気

子供が熱を出す病気はたくさんあります。ここでは、熱が39~40度と高くなりやすい主な病気を紹介するので参考にしてください。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスが原因となります。感染力が非常に強く、毎年、冬から春先にかけて流行が見られます。

初期症状は咳や鼻水などで風邪と似ていますが、熱が高くなりやすく、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状も伴うのが特徴。熱はいったん下がった後に、再び上がることもあります。

咽頭結膜熱(プール熱)

アデノウイルスが原因で発症します。39~40度の高熱が4~6日程度続きます。のどが赤くなり痛む、白目やまぶたの裏側が赤くなり目やにが出るなどの症状が見られることもあります。

赤ちゃんの場合は、目の症状が出ず、下痢や嘔吐を伴うことも。流行しやすいのは初夏から秋にかけてですが、1年を通してかかる可能性があります。

突発性発疹

ヒトヘルペスウイルス6型、7型が原因となります。主な症状は熱と解熱後の発疹ですが、子どもによっては鼻水、食欲不振、下痢などの症状を伴うこともあります。

熱は3~4日間続き、39~40度に達することもあります。熱が下がったあとに、おなかや背中を中心に赤い発疹が出ます。この発疹にかゆみはなく、3~4日で自然に消えていきます。流行する季節はなく、1年を通して見られる病気です。

はしか(麻疹)

麻疹ウイルスが原因となる病気です。初めは38度台の熱、咳、鼻水、目やになど風邪と似た症状が3~4日ほど続きます。その後にほおの内側にコプリック斑と呼ばれる白いブツブツが出ます。

熱はいったん下がりますが、半日から1日後に再び上昇。39度以上の高熱となります。同時に赤い細かい発疹が出て、全身に広がっていきます。熱が下がるのは、最初の発熱から7~9日後です。現在は予防接種があるので、必ず受けるようにしましょう。

肺炎

多くの場合、風邪の症状に引き続いて起こります。ウイルスや細菌、マイコプラズマなど原因はさまざま。38~40度の高熱と、たんがからんだような湿った重い咳が特徴的な症状です。

一般的に細菌によるものは症状が重くなりやすい傾向がありますが、ウイルスによるものでも小さな赤ちゃんは重症化しやすいので要注意です。また、マイコプラズマ肺炎は症状が長引くこともあります。

子供が高熱のとき、病院には必ず行くべき?

子供の場合、高熱なのに元気ということもあります。そのような場合、すぐに病院へ行くか、しばらく家で様子を見るか、迷うことがあるのではないでしょうか。

基本的に高熱が出たら、診療時間内に病院を受診することをお勧めします。ただ、次のような条件がそろっている場合は、1日くらいは家で様子を見てもいいでしょう。

・症状は熱だけ

・水分をとれている

・食欲があるor好きなものなら食べる

・遊びたがる

・受け答えがはっきりしている

ただし、この状態であっても

・高熱が2日以上続く

・ほかに気になる症状がある

・家庭では判断がつかず不安

という場合は、病院を受診しましょう。

子供が高熱のとき、病院へいくタイミングは?

子供の病気は急変しやすいのが特徴です。機嫌もいいし大丈夫かな、と思っていたら、急につらそうな様子になることもあります。高熱以外に次のような様子が見られたら、病院を受診しましょう。

1 機嫌が悪い

グズグズしがちな場合、子供は症状をうまく伝えられないだけで、つらい状態だと考えられます。

2 水分がとれない、食欲がまったくない

水分がとれないと脱水症になる危険性があります。

3 熱以外の症状が出てきた

激しい咳、嘔吐や下痢、発疹などが出てきた場合は、医師の指示をあおぎましょう。

4 なんとなく「おかしい」「変だ」と感じる

普段からいっしょに過ごしているママやパパの勘は正しいことがほとんど。子供の様子に違和感を覚えた場合は、受診したほうがいいでしょう。

子供が夜に高熱を出した時、病院に行く目安は?

子供の熱は夜に高くなりやすい傾向があります。これは次の2つの理由によるもの。

①体温の上がり下がりにはリズムがあります。一般的に体温は早朝が低く、夕方は高くなります。そのため、夕方から夜は熱が上がりやすくなります。

②炎症を抑える働きをする副腎皮質ホルモンは、朝から午前にかけて多く分泌され、夕方以降は少なくなります。その結果、夜は熱が上がりやすくなります。

このように夜は熱が上がりやすいので、「高熱だから」という理由だけで、急いで病院を受診しなくても大丈夫。基本的には翌朝まで待ち、診療時間内に病院を受診するといいでしょう

ただし、次のような様子が見られたら、夜間でも大至急、病院を受診してください。

・生後3カ月未満で熱を出した

・嘔吐をくり返している

・尿量が明らかに少ない

・呼吸が苦しそう(例:小鼻がピクピクしている、肩で息をしている、呼吸に合わせて胸がへこむなど)

・呼びかけに反応がなく、唇が紫色

・けいれんを起こした

子供が高熱を出したときの注意点

子供は大人とくらべて病状が急変しやすいため、高熱のときはしっかり様子を観察することが大切です。特に次の点に注意しながら、様子を見守りましょう。

意識がはっきりしているか?

意識がはっきりしているかどうかは、重症度を判別する目安となります。

0歳・1歳の赤ちゃんは…

ママが近づくと見るか、声をかけたりおもちゃを近づけたりすると反応があるかをチェック

2歳・3歳以上の子供は…

話しかけると返事をしたりうなずいたりするか、テレビや音楽などその子が好きなものに反応するかをチェック

水分はとれているか?

十分な水分がとれてないと、脱水症になる危険性があります。どの程度水分がとれているかを確認しておきましょう。尿がきちんと出ているかも脱水症のめやすになります。

食欲はあるか?

食欲の有無や食べた量は確認しておきましょう。なお、水分さえとれていれば、2日ほどは食べなくても問題ないので、無理に食べさせる必要はありません。

熱の経過はどうか?

朝、昼、夕方など同じタイミングで、1日に3~4回、熱を測ります。熱の推移は記録しておくといいでしょう。

他の症状はないか?

熱以外の症状の情報は診断する際の重要な手がかりとなります。

次のような点を観察するといいでしょう。

・咳、発疹、下痢、嘔吐など他の症状の有無

・いつからその症状が出てきたか

・どのような咳かなど、熱以外の症状の様子

子供が高熱を出したときの家での対処法

高熱があるときは、病原菌と闘う体力を消耗しないように、できるだけ安静にして過ごします。子供が寝るのを嫌がる場合は、絵本を読んだり、座っておもちゃで遊んだりして、興奮させないように静かに過ごしましょう。その上で次のようなことを心がけます。

水分を補給する

高熱が続くと、汗と呼気の両方から水分が奪われます。脱水症を予防するために、しっかりと水分を補給しましょう。

湯冷ましや麦茶、ベビー用または子供用のイオン飲料やジュースなど、飲めるものを飲みたいだけ飲ませます。赤ちゃんの場合、母乳やミルクをいつもどおり飲めているなら、それだけでも大丈夫です。

あまり飲んでくれない場合、1回に飲む量はほんの少しでかまわないので、ごく少量の水分を何回も口に含ませるといいでしょう。

室温と湿度を調節する

子供が快適な環境で休めるように、温度と湿度を調節しましょう。温度のめやすは夏なら25~28度、秋から冬は23~25度くらいです。

空気が乾燥する冬は、湿度にも気を配ります。40~60%をキープできるように、加湿器をかけたり、ぬれタオルや洗濯ものを干したりするといいでしょう。

衣類を調節する

熱が上がるときは血管が収縮して、寒気がすることがあります。ふるえている、体は熱いのに手足が冷たい、といったサインが見られたら、衣類や毛布などで体を温めてあげましょう。

熱が上がり切ると、今度は体に熱がこもりやすくなるので、厚着に気をつけます。汗ばんだり、顔が赤くほてったりしていたら、衣類や布団を1枚減らすといいでしょう。

また、汗で衣類がしめっていたらすぐに着替えさせます。

気持ちよさそうなら冷やす

子供が気持ちよさそうであれば、しぼったぬれタオルや冷却ジェルシート、氷枕などで冷やしてあげるといいでしょう。わきの下や太もものつけ根など、太い血管がある部位を冷やすと、子供がラクになることもあります。

ただし、冷却シートなどに熱を下げる効果はないので、子供がいやがる場合、無理に使う必要はありません。

体を清潔にする

高熱があるときは発汗量が増え、体が汚れやすくなります。やわらかいタオルをぬるま湯でしぼり、やさしく全身をふいて、体の清潔を保ちましょう。

特に、お尻はかぶれやすい部位です。座浴で汚れを洗い落とす、ボトボトとたれるくらいにぬるま湯を含ませた脱脂綿で汚れを洗い流すように拭くなどの方法で、かぶれを予防しましょう。

なお、お風呂やシャワーは体力を消耗するので、高熱があるときはひかえます

もし熱性けいれんが起こったら…

高熱の刺激によって熱性けいれんが起こることがあります。もし、熱性けいれんが起こったら、できるだけ気持ちを落ち着けて様子を見守ります。子供の様子が落ち着いたら、病院を受診しましょう。

典型的な熱性けいれんの症状

①体が硬直する

白目をむいて1点を凝視したり、体が弓なりになったりします。

②体の緊張が抜ける

手足をぴくぴくふるわせたり、口から泡を吹いたりします。

熱性けいれんが起こったときの対処法

・時間をはかる

・衣服をゆるめ、吐いた場合にそなえて顔を横に向ける

NG 以下の行動は絶対にしないで!

×呼吸を確保しようと口に物を入れる

×ゆさぶる

熱性けいれんは単純型といわれるものであれば5分以内におさまります。子供の呼吸が落ち着いていることを確認したら、病院を受診しましょう。

5分以上続く、けいれんの様子が左右非対称、短時間でけいれんをくり返すという場合は、救急車で病院へ急ぎます。

子供が高熱のとき、解熱剤は使うべき?

解熱剤は一時的に熱を下げて体力の回復をはかるための薬です。熱のせいでぐったりして、水分がとれなかったり、よく眠れなかったりすると、病原菌と闘うための体力が低下してしまいます。そこで、解熱剤で熱を下げて、体力の消耗を防ぐのです。

ですから、たとえ高熱があっても、水分が十分にとれていて機嫌も悪くないなら、解熱剤を使う必要はありません。

反対に高熱で子供がつらそうにしていたら、解熱剤の力を借りるといいでしょう。解熱剤を使うと、平均して1度くらい熱が下がります。

熱が下がっている間に、水分をとったり、ぐっすり眠ったりできるといいですね。食欲が出てきた場合は、消化のいいものを食べさせるといいでしょう。

また、解熱剤には鎮痛作用もあります。「頭が痛い」と子供が伝えてきた場合、解熱剤を使うことで、痛みを和らげられるかもしれません。

監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック
東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、山王病院、NTT東日本関東病院などの勤務を経て、現職。専門は小児アレルギー。私生活では四女の母でもある、やさしくパワフルなドクターです。

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