妊娠初期におすすめの運動!量の制限&流産の心配は?【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/04/04
更新日:2019/04/16
妊娠初期におすすめの運動!量の制限&流産の心配は?【産婦人科医監修】
監修
寺師恵子先生
けい子レディースクリニック表参道 院長

出産や赤ちゃんのお世話は体力が必要なので、妊娠したら、おなかの赤ちゃんのために運動して、体力をつけなくてはいけないと思っている人も多いですね。でも、妊娠中の運動は、妊娠の進み方に合わせて気をつけるべきことがあります。とくに妊娠初期は、運動することで流産につながる心配もあります。妊娠中、特に妊娠初期の運動について、産婦人科医の寺師恵子先生にお聞きしました。

妊娠初期の状態ってどんな感じ?

妊娠初期(妊娠15週まで)は、出血したり、流産したりしやすい時期です。実際、妊娠12週未満での流産が最も多く、流産する人の約8割を占めています。妊娠12週未満での流産は、赤ちゃんの染色体異常が原因である場合が多く、それ以降に起こる流産は、母体の健康状態や子宮頚管無力症、感染症などの病気や、事故などで腹部を打つなど、外からの刺激が原因の場合が多くなります。

妊娠初期って運動していいの?

妊娠初期の流産は、赤ちゃん自身の染色体異常が原因であることが多く、母体が原因でないことが多いのですが、妊娠初期はできるだけ運動はしないでください。妊娠初期は、受精卵がママの子宮内に落ち着き、細胞分裂して、徐々に人間の形になっていく大切な時期。安静に過ごしてほしいときだからです。

妊娠初期は、つわりに悩まされる時期でもあります。つわりの原因は解明されていませんが、妊娠によってホルモンバランスが変化することで、胃腸の機能が低下したり、脳の嘔吐中枢が刺激されたりして症状が出るのではないかと考えられています。また、つわりは母体に無理をさせずに大切な妊娠初期を乗り切るために起こる、とも考えられています。妊娠初期は、つわりがつらくて、運動どころじゃない、というママも多いと思います。そんなときに無理して運動する必要はないのです。

妊娠初期の運動って流産につながるの?

妊娠初期の流産のほとんどは、赤ちゃんの染色体異常によるものなので、避けられるものではありません。ただ、妊娠初期に無理して運動することで、流産までいかないとしてもお腹の赤ちゃんに影響してしまう可能性があります。

妊娠初期の運動量はどれくらいがいいの? 制限はある?

妊娠初期は無理して運動しないでください。特に上下に激しく動いたり、体をひねったり、伸ばしたり、ぶつかるような動きはできるだけ避けてほしいのです。運動をするなら、安定期(妊娠16週)になって、医師や助産師の許可を得てからにしてください。妊娠前から日常的に運動をしていた人も、自己判断せず、必ず医師に確認してから運動するようにしましょう。

妊娠初期におすすめの運動が知りたい!

妊娠初期のママの体は、様々な変化が起こっているため、何もしていなくても疲れやすくなります。妊娠初期に大切なことは、ママ自身が安心した気持ちで過ごすこと。つわりが軽くて、少し体を動かしたほうが気分転換になるのなら、散歩程度の軽い運動を上手に取り入れるといいでしょう。妊娠初期は、つわりや出産に対する不安などがあるため、できるだけリラックスして過ごせるような工夫が必要です。

妊娠16週になると、いよいよ安定期に突入します。この時期に、医師の許可を得ることができたら、マタニティヨガやマタニティスイミングなどのマタニティスポーツを始めても構いません。

運動が元々好きな人はいいですが、苦手な人は「おなかの赤ちゃんのために」と無理することはありません。妊娠前にしていなかったスポーツをいきなり始めるのもおすすめできません。しかし、妊娠中に運動量が少ないと、足がむくみやすかったり、静脈血栓症になりやすくなります。妊娠前からあまり活動的でなかったり、事務系の仕事で1日中座っていたような場合は、体の負担のない範囲で適度に体を動かすようにしましょう。テレビを観ながらできるストレッチや散歩がてらのウォーキングなど、気軽に楽しくできるものを試してみてください。

ウォーキングをするなら

●1日30分程度を毎日継続して行う

●交通量の多い道は避けて、歩きなれた道を選ぶ

●体調が悪いときは無理をしない

●まめに水分補給を心がける

●万が一のときのために、診察券、タクシー代、母子手帳、スマホは必ず持っておく

ストレッチをするなら

●おなかに負担がかかるポーズは避ける

●上下に激しく動いたり、体をひねったり、伸ばしたり、ぶつかるような動きは避ける

妊娠中は、妊娠前とは体が変化して、普通にしていても体に負荷がかかっている状態です。おなかが張っている、体がだるい、気分がすぐれない、頭が痛い、頭が重くてボーッとするなど、「いつもの自分と違う」と感じた場合は、無理して運動せず、体を休めましょう。おなかが痛かったり、出血があるときなどは、すぐに主治医の診断を受けてください。

構成・取材・文/白木紀子

出典 :はじめてママ&パパの妊娠・出産※情報は掲載時のものです

監修
寺師恵子先生
けい子レディースクリニック表参道 院長
東海大学医学部医学科卒業後、国立国際医療センター産婦人科勤務、日野市加来産婦人科医院副院長を経て、03年、表参道に現クリニックを開院。

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