訪問型の産後ケア「産後ドゥーラ」ってどんなサポート?

コラム
公開日:2019/03/08
更新日:2019/03/19
訪問型の産後ケア「産後ドゥーラ」ってどんなサポート?

産後ドゥーラは、妊産婦さんや赤ちゃんのお世話をする産後ケアの専門家。産前から産後1年半まで利用できる訪問型のサポートです。ドゥーラごはんなどの母乳に優しい料理から、家事、育児相談、沐浴などの赤ちゃんのお世話、病院やお出かけの付き添いまで、ママの気持ちに寄り添い、赤ちゃんとゆったり過ごせるお手伝いをします。(産後ドゥーラ 小松紀子)

日本の産後ドゥーラ、いつから?

待ちに待った赤ちゃんとの暮らし。病院からわが家に戻った日から、今までとは違う新しい生活が始まります。慣れない母乳や沐浴で寝不足が続く毎日、自分の身体も回復中なのにごはん作りや上の子の送り迎えもどうしよう……など、うれしい反面、現実に戸惑う方も多いと思います。

そんなときはぜひ産後ドゥーラを頼ってください。ドゥーラとは、ギリシャ語で「他の女性を支援する、経験豊かな女性」(出典:一般社団法人ドゥーラ協会)の意味で、欧米では出産や産後を支えるポピュラーな職業の1つ。日本では2012年に一般社団法人ドゥーラ協会が立ち上げられ、現在認定産後ドゥーラは全国に400人弱。70時間以上の研修で赤ちゃんや妊産婦さんの体や心、今の育児について実践的に学んでいるので、安心して任せられ、なんでも相談できる身近なサポーターです。

産後は休むことがママの大切な仕事

昔の出産・産後は、実家に里帰りをして、お母さんや身近な出産経験者が産褥期(さんじょくき)の間は身の回りのことを手伝ってくれました。いわゆる「床上げ3週間」ともいわれ、この時期は授乳以外はできるだけ横になって、ダメージを受けた体を回復するたいせつな休息期間。母親のホルモンバランスも大きく変わり、身も心も不安定な状況になるため、イライラしたり涙もろくなるのも自然なことなのです。赤ちゃんと一緒にできるだけリラックスして過ごし、授乳以外の家事や沐浴は周囲に任せることが不可欠な時期です。

ところが最近は、核家族化、都市化、晩婚化、高齢出産で親も高齢化など、さまざまな社会環境の変化により、里帰り出産をしない方が増加。その負担をママが1人で負う厳しい状況へと変わってきました。パパが育休を取得したり、産後ケア院や助産院、自治体の産後ケアなど多様なサポートをタイミングよく組み合わせてご夫婦で乗り切る方も増えてきていますが、ふたりだけではなかなか手が足りないのが現状です。

ドゥーラは実家のお母さん的役割

大事な回復期に赤ちゃんのことを昼間に1人でみるのは不安ですし、相当無理がかかります。現代は「子育て」=「孤育て」ともいわれ、不安や悩みを相談する人がいない、日中大人とひと言も会話を交わさないという方も多数。そんなときは産後ドゥーラが話し相手にもなります。子育て経験者も多く、今の子育てについて詳しい専門家なので、「実家のお母さんがわり」としてなんでもお話しいただける存在です。

私自身13年前に出産した当時は、深夜残業が続く出版社勤務で、育休の間半年間だけ実家近くに引っ越し、母に毎日来てもらいました。その後保活で保育園の多い地域に引っ越し、職場復帰後もバタバタ。母やベビーシッター、区のファミリーサポート、保育園ママと協力し、なんとか楽しく子育てをすることができました。

その後夫の転勤でドイツに駐在し、多様なワークライフバランスを知り、帰国後はママを手伝う側になりたいと産後ドゥーラを志しました。

子育ては1人でするものではなく、大勢の人の手を借りることで、ママも気持ちにゆとりができて子供にも優しくできること、さらに子供にも社会性が育っていくことを身をもって学んでいる日々です。

毎日のごはんや赤ちゃんのお世話も安心

 実際のサポート内容は、赤ちゃんの月齢やママの好み、家族環境によって1人1人違いますので、プランニング時にどんな子育てをしたいか相談するところから始まります。産後すぐは、母乳育児を支えるドゥーラごはん=お出汁のきいた薄味で野菜中心の食事を作ってほしいというリクエストをいちばん多くお受けします。

ほかにもパパに沐浴や抱っこや遊び方を教えたり、月齢による赤ちゃんの生活リズムを含めた育児相談、マッサージやハンドケア、離乳食、保育園送迎など時期によりサポート内容は多様に変化。検診や買い物に付き添ったり、ママと赤ちゃん、おばあちゃん、ワンちゃんとみんなで一緒にお散歩に行くこともあります。

産後たいへんだったママが元気になって、赤ちゃんがすくすく育つ姿を一緒に見守っていくのは、かけがえのない幸せな時間であり、毎日とても励みになっています。

ドゥーラはどうやって探すの?

まずはお住まいの区や市のホームぺージで産後ケアサポートの内容をチェックしてみてください。自治体や助産院と提携しているドゥーラも多く、地域とつながりながらの訪問活動が産後うつや虐待の防止の一助になっているケースもあります。

自治体の助成がない場合でも一般社団法人ドゥーラ協会のホームページでお住まいのエリアに近いドゥーラを検索して、気軽に日時やサポート内容などを相談してみてください。時間に余裕がある産前からリサーチや依頼を進めておくのがおすすめです。

たいせつなのは、1人で頑張りすぎないこと。パパや周りに手伝ってもらって自分の思いを共有し、共感してもらうこと。これらが気持ちのゆとりを生んで産後生活を楽しくすると同時に、これからの家族のつながりをより深めるベースにもなると思います。

※モデル写真はイメージカットです。本記事に記載されている内容との関連はありません。

Profile
小松紀子
産後ドゥーラ
一般社団法人ドゥーラ協会認定産後ドゥーラ、松が丘助産院登録ドゥーラ。現在、東京都中野区、杉並区、港区、品川区、世田谷区の登録ドゥーラ。ベビーシッターや家庭教師、塾の講師を経験し、18年の出版社勤務を経て、ドイツに5年半駐在し、帰国。一児の母。体に優しい料理、整理収納、ハンドケア、傾聴が得意。英語、ドイツ語(少し)可。趣味は旅行、ベリーダンス、美術館巡り。

一般社団法人ドゥーラ協会 小松紀子一般社団法人ドゥーラ協会 公式サイト

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