後陣痛の痛みはいつまで? 緩和する方法はある?【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/03/25
後陣痛の痛みはいつまで? 緩和する方法はある?【産婦人科医監修】
監修
升田春夫先生
三枝産婦人科院長

後陣痛(こうじんつう)とは、産後に起こる下腹部の痛みのこと。陣痛を乗り越えて赤ちゃんに会えたのに、「お産の後もおなかが痛くなるなんて!」と思いますよね。後陣痛の原因や緩和する方法を知っておきましょう。

後陣痛とは?

出産を終えると、ママの体は6~8週間かけて少しずつ妊娠前の状態に戻っていきます。この時期のことを「産褥(さんじょく)期」といいます。お産のとき、約10倍の大きさになっていた子宮は、分娩後の出血を止め、もとの大きさに戻るために収縮します。そのときに生じる痛みが後陣痛です。

お産直後の子宮は、おへその下約3~4cmにあることが多いのですが、約12時間後におへその高さくぐらいまで大きくなり、その後は徐々に収縮していきます。子宮の収縮は、産褥期の経過が良好かどうかを判断するポイントになります。

後陣痛の原因と症状

後陣痛は、子宮が元の大きさに戻るために、収縮することによって起こります。つまり、後陣痛がつらいということは、それだけ子宮が順調に回復している証拠ともいえます。陣痛は、赤ちゃんが生まれるために必要な痛みですが、後陣痛は子宮が回復するために必要な痛みだと考えましょう。

後陣痛の強さ

後陣痛の痛みの程度は、「生理の痛みを少し強くしたような感じ」「ジワジワとおなかを押されるような鈍い痛み」など、人によってさまざまです。一般的に、後陣痛は陣痛ほどの強い痛みではありません。
また、後陣痛は初産のママよりも経産のママのほうが、痛みが強くなる傾向があります。その理由は、経産のママは子宮の伸縮がよいため、より強い収縮が必要になるからです。
ふたごなどの多胎妊娠の場合も、子宮が大きく引き伸ばされているため痛みを強く感じるようです。

母乳との関係

また、産後、赤ちゃんが乳頭を吸う刺激によって、脳下垂体からオキシトシンというホルモンが出て母乳の分泌を促します。オキシトシンには、子宮の収縮を促す作用もあるので、母乳をあげているとき痛みが強くなります。お産が終わったのに、まだ痛みが続くとつらいかもしれませんが、母乳をあげることが体の回復も促すので、赤ちゃんにたっぷりあげましょう。

帝王切開だった場合

お産が帝王切開だった場合でも、子宮は妊娠とともに大きくなっているので、自然分娩と同様に後陣痛が起こります。

後陣痛はいつまで続くの?

後陣痛は、分娩後2~3日続くのが一般的で、その後は徐々に痛みが治まっていきます。ただし、個人差があり、なかには1週間ほど続く人もいます。

なお、産後1ヶ月をすぎても悪露(胎盤がはがれた部分からの出血や膣からの分泌物が混ざって出てくるもの)が続くときは、「子宮復古不全(しきゅうふっこふぜん)」といって、子宮がうまく収縮していない可能性があります。この場合は1ヶ月健診などで医師に相談しましょう。

後陣痛の緩和方法

後陣痛は、子宮を元に戻すための生理的な現象なので、時間の経過とともに痛みは少なくなっていきます。しかし、痛みが強くてつらい場合は、医師に相談して鎮痛薬を処方してもらいましょう。また、病院によっては子宮収縮剤を処方されている場合もあるので、医師に相談して内服をやめてもよいでしょう。
次のような方法も痛みの緩和に有効です。

血行をよくする

子宮のまわりの血行をよくすると、後陣痛の痛みをやわらけることができます。腹巻をしたり、カイロを当てたりして、おなかまわりを温めましょう。また、あたたかいハーブティを飲んで体の内側から温めてもいいですね。血行がよくなると、お産の疲れも改善されます。

クッションを抱える

クッションや枕をおなかに当てて、少しだけ圧迫するような体勢をとると、痛みがやわらぐことがあります。

マッサージ

マッサージも血行を促し、後陣痛の痛みをやわらげる効果があります。楽な姿勢で深呼吸をしながら、下腹部をやさしくマッサージしましょう。

リラックス

不安やイライラした気分でいると、痛みを強く感じてしまいます。産後は赤ちゃんのお世話で忙しくなりますが、自分なりにリラックスできる方法をみつけましょう。好きな音楽を聴いたり、アロマオイルを使って足湯や手足のマッサージをしたりするのもおすすめです。
また、初産のママは慣れない育児で不安もあるでしょう。入院中に先生や助産師さんに相談し、退院までに解消しておくといいですね。

後陣痛の薬の赤ちゃんへの影響

病院で処方される後陣痛の鎮痛薬は、母乳への移行がほとんどないため、赤ちゃんへの影響はありません。薬の服用について心配なときは、医師に相談しましょう。

取材・文/小沢明子

監修
升田春夫先生
三枝産婦人科院長
東京大学医学部卒業。周産期の研究と診察に長く携わってきたお産の専門医。妊婦さんの悩みや疑問に真摯に対応してくれる先生です。

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