産瘤の原因は?頭血腫との違いはどんなこと?【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/03/26
産瘤の原因は?頭血腫との違いはどんなこと?【産婦人科医監修】
監修
升田春夫先生
三枝産婦人科院長

産瘤(さんりゅう)とは、分娩のとき赤ちゃんの頭にできるこぶのようなもの。生れたばかりの赤ちゃんを見たとき「頭にこぶがあって心配になった」というママもいるのではないでしょうか。産瘤の原因や症状、また、産瘤と症状が似ている「頭血腫(ずけっしゅ・とうけっしゅ)」についても解説します。

産瘤とは?

産瘤とは、分娩のとき赤ちゃんの頭頂部などにできる、やわらかな「こぶ」のようなものです。

通常の分娩では、赤ちゃんは頭から狭い産道を通って出てきます。このとき頭が産道で圧迫されると、血管から体液がにじみ出ます。その体液がたまってできる浮腫(ふしゅ・むくみのこと)が産瘤です。さかご(子宮の中で足が下に向いている赤ちゃん)の場合は、おしりに産瘤ができることがあるといわれていますが、実際はあまりみられません。

産瘤の原因や症状

分娩のとき、赤ちゃんは産道を通りやすいよう、体の向きを変えながら少しずつ下りてきます。いちばん最初に出てくる頭の部分が最も圧迫されるため、頭部の血管がうっ血して体液がたまり、こぶになります。したがって、赤ちゃんが産道内にいる時間が長いほど、産瘤ができやすくなります。

産瘤の大きさは数cmのものがほとんど。こぶの中身は液体なので、さわったときかたい感じはなく、指で押すと押したあとがゆっくり戻ります。

産瘤と頭血腫の違い

産瘤とよく似た症状に頭血腫があります。頭血腫も分娩のとき、赤ちゃんの頭にできるこぶのようなものですが、さわると産瘤よりもかたい感じがします。ただし、中身は血液なので少しプヨプヨしていて、指で押すとあとがすぐに戻ります。

頭血腫は、分娩のとき頭蓋骨と頭蓋骨を覆っている骨膜の一部がはがれて、間に出血がたまった場合に起こります。赤ちゃんが産道を通るときの圧迫によっても起こりますが、吸引分娩や鉗子(かんし)分娩などで、外圧がかかったときにも起こります。
吸引分娩とは、やわらかく丸いカップを赤ちゃんの頭につけ、中の圧力を下げることでぴったり密着させて吸引し、赤ちゃんの晩出を助ける方法です。鉗子分娩は、鉗子(2枚のヘラを合わせたような形状の医療器具)のヘラの部分で赤ちゃんの頭部をはさみ、ママがいきむときに合わせて引き出す方法です。どちらも母子の安全上、早く出してあげたほうがいいときに行われることがあります。

産瘤は、たまった体液が徐々に吸収され、生後数日でなくなります。一方、頭血腫は、血液なので吸収されにくく、なくなるまで2~3週間かかります。たとえば、ぶつけて足に青アザができたとき、消えるのにしばらく時間がかかりますよね。頭血腫も、そのくらい時間がかかると思ってください。

産瘤の治療

産瘤は、時間がたてばなくなるので、治療の必要はありません。そのままにしておいて大丈夫です。授乳や沐浴など、通常と同じようにお世話をしてください。また、産瘤ができたからといって、赤ちゃんに異常が起こることもありません。

頭血腫と新生児黄疸

頭血腫の場合も、産瘤と同様、治療をする必要はありません。ただし、頭血腫があり、新生児黄疸(しんせいじおうだん)が現れている場合は、高ビリルビン血症を発症する可能性があるので注意が必要です。

生後数日の赤ちゃんは、黄疸がみられることがあります。この黄疸は生理的なもので、生まれてすぐ胎児期特有の赤血球が分解され、一時的にビリルビンという物質が増えるために起こります。高ビリルビン血症とは、生理的な範囲を超えてビリルビンが増える状態をいいます。

高ビリルビン血症の状態が続くと、神経系の病気を引き起こす「核黄疸(かくおうだん)」につながる可能性があります。高ビリルビン血症と診断された場合は、光線療法などで治療を行います。

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取材・文/小沢明子

監修
升田春夫先生
三枝産婦人科院長
東京大学医学部卒業。周産期の研究と診察に長く携わってきたお産の専門医。妊婦さんの悩みや疑問に真摯に対応してくれる先生です。

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