妊婦の歯周病の治療や予防法は?赤ちゃんに影響は?【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/04/10
更新日:2019/06/19
妊婦の歯周病の治療や予防法は?赤ちゃんに影響は?【産婦人科医監修】
監修
佐野麻利子先生
産科婦人科舘出張佐藤病院/フィーカレディースクリニック院長

妊娠すると、つわりで歯磨きがつらい人も多いですよね。無理は禁物とはいえ、歯磨きができないと気になるのが虫歯や歯周病。歯周病は、妊娠中は意外とこわい病気なの? 産婦人科の先生に妊婦さんの歯周病について教えてもらいました。

歯周病とは?

歯周病(ししゅうびょう)とは、細菌感染によって炎症が起こることにより、歯肉(しにく)や歯根膜(しこんまく)、歯槽骨(しそうこつ)などの歯周組織が破壊されてしまう病気のこと。炎症が歯肉にとどまっている「歯肉炎」と、歯根膜や歯槽骨まで広がる「歯周炎」の2つに分類されます。

歯肉炎

歯周病の初期段階で、細菌が出す毒素などによって歯ぐき(歯肉)に炎症が起きて赤く腫れている状態です。歯と歯肉の間にプラーク(歯垢)がたまり始めて出血しやすいなどの症状があらわれますが、まだ歯を支える歯周組織までは破壊されていません。

歯周炎

プラークの中には、ものすごい数の細菌がいて、その中には歯周病を引き起こす細菌もあります。歯周病の原因菌は、酸素にふれるのが嫌いなので、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間の境目のすき間)に入り込みます。そうして歯と骨の間でクッションの役割をしている部分や、歯を支える骨まで溶かしていきます。このように歯周病が進行した状態が歯周炎です。

妊婦が歯周病になりやすい原因

妊娠中はホルモンの変化や免疫力の低下によって、歯や歯ぐきにトラブルを起こす歯周病の原因菌や虫歯菌が増えやすくなります。赤ちゃんを「異物」として攻撃しないようにするため、体に侵入してくる菌やウイルスに対抗する免疫力も低下します。歯周病の原因菌や虫歯菌と闘う力も弱くなります。

また、唾液が少なくなる人も多く、口に残った食べかすや雑菌を洗い流す機能も衰えるので、歯周病や虫歯になる危険も増えます。つわりで歯磨きができなかったり、ちょこちょこ食べたりすることもあるため、プラーク(歯垢)をなかなか取り除くことができないことも関係しています。

それに、妊娠中は「エストロゲン」や「プロゲステロン」などの女性ホルモンが増えます。歯周病の原因菌の中には女性ホルモンが好きな菌がいるため、増加。妊娠前の何倍も歯周病にかかりやすくなるのです。

出典 :はじめてママ&パパの妊娠・出産※情報は掲載時のものです

監修
佐野麻利子先生
産科婦人科舘出張佐藤病院/フィーカレディースクリニック院長
東京・日本橋にある、働く女性の健康を支援する「フィーカ レディースクリニック」。大きなオフィスビルの中にあり、とてもきれいで居心地のいいクリニックです。群馬県にある佐藤病院グループのレディースクリニックで、助産師相談もあります。佐野院長は日本産婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医。

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