妊婦の血圧の正常値は?低血圧・高血圧を指摘されたら?【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/04/09
更新日:2019/05/10
妊婦の血圧の正常値は?低血圧・高血圧を指摘されたら?【産婦人科医監修】
監修
佐野麻利子先生
産科婦人科舘出張佐藤病院/フィーカレディースクリニック院長

妊娠するまで血圧が高いといわれたことはないという妊婦さんでも、妊娠すると血圧が高くなる可能性もあります。血圧管理はきちんとしていきましょう。もともと血圧が高め、あるいは高血圧といわれたことがある人や、高年初産の場合はとくに血圧についてしっかり知っておいてくださいね。

妊婦さんが血圧測定する理由とは?

妊娠中は血液の量が増えるために妊娠前よりも血圧が高くなることが多いのですが、血圧が基準値よりも高くなると、妊娠高血圧症候群と診断されます。妊娠高血圧症候群になると、おなかの赤ちゃんにも影響がありますので、血圧が高くなっていないかを定期的にチェックするのはとても大切なことです。

妊娠高血圧症候群とは?産後の血圧はどうなる?

妊娠中は血液の量が増えるために血圧が上がることが多いものですが、さらに血圧が上昇してしまうのが妊娠高血圧症候群です。妊娠前は正常な血圧だった人が、妊娠20週以降、初めて高血圧(基準値は下記参照)になった場合に、妊娠高血圧症候群と診断されます。
妊娠高血圧症候群は全妊婦さんの3〜7%が発症するといわれますが、誰にでも起こる可能性があります。妊娠前は低血圧だったからといって、高血圧にならないわけではありませんので気をつけましょう。また、臨月近くに高血圧になることもあるので油断は禁物です。
妊娠高血圧症候群で怖いのは、初期段階では自覚症状がないこと。きちんと妊婦健診を受け、血圧測定をすることが大切です。

妊娠中に妊娠高血圧症候群と診断された場合、通常は産後12週までに妊娠前の血圧に戻ります。ただ、産後約3ヶ月以降も血圧が高いままというケースもあり、妊娠をきっかけに高血圧症になることも。35歳以上の初産の場合は、とくに注意が必要です。産後もなるべく安静にして休養をとり、太りすぎないように注意を。次の妊娠は血圧が正常に戻ってからと指導されます。

妊婦の血圧の正常値は?至適血圧とは?

血圧の正常値や至適血圧、正常高値は下記を参考にしてください。日本高血圧学会のガイドラインでは、血圧の値を下記のように分類しています。
診察室で測った血圧が、収縮期血圧/拡張期血圧のどちらか一方、あるいは両方が高血圧と診断されるのは、上(収縮期血圧)が140mmHg以上、下(拡張期血圧)が90mmHg以上です。

至適血圧(してきけつあつ) というのは、正常な範囲内の低めの血圧・望ましい血圧のことで、上が120mmHg未満、下が80mmHg未満
正常血圧は、上が120~129mmHg かつ/または 下が80-84mmHg
正常高値血圧(高血圧にならないよう注意が必要な数値)は、上が130~139mmHg、下が85~89mmHg

高血圧を指摘されたら?血圧計はどれを選べばいい?

血圧には、診察室で測るもの(診察室血圧)と家で測るもの(家庭血圧)があります。
高血圧の判定では、診察室血圧よりも家庭血圧が優先されます。「白衣高血圧」といって、診察室では、ドクターや病院などに緊張して、家で測る血圧より高くなることもあるからです。

診察で高血圧と評価された場合、家庭用血圧計を購入して、毎日自宅で家庭血圧を測定し、記録しておきましょう。できれば、起床後と就寝前の2回測定し、朝と夜それぞれの平均値を出します。この平均値が上は135 mmHg以上、下が85 mmHg以上の家庭血圧の診断基準を超えていると高血圧と診断されます。

血圧計を買うときは、指用の血圧計は不正確ですし、手首血圧計は参考にはなりますが、動脈の圧迫が難しく不正確なことも多いので、家庭での血圧測定には上腕用血圧計を購入して使用しましょう。

家での血圧の測り方は?

血圧の数値は、時間帯や姿勢などによって変わってしまいます。正しく血圧測定ができるように、原則は背もたれのあるイスに座り、1~2分安静にしてから測定しましょう。
朝は、起きてから1時間以内、トイレに行ったあとで、朝食や薬を飲む前に測定。
夜は、寝る前に測定。夕食後やお風呂のあとは避けます。
とはいえ、この時間に血圧測定ができなかった場合でも、安静にしているときの血圧は参考にはなりますので、高血圧を指摘された人は毎日血圧測定することを習慣づけましょう。

妊婦の高血圧の原因と対策は?

妊娠高血圧症候群のいちばんの原因は、妊娠していることそのもの。お産が終わらないと完治せず、産後12週まで注意が必要です。妊娠高血圧症候群になった場合、血圧が上がらないように、食事や日常生活をコントロールしていくことになります。

食事は高血圧の原因になる塩分の摂取量を抑えましょう。1日に7g程度が目安です。塩分以外も1日の食事摂取量を踏まえて、食べすぎを抑えることが大切です。食事内容を見直して血圧の経過観察を行います。

コントロールがうまくいかない場合は、入院してさらに徹底した食事管理と安静、降圧剤によって血圧が上がらないようにします。コントロールが無理だったり重症化した場合、37週未満でも人工早産にして赤ちゃんを出してあげることもあります。

出典 :はじめてママ&パパの妊娠・出産※情報は掲載時のものです

監修
佐野麻利子先生
産科婦人科舘出張佐藤病院/フィーカレディースクリニック院長
東京・日本橋にある、働く女性の健康を支援する「フィーカ レディースクリニック」。大きなオフィスビルの中にあり、とてもきれいで居心地のいいクリニックです。群馬県にある佐藤病院グループのレディースクリニックで、助産師相談もあります。佐野院長は日本産婦人科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医、日本医師会認定産業医。

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