子供の鼻づまりの原因と対処法は?病院に行くのは?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/03/05
更新日:2019/03/22
子供の鼻づまりの原因と対処法は?病院に行くのは?【小児科医監修】
監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長

この記事では、子供の鼻づまりについて解説しています。子供はしょっちゅう鼻がグズグズしたり、鼻づまりを起こしたりします。「子供にはよくあることで、たいしたことはない」と放っておいてよいのか、それとも受診したほうがいいのでしょうか。気になる子供の鼻づまりの原因や病院に行く目安、家庭での対処法をご紹介します。

子供の鼻づまりの原因は?

 鼻の穴(鼻腔)は空気の通り道です。空気には体にとって必要な酸素だけではなく、ホコリやチリ、病気を招くウイルスなども含まれています。

 鼻腔の内側の粘膜には、非常に短い繊毛(せんもう)がびっしりと生えています。空気と一緒に吸い込まれたホコリやゴミはこの線毛の働きによってのどの奥へ運ばれ、痰となって体外に出されたり、食道を通って胃に運ばれたりして、大部分は除かれてしまいます。

 また鼻腔の粘膜からは、健康な状態でも常に鼻水が分泌されていて(1日約1ℓと言われています)、吸い込んだ空気に湿り気を与えて気道を保護しています。鼻腔の上の方には、体にとって害のあるものをかぎ分ける匂いのセンサーもあります。鼻づまりになると、こうした鼻腔の機能が損なわれてしまいます。

子供の鼻づまりの原因で一番多いのはかぜ

 鼻の穴の入り口から、のどまでの間を鼻腔と言います。この鼻腔の通りが悪い状態が鼻づまりです。

 鼻づまりを招く原因で一番多いのは、かぜです。かぜで鼻の粘膜に炎症が起こると、粘膜の下にある毛細血管が拡張してはれ、鼻がつまるのです。

 かぜをひくと、初めは水っぽい鼻水が出ることが多いでしょう。鼻水は途中から黄色っぽくなり、だんだんと粘り気も強くなります。鼻の粘膜の炎症がひどくなったり、炎症が鼻腔の奥のアデノイドという部分まで広がったりすると、鼻づまりの症状もひどくなり、鼻呼吸がしにくくなります。

ホコリや花粉が原因で鼻づまりになることも

 ホコリや花粉に対するアレルギーで、鼻づまりが起こることもあります。

 ホコリや花粉が鼻の穴の粘膜にくっつくと、体がこれを排除しようとするアレルギー反応が起こり、鼻水、鼻づまり、くしゃみが出るのです。

 一般的に水っぽい透明な鼻水がずっと続くような場合は、アレルギーを疑います。「なかなか鼻づまりが治らない」「かぜの他の症状は消えたのに、鼻づまりがずっと続く」ような場合は一度受診して、アレルギーかどうかの検査をしてもらうといいでしょう。

 スギやヒノキの花粉が飛ぶ春、ブタクサなどの花粉が飛ぶ秋など、鼻づまりの症状が出る時季が限られているのであれば、花粉症が疑われます。季節に関係なく鼻づまりを起こすのは、ダニやホコリが原因のアレルギー性鼻炎かもしれません。

子供の鼻づまりで疑われる病気

 子供の鼻づまりの原因はかぜやアレルギーであることが多いのですが、次のような病気が原因で鼻づまりを起こしていることもあります。

■副鼻腔炎

かぜが治っても、どろっとした鼻水が出てなかなか鼻づまりが治らない場合は、副鼻腔炎(ふくびくうえん)を起こしているのかもしれません。

副鼻腔というのは、鼻の両側の骨に囲まれた空洞です。ここにウイルスや細菌が感染すると、ひどい鼻づまりで口でしか呼吸できない、鼻水がのどにたまってせきやたんが出るなどの症状が出ます。

副鼻腔鼻の両側の、骨に囲まれた空洞が副鼻腔です。

かぜのあとに発症する副鼻腔炎を急性副鼻腔炎と言いますが、一度かかると繰り返しやすいので注意が必要です。

急性副鼻腔炎が慢性化して起こるのが慢性副鼻腔炎、いわゆる蓄膿症です。

いずれの場合もネブライザー吸入(薬を空気に混ぜて、鼻に送り込みます)、飲み薬の抗ヒスタミン薬や抗炎症薬を使って治療します。

■中耳炎

 かぜなどでのどや鼻の粘膜が弱り、病原体がのどと耳をつなぐ耳管を通って侵入して中耳に炎症を起こします。38度ぐらいの発熱、耳の痛み、耳だれなどの症状が出ます。

 軽い中耳炎の場合は、抗菌薬を飲んで治療します。ウミがたまって鼓膜のはれがひどい場合などは、鼓膜を切開してウミを出すこともあります。

■アデノイド肥大

 鼻のいちばん奥、喉とぶつかるあたりにあるアデノイドという部分が大きくなる、子ども特有の病気です。アデノイドは2~5歳ぐらいの時期に最も大きく、その後は自然に小さくなることが多いものです。そのため呼吸障害などのひどい合併症がない限り、特別な治療はせず、様子を見るのが一般的です。

子供の鼻づまりの対処法

鼻づまりになると、鼻呼吸ができなくなるので口で呼吸をするしかありません。しかし口呼吸には次のようなデメリットがあります。

■空気中の異物やウイルスが直接入り込むので、かぜなどの病気にかかりやすい

■口の中が乾燥して、虫歯や歯周病などになりやすい

■口呼吸を長期間続けていると、歯並びに影響することもある

 こうしたことを防ぐためにも、鼻づまりが起きたら早めに対処して、解消してあげましょう。

鼻を温める、蒸気を吸わせる、加湿する

 かぜが原因で鼻づまりを起こしている場合は、たいてい1週間ぐらいで治ります。鼻がつまって呼吸が苦しそうなときは、鼻の付け根にあたたかいタオルをあてるといいでしょう。

 熱がなく、比較的体力があるようなら、おふろで蒸気を吸わせるのもいいでしょう。鼻の粘膜が湿るだけでなく、全身の血行がよくなり鼻が通りやすくなります。

 鼻やのどの粘膜は乾燥が苦手です。空気が乾燥する季節は加湿器を使う、ぬれたタオルを室内に干すなどして、50~60%ぐらいの湿度に保ちましょう。

アレルギーを疑う

「なかなか鼻づまりが治らない」「かぜの他の症状は消えたのに、鼻づまりがずっと続く」ような場合は、アレルギーが原因なのかもしれません。

 花粉症やアレルギー性鼻炎の場合、アレルギーの原因になる物質をできるだけ生活環境から減らし、薬で症状をやわらげて日常生活を少しでもラクに過ごす治療が行われます。使われる薬は抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド点鼻薬など。鼻炎のタイプや症状の程度によって使い分けます。

子供の鼻づまりと市販薬

市販薬を使うことに、あまり意味はありません

 かぜをひいて鼻づまりを起こしている時に、市販薬を使う必要はありません。市販薬は誰が使ってもトラブルが出にくいように、有効成分の量が少なく抑えられています。薬を使わなくても1週間程度で治ってしまうかぜの場合、「自分の力でかぜが治ったから、鼻づまりの症状がおさまった」のか、「市販薬のおかげで鼻づまりの症状がおさまった」のか、判断しにくいでしょう。

 アレルギー性鼻炎で子どもが鼻づまりを起こしている場合も、市販薬の使用はおすすめしません。含まれている有効成分が少ないことに加え、アレルギーの場合はきちんと医師の指導のもとに薬を使ったほうがいいからです。

子供が鼻づまりを起こしたときの注意点

 鼻づまりになると、鼻呼吸ができなくなるので口で呼吸をするしかありません。しかし口呼吸には次のようなデメリットがあります。

■空気の中の異物やウイルスが直接入り込むので、かぜやインフルエンザなどにかかりやすい

■口の中が乾燥して、虫歯や歯周病などになりやすい。

■口呼吸を長期間続けていると、歯並びに影響する

ホームケアでなるべく早く解消しよう

 また、鼻づまりが問題なのは、口呼吸だけではありません。鼻の通りが悪くなることで、鼻が持っている役割をきちんと果たせなくなってしまいます。鼻が持っている役割というのは、

1 吸い込んだ空気を温め、湿度を与えて、体内に送り込むこと

2 空気中のホコリやゴミを体内に入れないようにして、体を守ること

3 体にとって有害なものをかぎ分けること

 鼻づまりのせいで、こうした鼻の機能が十分に働かないと病気にかかりやすくなる、ぐっすり眠れない、いびきがひどくなるなどの弊害があります。

 鼻づまりが起きたら、鼻を温める、加湿するなどのホームケアでなるべく早く解消してあげるようにしましょう。

子供の鼻づまり 病院に連れていく目安は?

子供の鼻づまりの多くはかぜによるもので、心配のないものです。しかしかぜが長引いたとき、かぜの治りかけなどで体力・免疫力が落ちているときに他の病気を合併することもあります。次のようなときは、小児科を受診しましょう。

●かぜが治ったのに、鼻づまりや鼻水などの症状が続く

●かぜの治りかけに高熱が出た

●鼻づまりで呼吸が苦しく、夜も眠れない、食事も思うようにとれない

●鼻づまりだけでなく、多量の目やにも出る

●耳だれが出る

たかが鼻づまりとあなどらず、早めの対処を心がけたいですね。

監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長
信州大学医学部卒。東大病院、愛育病院勤務などを経て、90年に鈴木こどもクリニック(東京都墨田区)を開院。地域の子どもたちの頼りになるかかりつけ医として、「ぞうさん先生」のニックネームで親しまれている。

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