子どもの鼻血の原因と止め方は?病院へ行くべき場合は?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/03/25
子どもの鼻血の原因と止め方は?病院へ行くべき場合は?【小児科医監修】
監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長

この記事では、子供の鼻血について解説しています。子供は、ちょっとしたことで鼻血を出します。子どもの鼻血の原因と対処法、鼻血を出したときの注意点や受診の目安などについて、わかりやすくお伝えします。

子どもは鼻血がよく出るもの

ちょっとした刺激で、鼻の粘膜が傷ついて、出血します

 子どもが鼻血を出す姿を見て、「そういえば、自分も子どものときはよく鼻血を出していた」「よく鼻血を出すお友だちがいた」と思い出すママ&パパも多いのではないでしょうか? 大人になると鼻血が出ることはあまりありません。でも、子どもはよく鼻血を出すものです。

 鼻の中側の粘膜に、血管が密集している部分(キーゼルバッハ部位)があります。鼻血の多くは、この場所からの出血です。子どもの皮膚は大人よりデリケートなものですが、粘膜も同じ。ちょっとした刺激で鼻の粘膜が傷ついて、血管が破れ、鼻血が出てしまうのです。

キーゼルバッハ部位

 とくにかぜをひいたり、アレルギーがあったりすると、鼻の粘膜は刺激に弱くなります。そのため強く鼻をかむなど、ちょっとした力が外からかかることで鼻血が出やすくなるのです。

子どもが鼻血を出す原因は?

さわって鼻の粘膜を傷つける。気温や興奮でも

 鼻血を出す原因はいくつかありますが、鼻血が出やすいのは、こんな子どもたちです。

□無意識に鼻をさわるクセがある

□鼻をほじるクセがある

□アレルギー性鼻炎がある

 しょっちゅう鼻や鼻の穴をさわっていると、粘膜に小さな傷やかさぶたができて鼻血が出やすくなります。

 また、アレルギー性鼻炎があると、鼻がムズムズとかゆくなります。それで鼻を強くこすったり鼻の穴をかいたりすると、鼻の粘膜から出血するのです。転んで鼻をぶつけたり、鼻吸い器の刺激で鼻血を出すこともあります。

 その他、暑さや興奮も鼻血の原因になります。暖房しすぎの室内にいたり友だちと遊んで興奮したりすると、血管が拡張します。こういう状況だと、ふだんあまり鼻血を出さない子でも、鼻血を出すことがあります。

子どもの鼻血の対処法

すわった姿勢で、脱脂綿などをつめて鼻を押さえる

 鼻血が出たときは、鼻の穴に脱脂綿やティッシュなどを入れて、外から鼻を押さえましょう。血が止まるまでは静かに過ごさせること、鼻の位置を心臓より高くすることがポイントです。

寝転がると、鼻血はむしろ止まりにくくなります。ソファや背もたれのある椅子に座った姿勢をとらせましょう。拡張した血管をキュッとしめて血が止まりやすくするため、冷たいタオルをあてて鼻を冷やすのもよいでしょう。

<鼻血が出たときの対処法>

1 鼻血が口の中に流れこんでしまった場合は、うがいをして血を吐き出させる

2 出血しているほうの鼻の穴に、小さな脱脂綿などをつめる。

3 出血しているほうの小鼻を指で軽く押さえる。

4 椅子やソファなどに座って、しばらく安静に過ごす。冷たいタオルを鼻に当てるのもよい。

鼻血寝かせず座らせた状態で、出血している方の鼻腔にティッシュや綿球を詰めて小鼻をおさえる。


子どもが鼻血を出したときの注意点

「あごを上げて、上を向かせる」のはNG!

 昔は、鼻血が出ると、あわてて子どもの顔を上に向かせることがよくありました。でもこれはレトロな対処法。

鼻血が出ているときに顔を上に向けると、鼻血を飲み込んでしまい、場合によっては嘔吐を招くことがあります。また上を向かせると、鼻血が止まったかどうかがわかりにくいので、上を向かせるのは避けましょう。

子どもの鼻血で病院へ行くのはこんなとき

ダラダラとした出血が止まらない、しょっちゅう鼻血を出す

 子どもが鼻血を出しても、適切な処置をすればたいていは5分~10分ぐらいで出血量は減ってきて、やがて止まります。「いったん鼻血が止まったけれど、遊びだしたら、また鼻血を出した」と鼻血を繰り返すこともあるでしょう。しかし何度か鼻血を繰り返しても、その日のうちにおさまるようであれば心配のない場合がほとんどです。

何か病気がかくれている可能性があり、病院へ行ったほうがいいのは次の3つの場合です。

①止血法を10分以上続けても、出血量が減らない

②30分以上、鼻血がダラダラと出つづける

③鼻血を出す日がしょっちゅうある

このような鼻血は念のため、受診して調べてもらいましょう。

全身の病気の場合は鼻血以外の症状がみられる

 鼻血が出るのは「鼻」に問題がある場合以外に、出血しやすい全身の病気である場合があります。

 鼻の病気としては考えられるのはアレルギー性鼻炎、慢性鼻炎、鼻の入り口などの湿疹など。

 全身の病気として考えられるのは白血病や血友病ですが、こうした血液の病気の場合、貧血症状や元気がない、原因がないのにあざができる、けがをしたときに血が止まりにくいなど、他の症状も見られるはずです。鼻血だけでこうした病気が見つかる可能性はゼロではありませんが、めったにありません。

子どもの鼻血を予防するには? 

爪を短く切る、興奮させない、室内の温度に注意

 子どもが鼻血を出しやすいのは、「鼻の粘膜が傷ついているとき」、「鼻の血管が拡張しているとき」です。

 鼻をしょっちゅうさわる、鼻をほじるなど、鼻の粘膜を傷つけるようなクセがある場合は、なるべく子どもに鼻をさわらせないようにすることが予防につながります。とはいっても、クセを直すのはなかなかむずかしいもの。ふだんから爪を短く切っておくと、鼻をほじっても粘膜を傷つけにくいでしょう。

 鼻がムズムズしてさわりたくなるようなアレルギー性鼻炎の場合、その治療を受けて、鼻をかかせないようにすることが大事です。

 鼻の血管が拡張するのは、暑いときや興奮したときなどです。暖房をしすぎて、いわゆるのぼせてしまうような環境を作らないこと。

遊びに夢中になって興奮状態が続いているときなどは、ママ&パパが声をかけて水分をとらせるなど、うまくブレイクタイムを作ってあげるといいでしょう。

イラスト/福井典子

監修
鈴木 洋先生
鈴木こどもクリニック院長
信州大学医学部卒。東大病院、愛育病院勤務などを経て、90年に鈴木こどもクリニック(東京都墨田区)を開院。地域の子どもたちの頼りになるかかりつけ医として、「ぞうさん先生」のニックネームで親しまれている。

あなたにおすすめ

注目コラム