あせものよりとは?予防、治療、ケアは?【症例写真付&医師監修】

 専門家監修
公開日:2019/03/12
更新日:2019/04/16
あせものよりとは?予防、治療、ケアは?【症例写真付&医師監修】
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

「あせものより」を知っていますか? 「知らない」「初めて聞いた」という人も多いのではないでしょうか。あせものよりは、その名の通りあせもが関係する肌トラブルです。あせもとの違いは? 症状や病院に行く目安は? 予防するにはどうすればいいの? など、気になる点についてドクターにうかがいました。

「あせものより」とは? その原因と「あせも」との違い

皮膚には「汗腺」という汗の出る穴がありますが、汗をたくさんかくと、皮膚がふやけてその穴がふさがれてしまいます。すると、汗が皮膚の内側にたまり、炎症を起こします。これがあせもです。あせもになると、皮膚に直径2~3mmの発疹ができます。

赤ちゃんには大人とほぼ同じ数の汗腺があり、体が小さい分、大人に比べて汗腺の密度が高くなるので汗をかきやすく、あせもにもなりやすいという特徴があります。

あせもにはかゆみがあるため、赤ちゃんや幼児は無意識にかいてしまいます。度重なるとかきこわして皮膚に傷がつき、そこから皮膚の常在菌である黄色ブドウ球菌が侵入すると、汗の出る穴の周りに炎症が起こります。炎症はやがて汗腺の奥深くまで広がり、うみが溜まってしまいます。この状態が、あせものより。多発性汗腺膿瘍(たはつせいかんせんのうよう)ともいい、あせもができやすい顔や頭、背中、おしりなどによく見られます。

あせものよりあせものよりは、あせもにうみがたまったもの

あせものよりの症状――痛み、発熱、リンパ節がはれることも

黄色ブドウ球菌が汗腺の奥深くまで感染すると、1cmほどの赤いふくらみになり、やがてうみが溜まります。痛みがあるため、赤ちゃんや幼児はぐずったり、夜泣きをしたり、哺乳量が減ったりします。

重症化すると皮膚の変化だけでなく、37.5度程度の微熱が出たり、リンパ節がはれたりするなど、全身症状が出ることもあります。

発熱イメージあせものよりが悪化すると、発熱などの症状が出ることも。

あせものよりの注意点 病院に行く目安は?

あせものよりができるのは、赤ちゃんや幼児の体にあせもができていた場合です。あせもがあった箇所にうみがたまっていることに気づいたら、すぐに病院を受診しましょう。

放置すると、うみが大きくなって痛みが激しくなるだけでなく、治療をしても跡が残る場合もあります。

あせものよりの治療法

あせものよりは黄色ブドウ球菌という細菌が原因で起こるので、治療の基本は抗生剤です。うみがたまっているだけなら塗り薬が処方されますが、発熱やリンパ節のはれなどの症状がある場合は、内服薬も処方されます。

溜まっているうみは、針で切開して出します。赤ちゃんや幼児は切開した痛みで泣くので、パパやママは心配になるかもしれませんが、うみが出てしまえば痛みもなくなり、早くラクになります。

熱が出ている場合は、風邪などで発熱しているときと同じように、水分をしっかり補給して、安静にしていましょう。

あせものよりで熱が出たときは、処方された薬を飲ませる以外に水分補給もしっかりと。

赤ちゃんのあせものよりは予防できる? 

あせもができないようにすることが第一

あせものよりを予防するには、まずあせもにならないようにすること、そしてあせもができてしまったらかきむしらないようにすることです。

あせもができないようにするためには、

①通気性のよい服を着せる

②汗をかいたらこまめにシャワーなどで流して着替える

③暑い時期にはエアコンで室温を調節する

など、汗をかいたままの状態が続かないようにホームケアをする必要があります。

寒い季節もあせもはできる。脱ぎ着の調節ができる服装を

①の通気性のよい服とは、綿素材で首回りが開いているTシャツなどです。化学繊維は綿に比べると通気性がよくありませんし、タートルネックはもちろん、ポロシャツなども首回りがつまっているので、空気の通りが悪くなります。

あせもは暑い時期だけでなく、寒い時期にもできることがあるので、寒いからといってたくさん着せるのはよくありません。Tシャツにはおりもの、ベストや帽子など、室温や気温に合わせて脱ぎ着ができる服装を心がけましょう。

ねんねのイメージ薄着にさせすぎる必要はありませんが、熱がこもらないよう、着せすぎ、布団のかけすぎには気をつけて。

あせもをつくらない入浴のポイント

②については、暑い時期にお散歩や外遊びなどで汗をかいたら、帰宅後にシャワーで流して着替えさせ、1日1回は入浴して肌を清潔に保ちます。

お湯で流すだけでなく石けんできちんと洗って、汗をしっかり落としてあげることが大切です。首や手足のシワは指で広げ、ひじの内側やひざの裏など汗がたまりやすいところも念入りに洗ってあげてください。

とはいえ、あまりゴシゴシこするのは刺激になり、かえって肌トラブルを招くので禁物です。泡状タイプでないボディシャンプーや固形石けんの場合は、よく泡立ててから、指の腹を使ってやさしく洗うのがコツです。石けん成分が残らないよう、しっかり流しましょう。

そして、入浴後には必ず保湿をしましょう。石けんで洗うと肌を保護する皮脂も落ちてしまい、そのままにしておくと乾燥して肌を守るバリア機能が低下し、肌トラブルの元になります。

また、入浴後すぐに服を着せると熱がこもってしまい、あせもの原因になることがあります。お風呂から出て、ひと息ついてから服を着せるといいでしょう。

赤ちゃんのおしりもあせもができやすい箇所の一つです。おむつの中はムレやすいので、こまめに替えて、常に清潔にしてあげてください。

入浴のイメージ暑い時期はこまめにシャワー+1日1回入浴を

夏・冬の最適な室温の目安は?

③の室温調節は、暑い時期には外気温-5度ぐらい、冬は23~25度ぐらいが適温の目安です。「汗をかかないように冷房をガンガンかければいいのでは?」と思うかもしれませんが、汗には体温を調節する働きがあり、汗をかかないとその機能が発達しません。

汗をかくことができる汗腺の数は3歳ぐらいまでに決まり、大人になってもそのままです。暑い地域で育つと汗腺は発達しやすく、寒い地域で育つと発達しにくいともいわれています。赤ちゃんや幼児のうちに汗をかく経験をすることは、汗腺の発達に欠かせません。

また、寒い時期でも、室温を高くしすぎるとあせもができる原因になります。室温+衣服でうまく調節するようにしましょう。

あせもができてしまったら……

すでにあせもができてしまった場合も、あせも予防と同じホームケア(通気性のよい服を着せる、汗をかいたままにしない、適切な室温を心がける)を続けることで、あせものよりを予防することができます。

あせもの範囲が狭く、赤みやかゆみが強くない場合は、市販の赤ちゃん用や子供用の塗り薬を使ってもいいでしょう。きちんとホームケアをして塗り薬を使っても、あせもがよくならない、あせもの範囲がだんだん広がる、赤みがましてくる、皮膚が剥けて浸出液が出てくる、かゆみが強くなるなど悪化する場合には必ず受診しましょう。

悪化するかどうかを判断する目安は1~2週間です。受診することになった際に医師に伝えられるように、毎日薬を塗るときや入浴後にあせもの様子をチェックしておくといいでしょう。

塗り薬のイメージ市販の塗り薬を塗ってもOKですが、効果が見られなかったり、悪化するようならすぐに受診しましょう。

受診すると炎症を抑えるための弱いステロイド軟膏や、非ステロイドの消炎作用のある塗り薬などが処方されるでしょう。勝手に塗るのをやめたりせず、指示どおりに使います。

かゆみがあるため、患部をかくのをやめさせるのはむずかしいものです。爪を短く切ったり、月齢が低い赤ちゃんは、寝ているときにミトンをさせたりして、かきこわさないように気をつけましょう。

赤ちゃんの手のイメージ無意識にかきこわさないよう、赤ちゃんの爪はこまめに切ります。

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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