稽留流産後の手術とは?麻酔や費用、手術後の仕事再開は?【医師監修】

 専門家監修
公開日:2019/02/22
更新日:2019/04/16
稽留流産後の手術とは?麻酔や費用、手術後の仕事再開は?【医師監修】
監修
小川隆吉先生
小川クリニック院長

流産にはいつくかの種類があり、その中の1つに稽留(けいりゅう)流産があります。稽留流産は自覚症状がないため、受診してはじめて診断されることがほとんどです。ここでは主に稽留流産後の手術について解説します。

流産とは?

流産とは、赤ちゃんがおなかの外で生きていけない時期に、妊娠が終了してしまうことをいいます。ここでいう「おなかの外で生きていけない時期」とは、妊娠22週未満を指します。この時期に胎児が子宮の中で亡くなってしまったり、子宮の外へ出てしまったりすると、流産と診断されます。

稽留流産とは?症状は?

稽留流産とは、赤ちゃんは亡くなってしまったのに、子宮の中にとどまっている状態をいいます。流産では、出血と腹痛(下腹部の痛み)が主な症状ですが、稽留流産は症状がなく、まれに少量の出血がある程度です。そのため、健診の超音波検査ではじめてわかるケースが少なくありません。ママに自覚症状がないため、診断されたときのショックははかりしれないものがあります。

稽留流産の診断

正常な妊娠では、妊娠4週の中ごろから5週には胎嚢(たいのう/赤ちゃんが入っている袋)が確認されます。そして、妊娠6~7週には赤ちゃんの姿や心拍が確認できるようになります。

ところが、稽留流産では、超音波検査で胎嚢は確認できるのに赤ちゃんの姿や心拍は確認できなかったり、赤ちゃんの姿は確認できるのに心拍は確認できなかったりします。内診をすると子宮口は閉じています。

ただし、赤ちゃんの心拍が確認できない場合、妊娠週数に誤差があることも考えられます。妊娠週数は最終生理開始日から算出しますが、排卵の遅れなどにより、実際の妊娠週数とずれを生じることがあるからです。
したがって、1回の検査だけで診断されることはなく、1~2週間ほど間隔をおいて再度超音波検査が行われます。

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稽留流産の手術

稽留流産と診断された場合、子宮の中にとどまっている赤ちゃんや胎嚢などの組織をそのままにしておくと、感染症を引き起こしたり、ごくまれにポリープができたりすることがあります。そのため「子宮内容除去術」といって、胎児や胎嚢などの組織を取り出す手術を行うか、自然に出てくるのを待つ「待機療法」のどちらかを選択することになります。

子宮内容除去術とは?

子宮内容除去術には、鉗子(かんし)やキュレットと呼ばれる専用の器具を使って、子宮の中の物を取り出す「掻爬(そうは)法」と、吸引器を挿入して吸引する「吸引法」があります。掻爬法か吸引法かは、病院によって異なります。

どちらの場合も、手術を行う前に半日ほどかけて、ラミセルもしくはラミナリア(水分を吸収して徐々にふくらむ医療器具)などで子宮口を広げます。手術そのものにかかる時間は5~10分ほどです。術後は、子宮収縮を促す薬や抗菌薬などが処方されるので、最後まで飲みきりましょう。

手術しない場合は?

手術をしない場合は、待機療法になります。流産が起きると、妊娠を終わらせるために自然に子宮が収縮します。その子宮の収縮によって子宮口が開き、赤ちゃんや胎盤のもとになる組織などが子宮の外に出るようになります。それまで経過観察をするのが待機療法です。

待機療法は、手術に比べると身体的な負担が少なく、費用も少なくてすみます。ただし、まれに子宮の中に組織などが残ってしまうことがあり、その場合は予定外の入院や、結局は手術が必要になる可能性があります。

手術か、待機療法かは、子宮の状態や病院の方針によっても異なります。ママの気持ちが落ち着いてから、医師と相談して決めるようにしましょう。

監修
小川隆吉先生
小川クリニック院長
日本医科大学卒。都立築地産院産婦人科医長として勤務する傍ら、日本医科大学産婦人科講師を兼任。1995年小川クリニックを開設。医学博士、日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医。妊婦さんの疑問や悩みに真摯に応えてくれる、気さくで頼りになるドクターです。

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